22 共犯者
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ヘクターは女好きなの……?
[不思議そうに瞬きしてピッパを見詰めた]
んー…、 私の事は子どもだと思ってるんじゃないかな。 だって、そんな素振りないから。
[両手をあげてほえてみせるピッパに思わず破顔した]
かわいいクマさん。
[襲われるのはピッパの方じゃないかと思ったけれど 此処で言うのは躊躇われ口にはせずに]
杞憂だとは思うけど…… そうすることにする。 話が聞けたらピッパにも教えるね。
(40) 2010/08/02(Mon) 03時頃
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長老の孫 マーゴは、漂白工 ピッパを証の葉を取りに行こうと誘い、森の奥を見詰める**
2010/08/02(Mon) 03時頃
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[ピッパの言>>41に娘はふるふると頭を振る]
ピッパは冷たくないよ。 こうして話して撫でて呉れたし 人の為に心を痛められる人が優しくないわけ、ない。 感情の起伏、は…… テッドと比べたら少ないかもしれないけど 私よりもずっと多いと思うし。
[比べる対象が間違っているような気がしたが 咄嗟に思い浮かぶ対象が少ないのも事実で。 ぐ、と拳を握り締めて言い募る様は 娘なりの一生懸命さが醸し出されていただろうか]
難しい……、かな。 でも、優しい村になって…… 笑顔が増えれば、素敵だと思わない?
[長老達に囲まれて人形のようと言われていた娘は 人間らしい希望に満ちた笑みを彼女にのみ見せた]
(51) 2010/08/02(Mon) 15時頃
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そんな事、言ってたんだ……。 それは確かに言わなきゃいいのにね。
――……?
[子供だと思ってた方が危ない、との言葉の意味が分からず こてりと不思議そうに首を傾げてピッパ>>42を見詰める]
気をつけるから、ピッパも気をつけて、ね。 慣れない儀式の空気に酔ってよからぬ事を考える人が いないとも限らないし。 戻ったら絶対、おかあさまのナイフを身につけて。 銀なら破魔の効果があると言われてるから…… 力がなくとも正気に戻すくらいは出来るかも。
[怖さの例え話には複雑そうな面持ち。 一瞬ではあるが女装したニールの姿が浮かんだようだ]
ん、それは怖いね。 わかったわ。ちゃんと話に行くから、聞いて、ね。
(52) 2010/08/02(Mon) 15時頃
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[ピッパと共に奥を目指せば証となる柊の木があった。 木の枝から葉を一枚取りゆると空を仰ぎ見る。 徐々に満ちてゆく月が煌々と空にある。 太陽が昇ればその存在は薄れ人の眼には映らなくなる其れ。 少しだけ疲れてしまったから其処で一休みしていれば 後続の――ミッシェルもまた其処に辿りつこうか。 無事である事に安堵して二人が柊の葉を手にするを見届けて]
――…帰ろう。
[声を掛け来た道を戻る事にした。 十二人の巡礼者。 そのうち一人が欠けた事は知っている。 供物となった村長夫人。 彼女の存在で『御使い』は満足するのだろうか。 過ぎる不安を胸の奥に押しやって歩き続ける。 森を抜ければミッシェルへと握り締めた儘の手を差し出す。 ありがとう、と彼女に感謝の言葉を向けて 心強くあったペンダントを本来の主へと返すことにした]
(53) 2010/08/02(Mon) 15時頃
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― 広場 ―
[歩きなれぬ森を彷徨った娘が広場に戻る頃には ぐったりと疲れ果てた様子だった。 祖母の姿を探してか長老達の集まる方へと近づく。 聞こえくるはオスカーの宣言>>46]
リンドクヴィスト家が絶えた今…… アレクサンドル家の者が長の座を継ぐは妥当と存じます。
[祖母は家で待っているのか其処に姿は見えなかったから ラトル家の代行として凛とした声を発した。 オスカーに語りかける記者>>50をチラと見遣る]
――…そう。 決めるのは私たち。
[独り言のように呟いてスカートの裾を翻した。 娘にもまだ何が良くて何が悪いのかはっきりとは分からない。 けれど、娘の心の中には理想とものが確かに在る]
(60) 2010/08/02(Mon) 16時頃
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― ラトル家 ―
[娘は祖母の待つ家に戻る。 扉を開けようとして『咎の牒』が掛けられている事に気付いた。 じ、と暫く其れを見詰め、ふるりと首を振るう]
おばあさま、ただいまもどりました。
[声を掛けて娘は家の中に入る。 無事に帰った孫娘の姿にナタリアは安堵したようだった。 村の者が逐一報告に来ているらしい。 見聞きした事の殆どがナタリアの耳に入っていた]
私は誰にも死んで欲しくないの。 そう、思ってしまうのは、いけない事……?
