285 【突発誰歓RP】逢魔ヶ時に会いましょう
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[ >>0:526 待っているように言われ、 モップを持って奥へ消えていく姿を見送った後、 戻ってきたソフィーさんが持っていたものに 目を輝かせました。
甘い香りがするふわふわのパンケーキ。 それに添えられた黒い糖蜜は、 見るからにとても美味しそうでした ]
これ、いいんですか! ありがとうございます、ソフィーさん!
[ 突き出されたお皿を丁寧に受け取り、 別のお客さんの元へ行ってしまう彼女の背に 私は全力でお礼を言いました。
彼女の心遣いがとても嬉しいから、 私はこうやってまた元気を取り戻せるのです ]
(9) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ >>0:557 そして近くにいるレンくんが タオルで水を拭っているのを見ていましたが、]
……え?
[ 彼が眼鏡をはずした一瞬だけ、 何故でしょう、女性のように見えました。 眼鏡を掛ければ、また元通りになりましたが。
しかし、顔がいい人は中性的に見えると どこかで聞いたことがあります。 きっとそれのせいでしょう、と結論付け、 大丈夫という彼に安堵します ]
(10) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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ふふ、レンくんから若いと言われると 何だか変な感じですね。
……でも、ありがとうございます。
[ >>0:558 それでも励ましてくれているのだと ちゃんと分かりましたから、 私は嬉しくてそう告げるのです ]
(11) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ 裏の街は良くないところだと 表の街の人は言いますが、 私はそうは思いませんでした。
だってワクラバさんに会えましたし、 ソフィーさんやレンくん、 エルゴットさんやザーゴさんのように 優しい人たちがいますから。
────私は裏の街に住む人も好きなのです ]
(12) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ 糖蜜をかけたパンケーキは 口の中で甘く広がり、 ふんわりとした食感がして、 頬が落ちるように美味でした。
幸せが味になるなら こんな味に違いありません。
そう思っていた時、私は見てしまいました。
ソフィーさんが、お客さんのウサギさんに 抱きしめられているところを!>>5]
(13) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ 大人しく抱きすくめられているソフィーさん。 もしかしてあの方は恋人なのでしょうか!
パンケーキを食べながらも、 ドキドキしながらチラチラと 事の成り行きを見守ります。
これは、お祝いが必要でしょうか。 いや、気が早いでしょうか。
パンケーキを食べながら その光景にニコニコとしていた私は、 気付いていませんでした。
彼がソフィーさんに何と言っていたのかを ]
(14) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ 異変に気付いたのはその直後。
見守っていたソフィーさんの背中に、 何かが突き立っていました。 私は表情を失って、固まりました。 騒がしかった店内が静まり返ります。
しかし、すぐにその場は悲鳴に包まれました。 我先にとお客さんは逃げ出します。
でも、私は血濡れた彼女から目が離せませんでした ]
(15) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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ソフィーさん!!
[ 私は倒れている彼女に近づこうとしました。
でも、そのとき、 彼女を刺したその人の目が、私に向きます。 ぴょんと地を蹴ったその足が、 私の元へ届いたのは、一瞬でした ]
(16) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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「そんなにこの人が大事かい? なら、君も一緒に連れて行ってあげるよ」
(17) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ 腹部に感じる冷たい感触。 けれど、それは一瞬のことで、 次の瞬間には痛みと熱が襲い掛かりました。
私を刺したその人は穏やかに笑った後、 得物を引き抜いて、群衆へと跳びます。
悲鳴をあげそうになるのを堪えながら、 激しい痛みに涙が零れ落ちました。 ですが、彼女を助けなければなりません。 それが私の役目なのですから。
倒れている彼女までの距離が とてつもなく遠く感じました。 それでも私は這って、近づこうとして、 ────あと少しのところで、力尽きました ]
(18) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ せめて、私の“血”を 彼女にあげることができれば─────
そう思いますが、 もう身体のどこも動かせませんでした ]
ごめん、なさい……ソフィー、さん……。
[ 優しくしてくれた貴女を助けたかった、のに。
霞む視界に映るソフィーさん、 そして、レンくんやザーゴさん、 お店に来ていた方々の無事を祈るしか もう私にはできません。
瞼は眠るように閉じられ、私は意識を失いました ]*
(19) 2018/10/08(Mon) 14時頃
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[ 物心ついたときから母親はいませんでした。 私にいたのは、パパだけです。
母親のことをパパに尋ねたことはありましたが、 パパは何も教えてくれませんでした。 どうして家にいないのかも、 どんな人だったのかも、名前すら、何も。
けれど、母親のことを尋ねると パパは機嫌が悪くなるので、 いつしか尋ねることをやめてしまいました。
