204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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―フォレストグリーン/移動前の居間―
[ずっと一緒なら寂しくないと微笑み、ハグを返す。驚き、はしゃぎ、喜ぶ賑やかな声。
二人きりの時には、トレイルの足にしたように、頬以外にもキスをするのに。突然で驚かせてしまったようだ。
ニコラだけの、特別な。
そうやって、平等の中に‘特別’を増やしていく。 緋と緑の羽根は思いの外気に入ってくれた。損ねた機嫌が戻った様。太陽のような笑みを独占する喜び、頬に受けた唇の柔らかさに、目元が緩んだ。>>0:728
テーブルの上には、ニコラの作った毬栗。形状は心の有り様を映していると思うと、そわりとしたものを感じるが、出来の良さにいい子だと誉めるのを止めない。*]
(19) 2014/11/15(Sat) 15時頃
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―スペアミント/移動中の階段―
[スープの器はトレイルに任せることにした。お願いをする前に、彼から手を伸ばしてきた。気遣いを無駄にはしたくない。>>0:742 3階に上がる途中、先に休む旨をすれ違う2組に伝える。]
ぁ。フランシス。
[ドナルドとラルフの方を見てから、彼だけに聴こえるように声をかけた。窓辺に立つドナルドとの会話を思い出したから。>>0:624>>0:625>>0:626>>0:627 兄弟の件で示したのは、トレイルとニコラの2人だった。*]
(20) 2014/11/15(Sat) 15時頃
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―ルビーレッド/夜、3階個室―
[芋と干肉入りのスープで夕食を済ます。部屋の中には3人だけ。 改まって2人の前に座り、荷物の中から小箱を取り出した。>>0:428 大人の手にすっぽりと収まる卵形。ルビーレッドの装飾は所々剥げている。]
……前にも話したと思うけど。 これは、僕の―――哀しみの卵だ。
[切り出した言葉は硬質な声。 触るのは厭わない。
販売品と異なる材質はヒトの皮膚。10年弱の年月が皮膚の色を樹木色に変えていた。骨の枠、心外膜の内張り、髪の糸、血の装飾。]
どんなに想って居ても、どんなに一緒に居たいと願っても――…
衝動に負けてしまえば、おしまい。 肉を裂き、温かな血で喉を潤し、柔らかな内臓を食んでも……満たされるのは、その時だけ。
(43) 2014/11/15(Sat) 22時頃
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幸福は――続かない。
せめてと思って遺しても、あの人は――…
[愛しい2人の肩を掴み、胸元に引き寄せた。眉を顰め、きつく瞑った瞳の端に雫が浮かぶ。]
…――もう、笑わない。抱き締められない。温もりを感じられない。
何処にも ……いない!
[久し振りに強く感情を発露した。 情けない姿を晒しても、古傷を抉っても、愛しい2人を失いたくないから。このままの2人で、居て欲しいから。]
(44) 2014/11/15(Sat) 22時頃
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……吹雪に閉じ込められた、人の多い山小屋だから、僕との約束を決して忘れないで。
自分の中で、何かおかしいと思ったら、必ず僕に教えること。 気になる人が居たら、教えること。そうして、近寄らないこと。
[荒いだ息が心音が、平静に戻る頃には、柔らかで温かいいつもの笑みに戻っていた。力を緩め、抱き締め直す。]
……ニコラ。折角友達が出来たのに、ね。 大丈夫。2人は僕が守るから。 もし――悲しい結果になったとしても、大丈夫。
ずっと、ずっと……一緒だから。
[離れることなく。僕の腕の中に、居て。 グレーとシノワズリの瞳を覗きこむフロスティブルーは懇願めいて。*]
(46) 2014/11/15(Sat) 22時頃
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―デイドリーム/眠りの後、3階個室―
……、待って さか…な
[ハとノックスは目を覚ます。傍らの天使たちの存在に息を吐いた。>>18 何の夢を見ていたのか覚えていない。 バーナバスとの約束は早い方が良いだろう。他の‘保護者’とも。>>25]
……ん、暖かい。
(79) 2014/11/15(Sat) 23時半頃
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[例え昔と同じように歌えずとも、声が戻るかどうか、医者を渡り歩いたことがあった。 不思議なパワーだとか、怪しげな医者も居たが。
決まって成果はなく。 今に至る。
トレイルの喉を撫で、おはようのキスを額に。]
ニコラも起きたら、下に行こうか。 食器、返さないと。
(98) 2014/11/16(Sun) 00時頃
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[卵形は、荷物の奥にしまい直してある。 未だ持ち続けているのは未練があるからではない。 綺麗で、怖くて――…自戒の為。 壊れて、直らないモノ。
けれど、生きている彼らは違うから。
声が戻らぬトレイルも、幼い言動が増すニコラも。 いつかは――…。
目元の雫は雪のよう。ニコラの唇に溶けていった。 頬に残る挨拶の唇の熱。 あぁ、いつもの通りだ。]
(117) 2014/11/16(Sun) 00時半頃
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ん? ……こーら、ニコラ? 起きてるでしょうー?
