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――七坂町:仕立て屋――
……何か、聞こえませんでした?
[微かに耳に届いた悲鳴に、湯気がゆらゆら立ち上っている湯呑みを両手に持ちながら翠は通りに視線を向けた。]
あ…雪が…
柴門さん、いつのまにか外が真っ白になってます…! 通りで今朝は空気が身を切られるように冷たく感じた筈です。
[作業に熱中していた為に気付かなかった町の雪化粧。 この針子も随分、のんびりしている所があるらしい。
ことり、と卓の上に湯呑みを置くと、淡い桜色の肩掛けを茶黄色のカーディガンの上に羽織り、外の様子をよく見ようと店先まで歩いていった。]
(9) 2011/01/01(Sat) 01時半頃
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…寒い…
[外は暖かい室内とは違い、その凍った空気に翠は身体を奮わせた。 きょろきょろ辺りに視線を送れば、忙しない人混みの中でも一際目立つ人集りが遠くに見えただろうか。]
(12) 2011/01/01(Sat) 02時頃
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あら…貴和子様… どうなさったのですか?
[人集りから、此方に向かってくる人影に目を細める。 それが、古くからの付き合いでもある貴和子であることに気付けば瞳笑わせて。 しかし、傍らまで来た彼女の興奮したような様子に目を丸くした。]
人狼の仕業…? え、ええと、何が…噂は本当って… ちょ、とりあえず、落ち着こうか?
[付き合いがあるとはいっても、地元では有名な華族の一人娘。 人目の付く所では敬語で話す翠ではあったが、思わず言葉が崩れてしまう。 上下運動させられている手と彼女を交互に見つめた。]
(15) 2011/01/01(Sat) 03時頃
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……?
[騒動の中において、異彩を放つ下駄の足音。 貴和子と話しながらも、自然と翡翠の瞳がその主を捕らえていた。]
(16) 2011/01/01(Sat) 03時頃
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…あなたは唐傘屋の… どおりで周りと気配が異なっていると思いました…
[下駄の音と同じく、今では異彩を放つ鮮やかな唐傘。 その男性の職業は町では名が通っている為、翠も彼を知っていた。 何気に"どおりで"などと若干失礼なことを口にしているが本人には全く悪気はないらしい。]
見ての通りって、私は未だ… それに私はもう、"お嬢さん"って歳でもないけれど…
[和彦に告げられた言葉には苦笑しつつ、ぼそぼそ言って。]
人狼騒動は号外にも出てたから知っていますが――― 実際に何かあった…の、かな…これは…
[貴和子と和彦にそれぞれ一瞥した後、再び、雪景色に浮ぶ人集まりの方へと翡翠を泳がせた。]
(18) 2011/01/01(Sat) 04時半頃
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…人狼…本当なのかな…
[はらはらと肩や髪に柔らかく積もっていく雪。
白い息と共にぽそりと呟く翠には、この後、その騒動に雇い主が巻き込まれることになるなんて、想像も出来なかっただろう*]
(19) 2011/01/01(Sat) 04時半頃
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改めて呼ばれると、なんだかくすぐったいけど… …うん、そう呼んで貰う方が嬉しい。
[和彦に名前を呼ばれれば、ふわりと微笑を浮かべる。 その彼から、人集まりを眺める耳に届けられる言葉には翠自身、あまりぴんとこないらしく何処か安穏としていた。]
…うーん。 何も無くても、噂になってたようなことは今まで沢山あったから、人狼の話もあまり気にしてなかったのだけど。 ほら、異国の吸血鬼の物語と似たような類の話なのかなぁって。 今回は、違うのかな…
[柴門の下で住み込みで働いている翠は、ある意味、彼に護られている部分もあって、世間の危機感に乏しい。 流石に夜に独りで出歩いたりするようなことはしないだろうが―――しようとしても柴門に止められるだろう。]
(23) 2011/01/01(Sat) 06時半頃
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あ…ありがとう、でも和彦さんが…あ。
[気遣いの言葉と共に不意に唐傘を手渡されて、翠は和彦に声を掛ける。 けれど、既に男性は背を向けて歩き出していて、追いかけてまでその彼なりの配慮を返上するのは憚られた。
騒がしい人混みの中、白い花弁だけが音も無く、しんしんと静かに町に舞い降りていた*]
(24) 2011/01/01(Sat) 06時半頃
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――新年:柴門洋装店――
出来た……!