そして、パパには持病がありました。 放っておくと命に係わる病気です。 けれど、その病気を治す薬は開発中でした。
そして幼いころの私は、自分の役目が何か教えられました。
“病気で苦しんでいる人々を救うこと” 私の遺伝子があればそれができると、パパは言いました ]
(27) 2018/10/08(Mon) 15時半頃
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[ 私は喜んで役目に従いました。 だってたくさんの人を助けられるし、 パパの病気も治せるかもしれません。
だから、血が欲しいと言われれば、私はそれを差し出しました。 検査を受けるように言われれば 硝子の森と呼ばれる建物へ付いていきました。
気分が悪くなることもありましたが、 人のためになるならと、断ることはありませんでした 。
研究が進み、私から採った血を使った薬が、 人の病気に効いたと知ったのは、それから何年も経った後でした。
その時の事は、よく覚えています。 私が人のためになったのだと知って、 誰かを救えたのだと知って、それはそれは、感銘を受けました。
これからももっと多くの人を助けられればいいと、 注射針の跡だらけの腕を撫でながら思いました ]
(28) 2018/10/08(Mon) 15時半頃
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[ ──────ですが。
“多くの人を救いたい”“パパの病気を治したい” 二つの願いは両立しないことを知りました。
三年前。 パパの病気を治す薬の作り方が分かりました。 ただしそれに必要な材料に、耳を疑いました。
必要なのは、私の心臓、でした。
パパは、笑っていました。 私は、言葉を失っていました。
私は、死にたくはありませんでした。 殺さないよね?と尋ねた気がします。 でも、パパは、違うようでした。>>0:332
殴り掛かられ、首を絞められて、]
(29) 2018/10/08(Mon) 16時頃
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[ それからのことは、あまり覚えていません。 気付いたときには、私は服も髪もぐちゃぐちゃで、 パパは階段の下に倒れていました。
私が、突き落としました。 頭から血を流すパパは、もう動きませんでした。
────嗚呼、でもこれで良かったのでしょう。
>>0:333 私はそう思って、笑って、そして泣きました。 何が悲しいのかも、よく分からないまま。
暫くして、私は彼に電話をしました。 パパから聞いたことがあったのです。 「なんでも屋」の存在を。
そして電話が繋がった先の彼に、私は依頼しました。 「人を殺してしまったので、事故死に偽装して欲しい。 報酬はできる限りのものを用意する」と ]*
(32) 2018/10/08(Mon) 16時頃
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[ ────目が覚めた時、私は床で寝ていました。
また、ザーゴさんに叱られると 寝ぼけた頭で思いましたが、 覚醒するにつれて思い出しました。 先ほど何があったかを。
私は慌てて辺りを見回しました。 騒がしかった店内に、 先ほどの私を刺したウサギも 逃げ惑うお客さんもいません。
ですが、それ以外の影は、 はたしてその場にあったでしょうか ]*
(35) 2018/10/08(Mon) 16時頃
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オーレリアは、レンくんに感謝してパンケーキをおすそわけした。
2018/10/08(Mon) 16時頃
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[ >>56 倒れていたソフィーさんが、 いつものように軽快な動きで跳び起きました。 私はその突然の動きに驚きましたが、 彼女が元気な様子だったので、安心しました ]
ソフィーさん、大丈……
[ >>57 夫、と。 掛けようとした声は、怒声に掻き消されました。 怒りで興奮した様子の彼女に、 私は目を瞬くしかありません。
唖然として見守っていると、その姿は あっという間に見えなくなってしまいました ]
(84) 2018/10/08(Mon) 19時半頃
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[ 刺されたはずのソフィーさんが 何故あんなに元気なのか。 疑問はありましたが、 彼女が元気なのでよしとしましょう。
……そういえば、私の怪我も消えているようです。
そして消えているのは人や傷だけではなく、 血だまりの跡もありません。 まるで、初めから何もなかったかのように。
その時、聞こえてきた声に 私は振り向きました。>>70
……死ぬ? まさか。では、今の私は、何? ]
(85) 2018/10/08(Mon) 19時半頃
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……ザーゴさん。 私、ちょっと外に出てきますね。
[ さっきの出来事は、夢だったのでしょうか。 それにしては、はっきりと覚えているのです。 刃が身体を刺し貫く感触も、その痛みも。
訳が分からずに、 先ほど座っていた場所に置いていた鞄を持って、 私は店の外へふらふらと歩き出しました。
……ソフィーさんが作ってくれた パンケーキも、なくなっていました ]
(86) 2018/10/08(Mon) 19時半頃
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誰も、いない……。
[ いつもは多くの人と喧噪に溢れているのに、 店の外は静かで、誰もいません。 まるで世界に取り残されたようです。
先ほどまでは明るかった空の色も、 夕暮れ時のような、いえ、 それよりももっと不気味な色をしていました ]
(87) 2018/10/08(Mon) 19時半頃
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[ 持っていた携帯電話を取り出します。 映し出されている時間は、 10月10日午前10時10分10秒。
────で、止まっていました。
もしかして、あちらが夢ではなく、 今の私が夢なのでしょうか。 もしくは、これが走馬燈……?