[脇の腹をこしょこしょと擽り、頬――でなく、額におはようのキスをした。*]
(119) 2014/11/16(Sun) 01時頃
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―アクア/2階、居間―
[荷物は個室に置いたまま、二人を伴い階下に降りる。 洗い物は自分がと進んでやるのは、放置した鍋の様子も見たいから。]
やぁ、ラルフ。一人かい? おはよう。
[側にフランシスとドナルドの姿は見えなかった。]
(123) 2014/11/16(Sun) 01時頃
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[肩に当たる硬いもの。振り返り、栗毛が見えてくすり笑いが漏れた。>>108>>136]
なんだい? トレイル。
[指が差すものに、あぁと頷く。 癖のついた髪。撫でて直そうとしたが敵わなかった。
いってらっしゃいと手を振り見送ると、腰に両手を置いた。さて、洗い物を済ませて兎肉の様子を見ようか。 串に差して焼いても美味しそうだ。]
………雪、酷いな。
[窓辺に立ち、外の様子を伺うも視界は悪く。]
(150) 2014/11/16(Sun) 02時頃
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[いま、何か動いたような。>>132 目を凝らしても何も見えなかった。残念。
やることがなくなると、薪を掴んでソファに座りニコラを呼んだ。隣に座らせる。]
お兄ちゃんは、バーニィとお仕事の話があってね。 ここで待ってるのだけど……まだ来ないみたいだ。
起こすのも、ねぇ。 だからそれまで、この前の続きを教えようか。
[ナイフを渡し、まずは表面を削るところから。**]
(154) 2014/11/16(Sun) 02時半頃
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―ピーコックグリーン/居間―
お寝坊さんなんだよ。バーニィは。
[ラルフの淹れてくれた茶を飲み、ソファに深く座る。寝て、時間は幾らか経ったというのに。変わって居ない気がしてならない。>>185
にんじん頭も困りものだと指で梳く。>>211 ニコラの指差す方にはディーンが居た。彼と、愛し子と、交互に見て。視界にある内はと黙っていることにした。>>213]
だーめ。お兄ちゃんが居てはダメなのかい? フィリップ。
[ダメだから、3人だけでと言ったのだろう。居間に上がってきたこと、2人を探していることに驚く。許可をきちんと取ろうとする様は好意的だが。>>192>>216]
(228) 2014/11/16(Sun) 15時頃
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[物と物の交換でなければ落ち着かないのだろう。タオルを返すのは口実かと、疑ってしまう。 返ってきたトレイル。渇ききっていない髪。ラルフの視線。袖を引くニコラ。フィリップの視線。 首を振り、机上の刃を手で覆う。]
……人の多い場所が苦手だということを差し置いても、二人きりはいけないという判断は正しい。
けどね。
[横槍の声に振り返る。>>232]
(235) 2014/11/16(Sun) 15時半頃
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[戻した視線をフィリップに向ける。 愛しい子たち。子供扱いと大人扱いの境目。]
後で打ち明けるかも知れないから良い、というものではないよ。広くはないこの建物内だとしても、子供たちだけにしておきたくないんだ。
……3人でというのなら、姿の見えやすい所にしてくれないか。声の届きやすい所にしてくれないか。
[指を微かに曲げる。許さないと強硬な姿勢を取れば、許可を求めることもなくなってしまうだろうから。]
(237) 2014/11/16(Sun) 15時半頃
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[ほら。笛吹のように。>>236]
ディーン! そんなに言うなら君の紙をトレイルにやってくれないか? ペンも貸して欲しい。
文字の書き読みなら……出来るから。
[そうして。頼んだよとニコラの肩を叩いた。]
(239) 2014/11/16(Sun) 15時半頃
