8 DOREI品評会
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[椅子を立つと、絡めていた指を離した]
あの子をどうするかは、考えさせて。 あの子の枷を、はずしに行って来るわ。ここで待ってて頂戴な。
[イアンを見上げて、そして離れる]
(*1) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[客席を立ち、舞台袖の小部屋の方へと向かう。顔を隠す扇子はそのままに、けれどもどこか足取りはゆっくりとしていた。
見える目元も、微笑を浮かべているわけではなく]
(1) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[先に歩いていくルーカスの背を追い、けれども心はここにあらずか。
鍵をネイサンから預かり、個室へ姿を見せる。 そこには、男装の少女の姿があって]
やっぱり、その服なの。女の子の格好を期待したのだけど。 枷を、はずすわ。 逃げてもいいけど、でられないし、捕まるのはわかるわよね?
(*3) 2010/04/12(Mon) 01時頃
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別に、どちらでも構わないわ。 ……。
[枷をはずし、視線が落ちる。その足首に見える傷。腫れた様子に眉を寄せた]
誰か、彼女に手当てをしてくださる? 傷が残らないように、お願いね。
ビジネスパートナーなんて、期待するはずもないでしょう? だって、私はそもビジネスに手を出してないもの。 貴女を買ったのは、ちゃんと目的があったのだけど……。
[ほう、と息を吐いた]
手当てのあとは身体を休めなさいな。ずいぶんと疲労しているようだから、ちゃんと食事も取ってね? 私は貴女を壊すために買ったのではないの。 [使用人へ自分の部屋で休ませるように言付ける]
貴女の扱いを変えるかもしれないから。 期待はしないでもらえるとありがたいけど。
(*5) 2010/04/12(Mon) 01時頃
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[頷いたイアンへは、首を横とも立てとも振らず。 零れた言葉にどこかを抉られたような心地。
カルヴィナの治療を任せて、自身はイアンの元へ戻ろうと立ち上がる。 男一人でどうしてこうも変わってしまったのか、わからない。
それでも、その傍に行かずにはいられなかった]
(*6) 2010/04/12(Mon) 01時頃
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[カルヴィナから掛けられた言葉に、浮かぶ笑みはどこか弱く見えたか]
勘違いしても、いいわ。 貴女は、私が買った事に変わりはないのですもの。 別に、働いていないわけではないけど。 それに、人の手はいらないというだけ。
[お腹は減っていない、という彼女へ]
じゃあ。 興味があるのなら客席にいらっしゃいな。冷静に、舞台を見ていられたらだけど。 でも、私が怪我の手当てや食事を勧めるのは、貴女の為ではなく私のためよ。
(*7) 2010/04/12(Mon) 01時頃
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[後からカルヴィナがついてくるのがわかった。 小部屋を出て、客席の方へ歩いていく。
イアンの姿を認めると胸にこみ上げるものがあって、足を止める]
でも、どうすればいいの。
[小さく零した呟き]
(*8) 2010/04/12(Mon) 01時半頃
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[個室から出てくると、その後から男装の少女がついてくる。
途中で足を止めたのは、待つ姿勢にも見えただろうか。
又、歩き出すのは悠然と男が座る客席の、空いた椅子へ]
(4) 2010/04/12(Mon) 01時半頃
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イアン…。 貴方の言葉は、わかるの。 わかるわ。
買った奴隷をどうするのかは、私の自由。 でも、外には出せない。それは、わかって。
[席に戻り、立つイアンへと言葉を掛ける。その腕に、手を伸ばした]
(*9) 2010/04/12(Mon) 01時半頃
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[杖を借りる様子を見れば、少しだけ眺めて]
そんなに意地を張るのなら、休めばいいのよ。 身体をそれだけ酷使したのだから。
椅子は、ないのよ。床に座るか、立っているしかないの。 疲れても、知らないわ。
