14 Digital Devil Spin-Off
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- アラヤの世界 -
[回廊を歩いていた 夢の中がそうあるように、痛みや疲れを感じない。 静かな道行きだった。 道は果てしなく先は見えない。孤独だが不安もない]
――……
[どこからか蝶々が飛んできた 目を凝らしてみつめるほど、にじんでぼやけていく 意識の外へ、内へ逃げていく。気配が消えた]
俺、ここ……来たことある
(43) 2010/06/02(Wed) 01時半頃
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[世界そのものへとつながる意識の深層、 無意識の空間へと、深く降りていく――…(03)]
(44) 2010/06/02(Wed) 01時半頃
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[広間に出た。天井の見えない丸い部屋に、 絵画が幾つもかかっていた。青いふたごがいた。 冷たい石の腰掛の上に、並んだ子供は絵みたいだった]
……ようお前ら、いいとこ住んでんじゃん
[冗談もふるわなかった。自分の声が他人のようだ。 だが、そうなのだ。そういうものだ。 ここはそういう場所なのだ。 深い意識の中から、何かが語りかけてくる。 ふたごの話は、彼にすんなりと入っていく。 マグネタイト、悪魔、強い意志、世界が生まれ変わること]
……何のために生まれ、何をして生きるのか…
(46) 2010/06/02(Wed) 01時半頃
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[扉は冷たい冬の夜みたいに青い塊になって 少年を差し招いた。 ノブに手をかけると、ふたごが囀った>>#5]
自らと向き合う… …仮面……? [悪魔のような自分、他人のような自分。 他者と接するとき、精神の境界面で自分を守るため 変える態度が仮面なのだとしたら、人や物事によって 軽く態度を変える自分のずるさがペルソナなのだろうか]
確かに俺は…… ……だけど…… [うなだれて、唇を噛む。双子の瞳に自分は映っているだろう こんな時でさえ、子供の前で膝を屈したくないのだ。 自分の見栄が情けなくって、笑えてきた]
…………
(62) 2010/06/02(Wed) 02時頃
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[その時、夢の中の声が、聞こえた気がした。 顔の見えない誰かの声だ]
――我は汝――汝は我――
[内なる声が、彼を呼び醒ました]
……俺の名前は、浅見 友晴 言っとくが俺は自分で、この扉を選ぶんだぜ 誰に言われてやるんじゃねえ 自分の目で見たいからだかんな
[この期に及んで、少し強がりではあった 青い扉は彼を受け入れた]
(64) 2010/06/02(Wed) 02時頃
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- ベルベットルーム -
[昔、行ったシナガワの水族館を思い出した。 そこは、細かいパターンの壁紙も、 深く足の沈み込むカーペットも、調度のすべても、 漂う空気のにおいまで海の底みたいに深い青の部屋だった。 誰もいないのに、物悲しくも凛としたアルペジオを 青いピアノが奏でている。超現実的な雰囲気があるのに、 妙に気持ちの落ち着く部屋だった。 母親の胎の中では、毎日こんな気分だったのだろうか]
これが、ベルベットルーム…
[誰何すると、部屋の中央に一本足の丸机が現れた。 白いレースの上に、カードが一枚置かれている]
(77) 2010/06/02(Wed) 03時半頃
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「わたしをめくって」ってか?
[うさぎを追って少女が落ちたのも そういえば、こんなワンダーランドだった。 事態少しおもしろがる気分が出てきたのが嬉しく 気軽にカードへと右手を伸ばした]
[カードに触れた瞬間、事は起こった。 未知の力がカードを介して指に伝わる。 気脈を開けて頭へ、腹へ、足のつま先まで吹き抜けていく 黄金色の温かい光が髪の先まで駆け抜けて行くようだった]
……う…あっ……
[頭の中に、直接声が聞こえた]
(78) 2010/06/02(Wed) 03時半頃
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『――おまえはわたし、わたしはおまえ――』
『自らとむきあい、仮面をうけいれた わたしはおまえの力となりましょう』
[机の上で少年の手のひらを乗せていたカードが 意思を持って動く。 意を得て少年はカードをとると、目の前で開いた]
『おまえのもつ《仮面―ペルソナ―》のひとつ、 アルカナ「太陽」のカード きぼう、恩恵、充足を のぞむ カード』
[太陽を背にして馬に乗り、旗を振る 純粋なこどものカードだ。 少年がぐっと握りこみ、不適に笑うと カードを乗せていた青い机を紫に染め上げて、 炎を上げる黒朱い鳥が一羽、どこからか舞い降りてきた]
(79) 2010/06/02(Wed) 03時半頃
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い、インコ!?
