22 共犯者
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―広場と森の境界―
[誰かが倒れた音。銃声。 呆然とヘクターを見やり――恐る恐る、背後を振り返った]
…………村長夫人だぞ! いくら――いくら祭を守るためとはいえ、……村長夫人だぞ、ヘクター!
[掴みかからん勢いでヘクターに罵声を浴びせる。大声で喚き散らして、そして――そして、ふと、口をつぐんだ]
駄目なんだ。 ミツカイサマにお還りになってもらわないと、やっぱり、駄目なんだ。
[ぽつりと――しかし、響くように呟いて。能面を張り付けたような表情になり、ヘクターに]
供物は森の中に捧げないと。そして、僕達も巡礼の続きに行かないと。 ホリー、行こうか?
[そしてホリーの方を向いて、首を傾げる]
(1) 2010/08/02(Mon) 00時頃
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[抱きあげられたパピヨンの遺骸。 それを供物台に捧げて、弔って――終わりなんだ。今日はこれで終わり。 供物台に捧げられる一部始終を、ヘクターの隣で見守り続けようと彼について行く。
パピヨンは死んだ。 村長も死んだ。
村は、逆戻りになってしまうのだろうか。これで――]
僕が…… 僕が、何とかしないと……
[生き残らなければならない。 そして、ミツカイサマを。 ともすればとてつもなく脆い決意を抱いて、青年は森の奥へ]
(10) 2010/08/02(Mon) 00時半頃
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……記者さん。 是非、見届けて行って下さいね。
[ついてくる記者には、一言そう残して。 意志を固めつつ、森を抜けるべく歩く。
供物台から離れる時に、ゆっくり十字を切り、深々と頭を下げた**]
(16) 2010/08/02(Mon) 01時頃
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そう、こっちでいいはず…… そうだ。葉っぱ取って行かなくちゃいけないらしいから。それだけは忘れないで?
[道を確認しようと振り返る片割に、うんと頷いいた時。 柔らかな手が頭の上に置かれた]
ホリー……
[泣きだしたかった。 ない交ぜになった感情を、全部ぶつけて喚きたかった。 でも、まだ、その時じゃない。だから、うんと頷いて]
ありがとう。
[そして、己もまた明け方には森を抜けるのだろう]
(44) 2010/08/02(Mon) 11時半頃
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―広場―
[夜が明けて。 再び広場に村人たちが――長老たちが集まって来たのならば、その中の一人を捕まえて、言うだろう]
リンドクヴィスト夫人はお帰りになりませんでした。 この場合、次の村役の継承はアレクサンドル家にということで間違いありませんね?
[老人達はどういった反応を示しただろうか。 オスカーが村の所謂『伝統』や『儀式』に、良い思いを抱いていない事は――それなりに問題視されていたかもしれない]
僕は、儀式が終わるまで生き残ります。 そして、儀式を終わらせるために、ミツカイサマにも『お還り』いただこうと思ってます。
[腕を組み、長老連中にそう言い放つ。 意志を込めた――そして挑戦的な視線を、長老たちに向け続けている事だろう**]
(46) 2010/08/02(Mon) 12時頃
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―広場―
[再び戻って来たニールに、何事かと目を見開く。 だが、彼の口から聞こえた言葉にその目を細める――来た。
その問いは最もだった。 そもそも、出たいなら出れば良かったのだ。それを否定できない。村を棄てて、家族を捨てて、外の世界で、自由に]
では、勝てなければどうします? 儀式を続けてどうします?
まさかとは思いますけど、二ールさん……
[運ばれてきたノックスの遺骸をちらりと見やる。心の中で深い黙祷をささげた]
あなたも生贄に選ばれたうちの一人です。 なにもしなければ、あなたもいつか『ああ』なるんですよ。まさか、自分だけは何があっても死なないなんて思ってるなんておっしゃらないで下さいね?
