52 薔薇恋獄
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[謝罪の言葉を紡ぐ耀と珀に、ゆるゆると首を振り]
何よりですよ、大事無いようで。
耀君、少し横になりますか? それとも、何か食べておきますか?
[もし暫く眠るようであれば、自分は食事を後回しにしてついていようと思ったが。 その矢先、不意に周囲が暗くなった]
あ……。
(0) 2011/05/18(Wed) 00時頃
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[明かりはすぐについたけれど、代わりに感じられたのは、今までここになかったはずの薔薇の香り。 そして周囲の喧噪から、大須の姿が忽然と消えたことを知る]
大須君、鳴瀬先生達を呼びに行ったんじゃないんですか……?
え? 違う……?
[耀の様子を伺い、立てそうならば近くの椅子へと着席を促し]
本当に、さっきまでそこにいたんですか?
[再度、皆に確認してみる]
(19) 2011/05/18(Wed) 00時半頃
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えーっと、みんな、落ち着いて……。
[自分も、大須達を探しに行くべきか。 それともここに留まるべきか。 大広間に残る生徒達をどうするか……。
こんな時、鳴海先生ならどんな指示を出すのだろう]
先生、早く戻ってきてくださいよ……。
[テーブルに手をかけたまま、窓の外を見て、少し情けない声を漏らした]
(35) 2011/05/18(Wed) 01時頃
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あ、鳴瀬先生!
[鳴瀬の声が聞こえると、安堵の表情を浮かべて振り返り]
……良かった。
あのですね、耀の方は、ひとまずもう大丈夫だとは思うんですけど。 その、つい先程、停電がありまして。
大須の姿が、急に見えなくなってしまって、どうしようかと……。
(40) 2011/05/18(Wed) 01時頃
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甲斐君ですか? いえ、彼はまだ……。
[首を軽く左右に振る]
石神井君達が呼びに行っている筈なんですけれど。 先生、心当たりありませんか?
(41) 2011/05/18(Wed) 01時頃
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あ、はい。 すみません。
[最上の声に一瞬驚くも、確かに自分が落ち着かなくてはどうにもならない。 耀の傍に歩み寄ると、立てるかどうか様子を伺う]
はい、大須君が……。 ……先生?
[鳴瀬の顔色が急変するのを見ると、また不安げな表情を浮かべそうになった。 それではいけないと、軽く首を振り]
甲斐君、一緒だったんですか。 ならそのうち、ここに来るんでしょうか……。
[またちらりと、耀を見る]
(55) 2011/05/18(Wed) 01時半頃
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そうですね。 とにかく、私の部屋で少し横にさせておきます。
[耀の正面に回り込み]
……立てますか?
[そう訊ね、立てるようであれば肩だけを貸す。 もしも立てないようならば、かなり無理はあるが、背負っていくしかないだろう]
あ……この雨ですし、停電もありましたから。 他にも、怪我をした人がいたら、早めに治療に来てくださいって。 これ、みんなにも伝えておいてくださいね。
(57) 2011/05/18(Wed) 01時半頃
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[耀を連れて大広間を出る前に、鳴瀬の前で一旦足を止め]
助かりました。 私では、こういう時に的確な指示は出せませんから……。 あと、最上にも……。
[そして軽く頭を下げてから、部屋に戻った**]
(63) 2011/05/18(Wed) 01時半頃
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―回想―
[甲斐を探し、呼ぶ耀に、少し困惑の表情を浮かべ]
あ……。 先生、それと、皆も。
もし甲斐君を見かけたら、私の部屋に来てほしいって、伝えておいてくれませんか?
[そう言伝し、広間を出ようとした辺りで、静谷から電話のことを聞かされ]
電話が? 雷で、一時的に……とかなら良いんですが。
[あとで確認してみますと告げてから、部屋へ**]
(118) 2011/05/18(Wed) 09時頃
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─ 1階自室 ─
[甲斐が部屋に到着すれば、簡単に事の成り行きを説明する。 症状などについては、いちいち事細かに告げなくても、彼になら分かるだろうか]
……はい?
[邪魔にならぬようにと、少し離れようとしたところ、甲斐が何か言ったような気がして振り向いた。 護る───とか、聞こえたような気もするが]
あの、甲斐君……。 なにかありましたか……?
[気難しげな顔をする甲斐に、控え目に訊ねてみる]
(220) 2011/05/18(Wed) 18時半頃
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スティーブンは、セシル(鳴瀬先生)が、甲斐を部屋によこしてくれたことに、感謝した。
2011/05/18(Wed) 18時半頃
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中止に、ですか?