[どこかオウムに似たその鳥が、実在するどの鳥とも 違う部分は、つやめく3本の足だった]
『これは あなたのいちめん《ペルソナ》 ヤタガラス いまはちいさなひかりでも すすんであかりをつけましょう』
[鳥は三本の足を器用に使って、少年の肩にとまった]
『よわきおまえに かざせるては いまはここまで けれど 』
わかってんよ。強くなれってことだろ?
[肩をすくめて笑顔になっても、答えはない]
(80) 2010/06/02(Wed) 03時半頃
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[次に気がつくと、彼は雑踏の煩い路地に倒れていた。 鉄骨のはみ出したむき出しのコンクリートや ブルーシートで形作られたバラックから、 薄汚れた人々がみな幸薄い表情をぶら下げて 下を向いて歩いている]
なんだこれ……家にいたはずだぞ俺… 地震で気でも失ってたのか?
[痛む頭を押さえてビル陰から表を除いて、言葉を失った。 そこには、傷つき傾いてもまだ待ち続けるハチ公の像と 202X年の日付を表示する時計が*あった*]
(82) 2010/06/02(Wed) 04時頃
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んだよこれ…
[このスクランブルは、かつて世界一の歩行者交通量を誇っていた。でも今は鉄くずと化した車を乗せたまま大きく陥没し、往来はない。汚れた服を着た人が、ドブねずみみたいに警戒しながら通りすがるのを見た。天に日はなく、 重い灰色で距離感がつかめない]
ちょ、まじ釣りだろこれ
[ひざが笑う。耳が欠け、傾いたハチ公像に背中をつけて携帯を開く。表示は202X年、携帯キャリアは聞いたこともないものに変わって、電波状況の息は絶えだえだ]
頼む…
[とにかくまずは情報が欲しい。震える指でWispperアプリを開いた。10年という時間の重みがネット社会でどれだけの意味を持つか、サーバーが生きていてもサービスの終了は十分考えられた。Wispbirdがネットに繋がったとき、少年の目に薄く涙の玉がうかんでいた]
(241) 2010/06/02(Wed) 21時頃
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ちっくしょまじ何なんこれ
[10年分の発言データを拾うのにどれだけの時間がかかるかと思われたが、取得はすぐに終わった]
え、 …だ、れもいねーの
[学校の友人も、うるさいフォロワーも、あの実況を境にぱったりと止まってしまっていた。時の流れが止まっていた。少年は何度も間違えながら、全フォロワーたちに新しくささやきを落とした]
「生きてる人、いますか」
[Wispperアプリを閉じると、祈る思いで履歴から電話をかけた。大変な遊びに誘ってしまった。クラスメイトはどうしているだろうか。自分のために死なせてしまっていたら?どんな気持ちでその時を迎えたのだろうか。堪えていた涙がまばたきと一緒に熱く零れ落ちた]
東雲…しののめ…みずき出ろ…… 電話でろ……
[電波状況は頼りない。繋がるかどうか……1コールごとにじわじわと喪失が彼を支配し始める。我慢できなくなって、とうとう彼は電話をきって]
うあああああああああああ!!!!!!
[腹のそこから叫んだ]
(242) 2010/06/02(Wed) 21時頃
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「あんた、こんなトコで大声出してると死ぬゼ?
[突然耳元で誰かがささやき、飛び上がった。 大きな眼を持つヒトデ、といった様態のもの>>93が ハチ公像からこちらの様子をうかがっている]
なな、ん、なんだよ!お前! おい!近づくな!