[人々が初詣やら挨拶やらに向かう中、翠は早朝から仕事をしていた。 それは別に、柴門から命令された訳ではなかったが、年末に急ぎで注文されたドレスの納期を考えると翠の身体は自然と動いてしまうらしい。
そんな、放っておくと、いつまでも仕事を続ける翠の性格を知っているのか普段から柴門は、事ある毎に休憩しましょうと持ちかけてきていた。
今日は元旦ということで、他の針子達は正月料理を作っている。]
え…は、甘酒…?!
[店先から届いてくる雇い主の声に、仕事に熱中していた翠は現実に戻る。 あと少しで出来るからと思い作業を続けていたら、それなりに時間が経ってしまっていたらしい。 辺りにはいつの間にか温かくも美味しそうな匂いが漂っていた。]
(34) 2011/01/01(Sat) 16時半頃
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柴門さん、柴門さん。 東様のドレスの仮縫い終わりました。
[柴門は店内に戻ってきていただろうか。 甘酒を手渡しながら、翠は嬉しそうに報告する。 早朝から仕事をしていたと知れば、彼は苦笑したかもしれない。]
ふふ…後は試着して貰って、微調整して本縫いですね。 流石に、今日は試着はお願い出来ないでしょうけれど…
[若干残念そうに眉根を下げたのも束の間、店先に可愛い雪達磨が見えれば翠はその翡翠の瞳を輝かせた。]
わぁ…可愛い。小さい。 あれ、柴門さんが作ったんですか?
[幼い子供のように、その白い創作物に興味を示すと、先日と同じ肩掛けを羽織って、店先に出る。 関心に寒いことも料理の手伝いのこともすっかり忘れた翠は、暫くの間、店の前の雪達磨を眺めて過ごしていた*]
(35) 2011/01/01(Sat) 16時半頃
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―― 柴門洋装店 ――
あ、はは… 私はアレですよ、なんて言うかもう"行遅"って言うものだから。 う、あ。まぁ、そういう話が無かった訳でもないようなあるような…秘密です、秘密。
も〜〜、だから秘密ですってば。
[他の針子達や雇い主と正月料理を食べながら雑談を交わす。 当然ともいうべく、女性が集まると自然と会話は恋愛や結婚の方向に流れ、他人事のように雑煮を食べていた翠にも関心が向けられてしまっていた。]
あ、ああ、彩さんはもうすぐご結婚でしたっけ。 おめでとうございます……って、え、いや、私はいいですから。
うう、そうですね、このままじゃ行き着く先は野垂れ死にかもしれないですけど…私は…
[少なくとも未だ、今の日本では、女性が生きていく為には結婚するしか道はないと言っても過言ではない。 それくらい、女性の身分は低く地位はなかった。 見合いの話が舞い込んでくれば、そしてそれを両親が認めれば、本人の意志など関係なく顔を見たことがない相手でも結婚する、それが普通のこととして行われている。]
(60) 2011/01/02(Sun) 04時半頃
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あーあー、そ、そそそそういえばそういえば。 私、唐傘屋の和彦さんから傘をお借りしてて、返しに行かなければいけなかったんだった…!