確信は得られぬまま、私は人無き街を歩きます ]
(88) 2018/10/08(Mon) 19時半頃
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[ 人の足音を聞いたのは、 それからしばらく経った後。 廃棄横丁に差し掛かった時だったでしょうか ]
ティエークちゃん……?
[ 白い帽子をかぶった小柄な背が、 一生懸命駆ける姿を見かけました。>>55
彼女には依然、 迷い込んだ先で見付けた図書館で 出会ったことがありました。
……その時は帰り道が分からず、 案内をお願いしたことがあったかもしれません。
どうしたのだろうかと、呼びかけましたが、 彼女が止まらなければ、そのまま見送るでしょう ]*
(89) 2018/10/08(Mon) 20時頃
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― 記録のその先・2 ―
お元気なら良かったです!
私は表の街から来ました。 そうそう、この間政府庁舎にある 庭園にいったら凄く綺麗な花があって……
[ >>0:590 その人に会いに行くようになったのは、 今から三年ほど前からでした。 毎日会っているわけではありませんでしたが、 裏の街に行くときは姿がないか捜していました ]
(90) 2018/10/08(Mon) 20時頃
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[ >>0:591 交わされる挨拶も話も、毎回同じ。 忘れられているのだと分かっていも、 私は気にすることなく、飽きることもなく、 蕪の頭を眺めては、笑いかけるのです。
けれど、その問いがいつもと異なった日、 私はいつものように笑えませんでした ]
はい……この間振りです。ワクラバさん。
[ >>0:592 忘れられていなかった。 そのことが嬉しくて、少しだけ涙ぐみました。
未だに名前を憶えられていなくても、 行く先を覚えられていなくても、 会ったことを覚えてもらえるだけで良かった ]
(91) 2018/10/08(Mon) 20時頃
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[ いつか話してみましょうか。 私もワクラバさんと同じで、 植物の遺伝子を持ってるんだって。
その時のことを想像したら なんだかとても、楽しい気がしました ]*
(92) 2018/10/08(Mon) 20時頃
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ティエークちゃん! ……どうしたの?
[ >>103>>104 呼びかけた声は彼女に届いたようでした。 勢いよく駆けてくる彼女に、 私はしゃがんでその背を抱きとめました。
図書館に迷い込んだ日。 道が分からず困っている私に、 手を差し伸べてくれた彼女は誇らしげでした。
案内してくれたその姿は頼りがいがあって、 でも、可愛かったことをよく覚えていました ]
(122) 2018/10/08(Mon) 22時半頃
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[ けれど、今日のティエークちゃんは 不安げな様子を隠しもしない様子でした ]
泉に!? 大丈夫だった?濡れてない……?
[ 見たところ大丈夫そうでしたが、 それでも大事がないかは、心配でした。
そう尋ねながらも、彼女が語る状況は 少し私のものに似ていると気付きます ]
(123) 2018/10/08(Mon) 22時半頃
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私もさっきその…… ちょっと、死にそうになって、 でも気付いたらこんな風になってたの。
[ 流石に、子どもの彼女の手前、 人に刺されたとは言えず、適当にぼかします。
そうして、迷子のように見上げる彼女に 私はその頭を帽子越しに撫でて微笑みました ]
(124) 2018/10/08(Mon) 22時半頃
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大丈夫よ、ティエークちゃん。
そうね…… ちょっと表の街の様子を見に行かない?