[しりもちのまま後ずさる浅見に、ヒトデは 堕天使 デカラビアだと名乗った。 浅見はただ放心し、響きのエロい名前だと思った。 デカラビアは質問をよこした。眼帯の男のことだ]
……そ、そんな奴知らねーよ 眼帯?見てねーよ…
[力を持つ人間は珍しく仲間だと思った、らしい]
(253) 2010/06/02(Wed) 21時頃
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他に俺みたいなやつがいんのか つか、こっちはお前の存在の方が珍しいだよ!
[デカラビアは語りだした。 トウキョウとシブヤの現状、悪魔はびこる 崩壊後の世界のルールを。 どうやら夢は本当だったらしい]
俺の金が…口座の資本が全部紙切れに……
[口座の金は円もドルもユーロも全て価値を失った 今一番アツい価値を持つのが、マグネタイト。 次に人間たちの新しい通貨、魔貨であること。]
……俺の服は?…靴とか、鞄は?
[色を失って勢い込む。デカラビアは首?を振った]
(257) 2010/06/02(Wed) 21時半頃
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鳥使い フィリップは、小娘 ゾーイが、せめて最後を親と過ごせたことを祈った◇
2010/06/02(Wed) 21時半頃
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なんてこった…何もねーじゃんか…… 友達も……親も…金も……
[ショックだった。デカラビア大きな眼に そのまま吸い込まれたくなって、膝を折った]
お前も、悪魔なんだよな? 俺のマグネタイトがほしいだろ?
[上目に睨む。大きなヒトデは、 静かに触手を揺らめかせている]
ほしいなら持ってけよ もう
[このどこかキッチュな悪魔が、今の自分では 到底かなわない位階にいることは肌で感じられる。 本能的な恐怖心に肌が粟立つが、彼の瞳は 少しずつ明かりを落としていった]
(270) 2010/06/02(Wed) 21時半頃
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《 おまえはわたし、わたしはおまえ 》
[声が聞こえた気がして、顔を上げた。 尻ポケットの携帯電話がふるえている>>232]
新着SNS 1件 東雲 瑞樹さんからのメッセージ おはよう。起きたら、10年も経 ってた。みんなは元気?
[携帯画面に浮かぶ、小さなポップアップに 全文が表示されるような、何気ないメッセージだ。 それでも、冷えた指先に熱が 伝わっていくのが自分でもわかる]
はは、生きてる… こいつ、生きてんじゃん
(282) 2010/06/02(Wed) 22時頃
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[弱い笑顔を浮かべていた。続いてWisp着信が入る]
新着Wisp 1件 @Philip_at 生きてます。ワーリャです。無事?
[死を目前に、もはや座り込んでいる手はなかった デカラビアの大きな眼に、不敵な視線を返した]
やっぱ訂正! 倒れるときは、前向きに…だわ
[ウインク一発、悪魔にカマす。 そこに存在しないあの青い机に手を伸ばすと、 現れたカードを掴み取った]
ペルソナ!
(290) 2010/06/02(Wed) 22時頃
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鳥使い フィリップは、士官 ワレンチナから、戦う力を得た気がした◇
2010/06/02(Wed) 22時頃
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[彼の体の境界線がたわんだ。 中空に、三本足の烏が浮かび上がる 黒い羽を目いっぱい伸ばして、肩に降りてくるが 物質的な重さをまったく感じさせなかった]
お前は俺、俺はお前なんだろ? たのむぜ
「オロカナ 人間ダ
[デカラビアは、金属的な音でつぶやいた。 このヒトデがソロモン72柱の魔神の1柱である地獄の大侯爵だとは、オカルト嫌いの浅見は知る由もない]
だろうな!
[ヤタガラスが、短く鳴いた。 空気がからまり、元素が激しくぶつかりあった。 握りこぶし大の火球が、デカラビアを焼く]
…やったか!
(370) 2010/06/02(Wed) 23時半頃
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[やってなかった]
やっぱし?
[ヒトデの上目遣いはは僅かなダメージも感じさせなかった 内側に丸まってまた開き、こちらを見ている。 喉の奥で愛想笑いがひっかかって、 ひどい喉の渇きに気づいた]
……す、すいませんでした!
