315 【La Mettrie〜存在という機械が止まる時】
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
[ラルフお兄ちゃんに連れられて厨房に行けば いい香りの湯気がふわっとおれを撫で包む。 こんな時でも、お腹がぎゅうっと鳴る。 たくさんの人が死んじゃっても、 どんなに悲しくても、 おれの体は生きようとしていた。
ラルフお兄ちゃんがスープを注ぐ間>>3:32 ぼんやりと机を眺めていた。 既にテーブルはセットされている。 マーゴお姉ちゃんが準備してくれたんだろう、 椅子なんかは人数分ある>>2:78。 だけど、半分以上が空席のままだ。 見るほどにみんなの気配が匂い立つようで 現実との差に胸が沈み込む。 かといって、悲しくても、狭くても どけるのは嫌だった。]
(1) kumiwacake 2023/01/06(Fri) 15時頃
|
|
[おれはお皿を4枚重ねて ラルフお兄ちゃんの横に並び]
これも……
[居ない人の分もねだった。 貴重な食糧なのは分かってるけど、 故人を悼む一杯ぐらいは許されるだろう。 温め直せば、また食べられる。
ジャーディンさんはどうなったのか。 相変わらずいない。 怖くてほとんど話せなかったけど おれが戻ってきた時、 みんなの中にジャーディンさんへの信頼を見た。 なにがあったのかはわからなくても、 早く戻ってきてほしかった。]
(2) kumiwacake 2023/01/06(Fri) 15時頃
|
|
[ラルフお兄ちゃんは 蒼白な顔をしていたけれど、 目が合えば安心させようとしたんだろう。 大丈夫、と口にした言葉は>>3:33 おれに言っているようにも、 ラルフお兄ちゃん自身に 言い聞かせているようにも聞こえた。
お兄ちゃんの気遣いを思うなら ここで話を切り上げた方がいい。 分かっていても、 続けずにはいられなかった。]
……マーゴお姉ちゃんも、 少し休めばよくなるって言ったんだ。 だけど、死んじゃった。 ラルフお兄ちゃんは、今の言葉を 嘘にしないで……
(3) kumiwacake 2023/01/06(Fri) 15時頃
|
|
[──重苦しい空気をかき消したのは、 ヨナの叫び声だった。 最初は怖い、耳障り、と感じた声に 今はとても助けられた。
嘘つきにならずに済むなら、 断れない、だけど守れるかも分からない 約束を強要するなんて ラルフお兄ちゃんを苦しめるだけだから。]*
(4) kumiwacake 2023/01/06(Fri) 15時頃
|
廃品回収 マリオは、メモを貼った。
kumiwacake 2023/01/06(Fri) 22時半頃
マリオは、おれもおれもー!マリオ[[who]]を抱き締めつつ書いてる
kumiwacake 2023/01/07(Sat) 22時頃
マリオは、みんなおやすみだよー(セルフぎゅー
kumiwacake 2023/01/07(Sat) 22時頃
|
──厨房にて──
[マーゴお姉ちゃんが作ってくれた スープを掬い上げる。 指先が震えているせいか スープは何度でもこぼれ落ちた。]
マーゴお姉ちゃん……美味しいよ。 ありがとう。
[胸の中に話しかけると マーゴお姉ちゃんに嘘を見破られた気がした。 死んじゃった後のマーゴお姉ちゃんは 生きている時よりもずっと鋭い。]
(19) kumiwacake 2023/01/07(Sat) 22時頃
|
|
[鼻をすすり上げると、 ウゥと喉からうめきが漏れた。
ごめんね、マーゴお姉ちゃん。 本当は、色んなことがありすぎて、 味なんてほとんどわからないんだ。 口に運ぶと、少しえぐい何かの葉や 赤い果実の酸っぱさを感じる。 この旅の中で食べた食事の中で 一番食べやすくて、滋養がある。 添えられていた不思議な形の卵だって ぶりんぶりんした謎の食感だったけど それまでに口にしてきたものに比べれば ずっと美味しいはずなんだ。
だけど、美味しいと感じる心が ポッカリと抜け落ちてしまったみたいだ。 何の味もついていない清ら水の方が はるかに美味しかった。 あの時は、みんながいたから。]*