そっちには人がいるかもしれないし、 政府庁が何か通達を出しているかも。
[ ティエークちゃんに手を差し出しながら、 とりあえず提案してみたのはそんな事。
けれど、 彼女がもし嫌がるならそちらに行くのは止めるか、 私の家でちょっと休む?と問い直しましょうか ]*
(133) 2018/10/08(Mon) 22時半頃
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オーレリアは、ロイエさんにレモンキャンディを差し出した。
2018/10/08(Mon) 23時頃
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― 微睡みの後・2 ―
[ >>0:519>>0:520 彼の警戒心とは裏腹に、 私は朝まで死んだように眠り、 荷物の確認をしていたときも その視線には気付いていませんでした。 そのような事には、慣れていなかったのです。
そして、ザーゴと名乗ったその方は 静かに私を諭してくださいました ]
はい……仰る通りです。
[ 往来で眠りこけるなんて、 裏の街どころか、表の街でもしてはいけません。 私はただ、項垂れるしかありませんでした ]
(144) 2018/10/08(Mon) 23時頃
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[ しかし、一つ助かったことがあります。
“ヒトなのか、混ざりモノなのか” それをもし尋ねられていたら ちょっと困っていたでしょう。
貴重で、有用な“材料”だと、 知られることは良くないことでしょうから。 ……パパの時の、ように。
( >>0:517 最も、その正体の一端を 彼が知っていることは知りません。 ……私からは僅かに、 その植物の香りがするらしいのです )]
(145) 2018/10/08(Mon) 23時頃
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[ >>0:521 そして項垂れているところに 呼ばれた名前に顔を上げ、 問われたことに目を泳がせます。
裏の街の事はある程度知ってはいましたが、 居住区になると、場所によっては、 全く見知らぬ土地かもしれません。
しかしこれ以上お世話になるのは……と、 板挟みになっていると、ザーゴさんの様子が ちょっとおかしい事に気付きます。 視線が彷徨っています。
そして途切れた言葉のその先に、 私はピンときました。 同時に、返礼の方法を思いつきます ]
(146) 2018/10/08(Mon) 23時頃
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あ、あの! よければお礼に、朝ご飯をご馳走します! 足りなければお昼も! ザーゴさんの好きなお店で!
……それで、見知った道に出れば、 そこからは帰れますので、大丈夫です。
[ どうでしょうか?と伺うように彼を見つめます。 ですが、彼が別のものがいいというならば 勿論断るつもりはありません。
どちらにせよ、その日彼にはお礼を言って、 私の連絡先を渡したでしょう。 病気の時や怪我の時は教えてくださいと、告げて ]*
(147) 2018/10/08(Mon) 23時頃
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オーレリアは、ンゴティエクちゃんの手をぎゅっと握り返した。
2018/10/09(Tue) 00時頃
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[ >>155>>156 落ち着かない様子のティエークちゃんを 安心させるように、私はその背を撫でました。 泉に落ちた上に、誰もいなかったら、 不安に思うのも当然でしょう ]
うん、私は大丈夫。 私もよく、分かってないんだけどね。
[ 直接見てはいませんが、 刺されたお腹を触っても痛みも何もありません。 だから、きっと大丈夫でしょう。
ティエークちゃんも 泉に落ちたと言っていましたが、 特に問題は無さそうですし ]
(183) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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[ >>157>>158 ぱっ、 と、重ねられた手に、 ちょっとだけ驚きましたが、 私はすぐにその手を握り返しました。
心ここに在らずと言った様子で呟く彼女に、 母親を捜す私の姿が重なって────、 私は微笑みました ]
(184) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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捜してみよう、ティエークちゃん。 私も一緒に付いていくから。
うん、大丈夫。 ちゃんと繋いでるよ。
[ >>159 彼女の決めたことに私は反対しませんでした。
私も母親を捜すために、 たくさんの人のお世話になりましたから。 今度は私が彼女の力になりたかったのです。
誰かがいたら、私の背に隠れていいからねと 帽子を深く被り直す彼女に伝えて、 表の街に繋がる道へ、二人で並んで歩き出します ]
(185) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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― 表の街 / 公園 ―
[ ────結果として。 表の街にも人はいませんでした。
どこの通りを歩いても、 どこの建物を見遣っても、 人の気配はありません。 建物だけを残して、人が消えてしまったよう。
休憩がてら、公園に寄って ティエークちゃんにベンチを勧めました。 普段は賑わっているこの場所も、 今ここにいるのは私と彼女の二人だけ ]
(186) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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ティエークちゃんのお父さんって どこにいるか知ってる?