[ナタリアは何も言わず孫娘の頭を撫で続ける]
(61) 2010/08/02(Mon) 16時半頃
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[祖母に甘えるように寄り添う時間は束の間の事。 娘は奥の間を辞すると浴室へと向かった。 衣服を脱いで守り刀を置き、湯船に身を浸す。 常ならば多くの布で隠された肢体は柔らかな曲線を描いている。 頼りなく見える両の手で湯を掬いそろと目を閉じた]
――…識るははじまり
[紡ぐ言葉は伝わるまじないの一節]
――…識るはおわり
[相反する言葉を口にして思い浮かべるは 娘が識ることを望んだ男の相貌]
巡り巡る縁の先に 見出すは誠の証――…
[ゆる、と両の手で見えぬ何かを包み込む]
(69) 2010/08/02(Mon) 17時半頃
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[水は媒体。 触れる事の代わりに血脈に見立て其れを用いる]
――…ッ、
[ツキ、と胸が痛んだ。 娘の表情に翳りが帯びる。 ゆっくりと開かれた眸に宿る感情の名を娘は知らない]
――…如何して、違うの。 ヴァンルナール家の者のはず、なのに。 如何して、異質な血が、混じっているの……?
[信じられぬといった風情でゆるゆると頭を振るう。 力なく解かれた両の手からは水が零れゆく]
(70) 2010/08/02(Mon) 17時半頃
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――…何かの、間違い。
[娘にとってヘクターは頼れる兄のような存在で だから齎された結果に途惑いが隠せない。 顔を両の手で覆い俯く娘の肩が小さく震える]
如何すれば、良いの?
[識る事を望んだのは間違いだったのだろうか。 彼自身と話してみてから、考えよう。 そんなことが浮かべばゆると手が下ろされる。 露になる娘の貌には途惑いと哀しげな色が滲んでいた。 湯から上がり虚ろに身支度を整えていれば 戸口から聞き覚えのある声が響いた。 湿り気を帯びた髪を気にしながら娘は扉を開ける。 其処にはよそいきに見える格好をしたホリーの姿があった]
ホリー……? 如何したの?
[巡礼者である彼女も身体を休めているだろうと思っていたから驚いたような表情が浮かぶ]
(74) 2010/08/02(Mon) 17時半頃
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長老の孫 マーゴは、首を傾いでホリーの言葉を待っている**
2010/08/02(Mon) 18時頃
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― 回想・広場 ―
[娘は記者>>80の声に一度足を止めた]
私は……
[ゆる、と口を開く]
見守るだけなら邪魔とは思いません。 事実を記録すること自体、否定する気もありません。
この祭の終焉まで……? なら、最後まで見届けて――…
わたしはわたし。 あなたはあなた。 互いの信じる道をゆけば良い。
[村の者ではない彼になら見届ける事が出来るかもしれない。 娘は記者に小さく頭を下げて再び歩みだした**]
(84) 2010/08/02(Mon) 18時半頃
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― ラトル家 ―
[笑み浮かべるホリー>>85が祖母に用があると知れば 彼女を奥の間へと案内した]
「話は聞いているよ」
[ナタリアは交代の挨拶を受け細い眼差しを更に細くする]
「態々御苦労なことだね。 挨拶に来たということはホリーが継ぐのかい? それとも二人で、かねぇ」
[還る可能性を示されれば老婆は顔を曇らせた]
「今度は二人でおいで。 おいしいお菓子を用意して待っているからね」
[老婆にとっては孫娘もホリーも子供にしか見えぬのか 次への望みを込めてそんな言葉を向けた]
(89) 2010/08/02(Mon) 20時頃
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「それは神のみが知るところ。 巡礼者の全てが神の元に召されるわけではないからね」
[無理と言うホリーにナタリアが向けたのは 否定でも肯定でもなく望みを繋ぐ言葉]
「――嗚呼、待っているからね」
[年老いた祖母の言葉に娘はふとホリーを見遣る。 昨日見た彼女とは違う。 何時も通りのように見える彼女]
ホリー、夜にはまた巡礼があるだろうから…… 休める時に休んでおかなきゃ…… オスカーが……ううん、私も、だけど 心配してしまうよ……
[娘は案じるように声を掛けた]
(92) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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長老の孫 マーゴは、記者 イアンはまた巡礼についてくるのかな、とふと考える。