[数度瞬くも、この天候に加え、体調の良くないものも出ているし、大須の件で不安が広がっているようにも思えた。 しかし、皆は納得するだろうかと考え込む]
そうですね……。 あとで、鳴瀬先生と話してみます。
[中庭にいたかと問われると、緩く首を振り、耀に視線を向けながら]
いえ、私は大広間にいましたから。
(222) 2011/05/18(Wed) 19時頃
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そうですね……。 大須君と、彼の叔父さんには申し訳ないですが、鳴瀬先生と話し合って、場合によっては雨が小降りになり次第帰宅するように……。
……はい?
[言葉を付け足されれば、頷いて]
分かりました。 内緒に、ですね。
[なんとなく鳴瀬先生らしいと思いながらも、やはり怪我は心配である。 だから、微かに感じた何かは、おそらくは、早く怪我の程度を確認した方が良いという、保健医としての義務感……だと、思う]
(230) 2011/05/18(Wed) 19時半頃
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[甲斐の視線が、耀へ向く。 幼馴染みの彼らの間には、やはり、自分の知らぬものが沢山あるのだろう]
私、暫く席を外しますから。
何かあったら、多分ロビーか大広間にいると思いますんで、声をかけに来てください。 それと、中庭の話。 私からも皆に聞いてみますね。
[そう甲斐に告げると、一旦部屋を離れることにした]
(231) 2011/05/18(Wed) 20時頃
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[念のために、薬や湿布を少しだけ持って、部屋を出ようとする。 扉に手をかけたところで、甲斐の声が聞こえて足を止め]
……それは、どうでしょうね。
[年若い鳴瀬の方が、自分よりずっとしっかりしているように思えて。 何かと頼っているのは自分ではないかと]
……。 それでは、後を頼みますね。
[振り向かぬままでそう言って、静かに戸を閉めると、ひとまずロビーへと向かった]
(236) 2011/05/18(Wed) 21時頃
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[この雨は、明日には止んでくれるだろうか……。 そんなことを考えながら、ぼんやり窓の外を見ていると、誰かの声が聞こえ、そちらへ顔を向けた]
あ、土橋君。 どうしました?
[持ってきた小さな鞄の中を見てみる。 塗るタイプの絆創膏は1(奇数なら持ってきた)]
(245) 2011/05/18(Wed) 21時半頃
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[鞄から、小さなチューブと消毒液、ガーゼをを取り出し]
土橋君。 怪我、どこですか?
(248) 2011/05/18(Wed) 22時頃
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薔薇の刺ですか。 そういえば、中庭は薔薇が一杯ですからねぇ。
[土橋の指の怪我を見ると、まずは軽く消毒し、それから液体絆創膏を軽く塗ってやる]
はい、終わりました。 少しだけ乾かしてくださいね。
百瀬君も?
[軽く頷き]
分かりました、見かけたら声をかけてみますね。
(251) 2011/05/18(Wed) 22時頃
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そうですか、いっぱいでしたか。 ならば、暗い時に出歩くのは危険ですね。
……はい、どういたしまして。
[土橋にお辞儀し返すと、軽く腰を伸ばし]
それじゃ私、今のうちにちょっと食事をとってきますから。
[そう言うと、大広間へ向かい歩き出した]
(280) 2011/05/18(Wed) 22時半頃
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─ 大広間 ─
[温め直したカレーを、皿に盛る。 折角なので、焼きそばも少しだけ。
テーブルに運んで席につき、カレーを一匙口に運ぶが、なんだかあまり食欲が沸かない。 ひとりでの食事だからだろうか。 しかし、それは普段も同じ事]
……いけませんね、こんな事では。
[もっとしっかりしなくては。
先程の、最上の言葉を思い出し、強く頭を数回振って。 それから食事を再開する]
(298) 2011/05/18(Wed) 23時頃
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─ 大広間 ─
[終始無言のままで食事を終えると、使った食器を洗い、片付ける。 そして、そろそろ耀達の様子を見に戻った方が良いかと、部屋へ引き返すが]
……あれ?
[そこには誰も居なかった。 甲斐か珀と一緒に、部屋に戻ったのだろうか?]
(367) 2011/05/19(Thu) 00時半頃
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スティーブンは、隣室から聞こえた声と物音に、首を傾げた。
2011/05/19(Thu) 00時半頃
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[気にならないといえば嘘になる。 かといって、聞きにいくのもいかがなものかと、あれこれ考えを巡らせる]
…………。 だから、それがいけないんですって。
[いつも後手後手。 何もせず、後悔することもしばしば。
これだから、いつまでもかわれない。
暫し考え、頷くと、隣室へ足を向けた]
(387) 2011/05/19(Thu) 01時頃
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スティーブンは、部屋を出る前、甲斐の置き手紙に気付き、目を通してからポケットの中へ。
2011/05/19(Thu) 01時頃
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─ 鳴瀬と甲斐の部屋の前 ─
先生。 そちら、誰か居ますか?