……あの、硝子の森かな。
[ 街の中心区にある背の高いビル群を指さします。 かつて、私のパパがいた場所でもあります。
……そういえば。 以前あの場所で一人の研究者の人と 会って話をしたことがありました。>>0:563
心なしか、痛ましげな表情をしていた、ような。 私の気のせいかも、知れませんが。 ( その時、彼が聞いてしまった事は、 ……私は知りませんでした>>0:564 )]
(187) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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[ けれど、私は一つ思いつきました。 そして悪戯っ子のように彼女へ顔を向けるのです ]
あそこね、 普段はセキュリティが掛かってるんだけど、 人がいない今なら、もしかして入れるかも?
[ もし、彼女がお父さんを捜すなら、 あの建物にある情報は使えるかもしれません。 最も、本当に入れるかどうかは 実際に行ってみないと分かりませんが ]
(188) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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[ あまりに非日常なことばかりで、 私の神経は少し麻痺してしまったのかもしれません。 これは夢なのだろうと思う気持ちも 心のどこかで少し、ありました。
それでも一つ思い出したのは、]
……ティエークちゃん。 もし私が急に眠たそうにしたら、 ビンタして起こしてくれると嬉しいな。
[ 空は夕暮れですが、 時間は午前中という状況ですから、 今が朝なのか昼なのか夜かもわかりません。
なので、万が一そんな状況になったときのために、 あらかじめ彼女にお願いをしておくのです。
いまは、助けてくれた人も、 保護者になってくれた人も、いないのですから ]**
(189) 2018/10/09(Tue) 01時頃
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[ >>233>>234 嬉しそうに立ち上がる彼女の様子に 向かうべき場所は決まりました。
早速行こう!と まるでピクニック気分だったそのとき、 困惑するティエークちゃんに目を瞬かせます ]
あっ、うーん…… 病気じゃないけど、先天的なもの?
あのね、私、その、 植物の遺伝子を持ってるの。 だから、夜になると眠くなっちゃって。 ザーゴさんに前、怒られちゃったし……。
[ えへへ、と誤魔化すように笑って、 それからもう一度携帯電話の時間を見ました ]
(268) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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……?
[ 時間が止まっていた、と思っていましたが どうやら勘違いだったようで、 時間はちゃんと動いていました。
けれど、普段の私なら とっくに活動を止めている時間なのに、 何故か眠くありません。
これなら大丈夫かもしれない、と思いましたが、 彼女も頷いてくれましたし、一応、念のため、 お願いの取り消しはしませんでした ]
(269) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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[ >>235 ティエークちゃんとまた手を繋ぎ、 公園を抜けて硝子の森へ向かいます。 いつもなら、昼でも明かりがついているはずなのに 今はどの窓も暗いままでした。
その時、ふと彼女が空を見上げるので、 私も釣られて見上げました ]
そういえば、無用な外出はしないように、って テレビで言ってたね。
惑星が近づいてくることと関係があるのかな? あ、みんながいないのって 外出してないから……?
[ そうだとしても、あまりにも人気が無さすぎますが。 明確な答えは出ないまま、 硝子の森の入口へとたどり着きます ]
(270) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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[ いつも入り口にいるはずの守衛の姿はありません。 セキュリティが作動していることを示す ランプも付いていません。
普段なら、定期的に通っている私と違い、 裏の街の住人のティエークちゃんは 入口すら通れないはずですが、 その日はなんなく通ることができました ]
やった!入れたよ、ティエークちゃん!
[ わーい、と悪戯が成功した子供みたいに 彼女とハイタッチをしようとしながら、 やはり人気のないビルの中を進みます。
建物の中のことはある程度知っていましたから、 エレベーターに乗って、遺伝子の情報が 置いてあるであろうフロアまで行きました ]
(271) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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……誰もいないね。
[ 目的の階までたどり着き、 エレベーターの扉から通路を伺いますが、 やはりそこにも人はいません。
そろそろと、廊下を進み、 ある部屋の扉の前まで行きます。 ……扉にも鍵は掛かっていませんでした ]
(272) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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いつもならここに知ってる人いるんだけど、 ……いないね。
[ 知り合いどころか、 やはりこの部屋にも人はいませんでした。 誰かいれば、彼女の父親について聞けたのですが。
その時。 私は、棚に並んでいるファイルに目を留めました。 そういえば、検査にここできたとき、 研究員の人があのファイルを見ていた、ような ]
(273) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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ティエークちゃん、多分あのファイル、 遺伝子操作した人の資料があるの。 ちょっと見たいから、 待っててもらってもいい?