2010/08/02(Mon) 21時頃
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――…お疲れさま。 うん、ありがとう。
[ホリーに仄かな笑みを返して祖母と二人で彼女を見送る。 ひらひらと振っていた手を下ろせばふ、と吐息を零した。 彼女が長老達の家を巡ったのであれば ヴァンルナール家にも行ったのだろうか。 思案するように柳眉を寄せればぽんと祖母に肩を叩かれる]
……何でもないの。 心配しないで……。
[祖母を安堵させようと微笑んで]
少し気になる事があるから……
[出掛けてくる、と言葉を残して娘は家を出た]
(107) 2010/08/02(Mon) 22時半頃
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― 広場 ―
[ヴァンルナール家に向かおうとしていた娘は 気づけば広場に足を向けていた。 心の中に未だ迷いがあったから寄り道をしてしまった。 広場では年配の者が集まり何か話している。 娘はそろと近付いて]
何のお話をしているのですか?
[こと、と首を傾げてみせる。 そうすればノックスの頭部が森で見つかった事が聞けた]
――…嗚呼、ノックスが……。
[柳眉を顰め物憂げに眼差しを伏せる。 頭部のみ、それはソフィアの最期を彷彿させた]
(115) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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― 広場 ―
[村長夫人のあの言葉は『御使い』には届かなかった。 そんな事を思う娘の貌は翳りを帯びていた。 あの言葉に反発していたのは、誰――? 誰かの姿がすぐに浮かんだけれどふるふると首を振るう]
――……、……。
[腿に嵌まるガーターベルトには守り刀が納まっているのは いつもの事――なれど、其れを使う気などは余り無い。 ラトルの血筋を守る為に銀の其れをお守り代わりに持っているだけ]
話さなきゃ、いけない、けど……
[ぽつ、と呟くのだけど、迷うように眼差しが揺れる]
(136) 2010/08/02(Mon) 23時半頃
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― 広場→墓地 ― [迷う娘が耳にするのは小母様方の噂話。 村長夫人を生贄としたヘクターが墓地にいる、と。 そんな言葉が聞こえてきて娘は柳眉を顰めた]
――…それは何時の話、ですか?
[話していた年配の女に問い掛ける。 少し前よ、などと言われて娘はぺこりと頭を下げた]
ありがとうございます。 私、ヘクターに話さなきゃいけない事があるの。
[言葉にすれば少しだけふっきれたようで 駆け出した娘の眸はまっすぐ前だけを見詰めていた。 墓所に辿りつけば其処には大きな影>>144がある]
ヘクター、……。
[名を呼んで彼の傍へと歩み寄る]
(153) 2010/08/03(Tue) 00時頃
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― 墓地 ―
[ヘクター>>159はいつもと変わらないように見える。 彼の家の墓へと眼差しを向けて祈る仕草。 それからヘクターへと向き直り、じ、と見詰める]
ご先祖様を大事にしているのね。 ヘクターも怖いこと、あるの……?
[ことりと首を傾げて。 如何したと問われれば困ったような顔をして]
ヘクターはヘクターよね。 ヴァンルナール家の子息で…… 優しくて、でも、頼りになって……
[確かめる為に紡いだはずの言葉。 話すべきは其処からではないとわかっていた。 けれど、説明することが難しくて上手く言葉に出来ないらしい]
(164) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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長老の孫 マーゴは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
長老の孫 マーゴは、双生児 オスカーに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
長老の孫 マーゴは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
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――…怖いから、引き金を引いた? ヴァンルナールの当主に言われて…… 儀式を遂行するために、仕方なく……?
[そうであって欲しいという思いが言葉になる]
………求婚したら、受けて呉れるの?