[10年後のハチ公前は、若者たちに代わって 恐ろしい悪魔たちの待ち合わせをする場所になっていた。 浅見は後ろを顧みることもなく、一目散に逃げ出した]
(391) 2010/06/03(Thu) 00時頃
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鳥使い フィリップは、団子屋 たまこの車が見えた気がした ◇
2010/06/03(Thu) 00時頃
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[>>387 乗り捨てられた車やバイクが障害物となり、大きく割れを起こしたアスファルトや瓦礫が、浅見の足を掬ってくる。すぐ側をついてくるデカラビアの気配に、髪の毛が逆立つ。長い坂を上り始めてしまった。息が切れ、肺が膨らむ。逃げとしての諦めが甘い声をかけてきたとき]
なんだ、ありゃ
[滑るようにして走るリムジンの姿が目端に止まる]
助かった!
[天の配剤としか思えなかった。 絡む足を奮い立たせて、走るリムジンの前に飛び出した 車のスピードが落ちれば、ボンネットを叩いて助手席の 扉にとりつくだろう]
ちょっと、乗せてくんない?
[息は完全に上がっていたが、乗っていたのは 黄色いシャツのキュートなおねえさんなので 少しだけデカラビアのことを忘れた]
(403) 2010/06/03(Thu) 00時半頃
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>>419 すみません、あの俺追われてっつーか 追ったら追われてっつーか……
[やたら後ろを気にしている。無理に作った笑顔には 不穏な影が見えるかもしれない。 サムズアップの親指で後ろを指し示すと、 たまこや車中の人物に星型の悪魔が見えるだろう]
たすけてください
[日本人らしい笑みで謝意を示す手刀を切った]
(440) 2010/06/03(Thu) 01時半頃
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>>427 [スモークガラスの向こう側から男の声が聞こえたので、 ガラスに当てた手を庇に後部席を覗き込んでみた。 広いリムジンの中に、既に3人の人影があった。 みな見知らぬ大人ばかりで、今になって少し 気後れが表情に出てきた。会釈をして、たまこに囁く]
あの、床で結構ですから…
[キリシマの視線の先を追って一言]
あの星が無敵なんです
(443) 2010/06/03(Thu) 01時半頃
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>>432 あざっす!
[祈りは届いた。 頭を下げておねえさんに重ねて謝意を伝え、 ドアを開く勢いで体ごと中に滑り込んだ。 と同時に強い制動が体にかかる。 地を蹴った足が宙に浮いて、デカラビアが空を切る]
ふあ、ああ、はあ…、はあ…
[肩で息をしながらシートベルトをしめながら、 後部の大人たちに、改めて会釈をするだろう]
(450) 2010/06/03(Thu) 01時半頃
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- 死力で応戦中! -
それも悪魔か…?
[前にデカラビア、背後に未知の悪魔、 背中にナイフを当てられた気持ちがして 生唾を飲み込んだ。が、大人たちの示すヒトデへの 剣呑な反応に不穏当を感じて、事態の重さに気づき始める]
そうだ なんとかしないと 速くなんとかしないと…来い!ヤタガラス!
