255 【RP村】―汝、贖物を差し出し給え―
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[>>0:118金髪の男は自らをニコラスと名乗った。 細められた目元が、持ち上がった口角が、こちらの表情を見るなり苦笑いへと変わる。 上品な笑みよりも人間らしい表情を見ることができて、ようやく胸をなでおろしている自分がどこかにいた。
『探し物を見つけるためにここへ来た』というニコラスの言葉に、嘘の気配は見当たらない。
ならば疑うべきは館のほうだろう。 人など寄りつかぬ森の中、掃除はされている(と思われる)ものの生活感のない屋内、一向に現れない住人。
バカでも分かる。この館がフツーじゃないってこと]
迷い子。 ……ふふ、そうね。
[>>0:119顎先をわずかに沈めるように小さく頷くニコラス。 頷き方一つにだって、人間性が出るというものだ。
彼の言葉に、迷子のように頼りなげだった表情を、いたずらを思いついたような笑顔へと変えた]
(1) 2016/10/08(Sat) 00時半頃
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― →大広間 ―
[>>0:119促され、ブルーのジャケットの後ろをついて廊下を進む。 やがてある扉の前までたどり着けば、中からは人の話し声が聞こえてきているはずだ。
その声に誘われるように、わたしたちは扉を開け、大広間の中へ足を踏み入れるだろう**]
(2) 2016/10/08(Sat) 00時半頃
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― 大広間 ―
[大広間には、結構な人数の人が集まっていた。 聖職者>>18、楽器を持った青年>>6、野蛮な雰囲気の男>>24に、ドレスを着た女>>16。
見れば、においで分かる。――同業者だ。
しかも、自分よりも高給を取っている娼婦だろう。 くそ、と内心歯噛みする。
この面子で乱交パーティーでもしようってわけ? 悪いけど、わたしは3Pもスワッピングもお断りだけど。
そんな冗談は、掃除夫の言葉によって明確に否定された>>14]
はぁ?
[自分にしか届かぬほどの声量で、呟いた]
(36) 2016/10/08(Sat) 15時半頃
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[ショクとは、人の姿をして紛れ、知れず記憶を食べると言われている――架空の生き物だ。
それが、この中にいる? 探し出すまで出られない?
なんだかゲームみたいな話だった。そしてゲームにしては、ずいぶんと娯楽性がない]
っはー……ぁ。
[思わずため息をついた。 今日が公妾への第一歩かと思ったのに。まだまだ道は遠そうである。
>>17目に見えて取り乱したのは、ドレスを着た高級娼婦。 >>21胸元には似合わぬ質素なパールがぶら下がっており、祈るようにそれに触れていた
あーあ、うるさいな、オバサン]
(37) 2016/10/08(Sat) 15時半頃
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……あら?
[見覚えのある男が、大広間へと戻って来た。 疲れ果てた様子で、その場にへたり込んでしまう]
郵便屋さん。 また会えましたね。
[ふふ、と笑みを漏らし、公園で会った以来の郵便屋さんの元へと近寄った。 途中テーブルを通り過ぎれば、花瓶に活けられた薔薇の蕾へ鼻を近づける。 花開いていないため、まだ香りは遠い。
その後、郵便屋さんは修道院には来てくれなかった。 娼婦だと知って幻滅したか、それとも時間がなかったか、はたまた金がなかったか。
どれだろうと、こちらの知ることではないけれど]
(38) 2016/10/08(Sat) 15時半頃
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[そうしている間に、大広間からは一人、またひとりと人が去ってしまう。>>28>>27
ローブを羽織った男はともかくとして、楽器を手にした青年は「お腹がすいた」だなんて、随分と呑気だ。 吟遊詩人か何かだろうか。きっと、時間にも仕事にも追われる生活をしていないのだろう]
……とにかく。
[郵便屋さんの傍らに立って、慣れぬ大きな声を出した]
ショクを見つければいいんでしょう? 出られる方法が分かってるのに、 長居する必要はないんじゃない?
[仕事でない、給料ももらえない、公妾への第一歩でもない。 こんな場所、長くいるだけ無駄だ。わたしは暇じゃないんだよ]
(39) 2016/10/08(Sat) 15時半頃
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ショクさん、いたら手ぇあげて?