(110) 2010/08/02(Mon) 22時半頃
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――ええ、もちろんあなたがそんな方ではない事くらいわかっています。 覚悟、していらっしゃるのでしょう。僕はそのような遺体を、ソフィアを見るまで知りませんでした。ですがあなたは知っている。 供物になって死ぬ事も、あるいはミツカイサマの手によって死ぬ事も、あなたはきっと了承済みだ。村の年輩の方は、皆そうでしょう。そうなのでしょう。信じています。
……結局、これは僕の私的な独白に過ぎません。自分勝手な思いを、生贄の皆さんに、村の皆さんに押しつけてしまっているだけだ。 そうです。これはただの決意表明です。若造の独り言と思って、聞き流していただいて構いません。
[自嘲気味に口元を吊り上げて、しかし青年は語る]
僕は姉を殺したくありません。友人を殺したくありません。例え本人達が自らの死を了承していたとしても、『僕が』殺したくないのです。 昨晩、パピヨンさんは僕達に――僕達の中に居るかもしれない、ミツカイサマに願いました。誰ひとり死ぬことなく、森を抜けさせてほしいと。
(111) 2010/08/02(Mon) 22時半頃
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しかしパピヨンさんは供物となり、ノックスは殺されました。 今晩だけで、僕達の村は二人の人間を失ったんです!二人です!もうあの二人は居ない。戻ってこない、死んだんだ! そして今夜もまた、確実に誰か一人は死ぬでしょう。もう一人、死ぬかもしれない。村はふた晩で、四人の人間を失うんです。
[荒げた声を抑え、もう一度息を吸う]
ミツカイサマに勝てる方法なんてどこにもないかもしれない。 ミツカイサマが誰で、そもそも一体何なのかだって、僕は知りません。 懇願する事自体無意味なのかもしれない。受け入れて死ななければならないのかもしれない。
だけど、僕は、それが、嫌なんだ。
[再び広場の人間を睨みつける。それは、憎悪の籠った視線。ホリーを変えた村への、パピヨンを、ノックスを殺した村とミツカイサマへの、そして――その村を棄てられなかった己への]
僕は生きて帰りたいと思う。なるべく多くの人間達と共に。
(114) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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そして、今回の祭が終わったら。
新たな村役、アレクサンデルの名のもとに、今後一切の祭を取り行わない事をここに宣言します。
不服なら、どうぞ僕を殺して下さい。供物として捧げて下さればいい。 ですが、僕達自身が変わらない限り――僕達は永遠に『ミツカイサマ』の恐怖から逃れる事は出来ないのだと、僕はそう思っています。
以上です。
[深々と一礼して、その場を立ち去ろうとするだろう。 無茶苦茶言ってしまったな、と心中で苦々しく思った]
(118) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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癇癪を起して、多分――何もかもを村とミツカイサマに押しつけたいだけなんです。きっと。
[ごめんなさい、と二ールの言葉に小さく謝る。 結局、自分は村が憎いだけなのだ。ホリーを変えてしまった村が憎い。それだけのことなのだろう。そして捨て切れていない。 冷静になれば、生贄も。供物も。ミツカイサマも。受け入れられるのかもしれない。
だけど、冷静になれないのだった。
二ールから身を離して、ぽつり、徐に呟いた]
そうさ。 一緒に巻き込んでぶっ壊してやるんだ。それでもいいや。
(122) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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>>126 ありますとも。
もしもその不幸が僕達に降りかかった時、僕がまだ生きていたら―― 僕は首を差し出しますよ。そうであるべきでしょう。
[もっと話しておきたかった。 もっと、考えを知りたかった。 ――アルフレッドさん。
疎ましく感じていたその顔を思い出し、心の中で十字を切った]
二ールさん。 ありがとうございました。
(130) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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―井戸―
[ほてほてと歩いて、どっと肩を降ろす。 やばいなー、まずいなー、いっちゃったなー。子供じみな感情がぐるぐるっと回って、溜息となって吐き出された]
もうニールさんの所のお肉食べられないかも…… こんなことなら、前夜の晩餐の時にもっと食べときゃよかったー……
[今更それかよ、と突っ込む内心を無視しつつ、かつてそうしたように井戸に背を預け、空を見上げる。 能天気な空だなあ、と思った]
(137) 2010/08/02(Mon) 23時半頃
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[能天気な空すぎて、昨晩の記憶を思い出してしまう]
パピヨンさん…… ノックス……
[二人の顔を、思い出してしまう。 滲んだ視界をごしごしと拭い去って、また息を吐いた]
(141) 2010/08/02(Mon) 23時半頃
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……? ヴェスパタインさん。
どうかなさいましたか?