[車の中にあって浅見の体から浮き上がった ヤタガラスは走る車からすり抜ける。 車のすぐ側でまどろみに足を突っ込み始めた デカラビアとは逆の車線に火球を投げた]
(466) 2010/06/03(Thu) 02時頃
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[火球は捩れて綻びた信号機に当たる。 信号機は絡みつく電線を伴って落ちる間で 電線はデカラビアを絡めとり、デカラビアは ぱったりと地面に倒れたまま、黒い悪魔の歌の効果か やさしい眠りにつくだろう]
もう、追って、きません、よね…
(469) 2010/06/03(Thu) 02時頃
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[荒い息継ぎのあいまあいま、お姉さんに返答する その影が遠くなって角を曲がり見えなくなっても、 彼は振り返り、当分の間背後を見続けていた。 走りが少し穏やかになったころ、ようやく前を向く。 タマコ、といったお姉さんの顔は見られない 今は浅見友晴、と名前だけを名乗った]
俺、あれ、あれならやれると思ったんです… 俺は、タマコさんみたいにわかんなくて… でも「力」を与えてもらったんです 世界を変えるために… 魔貨やマグネタイトがいるって聞いて…
[自分でも恥ずかしい論理だった。 耳まで赤くなり、何故か悔しくて窓の外を見ていた]
(471) 2010/06/03(Thu) 02時頃
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鳥使い フィリップは、―― → *アキハバラへ* ――
2010/06/03(Thu) 02時頃
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[ゾンビの大群さえ眠らせるという。女性が自慢する悪魔は、確かに凄かった。彼も実質、タマコと車と、この悪魔に命を助けられたのだ。黒い悪魔の誇らしげな姿は小さく、一緒に歌を歌う女性はとても無邪気で、当たり前の女性らしく見えるというのに]
すげー… 強いんだな、そいつの歌
[そいつ、と表すことを躊躇うほど、女性は悪魔を親身に扱い、称えていた]
藤島蘭、蘭ね。了解。 俺は浅見友晴だよ。トモくんって呼んでいいよ
[ちょっとふざけて出方を見た。件の悪魔を紹介されると、許可を得た気がしてまじまじと見ることにした]
うん、魔貨。魔法の貨幣って書くんだとさ。 たぶん、そうそれ。
(478) 2010/06/03(Thu) 03時頃
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[チビが渡したコインは初めて見るものだった。 よく目に焼き付けておいた]
それが魔貨だよ 円もドルもダメになったから、人も悪魔も使ってるんだとさ。 レートは大体、今で1魔貨10年前の10円くらいだって。 マグネタイトの次に役に立つだろうって。 …さっきのデカラビアに…教えてもらった…
(479) 2010/06/03(Thu) 03時頃
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[ある単語が気になり、髪の長い男性に応える]
知らないけど…俺は知りたい この世界で最後まで生きるためには、 何が危険か知ることは、大事なことでしょ?
[真顔だった。ぱっと表情が明るくなる]
にしてもさ、友晴さん「も」? もっつーことは、あの、霧島サン?も ペルソナっていうやつ、出せるんですか? え、見して見して
[ふざけて身を乗り出す内に、霧島の携帯と同じタイミングで尻ポッケの携帯が存在を主張した]
(482) 2010/06/03(Thu) 03時頃
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[間一髪で命の危機を乗り切った後の高揚からか、 大人たちとのお喋りや歌でか、車内はどこか華やかに 打ち解けた雰囲気でアキハバラへと向かった]
[アドレナリンの波が引いて一息つくと、 話の合間を縫って携帯電話を取り出した。 新着SMSに一件未読。ポップアップの表示で読んだ、 東雲からのものだ>>248 改めて読み返すと、安堵で顔が緩む。返事を送る]
東雲 瑞樹さんへのメッセージ: 俺は元気だぞーーーー!(太陽の絵文字6個)
[自分は元気で、そしてどうやら無事だった。 一人鬼ごっこのタイムスタンプから10年の空白を経て 送られてきた一斉送信のこのメールが、たとえ 27歳の彼女の送った洒落であったとしても、 あの日最後に声を聞いた彼女が生きているだけでよかった]
(486) 2010/06/03(Thu) 03時頃
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- Wispper - [最後にネットに繋いでから数時間は経ったが、更新されるのはValyaのささやきだけだ]
もうみんな、いないんだな
[心にはあっても、死んだ、とは言えなかった。 いない者、死んだ者…に対してメッセージを隠す 必要を感じず、通常ポストで返事を繰り返した]
@Valya 俺は無事だぞー!\(^o^)/ いろいろ人に助けてもらった… @Valya 俺も悪魔に会ったよ ほんとにいたんだな ネタとか疑ってゴメン @Valya つか10年たってるみたいだけど、俺のこと覚えてる?www @Valya 魔貨とか了解 道もたぶんわかるとおもう @Valya 生きてる人間が俺です 変なのいるから会うまで気をつけて
[タマコにはアキハバラのヨドバシカメラ跡で降ろしてもらうよう頼み、丁寧に頭を下げて命を救ってくれたことに感謝を示した]
(488) 2010/06/03(Thu) 03時半頃
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[>>484 霧島の言葉は柔らかく、奢りや厭味がない。 2つの話に応えを伏せたままにして、 霧島の膝にちょこんと現れたリリムの姿に色めきたった]
おいおい霧島さん? この子すげーエロくないですか? これが霧島サンって…ひょっとして霧島サンて すごいむっつりスケベなんじゃ
[茶化して、水に流しきったつもりだ >>480の質問についても、>>484の話にしても、 今答えればどこか甘えが出る気がして、水に流した]
(489) 2010/06/03(Thu) 03時半頃
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- アキハバラ -
[別れ際、蘭と連絡先を交換する。 他に交換する相手がいれば、積極的に名乗り出ただろう。 タマコにもうひとつ挨拶をして、*車を降りた*]
(490) 2010/06/03(Thu) 04時頃
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鳥使い フィリップは、博徒 プリシラに、の背中を見送った◇
2010/06/03(Thu) 18時半頃
鳥使い フィリップは、研修生 キリシマに、今後の身の振り方を聞いてみた◇
2010/06/03(Thu) 18時半頃
鳥使い フィリップは、落胤 明之進とすれ違った気がした◇
2010/06/03(Thu) 18時半頃
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- Wispper -
アキバなう!