(20) kumiwacake 2023/01/07(Sat) 22時頃
|
|
──食事の後──
[味なんか分からなくても、久しぶりに お腹を満たせば活力が湧くもんだ。 つくづく、体は生き延びようとしていた。
ラルフお兄ちゃんは ジャーディンさんを探しに行った。 足手まといにしかならないから ついていかなかったけど ぼーっと留守番なんてしたら 悲しいことばかり頭に浮かんでしまうから とにかく身体を動かした。]
(25) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時頃
|
|
[綺麗な水を瓶に汲んで、 ロイエお姉ちゃんと マーゴお姉ちゃんの体を清める。 フェルゼお兄ちゃんや ラルフお兄ちゃんよりかは 子供のおれが適任だけど 服まで脱がすのは躊躇われたから 髪や顔や手や、見えてる範囲だけを 清めた布で拭う。 そういえば、マーゴお姉ちゃんも こんな風に、おれの髪の土を払ったり 濡れた服を拭ったりしてくれた。]
(26) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時頃
|
|
[過酷な旅のせいで、 水は何度取り替えても濁った。 それでも、根気よく拭ううちに 土埃に煙られた肌は磨かれて 白く滑らかさを増していく。 二人のお姉ちゃんは、青白く光を放つようで ゾッとするような、作り物めいた、 不健康な美しさを宿し始めた。 皮一枚下の血の巡りが止まれば 肌とはこんな仄白さを灯すんだろうか。 あるいは、失われた命への渇望が 二人をこんなにも美しく見せるのか。
反面、触れるほどに、その冷たさに、 肉の硬さに、否応無しに気づかされた。 時間をかけて拭き清めることで おれは何度も現実を確認した。
嗚呼──二人はもう、命を終えたんだ。]
(27) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時頃
|
|
[穴は、フェルゼお兄ちゃんが 掘ってくれただろうか。 ロイエお姉ちゃんと マーゴお姉ちゃんをお墓に運んだ。 と言っても、おれは戦力外で 細々した埋葬品を持って てくてくと隣を歩いただけだ。 埋葬の時には、ラルフお兄ちゃんも 戻ってきていただろう。 だけど、ラルフお兄ちゃんが 胸ポケットに納めた種>>3:4には 気づかなかった。]
(28) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
[陶器のように磨き上げた肌を 湿った土に横たえれば、 ますます白さは際立った。 きっと、土の下で眠るうちに 目も肌も肉も、何もかも溶けてしまっても 見たこともない二人の骨だけは こんな風に白く残り続けるんだろう。
精一杯かき集めた花を添えて 毛布をかけるように、ひとすくいずつ 柔らかい土を下ろす。 瞼に土がかかっても、 ピクリとも動かないのが、 まだ少し不思議だった。
おれ達は、静かに黙祷した。 二人の厚みの分だけ、 畝みたいに盛り上がった土が 悲しかった。]
(29) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
[埋葬を終えると、流石にくたくただ。 おれ達は、はじまりの泉に戻った。 おれは喋る元気も使い果たしていて 二人が何かを話していても 無言で足だけを動かし続けた。 泉に辿り着いた頃 もうすっかり慣れたヨナの叫びが 空気を揺るがした。
心に緩みができるたびに、ヨナは叫ぶ。 おれが気づいていないだけで ヨナはずっと見守っているのだろうか。 最初は観察されているみたいで 居心地が悪かったけれど。 あるいは、知らせていたのかもしれない。 この時は、そんな風に思う余裕は なかったけれど。
ラルフお兄ちゃんが、 苦しそうに声を上げた>>14から。]
(30) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
ラルフお兄ちゃん?
[見上げて様子を伺えば 顔を歪めたラルフお兄ちゃんが 頭を抑えていた。]
痛いの? どこが? 頭?