あれ、蓮端君?
[同室らしい甲斐がそこにいることは、特に疑問に思わなかったが、蓮端がいたことは少しだけ予想外だった]
すみません。 えーっと、あー……甲斐君。 耀君、具合もう良くなったみたい、ですか?
[ただ気になって覗きに来た……とは言いづらく、無理にそんな理由をつけてみた]
(395) 2011/05/19(Thu) 01時半頃
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あぁいえ、置き手紙も見ましたし……。 その、耀君がもう何ともないようなら、それで、特には……はい。
あ……。
[無理矢理作った理由だった為に、若干辿々しい物言いになってしまった。 鳴瀬の歩き方が不自然なことは、すぐに気付いた。 甲斐から足のことを聞かされていたから、というのもあったが、やはり、意識が向いていたことは否めない]
それ、あとで……。
[視線だけを鳴瀬の右足に向け、とりあえずそれだけ告げる]
(407) 2011/05/19(Thu) 01時半頃
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[蓮端に「ゆるくなかった」と告げられると、小さく息を吐いて肩を竦め]
……そうですね。 丁度良かったということにしておきましょう。
大丈夫ですか?
[支えようと腕を伸ばした辺りで、また別な声が聞こえてきた]
石神井君?
(409) 2011/05/19(Thu) 02時頃
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今ですか?
[えっ、と、少し驚いた表情になる。 どうしたものかと、そこにいる面々の顔を見てから、自分の部屋の方を指差して]
あ、そしたら、ちょっと部屋に……。 合宿どうするかの相談とか、ありますから。
[あくまで、相談の為であるかのように言う]
(419) 2011/05/19(Thu) 02時頃
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スティーブンは、石神井が部屋に入るようなら、少し横にずれて通路をつくる。
2011/05/19(Thu) 02時頃
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[無理をして歩いているような鳴瀬に、手を伸ばしかけるが、手を貸せば彼が怪我をしていることがしれてしまうだろうと思い、眉間に僅かに皺を寄せ、手を引いた]
それじゃ、ちょっと行ってきます。
[そう言って、部屋を出ようとしながら、蓮端と石神井を交互に見て]
あの、そういうわけなので。 石神井君、すみませんが、蓮端君を少しだけお願いします。
(428) 2011/05/19(Thu) 02時半頃
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─ 自室 ─
[部屋に着くと、あまり誰かに見聞きされたくはないだろうと思い、扉を閉める]
そうですね……見るからに、だいぶ辛そうですし。
[そう言いながらも、浮かぶのは安堵の笑み。 もしこのまま怪我を隠されていたらどうしようという気持ちもあったし、鳴瀬がいるという安心感もあった]
少し、触りますよ。 痛かったら言ってくださいね。
[湿布やテーピングを用意して彼の前にしゃがみ込むと、患部の衣服を軽く避け、そっと触れる]
(440) 2011/05/19(Thu) 03時頃
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[鳴瀬がびくりとすると、ついつられてこちらもビクッとしてしまった]
ちょっと冷たいですよ。
[コールドスプレーを吹きかけ、晴れた部分の熱をさます。 ある程度落ち着いたのを確認したところで、水気を拭き取り]
一応、普通に歩けるように、テーピングしておきますね。 けれど、無理はしないでくださいよ。
[言いながら、足にテープを巻いてゆく。 治療中の表情は、普段のぼんやりしたものと比べると、かなり真剣に見えるかもしれない**]
(444) 2011/05/19(Thu) 03時頃
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─ 自室(治療中) ─
……きついですか?