[片手を上げて、大広間にいるものに問いかける。 記憶を食べると言われている種族。人を襲う訳でもない、隠す必要もないでしょう。
バレて困るんなら、証拠隠滅すればよい。“記憶を食べられる”んだから、いくらでも後から潰しが効くだろう]
これで出られるんでしょ? 簡単じゃないですかぁ。 いないなら、出てった二人がそうってことになりますけど。
[あるいは、ショクがいるなんて妄言か。 ショクが身分を隠す必要など考えても分からない。
ぐるりと、室内を見渡した*]
(40) 2016/10/08(Sat) 15時半頃
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[やがて、ひとりの手が挙がる。>>42 手を挙げたのは、背丈が180cmは超えるであろうと思われる大柄の男だった。 身体に被っているのは毛皮だろうか。見るからに野蛮そうな雰囲気を醸し出している。
やった、任務完遂。さようなら、訳の分からない館。
けれども彼の口から出た言葉に、かっくりと肩を落とした。 落胆の色を隠しきれない]
どうすればって……そんなの、 わたしも、自分がショクだなんて自覚ないよぅ。
[低く挙げていた手を顎に当てて、考える。 ショクとやらは、必ず自覚があるものなのか……そんなこと、わたしに訊かれても困るのだが]
(43) 2016/10/08(Sat) 16時頃
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記憶を食べられるって言っても、襲われるわけじゃないですし。 あの方が言った通り、食べられたって実感もないかもしれない。
[あの方、と示すのはドレスを着た女のほう。 どこか自分の世界にトリップしてしまったような雰囲気があるけれど、大丈夫だろうか]
でも、食べる方は何かしら実感があるんじゃない?
食べるほうも食べられるほうも、 どっちも覚えてなかったら単なる記憶喪失で、 伝承なんて残らないんじゃないですかぁ?
[そもそも伝承なんて曖昧なものだけれど、伝承が残るのなら根拠があるはずだと結論付けた。
この館から出るには、嘘っぱちでもでっち上げでも構わないから、ショクを探さねばならない。
それとも、一生みんなで仲良く暮らす? どうやら集音器や覗き穴がいたるところに設置されているらしい>>41、この館で]
(44) 2016/10/08(Sat) 16時頃
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[>>47すまん、と謝罪の言葉を口にして、大男が手を下ろす。 武骨な印象だけれど、人の話にはちゃんと耳を傾けてくれるだけの知性はあるようだ。
ニコラスの、憎まれ口ともとられかねぬ言葉>>46にも、至極真っ当な返事を返していた。 ……『集音器をしかけた側に益がある』『ショクは見つけたいが、自分たちは被害にあいたくない』 恐らくその通りであろうと、静かに頷いた。
自分たちは、所詮、駒だということ。
どうせ男に身体を開いて媚びを売る娼婦。 死守するほどのプライドもないが、ニコラスのような位の高そうな人間(そのうえ男)にとってはこの状況はどのような心持ちをもたらしているだろうか。
>>0:118『探しもの』をしているとニコラスは言うっていたけれど、いったい彼は何を探しているのだろう。 『ここなら見つかる』もの。……まさか、ショク探し。
なんてね。そんなこと、一人ひとり怪しんでたらキリがないか。
>>48文献か資料を探しに行くという大男を、「いってらっしゃい」と手を振って見送った]
(49) 2016/10/08(Sat) 17時半頃
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[何やらぶつぶつと呟いていた女>>34の耳にも、わたしの問いかけ>>40は届いていたようだ。 >>45手を挙げた大男に少しばかり驚きの表情を返し、その後、ぽつりぽつりと言葉を発している]
さっき、郵便屋さんが玄関を確認してくれたみたい。 『まだ来ていない人』っていうのは、望み薄だと思いますけど。
[傍にへたり込んでいる郵便屋さん>>32が玄関を確認したということは、楽器の青年が言っていた>>11]
郵便屋さんも、椅子に座ったら?
[テーブルには、ニコラスの腰かけるもの以外にも椅子がいくつか添えられている。 そのうち一つを引いて、郵便屋さんへ促した]
(50) 2016/10/08(Sat) 17時半頃
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[先ほど薔薇を活けた男性は、奥の扉から花瓶に水を汲んできた。>>20 恐らくあちらが台所なのだろう。
扉を開けば、そこは予想通り台所で、いくらかの食器とシンク、キッチンが設えられていた。 ここにも生活感はまるでないのに、埃などは積もっていない。 この場所も誰かから聴かれ、見られている。そう思うとひどく不快だった。
台所でコップに水を汲んでくると大広間へと戻り、郵便屋さんへとコップを手渡した]
ごめんね、レモネードじゃないんですけど。 お水、飲む?
[もしこんな不気味な館の水など飲めないというのなら、仕方がない。 あるいはこちらが先に口をつけて毒味をしても、よいけれど*]
(51) 2016/10/08(Sat) 17時半頃
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[>>70テーブルに置いたコップを、郵便屋さんは受け取ってくれた。 帽子をとって、しわが残りそうなくらいに握り込んでいる。
一息ついたのち水を飲み干す様子を、眉根を下げていたわしそうに見つめていた]
気にしないで。
……煙草、吸われるんですね?