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[1階ならば。ラルフとプリシラの二人だけで行かせたこともあったから、大丈夫だとニコラに頷く。]
困ったね。僕の庇護下に居なかろうが、ホレーショーの庇護下に居ようが、関係ない。
君はまだ、‘旅’の途中だ。
[ノックスの言うことに従う必要などないと、突っぱねられた様に聞こえ。トレイルが側に居るのに口調が強くなる。
場所の選択を2人に任せたのも、ホレーショーとディーンにだけ、会釈をしたのも、その現れではないか。]
……
[ディーンの指差す紙に手を伸ばす。 1枚、2枚と捲り、何も書かれて居ない紙を選んで、万年筆とインク瓶をトレイルに渡した。
手元に残るのは、書きかけの――…]
(246) 2014/11/16(Sun) 16時頃
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[階段を降りた音まで確かめてから、頭を抱えるようにしてソファに倒れこむ。
『赤い果実』。広げた掌に出来た赤い筋を、舐めた。**]
(253) 2014/11/16(Sun) 16時半頃
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―ピンクアーモンド/居間―
[折れないように、皺にならないように、気を付けて居るが。インクの匂い。時折太くなっている細い字で綴られた物語は同族の秘密を纏い、ノックスの喉を乾かせる。 書いた本人の、‘保護者’としての自覚に疑惑を抱いているからこそ。
あぁ、己の血の、なんと不味いことよ。]
……いーるよー。
[所在を問う声に手を上げ、ひらりと振る。>>264]
小物……あるよ。上に行こうか。 バーニィに特に見せたいものがある。故郷で人気の一品さ。
(272) 2014/11/16(Sun) 19時半頃
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[身を起こすと、ラルフの心配する声。心配ないと頭を撫でてやろうとして、手を変えた。>>266]
大丈夫。舐めとけば治る傷だよ。
[安心させるように笑う。筋の終わりにゆっくりと一粒の赤雫が生まれた。 ノックスは気付かず、話を逸らそうとラルフの襟元を指差す。]
あれ? そのブローチ、良いね。ラルフ。君の瞳と同じ色で、良く似合ってるよ。
[彼を想い、彼を愛し、彼を求めて――仕上げた箱の輝きとは異なる琥珀だった。]
(273) 2014/11/16(Sun) 19時半頃
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はーい。じゃあ、手当ての為にも上に行くよ。 ラルフに心配させちゃ、いけないし。
へぇ、フランシスも良い贈り物をするね。
[フランシスの視線に気付かず、今度はノックスが彼を見やった。>>275]
勿論、構わないさ。また、見てくれるのは嬉しい。 あぁ、困ったな。僕の腕がどれだけ上がったか、ラルフにばれてしまう。
[困っていない表情を浮かべていた。]
(280) 2014/11/16(Sun) 20時頃
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……じゃあ、バーニィ。行こうか。
[愛し子達が戻ってくる前に、済ませておきたくて。 ナイフを鞘に収め、腰ベルトに下げた。
はらり、床に落ちた紙を拾い上げてディーンへと向く。フランシスと何か話しているが、話に割って入るつもりで足早に近付いた。]
話している最中で悪いけど、良いかな? ディーン。
(285) 2014/11/16(Sun) 20時頃
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[鳥の鳴き声では、足を止めない。>>287 何が『うそ』なのか、瞬き。タイミングが悪かったかと苦く笑う。>>286]
ディーン。君は小説家なんだね。 つい読んでしまって……途中なのに、ごめん。 読みやすい文章だし、物語の世界観は興味深い。続きが読みたくなるよ。
[彼の胸元に紙を押し付けた。鳴る音を嫌がるのか、ルーツは一啼きする。]
(294) 2014/11/16(Sun) 20時半頃
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……ところで、此処に出てくる少女のモチーフは、君かい?