けど、これくらいしておかないと……っ。
[時折漏れ聞こえる小さな悲鳴に、つい手を緩めてしまいそうになるが、それではテーピングを施す意味がない。 何かを堪えるように眉根を寄せ、きつく、しっかりと巻き付けてゆく]
はい、終わりました。 肌色のテープですし、あまり目立たないとは思いますが……。
[言いながら、テープの巻き付けられた鳴瀬の足首を見る。 ……胸が、軽く痛んだ気がした。 治療中に覗き見た鳴瀬の目許に、涙が浮かんでいた所為だろうか。 いや、治療中に痛みの涙を見せるものなど、別に珍しくなどない。そういう時は、確かに若干申し訳なく感じたりもするが……それとは、また違う]
(517) 2011/05/19(Thu) 13時頃
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[治療がすむと、またいつもの、穏やかというよりも少し抜けたような表情に戻ってしまうだろうか。 それでも、普段よりどこか切なげではある]
あの。 いちいち言う必要も、ないかもしれませんけど。 できるだけ、安静にしておいてください。 座っていたり寝ていたりの時は、出来れば、少し足を持ち上げて。
お風呂は、できれば今日くらいはやめておいた方が良いんですが……そういうわけにもいきませんよね? あの、なるべくサッとで……それと、右足は湯船に入れないで、くださいね。
それから……。
[ぽつぽつと、あれこれ注意を促すのは、鳴瀬が無理をしないようにという意味もあったが、それよりも、話がしたいとか、もう少しここにいて欲しいとか、そういった感情の方が強かったかもしれない。 何故そんなことを思うのか……自分でも、少し不思議だったが]
(522) 2011/05/19(Thu) 13時半頃
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あ、そういえば……合宿の件なんですけど……。
[足首の具合を確認している鳴瀬を見て、はっと思い出す]
甲斐君が、先程言っていたんですけどね。 この合宿、中止というか……早めに切り上げるように、しませんか?
大須君の件もありますし、この雨ですし……すぐにというわけにはいきませんけど、体調の良くない生徒もいますし、それに、先生だって………。
[またじっと鳴瀬の足首を見て、切なげな表情を浮かべ]
私では、部員達をまとめ上げることは出来ませんから……。 ゲーム部には、先生のような人がいてくれないと……それに……。
…………。
[だがその先は、口には出せなかった]
(526) 2011/05/19(Thu) 14時頃
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[その後、鳴瀬は、どれくらいここに留まっていてくれたろうか。 出て行こうとするならば、止められるはずもなく、ただ「お大事に」と小さく言って見送るしかできないのだが。 けれど居てくれるようであれば、いつも以上に柔らかで安心しきった表情を浮かべ、他愛のない話を続けているかもしれない]
───……あ、はい!
[織部が部屋を訪ねてきたのは、どれくらいしてからだろうか。 壁を叩く音に、ビクッと背筋を伸ばし、少し大きな、驚いたような声で返事をした]
(532) 2011/05/19(Thu) 14時頃
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そうですね……。 どうしても、普段通りにというワケにはいかなくなりますから。
[鳴瀬からあれこれ訊ねられると、そのたびに頷いて]
多分、少しむず痒くなると思いますけど、なるべく我慢してください。
はい。 濡れたり、剥がれたりしたら、言ってもらえればすぐに直しますよ。
[「親切ですよね」と言われると、少し笑い]
そう言ってもらえると、やっぱり嬉しいですね。
(562) 2011/05/19(Thu) 18時頃
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[合宿の件に関しては、やはり同意見なようで、少し安堵した。 テレビのことを言われ、先程食事に向かった大広間の様子を思い出してみる。 そういえば、あったような気がしたが、映るかどうかは、確認していないので分からないと告げる。
けれど、鳴瀬に手を左右に振られると、困惑気味に眉を寄せ]
それは、ただのかいかぶりですよ。
もしかしたら、他の先生から聞いているかもしれませんが、私は本当に、名前だけの顧問だったんですよ。 顧問のなり手がいないと、部を存続させるわけにはいかないと言われまして……けれど、誰もなり手が居なくて、ですね……当時3年生だった生徒に、泣きつかれてしまったんです。
[そういえば、彼は今どうしているだろう……と、少し懐かしく思いながら]
……実際、私は何もしていませんよ。 部に顔を出すといっても、隅の方で本を読んでいるだけですし、諍いや……その、校則に触れるようなことがあっても……あまり強く言わなかった、というか……言えません、でしたし……。
[後半は、少し声が小さくなってしまった。 部内にタバコを吸っている者がいることは、服や本の匂いから大体察しがついていたのに]
(569) 2011/05/19(Thu) 18時半頃
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あぁでも、私がこんなだから、逆に彼らに自主性が芽生えたのかもしれませんね。
[などと苦笑し、俯き気味だった顔を上げようとすると、鳴瀬と視線が合った]
ぁ……。
[目元と耳が熱を帯びたような気がして、硬直した]
いえその……。 鳴瀬先生、は、私よりずっと若いのに……とても、しっかりしていて……。 ですから、頼りにしているのは……私の方、です……よ。
[ひどく辿々しい物言いになってしまった。 伝えたいことの半分も言えていない。
けれど、これからも───と言われれば、ほっとしたように笑みを浮かべ]
───はい。
[織部が来たのは、その暫く後だろうか]
(571) 2011/05/19(Thu) 18時半頃
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あ、それは……。
[怪我のことを言っても良いものなのかどうかと、鳴瀬と織部の顔を交互に見る。 幸い、織部はそれ以上追求してこなかったので、何も言わないでおいた。
のろのろとした動作で立ち上がる鳴瀬の動きを、やや不安げに目で追って、広間のテレビを確かめにいくと告げられれば、軽く頷く]
はい……。
[足への不安もあるが。 それよりも、微かに感じた心寂しさから、その声はか細いものになってしまった]
(586) 2011/05/19(Thu) 20時半頃
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え?