[通常発言で投下したこのPOSTは、送信と同時に 隣の霧島、待ち合わせ場所のValyaに届くだろう。 霧島が発言を確認し、気づけば符号>>597への答えになる]
KJさんて、まんまイニシャルじゃん 案外ストレートなんすね霧島サン。 へへ、俺がPhilipe_atです。フォローあんがと
[快活な笑みを浮かべて、屈託なく握手の右手を差し出す。 KJとPhilipe_atだけダイレクトメール>>473で送られた 場所を知り、向かおうとするのは自分以外ではKJだけだろう。 KJとは、かつて構築されていた広い広い電脳の世界で 袖ふり合った他生の縁だ。崩壊後の世界でも 電脳の世界をきっかけに合えたことが、嬉しかった]
(645) 2010/06/03(Thu) 19時頃
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[タマコと車を見送り、蘭と小沢を見送り、自己紹介も済んだところで霧島の提案>>603に同意した。デカラビアの恐怖はまだ背中に張り付いている]
魔貨か……
[自分には悪魔に対抗する物理的な力は殆どなく、小さな火の玉も一体何になるというんだろうか]
武器、ほしいスね
[ほしいのは武器ではなく、力だった。霧島に並んだ]
(652) 2010/06/03(Thu) 19時半頃
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- 魔貨を探してアキバ巡り -
[かつて電気街、またオタクの聖地として栄えたこの街も、やはり絶望的な被害と閉塞感に包まれていた。けれど今も昔も《アキバ》の奥は変わらないようだ。人間たちの武装をくぐり、路地を抜けた街のどこかでは、電気機器のみならず、武器や防具を取り揃えるブラックマーケットが開かれているようだ。魔貨が使われる余地はいくらでもあるだろう。目的ができたので、オン友の気軽さで浅見は胸のうちをぽつぽつ話した]
時々さ、ほしいものがポンって手に入ってさ、 俺ってラッキー♪ってすごせたら いいよなーって考えたりしねー? それも当たり前になっちゃったりしてさ 手に入らないから不満、みたいなのもないんよ
はは、金さえあれば大体なんでもできるじゃん 終了ってなんだけどさ、それも限界あるしさ。 それで損するやつがいたら、全体の幸せが鈍るわけじゃん? 気分も悪くなるしさ。要領いい奴だけが抜けるわけしょ
(653) 2010/06/03(Thu) 19時半頃
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これって経済が目指してきたことだけどさ、 長いことニンゲンやってきたけど、金じゃうーん無理として どうしたらいいかなーって考えたらさ、やっぱり魔法じゃんね 皆の望みが競合しなけりゃいいのかな それとも、皆が同じ方向を向けばいいのかな あ、根本的にさ、辛く感じにくくなったらいいんじゃね?
人の感じ方ってそれぞれで、傷つきやすいやつとかいるだろ めんどくせーけど。しょうがねーよな!