[ニコラが狼と言ったから。そんな単純な理由でディーンを同族だと考えていた。 彼等も同席して貰うことを考えたが、保護者が別場所に集まり過ぎてもいけないから。
要点だけを、伝えることにした。]
(298) 2014/11/16(Sun) 20時半頃
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[開いた口が、言葉を飲み込み閉じていく。>>303 バーナバスの言うことは最もだ。]
……はぁい。
[紙から、ディーンから指を離して肩を竦める。 短くと思ったのにならなかった。
3階に行ってくると行き先を残して、足の向かう先を変えた。指先に何か残った気がして。鼻に寄せると僅かにインクの匂いがした。*]
(309) 2014/11/16(Sun) 21時頃
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―ライラック/3階へ―
[階段を上がるとき、階下を気にした。 声はするが、内容までは届かない。派手な音のないことにだけ頷き、ラルフの淹れてくれた茶の器を手に板を踏んでいく。]
バーニィが作ったって、本当?
[黙って上がると神妙になってしまうからと、話は先の細工物へ。 それも、扉が閉まれば終わる話。]
(313) 2014/11/16(Sun) 21時頃
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[じりと胸を焦がすのは自己嫌悪。 己の方こそ失格なのではないか。
5年以上を共にしている‘弟達’に、邪な想いを抱き続けている。‘保護者’のフランシスに、打ち明けられない秘密がある。
重い、溜息。>>322]
………あぁ、バーニィがあんな風に繊細な物を作れるだなんて、正直驚いてた。
[自分と同じ理由で作品に向かって居るのなら良いのに、と思う。 フランシスが何を想って琥珀を選んだのか。 同じ理由なら――…どうなるのだろう。
ディーンの名を呼ぶ声を思い出し、結論は宙に浮かんだまま。]
(334) 2014/11/16(Sun) 22時頃
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―ライラック/3階―
[バーナバスを招いた部屋の壁には、3人分の外套が掛けられたまま。 本当に小物を見せるわけではないからと、扉に寄り掛かって腕を組む。]
……本題に入ろうか。
[粋がっては居られない理由が、あるのだから。>>343]
(349) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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……そっちと、こっち。仔狼は3人だけじゃない。
全員なんだ。
[掌に違和感を感じ、握っていた掌を広げた。 血でべっとりと濡れていた。]
………全員、‘狼’なんだよ。
(364) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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[ゆっくり、頷く。>>368]
……せめて、新月ならよかったのに。
どうしたらいい? 今まで以上に気を遣るしか、思い浮かばない。彼等を抱き締めて、誰にも逢わせないように、すればよい?