すっかりさっぱり忘れてるなんて正月草々駄目だなぁ、私。
そうそう、行かなきゃ行かなきゃ。 今直ぐ、行かなきゃ、行って来ます。
[明らかにしどろもどろ。 逃げるように、慌ててその場から離れると店内の隅の傘立てに入れてあった臙脂に手を伸ばす。
静かな店内、独りになればふぅっと溜息を吐いた。 けれどそれも束の間、突然も突然に勢いよく扉が開かれて、掛けられた言葉に翠はびくっとして、傘を手にしたまま恐る恐る振り向いた。]
た、たのもー…、です。 あ、明けましておめでとうございます。
(61) 2011/01/02(Sun) 04時半頃
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[見れば、店の出入り口に佇むのは、髪を後ろに一つ結いした、自分よりも幾分年下に見える正に年頃とも言うべき少女だった。]
…あ、はい。確かに今日は休みですが… でも、大丈夫だと思います。 せっかく来て頂いたのですし、少々お待ち頂けますか?
僭越ながら、私がお客様に代わりまして、奥に居る店主に相談して参りますので――――あ。柴門さん…!
丁度良かった、今お客様がいらして…
[明里の声が奥まで届いたのか。 はたまた、翠を心配して様子を見に着たのか。 どちらにしても、なんとも都合よく店に顔を出した雇い主に、翠は駆け寄って事情を説明する。
料金についての交渉等は、翠の管轄外だった*]
(62) 2011/01/02(Sun) 05時頃
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雪のように白いコートか… 素敵だな…
[雇い主と交渉しながら、興味深げに見本を見つめている明里を横目に針子の女性は小さく呟く。 翠は職業としては、多くの、高級品と呼ばれるような衣服まで取り扱い手にしてはいるが、自分自身がそのように着飾ったことは一度もなかった。 女学校も事情があって、三箇月も満たない内に退学している。
明里からコートについて意見を求められれば適時答えて、そうでなければ、商談の邪魔をしないように独りそっと店を出ようとした時、長身長髪の新たな客が店先に現れた。]
平家様、いらっしゃいませ。
(66) 2011/01/02(Sun) 11時半頃
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ああ…はい。 先月初旬に承りました燕尾服のことでございますね。 直ぐにお渡し出来る状態にしてあるのですが…
申し訳ございません。 それでは、今暫くお待ち下さいね。
[受け渡しだけなら翠にも出来るかもしれないが、柴門が何か話すことがあるかもしれないことや、柊吾本人も承諾していることから、針子の女性はその言葉に甘えた。
彼は長く垂らした髪型に、見るからに異国の血が混じった顔立ちをしていたが、そういう理由以前に、その容姿自体が美しいこともあってか、針子の女性の間では密かに人気があった。
翠自身はそういう目で彼を見たことは一度もなかったが、今日また、このように言葉を交わしたと知れれば、"翠ばっかりズルい"などと訳のわからないことを言われてしまうのだろう*]
(67) 2011/01/02(Sun) 11時半頃
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二つ…先走らなくて良かった…
[柴門から柊吾の注文の確認を依頼されて、翠は心の中で、いや、結局口にしているし、誤解していたこともバレてはいるが、とりあえず胸を撫で下ろした。
言われた通り、奥で寛いでいる薔子にその旨を伝えに行く。 すると案の定、それを聞いていた周りの針子達が色めきだした。]
え、ええ…今、他のお客様もいらっしゃってて、それで平家様も承諾して下さったので、店内でお待ち頂いているのだけど… や、そんな、ズルいも何も、大体彼には奥様が…
か、関係ない…そ、そうなの?そういうもの?
[予想通りの展開、予想通りの反応。 若い針子達の勢いに翠は目を白黒させている。]
(70) 2011/01/02(Sun) 14時頃
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す、すみません…。お待たせ致しました。
[どうにかなんとか、若い針子達から逃れて店内に戻ってくると、翠は必要以上に待たせてしまったことを柊吾に謝った。 両腕には燕尾服とバッスルドレスが大切そうに抱えられている。]
この色、とても綺麗ですね…
[新緑のドレスを見つつ、二着の礼服を柊吾に手渡す。
彼には何の罪もないのだが、彼の対応をすると精神的に酷く疲れてしまうことになる為、顔にこそ出さないが、翠は彼が少し苦手であった。 その為、いつもは絶対、余計なことを話したりはしないのだが、今回は手渡したドレスの新緑があまりにも綺麗で好きな色だったので、自然と口をついて出てしまったようだった。]
(78) 2011/01/02(Sun) 20時頃
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[勿論、二着の礼服は木箱に入れて手渡したのだが、その前に商品を確認して貰ったらしい。]
(79) 2011/01/02(Sun) 20時半頃
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え…は、こちらの髪飾りですか…?