[はは、と笑った。 俺もこの人も、きっと誰もが傷つきやすいのだろう。 傷ついた世界にあって、それが少し邪魔だった。 議論を振っておいて、霧島の返事を聞くや聞かずやの間 ちょっとした距離を移動してしまったようだ]
→ラジオ会館跡
(654) 2010/06/03(Thu) 20時頃
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- ラジオ会館跡 -
ここも、こんななっちまったんだな
[10年前、オタクたちに愛された建物も被害を免れなかった。着信がある。東雲からのメール>>586だ。こんな時にも変わらない文調が、10年のブランクや悲惨な状況を忘れさせる。目元がやさしくゆるんだ]
東雲 瑞樹さんへのメッセージ: なんだよ俺もアキバだし ラジオ会館前 会えねー? 俺の若さに驚けよwww 今も客と一緒にいんの?一人になんなよ ヘンなのに会ったら全力で逃げろ=3=3=3 客がヘンだったら、やっぱ全力で逃げろ
[携帯の充電量も残り20%を切った。場所柄、充電のできそうな場所を反射的に期待してしまう]
霧島サン俺、生きてるUSBプラグ探してくる ここならあるかもしれねえよな
[土台から崩壊を起こした会館に人や電気が来ている望みは薄かったが、浅見はぽっかり穴の開いた会館に足を踏み入れた。薄闇から顔をのぞかせた黄色い邪鬼グレムリンの姿に気づけば、霧島は後ろか警告を投げたかもしれない]
(661) 2010/06/03(Thu) 20時半頃
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[コウモリのように大きな耳と、豚の潰れた顔を 乾いた肌の子鬼にくっつけたような悪魔、ゴブリンが {3}]、会館の中から飛び出してきた。 機械にいたずらをしかけ、少なくない戦闘機を 落としてきたという邪鬼に、2人は相対することとなった]
と、ともだち……なわけねーよ!
[指の先から震え始めた浅見だったが、霧島がかけた声>>669は あくまで鷹揚で、少し肩の力が抜けた]
[機械が好きな悪魔はやはり、デジモノの多い場所を好むのか。 攻撃的な声を上げ、鋭いつめをひらめかせたゴブリンが 襲い掛かる瞬間、2人のペルソナ使いは声を上げるだろう]
「「ペルソナ!」」
(672) 2010/06/03(Thu) 20時半頃
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[霧島の頭上、露出も露なリリムが浮かんだ。 霧島の顎にくすぐるような指をかけて、 嫣然と笑って見せるかもしれない。 グレムリンとまだ距離のある彼を守っているのだろうか]
っぶね!
[ヤタガラスが鋭く鳴き、浅見はバックステップ。 邪鬼の爪が、つい先ほどまで浅見のいた場所をひっかく。 汚れた爪にひっかかれば?考えると冷や汗がにじんだ。 一匹を指差し、強く叫んだ]
アギ《火炎呪文》!
[ヤタガラスが羽を広げると、一匹のグレムリンに 火がついた。耳障りな悲鳴が上がるが、決定打に欠ける]
(679) 2010/06/03(Thu) 21時頃
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こいつ、炎がきかねー
[炎に耐え切り、一直線に飛んできた1匹を避けながら、 肘鉄をかます。そのまま動かなくなった。 ヤタガラスの力だろうか、本来ならただの人間にも驚異的な グレムリンを相手にして、動きもどこか遅く感じられる。 振り向くと、一匹が霧島に襲い掛かっている。 霧島はリリムをもって迎えるだろう]
気をつけて、霧島サン! …がッ!
[3匹目がブフ《氷結呪文》を飛ばしてきたのだ。 会館を背にした浅見の肩に、氷が痛みとなって襲いかかった。 浅見と一緒に悲壮な声を上げたのは、ヤタガラスだ ただの小さな氷の粒なのに、ダメージが大きい]
(688) 2010/06/03(Thu) 21時頃
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そうか、俺が火を使うから……
[ヤタガラスは氷に弱いのだ。単純なことだった。 リリムの華麗な妖術で一匹を撃退した霧島が、 間延びしながら隙なく声をかけてきた。 多少火に耐性を持つ悪魔に対しても、風を起こし 大きくすれば、押し切れる]
来い!ヤタガラス!