でも――…
[バーナバスの居なかった間の事を掻い摘んで話す。 あれもだめ、これもダメは、通じそうにない。]
(373) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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[耳の痛い話だ。>>371 引き寄せられる手を、引くことはなかった。
近くなる程に囁きがよく聴こえる。]
………同じ、だよ。 僕もそう思う。首輪を知らないうちは、本当に。
[それは、衝動を抑える術さえ身に付けばと思う。 飼い慣らされた獣は、既に獣ではないから。]
(379) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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[溜息が重なる。>>381]
……あぁ、そこまでは教えてなかったな。
[同族だらけだと。知るのと知らないとでは、変わるはずだと――思いたい。]
先回り? それは――…間に入れば、よいかな。
[知らないなら、その衝動がどんなものか。 身を以て教えれば良いのではないか――…。
そんな、事を考えてしまい、ゆると首を振った。]
(385) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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……バーニィの首輪は、大丈夫だと思うけど、1人心配なのが居て、さ。
[それは、居間での事を見て、聞いていたバーナバスなら知っていることだろうが。 言わずには居られなかった。]
……取り敢えず、フランシスとホレーショーにも伝えておく。全員だって。
一応、仔狼のこと、守りたいって人達だとは思うけど。
[傷の手当は最もだ。頷いた顔がぱっと彼を見上げる。]
(396) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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[いつもの、そう、昔のような笑みを見て。 遠い昔を思い出した。衝動を、災厄だと知らなかった頃を。何も気にせず生きてきた頃を。
バーナバスが居なくなった後の、獣になった自分を。 飼い慣らして受け入れた今を。]
………バーニィ!
[いつから、バーナバスの事を考えるのを止めてしまったのだろう。いつから、彼の為にと書いた日常を綴る手紙を止めてしまったのだろう。
プリシラとはどんな風に出会ったのか。どんな旅を続けてきたのか。知りたい気持ちをぐっと抑え。
両腕を伸ばす。首にしがみつき、昔を懐かしんで。 バーニィバーニィと甘えた声で名を呼んだ。]
嬉しいよ!
(402) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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どんなものが良いか、今すぐ探すから。 少しだけ待っていて。
[するり、腕を解いて荷物に向かう。 商品だけを纏めた包みと、薬品箱を外に出し。
赤色の強い樹木で作った匙を2本。そして、ケースとなるような小箱をバーナバスに手渡した。 お代はいらないけれど、その分、彼の作った細工品が欲しいとねだった。**]
(405) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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ノックスは、ニコラスに潰されかけた両目が疼いた。アイタタ……
2014/11/17(Mon) 00時頃
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―緋/3階廊下―
[掌の血は、乾いて鱗のように張り付いていた。 洗い流すには足りない水筒の水。
階段の上に座り込み、視線を落とした。]
――曇天の下、少女は木を見上げる。
[インクの匂いのする指先を、擦り合わせる。]
(414) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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[階段を降りていく足音は遠くなっていく。 二つの影は、段々と短くなる。 居間に消えるものと思って、また視線を落とし。瞬く。
時折、視界が霞む。眼底が痛みを訴える。 ニコラが悪いのではない。ノックスも逃げようとしなかった。 包帯が取れたとき、心底安堵したものだ。 愛しい姿が見れなくなるのは、ツラい。]
(433) 2014/11/17(Mon) 00時半頃
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ノックスは、ラルフの声に、はっと顔を上げた。
2014/11/17(Mon) 00時半頃
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[明かりの少ない階段の途中、ラルフの髪色が周囲にとけているように見えた。
彼を見下ろし、苦く笑う。]
あー、傷薬と包帯はあったんだけど、ね。 実は、………まだ。
大丈夫、水で洗い流せばすぐだから。
[血の匂いが届いてはいけないと、その手を後ろに。]
(434) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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やぁ、シメオン。君に――…いや、また後で。
[個室に戻ろうとする姿に、今は見送るに止め。>>436]
バイ菌が入ったらいけないものねぇ。 じゃあラルフ。ひとつ頼まれてくれるかい?