[苦しそうにしながら、けれど ラルフお兄ちゃんは返事をしない。 べろがもつれるのか、回らないろれつで ラルフお兄ちゃんの体調じゃなくて フェルゼお兄ちゃんのことを話す。>>15 体の苦痛を取り除くのを諦めたように。 嫌な予感に、血の気が引いた。]
(31) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
やめてよ、縁起でもない…… なんで急に謝るのさ……
[絞り出した声は、弱々しい。 ラルフお兄ちゃんの体が傾く。 支えようと手を伸ばして、 おれの細い腕では抱き抱えられず ラルフお兄ちゃんは 音を立てて倒れ込んだ。
ヨナの叫びが、再び響く。 叫びは城をも揺るがして、吹き抜けの中庭に パラパラと白い破片が落ちてきた。]
(32) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
ラルフお兄ちゃん! やだよ、 ラルフお兄ちゃんまで──冗談やめてよ!
[バクバクと心臓がうるさい。 体の中で何倍にも膨れ上がったみたいで、 肺が押しつぶされてうまく息ができない。 だけど、ラルフお兄ちゃんはおれ以上に 息苦しそうで──やがて、反応しないままに、 息は、止まった。 おれはしばらく呆然と、 開いた瞳孔を見つめた後、 その、血の気の失われた頬を、 思いっきり引っ叩いた。 怒りが込み上げて仕方がなかった。]
(33) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
ずっと俺が守ってあげたかったって、 なに……見栄張って、勝手に無理して それがお前のため、みたいな顔して、 そんなの、自己満足だよ! どれだけ体を張られたって、 ちっとも嬉しくない!
[悲しみが、体裁とか、建前とか、 いい子な自分を全て取り払った。 丸裸の魂の叫びが、涙と共に溢れ出した。]
(34) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
自分が頼りないせいで 大切な人が犠牲になるのが どれだけ辛いか…… 少しは、考えたことある!? 守られたくて、盾にしたくて 一緒に居るんじゃない! そんなことだったら、 いっそわたしから離れて あなただけでも逃げて、 自分の幸せを探してほしかった!
[これは本当におれの言葉なんだろうか。 共鳴する部分は確かにあるけれど。 まるで、名前も知らない誰かが おれの口を借りて まくしたてているみたいだった。]
(35) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
[それから、ふっつりと 糸が切れてしまったみたいに 心を言葉にできなくなった。
ただ、ラルフお兄ちゃんの お腹に突っ伏してわんわん泣いた。
はたいた手がジンジンと熱を持つ。 はたかれたラルフお兄ちゃんは、 もう、痛みを感じないだろう。]*
(36) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 14時半頃
|
|
[お腹に突っ伏して泣いていると、 ラルフお兄ちゃんは徐々に冷えて とても縋りついていられなくなった。 泣きすぎて頭が痛かった。
ぐずぐずと鼻をすすりながら フェルゼお兄ちゃんに話しかけた。]
(37) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
あんなに元気だったのに、 なんでみんな死んじゃうのかな……
[おれが知っている三人だけじゃない。 今までここを訪れた人も、死に、あるいは フェルゼお兄ちゃんも知らぬ間に消えてしまう。 たくさんの人が、ラメトリーを目指したのに。 ラメトリーには綺麗な水も、 おれ達は食べなかったけど安全な芋虫もいるのに。 今まで訪れた大勢のうちの ただの一人も残さずに、何故。
口に出してはみたけれど、 きっとフェルゼお兄ちゃんも 答えは分からないんだろう。]
(38) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
[そして、フェルゼお兄ちゃんは穴を掘りに。 おれはラルフお兄ちゃんの身を清めるために 中庭に残った。
ロイエお姉ちゃんと マーゴお姉ちゃんを清めた時と違って 水甕を持って階段を往復しなくていいから 体力的には楽だ。
ラルフお兄ちゃんの手は傷だらけだ。 この大きな手で、色んなものを守る代わりに たくさんの傷を負ってきたんだろう。 苦労と優しさがにじみ出る手だ。 一生懸命拭っているけれど 爪や怪我の奥深くまで汚れが入り込んでいたり、 謎の草の汁が浸み込んでいたりして なかなか綺麗にならない。 躍起になって拭き清めるうちに おれの手はすっかりふやけてしまった。]
(39) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
[何度、甕の水を取り替えただろう。 数えるのも忘れるぐらい汲み上げた時、 指先に痛みが走った。]
……いてっ
[ラルフお兄ちゃんの傍に甕を置いてから左手を見る。 小指の先に小さな傷が走っていた。 甕を見れば、縁が少し欠けている。 どうやら、ひっかけてしまったようだ。]
あーあ……
[こういう時は、傷を抑えれば治りが早い。 両方の親指でぎゅうと挟み込めば 血が膨れ上がった。
──その時。 横たわったままのラルフお兄ちゃんが ピクリと身じろぎをした。]
(40) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
……えっ?