[霧島の声と、重なったかもしれない。 2人は3匹のグレムリンを倒した! 浅見は{6}のマグネタイトと、 [13]の魔貨を手に入れた]
(689) 2010/06/03(Thu) 21時頃
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- アキハバラ ラジオ会館前 - >>683 [額の汗をぬぐって、メールの着信を確認する 待たせてしまった自覚がある。 何気なく、大切なことが書いてあるので目を見開いた 急いで返事をよこす]
東雲 瑞樹さんへのメッセージ: うん!おれしょうがくせいだよ〜 みずきおねえちゃんげんき〜?べろべろ〜 んなわけねえだろ お前、あの一人鬼ごっこで何があった? 青い部屋とかいったんか?とりま待ってるな [送信後、メーラーを落とす。 まさか彼女も自分と同じように飛ばされてきたのだろうか 彼女のメールと彼女の性格によって、 瑞樹が崩壊後どんな苦労を経てきたかが伝わらず 少しいらだった。Wispperアプリを開ける]
(727) 2010/06/03(Thu) 22時半頃
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- ラジオ館前 >>721、>>738後-
[しばらくして、返信が舞い込んだ。 迷いなくメーラーを落として、10年前の履歴を呼び出した。 コール音……先ほど1度かけたときには、祈るような思いを して聞いたものだ。遠い昔のように思う。 彼女が出れば、明るく話し出す]
あ、東雲?オレオレ!オレオレ詐欺!
[つまらなかった。にやにやした。 東雲の反応を、 飄々と受け流してふざける。 この感じだ。この感じが、皆に等しくあればいいのに。 目蓋を伏せて、声を落とす]
いまさ、待つつってたけど行ってもいいぜ どこにいんの?目印とかある?
(746) 2010/06/03(Thu) 23時頃
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- ラジオ館前 >>755-
[電話回線が開く。 生の声はメールより存在感が確かだ。 と思いきや、システムボイスとリアルな 猫の声を耳にして]
え、あ、何!?うん、おれおれ。 浅見……改名してねーよ
[東雲からのおふざけにふいをつかれて 鈴が転がるような彼女の笑い声を聞きながら ビクついた自分を恥じた]
うん、ん、わかると思う ……わかるよ
[ヤタガラスが中空に浮かび上がる。 3本足の烏は、道案内の神様とも言われる 電話を切って、霧島に向き直った]
(776) 2010/06/03(Thu) 23時半頃
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>>762 [持てる力を合わせて、共闘した男は疲れたようにその場に座り込んでいた。浅見は電話を切って、振り返った]
すみません、いきなり電話しだしちまって。
[非礼をわびて、霧島に走りよった]
でもさ、すげーよ! 東雲も、ペルソナ使いになってるってよ あ、東雲って、俺のクラスの女子なんすけど 世界が崩壊するときまで、一緒にいて、 死んだと思ってたら生きてて、それに 俺らみたいなことになってるんだってよ!
[すげーでしょ!?と得意げだが、それだけの言葉で伝わるかどうか。だが彼はおかまいなしで、嬉々として喜びを共有せんとした]
すぐそこにいるんだ 会おうっつってるんだけど、霧島サンも行く?
[返事を聞いてから、浅見は東雲の元へと急いだ]
(782) 2010/06/03(Thu) 23時半頃
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- ラジオ館前 ->>789
でしょでしょ?
[良かったです、と霧島の声が喜びを加速させて うれしそうに答えた。ヤタガラスの示す道の先には Valyaの示した場所が見えていた。
浅見は戦闘後の疲れを気力でカバーしながら、 少し疲れた様子の霧島を気にしつつ歩き始めた]
[ヤタガラスの示す方向に、東雲の姿が見えた 彼の崩壊後史上、最大の笑顔になって 見知らぬ男、ラルフと話す東雲に向かって 足取り軽く走っていった]>>770
(807) 2010/06/04(Fri) 00時頃
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《わたしはあなた、あなたはわたし》
[頭の奥から、声が聞こえた。 心のどこかから、声が聞こえた。 どんより重い空の色に解けそうなくらい 朱く暗いヤタガラスが、彼の目にはきんいろに光った]
(815) 2010/06/04(Fri) 00時頃
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