水を器に入れて、持ってきてくれないかな。
[手当する様を遠くからでも見せれば安心するだろうと、笑んだ。]
(441) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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―スチールグレイ/椅子を背負っていた頃の話―
『いい加減にして、ニコラ!!!』
[きいきぃと木板が鳴るような金切り声が、部屋の奥から聞こえた。 ノックスは肩を竦ませ、テーブルの正面に座る姉を見る。 久し振りに会ったが、ひどく疲れているようで。自分が呼ばれた理由を察し、溜息。]
俺、ガキの子守りはごめんだよ。
[あんたもついこの間までガキだったでしょうと、姉は笑い飛ばし。次には重く息を吐く。 記憶の中よりも目元の皺が深くなっている。醜いと、ノックスは思った。]
(446) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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『もう嫌なの。 魔女とか、南瓜の馬車とか、宙に浮かぶ猫とか、妖精とか……もう、訳が分からない。気味が悪い。勘弁して欲しいの。』
[6ヵ月前に、子供を預かったと聞いていたけれど。1年ともたなかったようだ。‘神童’だと喜んで居たのは彼女達ではなかったか。
『片付けもろくに出来ないなんて!』 『なんて悪い子なの!ダメな子なの!』 部屋の奥。まだヒステリックな声は続いて。姉の目尻に皺が増えた。醜い皺が。]
(448) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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『いつもは良いの。うちに居る子供の中でも一番小さくて、私達も愛しているの。ちゃんと可愛がってるのよ? ――でもね。姑が。』
[子供の声が、した。 我慢が出来ず、ノックスは椅子を倒す勢いで立ち上がった。]
(449) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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っ!
[鞭のしなる音、肩に衝撃。 少年から醜い姑の顔が見えないように、その頭を抱く。 じんとした痛みを笑顔に隠して、大丈夫、大丈夫と耳元で繰り返す。]
『何をするの、ノックス! どきなさい!』
[柔らかなプラチナブランドが揺れ。スチールグレーの瞳にノックスが、映った。
その瞬間から、ニコラはノックスの愛しい子になった。]
――きみは、悪い子じゃない。ダメな子じゃない。
[首輪を鳴らし、内なる獣が吼えた。
いい子だと甘く優しく褒め。 月の満ちる夜のうちに、拐った。**]
(453) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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―薄緋/3階、階段―
[どうして子供と言うのは純粋に、あぁも喜んでくれるのだろう。戻ってきたラルフににこにこと微笑んでしまう。]
おかえり。早かったね。
[器に湛えられた水に両手をつけた。 冷たさに思わず目を瞑る。
このぐらいの冷たさがあって良い。頭が冷える。 擦り合わせた手の間から、薄緋が流れていった。]
あぁ、ラルフ。今なら時間がとれるけど、どうする?
[赤くなった手を水から引き上げた。]
(459) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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[急いだ理由は、傷の心配からだろうと目を細め。 手の甲を服で拭った。]
勿論。 ――あー、ここだと階段を塞いでしまうね。
奥の方に行くかい?
[個室よりも廊下の奥はどうだろうと首を傾げた。 笑顔が眩しくて。つい――手を伸ばしそうになる。]
(466) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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[掠れた声小さく。何か異音が聴こえたら駆け降りるつもりで居たのに。階上までは届かなかった。>>469
ふと、意識を階下に向け。]
あ……いや。そうだね。
[小箱の中から貝を取り出す。傷薬が染みて、小さな声を漏らした。包帯を巻くには片手では不便。 またお願いと、彼に白い布を差し出した。]
(474) 2014/11/17(Mon) 02時頃
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[鳥の鳴き声は異音に数えず。 傷口の様子を見るラルフに警告するのは忘れない。]
……ラルフ。 ありがとう。でも、あまり見てはいけないよ。
……何とも思わないのなら、良いのだけど。
[巻かれていく白い包帯。指を開いて、閉じて。]
きつくない。ちょうどいい。 上手に巻くもんだね、感心したよ。
[ドナとフランシスも怪我をしやすいのかいと問いかけながら、廊下の奥へと促した。 やはり、手は冷たくて。触れていたラルフの手は温かくて。 つい、その手を引いてしまう。]
(487) 2014/11/17(Mon) 02時半頃
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あぁ、目、かな。かなり大きな怪我みたいだけど。 どうかしたのかい?
僕も目は――…ね。痛いよと、ね。
[綺麗なものでも、生きているものを取ろうとしてはいけないと、ニコルと約束をした。死んでいるものならば良い。だから、抜けた鳥の羽を、欠けた宝石を贈る。
幼い指が触れるのを良しとした。 吸い付きたくなる唇が近付いて、舐めあげる感触にぞくりと悦を得た。 痛いよと言う前に、瞼と眼球の間に指が入り込んでしまった。
ドナルドも指を入れられたのかなと考え。 ラルフは衝動を知らぬのだと判断し、握ってくれる手にはぁと息を吐いた。]
(497) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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[廊下の奥。壁に背を預けて座る。 開いた包みの上にオルゴールの箱を並べ直した。]
さぁ、おいで?