[ことりと首を傾げるけれど 恋い焦がれるような感情を娘はまだ知らずにいた]
褒めたつもりはないのだけど。 だって、私はヘクターの事、頼りにしてるもの。
[話してみればやはりいつもと変わらない]
――…ね、少しだけ屈んで。
[両の手を伸ばして抱擁をねだるようなそんな仕草を見せた]
(177) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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[動揺するヘクター>>186の様子が何だか可愛くて 少しだけ愉しそうな笑みが浮かんだ]
ヘクターは私が昔から知ってるヘクターなんでしょう? それなら、良いよ。 ヘクターのこと、好き、だから。
[頼りになる兄のような存在。 そんな彼に対する思いは憧れにも似たもの]
あなたのこと、識りたい。 識って支えになりたいと、思う。
[ポツと紡いで彼の肩に華奢な腕を絡めた。 ぎゅっと抱きしめ肌を重ねれば識れる血脈]
(194) 2010/08/03(Tue) 01時頃
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[やはりヘクター>>202の中に異質な、人以外の気配を感じてしまう。 優しい抱擁に甘えるように擦りより]
変わらない、なら、ヘクターは『御使い』様じゃ、ない? そう、だったら、こんな事をして、怒られてしまうのかな。
[仮令そうであろうと態度が変わるわけではないけれど 確かめるように問い掛けて]
――…ヴァンルナール家が儀式を守ろうとするように ラトル家にも別の役割があるの。 血脈を辿り血に異質が混ざっていないかを識る力を有し 『御使い』様を探すことが出来る、はず、だったんだけど。
[抱き付いたまま囁きかけるのは怖がらぬ証か]
ヘクターからは私とは違う気配が混じってる。 支えたいという想いは変わらないけど……
[どうして、という疑問が強くあった]
(206) 2010/08/03(Tue) 01時半頃
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すんなり信じて呉れるとは思わなかった。
[顔を上げてヘクター>>208と視線をまじえれば 距離のなさに何だか恥ずかしくなってしまう。 白い肌にほのかな朱が混じった]
――…最も近い、血筋?
[少しだけ首を傾げて問う仕草。 自らの鼓動が何だかいつもより速い気がしたけれど その理由は未だ理解出来ない]
『御使い』様との契約をしたのがヴァンルナール家…… 交流があったからヘクターの中に『御使い』様の血の気配が 残っていたのね……。 ねぇ……、それなら……『御使い』様を見つけて…… 契約を変える事って出来ない、かな。 もう、誰かが死ぬのを見るのは、イヤなの。
[契約を守る血筋の者に腕を絡めたまま真摯な眼差しを向けた]
(213) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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御使い様が居るって私は思っているけれど 其れはラトルの口伝と力があったから……。 ずっと、生贄を求められなかったから忘れられてしまったのかな。
[信心深くあり御使いの存在を疑わぬのは長老達くらい。 ヘクター>>211の示す墓石を見れば獣の紋が目に留まり]
――…おおかみ?