[ もしかしたら、母親のことが分かるかもしれません。 私は、少し緊張した面持ちで ティエークちゃんを伺ったでしょう。
もちろん、彼女が他のフロアを回るなら この部屋で待っているつもりです。 資料を見たいというなら、必要な資料を探しましょう ]*
(274) 2018/10/09(Tue) 22時頃
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― 硝子の森の中 ―
[ その人と初めて会ったのは、 私が定期検査を受けに 硝子の森へ来た時の事でした。
パパは私を研究員の人へ預け、 どこか別の場所に行ってしまいました。 そしていつものように検査を受け、 パパを待っていた時にその人は現れました ]
(282) 2018/10/09(Tue) 22時半頃
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[ >>209 私とそんなに歳は変わらないように見えました。 ですが、どうやらパパを知っているようです ]
はい! ちょっと冷たい時もありますけど、 人のために頑張ってるパパは好きですよ。
ええと、貴方はパパの同僚の方ですか?
[ それにしては、若く、 パパとは少し歳が離れているように見えますが。
それでもこの日を境に、 私はレオナルドさんと話す機会が増えたでしょう。
……彼がパパをどう思っているか、知らずに ]*
(283) 2018/10/09(Tue) 22時半頃
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うん、いってらっしゃい! 気を付けて行ってきてね。
迷子になったら大声出して。 そしたら迎えに行くから。
[ >>302 探検してくるという彼女を、 私は笑顔で見送りました。
……この空の下で最初に会った時は、 とても不安がっていた彼女が、 今はとても元気な様子なので、>>300 ここに連れてきて良かったと私は思います ]
(317) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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[ ──ティエークちゃんが私の妹だったらな。 そんなことを思うほどに、 私は彼女のことを好いていました。
最初会った時はその見た目に驚きましたが、 慣れればどうということはありません。
見た目が普通の人間よりも、 心根が優しくて、可愛い彼女の方が 一緒に居て心地よかったのです。
だから、彼女の願いが叶えばいいなと 私は駆けていく小さな背を見て思いました ]
(318) 2018/10/10(Wed) 00時頃
|
|
[ それから私は、部屋の中へ戻りました。 棚の中に並ぶファイルは アルファベット順に並んでいました。 探すのは“Aurelia・Garnet”のラベル。
……ありました!
棚からそのファイルを抜き出して、 パラパラと中身を捲ります。 手前は、最近の検査結果のようでした。 私が知りたいのは一番最初。
そのため、一気に最後のページまで ファイルを捲って────…… ]
(319) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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|
…………、え。
[ 私の名前が先頭に書かれた書類。 その下、両親の名前の欄。
に、書かれていた父親の名は、 ・・・・・ 知らない人の名前でした。 パパの名前では、ありませんでした。
どういうことかと思い、よく見ようと、 その書類をクリアポケットから引き抜けば、 下から別の書類が現れます。
その書類に目を通した時、私は凍り付きました ]
(321) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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──────……。
[ カタカタと指先が震え、 どくどくと心臓が煩く鳴ります。
“売買契約書”
書類にはそう書いてありました。 売主は、私の両親と思われる人の名前。 買主は、パパの名前。
そんな書類が、どうして、 私の名前のファイルに入っているのでしょう ]
(322) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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[ “遺伝子操作の決定権は買主にある” “売主は子が生まれた場合 速やかに買主に売り渡すこと”
書類の文面の一部に目を疑いました。
どうして、と、自問自答しますが 導かれる答えは一つしかありません。
……だとすれば、私は今まで、何のために、]
(324) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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|
[ ……いいえ、これはきっと夢です。 だから、気にすることはありません。
どうして私が知らない名前が 出てきたかは分かりませんが、 きっと昔読んだ小説か何かで見たのでしょう ]
(325) 2018/10/10(Wed) 00時頃
|
|
[ もしも、夢じゃなかったら? ]
(326) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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|
[ ………… ]
(327) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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|
[ 未だ、鋸で心臓を切り裂かれた心地がしたまま、 書類もファイルも元の場所に戻しました。
────沈黙が、落ちます。 私は黙って空間を眺めていることができず、 窓辺に寄って外の景色を眺めます。
空の色は変わらず不可思議な色をしたまま。 けれど、それが先ほどより もっと昏い色をしているように、見えるのは、]**
(328) 2018/10/10(Wed) 00時頃
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