[膝の上に乗るのがさも当然のように、招く。 離した手は寂しがり、彼の指を絡めた。]
(500) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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[ドナルドに同情を抱く。 そぅ、彼も不幸だった。片目を失ったのも。
ニコラがフィリップの瞳にしようとしたことなど知らぬまま、約束を破ることはないと思っているから、大丈夫と頷いた。
トレイルも真似したらどうしようかという懸念は既に晴れている。]
気になるものがあれば、手にとって蓋を開けてくれても構わないよ。 きっと、ラルフに見られたがってるから。
[愛し子よりも重い体。 露店で出会ったのは数分のこと。 今は成長し、間近に居る。幻ではなく生きている。
あぁ。
髪に口付けを落とし、そっと身を抱き締めた。]
(508) 2014/11/17(Mon) 03時頃
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………
[ノックスの性的嗜好は取り分け少年に強く向けられると、はっきり自覚した頃には既に二人の愛し子が居た。
一緒に体を洗うのも当たり前。 裸のまま抱き締めるのも当たり前。 同じベットで眠るのも当たり前。
トレイルの体に足りないものがあると気付くのに、時間はかからなかった。
膝の上に乗せるのも、後ろから抱き締めるのも――当たり前すぎて。]
……ん? 嫌だった?
[身を固くしたラルフを撫でて、背中と腹の間に隙間を開けた。]
あ、 ――ごめん。もっと大人扱いすべきだったよね?
[しまったと慌て出す。]
(520) 2014/11/17(Mon) 03時半頃
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[何が困るのか、傾げた首の位置が戻る。 抑えきれなくなるのは――なんだ?
バーナバスと話していたばかりじゃないか。
ラルフの判断は賢明だ。 置き去りの箱を見詰めて溜息を落とす。]
………はぁ。
[箱を包み直して立ち上がる。扉の閉まる音。あちらかと首を巡らせ歩き出すと。>>526]
……おや、フィリップ。話は 無事に 済んだかい? 廊下の十字路。フィリップの]
(527) 2014/11/17(Mon) 04時頃
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[彼の頭から爪先までを見下ろし。 インクの匂いがするものだから眉を顰める。]
トレイルとニコラは、居間……かな?
(528) 2014/11/17(Mon) 04時頃
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………
[頷くだけの返答に、ノックスは腕を伸ばした。 フィリップではなく壁につけ。
孔雀石から目を離さずに、1歩踏み出して距離を縮めた。]
………それだけかい?
(530) 2014/11/17(Mon) 04時頃
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[何も言わなければ、フィリップの両頬を掴むところだった。 3人だけで話したいと言った彼に向けた言葉を聞く。]
その通り。
[君たちは制御出来ない子供だ。]
(532) 2014/11/17(Mon) 04時半頃
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……このこと?
あぁ、ラルフにしたことかい? 頭を撫でて
[フィリップの頭に手を置き、撫でる。]
僕の箱を見せて――…膝に乗せたこと、かな。
[彼が言わんとしていることに、小さく笑った。]
面白いことを言うね? フィリップ。 フランシスに言えないことを、するはずがない。
それで、フィリップは?
僕に言えることを、しているんだろうね?
(534) 2014/11/17(Mon) 04時半頃
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[――大人のくせに。
フィリップを見ているはずなのに。 少年時代の己と重なる。
―――保護者のくせに。
ラルフに対しては衝動を煽るような行為だったと認めざるを得ない。そう、‘保護者’のくせに――だ。
けれど、フランシスに言えぬ話ではない。 言えないのは――…もっと、別のこと。**]
(537) 2014/11/17(Mon) 05時頃
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