[驚いてそちらを見るのと ラルフお兄ちゃんの胸ポケット>>3:4から 何かが飛びついてくるのは、同時だった。
とっさに振り払おうとすれば、 空いた左腕、肩の下の内側に その何かがぶつかった。]
(41) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
わ、 わっ! 何、なに!? ──ウッ
[遅れて、痛みが走る。 見ると、紐みたいな何かが おれの左腕からぶら下がっていた。 根元からは、服ごしに赤が滲む。
──食いつかれている。 振り払おうとしたけれど それはぶらぶらと揺れるばかりで 服を、柔らかい肌を突き破ったまま ・・・・・・・ 徐々に短くなっていく。]
(42) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
[まさか。 悲鳴も忘れて上着を脱げば やせっぽちの腕に、ぼこぼこと 見覚えのある赤い文様が浮かび上がる。 それは、皮膚の下を走る血管に潜り込んで 徐々に徐々に根を伸ばしていた。
肌着の奥で激しく脈打つ、心臓に向かって。]
(43) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
|
[助けを呼ぼうにも声が出ない。 頭がくらくらして、目の前が白くなっていく。 その文様が脈打つたびに、喉が渇いて仕方がない。 早く引っこ抜かなくちゃいけない、と思いながらも 指先に力が入らなくて── 意識は、あっという間に遠ざかっていった。]*
(44) kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時頃
|
マリオは、マリオ[[who]]に子守唄をせがんだ。
kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時半頃
マリオは、眠れーよ眠れー良い子はねんねしなーふんふふーん……
kumiwacake 2023/01/09(Mon) 22時半頃
マリオは、ナニってそりゃあナニだよ
kumiwacake 2023/01/10(Tue) 20時頃
|
[けたたましい音が、意識を呼び戻した。 気づけばおれは倒れていて、 なぜか頬も腕も胸も、べしょべしょに濡れていた。
ずるり、とおれから何かが抜けていく。 初めての感触に、震えあがった。]
う うぅッ
[腕から肩へ、血管の中を昇っていた何かが 今はその全身を見せて、 のたうちまわりながら離れていく。 おれは半身を起こして、それを見つめた。]
(49) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
……助かっ た?
[思わず、ハァーッとため息が漏れた。 左腕を抑えながら観察してみれば、それは赤い蔦だった。 のたうちまわるので精一杯なのか、 離れていく速度は、歩くよりもずっと遅くて、 手負いのおれでもすぐに追いつけそうだ。 表情は読めないけど、苦しんでいるように見えた。]
逃げてる……なんで?
[心当たりが無くてあたりを見渡すと、 水を入れていた甕が倒れていた。 襲われたはずみで倒して、 中の水を被ってしまったのだろう。 蔦にもその水はかかったみたいで 蔦が這ったところは、かたつむりの痕みたいに、 水と、おれの血の軌跡が描かれていた。]
(50) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
もしかして、水が嫌い、とか?
[問いかけたところで、答えはない。 ぼたぼたと、赤髪から水雫が落ちる。 抑えていた腕から手を放し、恐る恐る覗き込めば さっきまで赤く浮き上がっていた部分が 枯死したようにどす黒く変色していた。]
うえぇ……これ、治るかなぁ……
[普通に悲しい。]
(51) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
[それにしても、とまじまじと 黒くなった蔦蔓紋様を見る。]
どこかでこの模様、見たんだよなぁ…… どこだったっけか……
『──血を飲めば 永らえる 水を飲めば 終焉を迎える』
[不意に、謳うような言葉を思い出した。>>2:118]
(52) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
[そうだ。 あの時おれは、マーゴお姉ちゃんで手一杯で あの言葉の意味を考えもしなかった。
後に残ったものは全て封じてくれ、と その人は言った。>>2:120 喉から胸元へ走る、紅色の蔦をなぞりながら。 何かに寄生しても危ないから、と。 そして、その人は走り去った。>>2:128 干からびるところを見られないように、と。
あの時は訳が分からなかったことが 頭の中でパチパチとつながっていく。 遺体も、その欠片さえも見つかっていないのに その蔦は、死の匂いを運んできた。]
(53) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
[のたうちまわる蔦に、おれは呼びかけた。]
……ジャーディン、さん?