[不意に柊吾に尋ねられ、翠は彼の視線の先、ショウウインドウに飾られている見本の髪飾りを持ってくる。
店の奥で隠れて覗いているであろう針子達の視線が痛かった。]
こちらは少々、作りが複雑になっておりまして… 直ぐに取り掛かることが出来れば、四、五日で出来るのですが…
[髪飾り等の小物は翠の得意とする分野ではあった。 密かに自分で造形を考案したりもしている。
けれど、他の注文品との進行の兼ね合いもある為、翠の立場では、彼の問いに明確には答えることが出来ないらしかった。]
(82) 2011/01/02(Sun) 21時頃
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………
[真剣な表情で髪飾りを確認する柊吾を翠は静かに見ていた。 本音の本音は、柴門に助けを求めたい気持ちで一杯であったが、彼の目前であからさまにそんなことは出来ない。
それに、妻のことを心から大切にしているらしい柊吾の様子には好感が持てることも事実としてあった。]
六日――…あ、はい、承りました…
[間に合うだろう、と言われてしまうと否定が出来なかった。 別件の急ぎのドレスのことが頭を過ぎったが、休みを返上して直ぐに取り掛かれば、三箇日の間でかなり進めることが出来るだろう。 勝手に注文を受けてしまったのだから、責任は取るつもりではいた。]
リボンは軽い白系の生地で、長めに。 花の部分は、鈴蘭を模したようにして、色は黄緑か桃…
[柊吾の細かな注文を声に出して、ひとつひとつ確認していると不意に彼の視線が逸らされて、翠も同じように外を見遣った。]
(87) 2011/01/02(Sun) 22時半頃
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明けましておめでとうございます。 いらっしゃいませ。
[ひとり来客を許してしまうと、芋ずる式に来客が増えてしまうものなのかもしれない――――そんなことを考え、最初の来客を受け入れてしまったことを柴門に対して申し訳なく思いながら、また新たに店内に入ってきた男性に、翠はとりあえず挨拶をする。]
あ、いえ。営業という訳で、は……
[明里や柊吾の手前もあり、休みだとはっきり言うのも失礼になるような気がして、男性への返答に翠は困ったように語尾を濁らせた。]
(89) 2011/01/02(Sun) 23時頃
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お、狼避けの着物、ですか? それは一体、どのような…
[狼避けに着物を新着と言う男性の話の脈絡が解らず針子の女性は戸惑いを見せた。 それでなくても、今、ただでさえ苦手な柊吾の、細かい注文を受けている最中であり、翠はいっぱいいっぱいだった。]
確かに人狼の噂は耳にしましたし、昨日も誰かが襲われたらしいと知り合いから伺いましたが…
本当なのでしょうか…
(93) 2011/01/02(Sun) 23時半頃
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あ、えっと、そのようなものがあるなんて…
[男性の口から紡がれる狼避けの着物の詳細に翠は更に戸惑う。 聞いたことが無い。 けれど、お客様を無下にすることも出来ない。]
申し訳ございません。勉強不足なもので、私には…
[そこへ柴門からの助けが入って、翠は心底ほっとする。 その対応は微妙に弱々しくて、颯爽とした男らしいものでは全くもってなかったのだけれど。 それでも翠にとっては、彼は十分に頼りがいがあるのだった*]
(98) 2011/01/03(Mon) 00時半頃
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