[織部の声に、我に返ったようにそちらを向き]
あ、はい。 大丈夫ですよ?
えーっと、大須君は、私も見かけてないんですよ。 もし、誰か彼を見かけたら、私か、その、鳴瀬先生に、伝えてください。
(589) 2011/05/19(Thu) 20時半頃
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[暫くは座ったまま、部屋を出ようとする鳴瀬を見ていたが]
あの、私も行きますか……? 人手あった方が、いいかも、ですし。
[立ち上がり、やや消極的に提案した]
(591) 2011/05/19(Thu) 21時頃
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[鳴瀬に背を叩かれると、不安な気持ちが少しだけ和らいだ。 そうだ、自分達は、生徒達を引率する立場なのだから。 もっとしっかりしなくては]
あ、えぇ……。 でも、そう何時間も外すわけではないですし。
そう、ですね。 手分けするなら、私は……。
[織部は大広間を回るようだ。 ならば、足を痛めている鳴瀬に、あまり階段を上り下りさせたくはない]
私は、2階を見てきます。
(599) 2011/05/19(Thu) 21時半頃
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はい。 それじゃ鳴瀬先生、織部君、お願いします。
…………。
[2人を見送ってから、歩き出す]
──なく……で、 ください……ね。
[殆ど声にならなかったが。 背中に、そう声をかけてから]
(623) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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─ 2階 ─
[そういえば、2階に上がるのはこれが今日初めてだった。 まず目に付いたのは、扉のない休憩所のような場所。一応確認してみるが、やはりこんな場所には何もなかった。 ただ、そこから眺める庭は、1階から見たものとはまた違って───息を呑んだ]
……っと、他を回らないと。
[しかし今は、景色を眺めに来たわけではない。 次の部屋へと足を向ける途中、浜那須の姿を見かけたならば、声をかけ、ラジオか何か無いだろうかと訊ねるだろう]
(628) 2011/05/19(Thu) 22時頃
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─ 2階廊下 ─
[浜那須、土橋、石神井の姿を見つけると、そちらへ小走りに近付く]
あ、皆さん。 すみません、誰か、ラジオか何か持ってませんか?
[そして、手に握られている懐中電灯に気が付くと]
それ、他にも何本かありました?
(645) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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あの……。
[不穏な空気に退きそうになるが、とりあえず話は出来そうだと安堵して]
ありますか? そしたら、ちょっと借りて良いですか。
あぁ、すみません……それじゃ、有難く。
[浜那須から、懐中電灯と蝋燭を受け取る。 蝋燭は、少なくとも耀のいるところでは使えないが、役立つ場所もあるだろう]
(661) 2011/05/19(Thu) 22時半頃
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はい?
[珀に腕をつつかれ、振り返る]
あぁ、私はちょっと、ラジオか何か、外の様子が分かるものを探しに。
そういえば、ここ、蓮端君達の部屋でしたっけ? 蓮端君、具合どうですか?
[薄く開いた扉の奥を覗き込もうとする]
(670) 2011/05/19(Thu) 23時頃
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[石神井と蓮端が、何か話しているようなので、邪魔にならないようにと少し離れる。
土橋からラジオを渡されれば、礼を言って受け取って、その場で電源を入れてみる]
あれ……?
[アンテナを最大まで伸ばし、チューナーを弄ってみるが、聞こえるのは雑音ばかり]
(700) 2011/05/19(Thu) 23時半頃
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ちょっと、すみませんね。
[土橋に了承を取ってから、一番近くの窓を僅かだけ開け、そこからアンテナだけを外に出してみる。 けれど、電波が改善される様子はまったくない]
ダメですか……。
[肩を落とし、ラジオの電源を切って窓を閉める]
(712) 2011/05/20(Fri) 00時頃
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あ、はい。 そうですね。
[蓮端達が食事に向かうようであれば、頷く。 まだ2階をすべて見て回ったわけではないが、とりあえず懐中電灯と蝋燭は得たし、土橋から借りたラジオが繋がらないということも、一旦鳴瀬らに伝えておいた方が良いかと思った]
(721) 2011/05/20(Fri) 00時頃
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