[蔦は、おれの言葉に一切反応しなかった。 よく見れば、まだ発芽したばかりなのか 付け根らしき場所には、種の名残が残っていた。
もしかしたら、全く関係ないかもしれない。 だけど、ジャーディンさんだと考えれば ラルフお兄ちゃんが、わざわざ 食用にもならなさそうなこの植物を 持ち帰った理由が分かる気がした。]
(54) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
[蔦は、先程から全く変わらず、 逃げることもできずに苦しんでいる。 この汚染された世界の中に唯一残された、 毒を持たない清らかな水によって。]
……………………。
[横倒しになった甕を持ち上げて、水を汲む。 ばしゃん、と再び水をかければ それは少し流されながら、 一際激しく暴れて、そして── 鮮やかな赤はくすみ、徐々にどす黒く変色して、 やがて動かなくなった。]
(55) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
|
これで、ジャーディンさんは、 少しでも安らげるのかな……
[空っぽの甕を抱え込んで呟いて、 すぐにその考えを打ち消した。
マーゴお姉ちゃん達が、 死してなお教えてくれた。 死者のためじゃない。 おれ自身の心の安らぎのために弔うんだ。]*
(56) kumiwacake 2023/01/10(Tue) 22時頃
|
マリオは、えっちな気配を感じた!
kumiwacake 2023/01/11(Wed) 13時半頃
マリオは、フェルゼにむぎゅうした。
kumiwacake 2023/01/11(Wed) 13時半頃
マリオは、ごろんごろーん
kumiwacake 2023/01/11(Wed) 18時頃
マリオは、さてお風呂
kumiwacake 2023/01/11(Wed) 21時半頃
|
[すっかり喉が渇いていた。 泉の水をがぶがぶ飲んで、お腹がいっぱいになったら、 中庭に仰向けに寝転がった。 悲しいこと、怖いこと、色んなことが 立て続けに起こって休む暇も無かった。
ぼうっと吹き抜けの空を見上げれば 紫色の毒雲が、その陰影を美しく映している。 大きな鳥のシルエットが通り過ぎた。ヨナだろう。
中庭は別世界で、まさしく唯一残された楽園だ。 さらさらと風が吹き抜ければ 心地良い清水の香りが頬を撫でた。]
(62) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
……本当に。 なんでみんな、死んじゃうのかな……
[綺麗な水がある。 芋虫も、食べられる人にとってはご馳走だ。 それでも、一人もここでは生き延びられなかった。 ──なんで?
ふと、先ほどの赤い蔦を思い出した。 あの蔦は枯れた。清らかなはずの水によって。
蔦だけじゃない。外を生きる化け物達も、 もとは安全な水を求めていたはずなのに いつのまに、変化してしまったのだろう。 きっと本人さえ気づかないうちに少しずつ 毒を取り入れて、狂った世界と調和していったんだ。 世界が変われば、栄養源も変わっていくから。]
(63) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
[──変わったのは、植物だけ? おれ達人間は?