[郵便屋さんの身体からは、別段ヤニ臭いにおいはしなかった。 公園で出会った時も、吸い殻が散っているようなことはなかった。
吸っていないとやってられない、ということだろうか。 廊下へ行く郵便屋さんの背を、無言で眺めた*]
(81) 2016/10/08(Sat) 23時頃
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[ニコラスと大男が部屋から出て行き>>48、女が出て行き>>53、郵便屋さんが出て行き>>75。
大広間からは、随分と人が減ってしまった。
先ほどまで郵便屋さんが座っていた椅子に腰かける。残っている彼の体温で、わずかにあたたかかった。
まだ部屋に残っていた、猿を連れた男性の方を見る。>>84
優しく小猿の頭を撫ぜる手に、悪い人間ではないだろうと思うのは早計だろうか。 通った鼻筋に、長い前髪で隠された双眸はうかがい知れない]
ジルエット……で、いいんだっけ。 随分と懐いてるんですねぇ?
[掃除夫が彼に声をかけた時、自分はすでに大広間にいたか、いなかったか。>>13 どちらにせよ、その声は耳に届いていた。 こんなよく分からぬ状況でも、生き物を見ると笑みが零れるものだ*]
(88) 2016/10/08(Sat) 23時頃
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― 少し前 ―
[みんなが手紙を発見したすぐ後、一人の男が真っ先に部屋から出て行った。>>0>>64 全身真っ黒、酷い猫背で、女みたいに伸ばした髪は汚らしく、はっきり言ってあまり近寄りたくないタイプの男。
……この程度で取り乱すなんて、馬鹿みたい。
>>65その後掃除夫が彼について問うてきたけれど、あんな男は知る由もない。ゆるゆると首を振った。
女も取り乱していたようだけれど>>17、みんな、我を忘れてしまうくらいに怖いのだろうか……ショクが。
さぞかし、絶対に失いたくない相当に大切な記憶でもあるのだろう。 髪の長い男の存在は、そんな疑問をわたしの心に残した]
(92) 2016/10/08(Sat) 23時半頃
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― 少し前・点呼をとった時>>40 ―
……そうなんだぁ。 その話、すっごく残念。できれば知りたくなかったな。
[>>86掃除夫の言葉に、ふぅと落胆のため息をついた。 出て行った二人にももちろん訊かぬ意味はないけれど、訊く意味もないかもしれない。
けれど考えようによっては、自分たちをこの館に閉じ込めた者をある程度特定することはできるかもしれなかった。
掃除夫の言う、『ショクの記憶を食べるちからを研究してる組織』。それが本当であれば、その組織がこんな面倒でクソつまらないゲームを主催したと考えるのが妥当だろう。
しかし、なぜわたしがその面子に含まれているのか。 本当、迷惑な話でしかない*]
(93) 2016/10/08(Sat) 23時半頃
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いいの? ありがとうございまぁす。
[>>94『さわってみる?』との言葉に、驚かさぬようゆっくりと指先をジルエットへと伸ばす。 主がしていたように、顎先をくすぐるように優しく撫でた]
初めまして、ジルエット。 ……わたしはショコラ。よろしく、ね?
[小さな、けれど人間によく似た顔に、比率にしてはすこし大きめな耳。 頭からお尻まで、びっしりとちゃいろい毛が生えている。
彼は……ジルエットは、現状をどう思っているのだろう。小さな脳みそでどこまで理解できているのか。
ショクはジルエットの記憶も食べるのかな、なんて思ったけれど、真面目に考えると少し笑えてきた]
(96) 2016/10/09(Sun) 00時頃
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ジルエットは何を食べるんですかぁ? この館に、彼の食料があるといいんですけど……。
[掃除夫の言葉>>86を信じるなら、長居を覚悟した方がよさそうだった。 幸いかどうかわからないが、休めるところはあると先程楽器使いが言っていたけれど。>>26
ああでも、お腹がすいたと言って出て行ったきり>>27戻って来ていない。 数日なら人間、水だけでなんとかなるけれど、食料もない状態であまり長くはいられないだろう。
悪い方へと行く思考を押しとどめ、ジルエットを撫ぜる。大きな黒い瞳が可愛らしい]
(97) 2016/10/09(Sun) 00時頃
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……お兄さんは、お名前は何て言うんですか?
[順序が逆になってしまったか、前髪の長い彼の名を訊ねた。
まだ部屋に残っていただろう、掃除夫の彼>>86にも視線を投げかけ、「あなたも」という意味で首を傾げる。
わたしの名は、さきほどジルエットに名乗ったの大丈夫だろう、恐らく]
お兄さんがたは……失いたくない記憶とか。あるの?
[雑談の種にでもと投げかけたのは、そんな言葉だった。 長い髪の男を見て、そして手紙を目にした周囲の反応を見て、自分のうちに浮かんだ疑問。>>92 それがふと今、口をついて出たのだ*]
(98) 2016/10/09(Sun) 00時頃
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