[色々ありすぎた。 愚問だと思いつつ、その背中に問いかける]
お水、必要でしたら――汲みましょうか。
[小さく笑って井戸の弦を引く。 からり、音が鳴った]
(155) 2010/08/03(Tue) 00時頃
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はい、どうぞ。
[くたびれた笑顔だな、と思いながら。桶を差し出す]
はい。 ノックスも……亡くなりました。 ミツカイサマの手によって森に『還された』んだって、長老連中は言ってましたけど……
[悔しくなって、ぐ、と拳を握る。 奥歯を噛む音は、ヴェスパタインの耳に届いただろうか]
抗える事じゃないって……でも、僕は……
(162) 2010/08/03(Tue) 00時頃
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ありがとうございます。 そう言って下さると、本当に助かります。
ですけど、背負い込まないと死んじゃいますし。 ……姉も、僕も、皆も。
[小さく笑う。決意の眼差しは固く]
(168) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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村を変える前に、まず儀式を生き残らないといけないんですけどね。
[あはは、と声をあげて笑う。 何だか、諦めているような――そんな気配を、目の前の青年から感じて]
意志を継ぐなんて、そんな大それたこと…… でも、許されるのなら。僕は、そうでありたい。
[ただの若造ですけどね、と付け足して]
いつか、ヴェスパタインさんにとっても……暮らしやすい村になりますように。
[それは、『余所者』と時に蔑まれる彼に向けた言葉で]
(176) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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双生児 オスカーは、ランタン職人 ヴェスパタインの様子を、何となくみつめている。**
2010/08/03(Tue) 00時半頃
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―自宅―
[家族にはわき目もふらずに、自宅に戻る。 少しの間ベッドに突っ伏して、――それから、弾かれたように顔を挙げた。
周囲を見回しながら、ゆっくりと階段を下りる。生贄と捧げられる者に、今更かける言葉もないのか。地下の書庫には、案外あっさりと侵入できた]
(224) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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―自宅・地下書庫―
……ホリー、何をやったんだろう……
[本がぎっしりと詰められている。古い本ばかりで、題名も埃を被ってよく読めない代物ばかりだ。 姉は昔から、本を読む事が好きだった。自分とは対照的に。 昔を懐かしみながら、いくつかの本の背表紙を撫でてみる。小説のタイトルが浮かび上がり、ふっと息を吐いた]
更にここから隠された場所にあるのかなあ。 ゼルダのばあさん、あの後どうしたんだか……
(226) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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[ホリーは本を読むのが好きだった。 本を読むのが好きで、――地下室、ここ?で、何かを、読んだ。らしい。 本、と言った。あの時、彼女は。 無い頭では、それぐらいしか考えられない。それが何なのかまでは、分からない]
別にいいんだけどさ。 別に……
[呟きながら、ぶらぶらと地下書庫を当てもなく彷徨う]
(228) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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―自宅地下―
[どれぐらいの時間が経っただろうか。 ふいに、上から声が聞こえた。ホリーの声だ]
帰って来たんだ。
[そっと地下の扉を閉めて、廊下へと出る]
お帰り、ホリー。
[そして、姉に声をかけた。 地下から上がる足音は、聞こえてしまっただろうか]
(243) 2010/08/03(Tue) 17時半頃
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あ……ごめん。 ちょっと……ね。
あのさ、ホリー。
[適当に誤魔化しの笑みを浮かべる。 いつもより華やかな服装の姉。叶うならばその手をそっと握って]
もし僕が居なくなったら……いなくなっても…… 僕は君に対して、何にも出来ないままで…… ごめん、なんでもない。
[己の胸元に、手を置く。ナイフの感触がある]
そろそろ時間みたい。 森、行く?