[ふっと浮かんだのはその形からか それともホリーの言葉があったからか]
ヘクターになら食べられてもいいけど痛くしないでね。
[くすりと笑みをかわす]
そういえば、ピッパが言ってた。 男は狼だから気をつけなさい、って。
[警戒心の薄い娘にその助言を理解できているかは怪しかった]
(216) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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[引き金を引いたあの時の事>>212を言われれば 少しだけ困ったような貌をして]
おじいさまの命令なら…… 逆らえないものね。
[当主の言葉は絶対のような家だと感じていたから ぎゅっと一度ヘクターの身体を抱きしめて 慰めるようにその背を撫でた]
でも、ヘクターは後悔しているのでしょう? あの時つらそうな顔してたもの。 あなたにあんな顔、もうさせたくないよ。
[少しだけ腕を緩めて漆黒が彼の双眸を見詰める**]
(217) 2010/08/03(Tue) 02時半頃
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― ラトル家書斎 / NPC:ナタリア ―
[空が赤く染まる頃>>227。 ナタリアは机に向かい書き物をしていた。 其の中には孫娘が語った村長夫人の言葉>>486も記されている。 ペンを置いたナタリアが溜息混じりの吐息を零した]
アルフレッドの件は事故と思っていたが…… パピヨンの言葉に偽りがないなら調査が必要だろうね。
[儀式の間はその余裕はないだろう。 今、調査の為に人手を割くことは難しい]
事が済めばアレクサンデル家に委ねようかね。 ヴァンルナール家の助力もあれば何時の日か真実が……
[大きな窓から射し込む夕日にナタリアは細い目を一層細くする。 事故として処理された夫婦があったことをナタリアは知っていた。 娘夫婦の死は崖からの転落とされたがその真実は闇に包まれた儘。 娘夫婦と村長夫婦を重ね、老婆は深い溜息を吐いた**]
(239) 2010/08/03(Tue) 17時半頃
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― 墓場 ―
[見たくない。 ヘクターの返事>>307にほっとしたのか表情が和らぐ]
怒っているのかな。 ――…ん、見つけて語りかければ、 はじめは話を聞いてもらえないかもしれない。 けど、諦めずに何度でも、語りかければ いつか、きっと、通じると思うの。
[わからないと紡ぐ彼にまっすぐな眼差しを向けて]
ヘクター、一緒に、変わっていこう。 ゆっくりでいいから、変えていこう。
[彼の協力があれば叶うかもしれない。 絡めていた腕をそろと離して、ね、と小首を傾げてみせた]
(313) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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― 墓場 ―
[くちびるに触れる温度。 間近に迫るヘクターの相貌>>317 口接けられているのだと分かれば 恥じらうように目を伏せた。 はじめての事なのか羞恥に頬を紅く染めて]
――…ばか。
[ヴァンルナール家の墓前だから 何だかご先祖さまに見られているような気がして 余計に恥ずかしいのだけれど。 同じように、此方から触れるだけの口接けをして 照れ隠しなのか悪戯っぽく笑ってみせた]
(330) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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[ヘクター>>324の礼にゆるゆると首を振るう]
疲れているのに…… 引き止めてごめんね。 でも、ヘクターと話せて、良かった。
[まだ日の高い墓所で娘はヘクターに笑みを向ける]
巡礼の時間まで少しでも休んで。 ……また、あとでね。
[死にたくない、と言う彼に同意するかのように頷き 小さく手を振り次の約束をして娘は墓場を辞す]
(331) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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― 薄闇に包まれた広場 ―
[広場の大樹に身を委ね無防備に休む娘の姿がある。 ゆらゆらと舟を漕ぐ。 カクンと大きく揺れて、はっと目を開いた]
――…ん。
[ぼんやりと広場に灯る松明を眺め幾度か瞬きする。 既に巡礼者は集まりつつある。 自分も行かなくてはと思い大樹を支えに立ち上がる。 遅れて鐘の音>>#4が響いた]
もっと早くに起きるはずだったのに…… やっぱり疲れてたのかしら。
[ことりと首を傾げ遅れて森の方へと駆けてゆく]
(335) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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[結局、昨日と同じく娘は両手に何も持たずに森に入る。 明かりを持たぬのは木々の間から射し込む月明かりが綺麗だったから。 娘の体力では時間が経てば経つほど明かりの重さを感じてしまうから。 何かを気にしている風に見えるピッパ>>346を認めれば ゆると首を傾げる]
ピッパ、如何かしたの?
[問い掛けてからふと思い出したように]
あの、ね。 ヘクターがあんな事してしまったの、 やっぱり当主さまに言われてのことみたい。 私は、ヘクターはヘクターだと思うの。
[密やかに彼女にそう言ってみせる。 家の事、血脈の事は当人が語るのが一番だろうと そのことについては触れなかった]
(358) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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――…殺したくない。 ……殺せないと思う。
[親はいないけれど大事な者を手に掛けるのはイヤで ピッパの言葉>>365にゆるゆると首を振るう]
そう、ね。 普通は出来ないかもしれない。 でも、……大事な者を守る為になら 私は、誰かを傷付ける事もあるかもしれない。 若し、目の前であなたに危険が及んだら…… きっと私は守り刀を抜いてしまうわ。
罪というなら、あの場所で見ていただけの私にも きっと罪があるのだと思う。 止められなかったのだから、同罪だわ。
[違いを聞かれればわからなくなる。 不安げに漆黒の眸が揺れた]
(377) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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