うとうとと微睡ながら、 気が付けば誰かがおれを覗き込んでいた。 ヨナなのか、フェルゼお兄ちゃんなのか、 死んでしまった誰かかもしれなかった。
おれはうわごとのようにつぶやいた。]
ずっと、不思議だったんだ…… なんでここはこんなに安全なのに、 人が増えて行かないんだろうって……
(64) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
[訪れた全員が、あるいは立ち去り あるいは死んでしまうような過酷な場所なら ラメトリーなんて誰も目指さない。 噂は本当だった。清らかな水はあった。 枯れかけてはいたけれど、 まだその時は訪れていなかった。
だけど、ラメトリーにたどり着くまでにも 食べなければ生きていけない。 悪夢を見せる果実を齧り、 ぶよぶよした卵を飲んで 少しずつ、汚染された世界に適合していた。 水の清らかさに耐えられなくなっていたのは、 人間の方だったとしたら。]
(65) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
[甲高いヨナの鳴き声の中に、 カチ、カチ、という歯車の音を聞いた。
そういえば、ラルフお兄ちゃんが フェルゼお兄ちゃんは機械か何かで この泉か庭園を守ってるんだと思う、と 死の間際で言っていたっけ>>4:15。
長い長い時をかけて、 水は変わらぬままに人間が変化して 水の清らかさに耐えられなくなったなら── それをフェルゼお兄ちゃんが 数多の命を繰り返しながら守っていたなら あまりにも皮肉だ。]
(66) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
[言葉にするつもりは無い。 どうせ、ただの仮定だ。 いずれにせよ、みんな死んでしまうなら 何があっても、残るのは無だけ。 それを、フェルゼお兄ちゃんは埋めている>>2;55。
それに、原因が水だったとしても きっとフェルゼお兄ちゃんのやることは変わらない。
楽園を求めて訪れた人のために、 安らぎを提供する。それだけのこと。>>2:23
おれはフェルゼお兄ちゃんみたいに 命を繰り返すことはできないけれど その心と行いは引き継ごうとしていた>>2:57。
今、この状態になっても おれが提供できるものは何だろう。]
(67) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
フェルゼお兄ちゃん……
[覗き込む影がフェルゼお兄ちゃんだったのか そうでないのかは分からない。 けれど、おれの目には フェルゼお兄ちゃんが見えていた。]
おれ、物は何も持ってないけどさ…… ひとつだけ、あげられるものがあるんだ……
[口を開けるのがおっくうで、 言葉の代わりに何度もあくびが漏れた。 起きているはずなのに、 聞いたことのない変ないびきをかきながら やっとの思いで伝える。]
(68) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
この、体……あげる。 フェルゼお兄ちゃんが埋めて。 きっと、心が軽くなると思うんだ。 おれで最後だと、思ってるんでしょ?
[埋葬には時間も手間もかかる。 正直に言えば、面倒な作業だとも思う。 それでも、必要なことだ。 フェルゼお兄ちゃんにとって。]
(69) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
おれ……姉さんのこと、見捨てたんだ。 あれじゃあ助からない、仕方ないって…… 死ぬところも見れなくて、弔えなかった。
[だから、罪悪感だけが凝ったまま 今もこの体を嘘で包んでいる。 時折姉さんに見られているように 感じる時があるけれど それは見守っている、という感じではなくて おれのことを恨んで、見張っているように感じる。
実際のところは、もう聞けない。]
(70) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
姉さんのことも供養できたら、 姉さんの魂と一緒に おれの心も養えたんだろうなって そう思うんだ…… マーゴお姉ちゃん達は、見送らせてくれたから。
[だから、フェルゼお兄ちゃんにも おれのことを見送って欲しい。 おれは来訪者の一人にすぎないから 悲しみを受け入れるためじゃない。
忘れてしまうほど長い時間勤め上げた大役の、 その終焉を実感するために。 肩の荷を下ろすために。]
(71) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時頃
|
|
[カチ、カチ、カチ。 歯車の音は一定のリズムを保ったまま。 一時も休まずになり続けるその音が、 おれには時の流れのように聞こえた。 決して乱れることなく、逆行もせず、 死に向かって流れ続ける時に。
その流れに身を任せていると 胸の奥底から湧いた言葉が、 泉のようにこぼれ出て、 おれはうっとりと呟いた。]
ああ、それにしても…… お水、おいしかったなぁ……
[──ごちそうさまでした、と。]**
(72) kumiwacake 2023/01/11(Wed) 23時半頃
|
マリオは、ラルジャ!
kumiwacake 2023/01/12(Thu) 00時頃
マリオは、なでなでされて目を細めた。
kumiwacake 2023/01/12(Thu) 00時頃
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る