(266) 2010/08/03(Tue) 21時半頃
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別に何もないよ。 もちろん、僕は居なくなるつもりなんて無い。 ホリーと一緒に、いつか村を変えていきたいって思う。
だけど……アルフレッドさんも、パピヨンさんも……だったから。
[それもまた現実なのだ。 自嘲の笑みを浮かべて、ホリーの頭を軽く撫でて]
行こう、ホリー。 君は絶対に還させない。君も、僕の友人達も、皆。
[脆い決意を口にして、 広場へと向かっただろう]
― →広場―
(280) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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―広場―
[ミッシェルの姿がある。 二ールの姿がある。他にも、何人か。そしてヴェスパタイン。 ぺこりと礼をして、森の方を睨んだ]
(286) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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>>291
パピヨンさんが亡くなってしまったので、村役がアレクサンドルに継承されましたから、その件……だと思います。 長老連合の皆さんが、本当に許してくれたかどうかは分からないけど。
[言いながら、少し驚いた。 自分が広場で喧嘩を売っている間に、ホリーはそんなことをしてくれていたのだ]
(297) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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あの、 朝はありがとうございました。
[どんよりしているヴェスパタインに、何となく近寄って。 井戸端での出来事の礼を述べた]
……。
[何と声をかければいいか分からず、心配そうな目線を向けている]
(308) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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>>311
死なないでくださいね。 あなたも――
[そう言いつつ、今晩も供物は捧げられてしまうのだろうか。 どうすればいい、どうすれば終わる。ミツカイサマは何処に居る、ミツカイサマは、誰だ? 分からない。分からないから焦る。無意識に指を噛んだ]
そろそろ、森に入ろうと思います。 時間も、近いですし。
[浮かぶ月を見上げて、言った]
(314) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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>>327
うん。 いいよ。 はぐれないで……足元には気をつけてね。
[頷いて、手を差し出す。 にっこりとほほ笑んで、暗い森の奥へと足を進めた]
大丈夫。何かあっても、僕が何とかする。
[落ち着かない様子のホリーに、そう声をかける。 思うのはミツカイサマの事。森の何処かに、間違いなく居る筈だ。そして供物の事]
(334) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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そういえば、さ。 ホリーって、本読むの好きだったよね。
[ぶつぶつと何かを呟いている姉。 明るく声をあげて、ゆっくりと足を進めながら]
僕はさ、小難しい話とか、ばあさんの話とか嫌いだったけど…… でも、本っていいよね。
[柊の葉っぱを取って、後は、供物。 供物。そうだ。何かしないと、供物がささげられてしまう。だけど、どうすればいい?]
……ミツカイサマは。 ミツカイサマは、どこにいるんだろうね……
[ぽつり、呟いた]
(344) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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双生児 オスカーは、飾り職 ミッシェルから送られた紙飛行機を視界の端に見た。
2010/08/03(Tue) 23時半頃
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? どうしたの、ホリー。
[紙飛行機は近くの草の間に落ちて行った。 拾おうとした時、傍らのホリーが足を止める。 振り返って、首を傾げた]
(349) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[姉の様子がおかしい。 手が震えている。何かを本当に恐れているような気配を感じる。
森。 暗い森。 昨日は驚きと怒りと共に駆け抜けてしまったから――でも、改めて見回してみれば]
……今は、たまたま暗いだけだよ。 ほら、木の葉が重なっているでしょう?もう少し歩けば、遮られた月の光を見る事が出来る筈だから。大丈夫。大丈夫だよ、ホリー。
[言い聞かせる。 この森に、――開けた場所なんてあっただろうか。 何か救いを求めるように、辺りを見回した]
(353) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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双生児 オスカーは、ランタン職人 ヴェスパタインのランタンの灯りを見る事が出来たなら、あ、と声を上げて。
2010/08/03(Tue) 23時半頃
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上をよく見ていて。 きっとどこかに、光の漏れる所がある筈だから。
[下に目を向けるよりは、空を仰いでいて方が良いだろう。 先程、視界の何処かをランプの光がかすめた気がする。 光が欲しい。まずは、光を――。
傍らに落ちた紙飛行機を拾い上げて、 ランプの光が見えた方向へと足を進めようとする]
(361) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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ヴェスパタインさんだ! ホリー、ランプの光があるよ。ヴェスパタインさんが持ってる!
[上ずった声で、ホリーの手を軽く引く。 声の方へと歩く。――だが]
……っと。
[つまづいて、転びかけた姉。 その身体を受け止める。そして、その顔を、見た]
大丈夫だよ。ホリーは僕が守る。 光も、多分、今――
(372) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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[振り返り、ヴェスパタインの声が聞こえた方に、こちらも声を張り上げた]
すみませーん、ヴェスパタインさん、いらっしゃいますかー? 灯り、もらってくる。ちょっとだけ、待って。
[ホリーから少し身体を離して。おーいと大声をあげて、ヴェスパタインの声が聞こえた方向へと踏み出した]
(373) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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