[呆れたように口にする。 椅子に座ると、人の少なくなった舞台へ目を向けた。 もう買わないで欲しいといわれたこと。
それに頷くことは出来る。 もう目的は達成されたのだしと思うけれども。 きっとそういうことではない。
それもわかっているのに]
(*12) 2010/04/12(Mon) 01時半頃
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[椅子を示すカルヴィナの言葉に、そちらへ目を向けた。確かに空いてはいる]
それに座ったら、他の奴隷と差がついてしまうでしょう? どうしてもというなら、床にお座りなさいな。
[ルーカスが二人を伴って帰ってくるのもわかったから、自分の奴隷を特別扱いすることもしない。 とはいえ、他の変われた三人に比べれば、その待遇は破格なのかもしれなかった]
(*13) 2010/04/12(Mon) 02時頃
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[椅子に座ると、舞台を見やる。奴隷は後二人。 傍に立つ男に言われた言葉が、耳に残る]
――そうね。
[扇子越しに見る目は微笑んではいたけれど、少し興味を失ったようにも見えた]
(5) 2010/04/12(Mon) 02時半頃
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[伸ばした手が触れると、いくらか安心する。 背に回される腕も避けずに、耳許で呼ばれた名前にじわりと肌が震える。 それを咎めることは、できずにいた。
椅子に座ると漸く落ち着いて。 イアンの手は、握られたまま]
(*14) 2010/04/12(Mon) 02時半頃
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[カルヴィナから掛けられる声に、向ける表情はどこか冷ややかだ]
貴女に、貴族の意志を持たせたまま、その身体を躾けたいのよ。 調教とも言うかしら。 そのために買ったのだけど。 這い上がるの? 這い上がれるのかしら? どうやって? 外に出ることはもう出来ないのに。 貴女の処女を惜しんだのは、貴女のためではないし、足元を掬われる気もないわ。 どうやってそんなことをするの?
掬われるというのはね、私がその地位に価値を見出してなければならないのよ。
(*15) 2010/04/12(Mon) 02時半頃
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[カルヴィナの言葉には微笑みを返し]
ちやほや、ねぇ? そんなもの、嬉しくもなんともないのに。 そんなものをありがたがる人生の方がどうかしているわ。
言わなかったかしら。 心持だけは、どんな地位にしても誰にも壊されないと。 それは、奴隷だって同じ。 ねえ、奴隷は何が辛いのかしら。 「主人」に従わなくてはならないところ? 自由のない生活? 衣食住すらまともに与えられないこと? 「個」を失くさなければならないから?
「買われる」事が最大の恥辱だとは思うけど。貴女のような矜持を持つ子にはね。 私は、貴女を少し羨ましく思うわ。
(*16) 2010/04/12(Mon) 03時頃
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[少女の視線には、怯むことはない。 未だ自分の状況をわかっていない少女へと、グロリアは常の笑みを取り戻す]
そうね。偽善だわ。貴女に情をかけることは。 貴女を買った額は、消して少ない物ではないもの。
それに見合った動きはしてもらわなければならないわ。 イアンは別荘に連れて行くけど、貴女は本宅に行ってもらおうかしら。 女の子の、格好でね?
[くすくす、と笑う様子。腕は、イアンの腕にかけたまま]
(*17) 2010/04/12(Mon) 03時頃
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何故、貴女と同じことを私がしなくてはならないのかしら? 貴女の気持ちをわかるつもりはないけど。 貴女に私の気持ちもわからないわ。 このまま貴女を、どなたかに払い下げてもいいのよ? それをするかしないかは、私の言葉一つ。 どちらが主人なのか、わからせて上げましょうか?
(*18) 2010/04/12(Mon) 03時半頃
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貴女が、私の奴隷のままなら、ね。 ルカやヴェスパタイン様がそれぞれの奴隷に何をするかは自由よ。その奴隷の扱いに私は口を挟まないし、私の扱いにも口を挟ませる気もないわ。
[彼女を買った理由はただ一つ。けれども、それを失ってしまったら彼女を手元に置く理由などない。
貴族としての矜持を保ったまま、娼婦に育てようかとも思ったのだけれど]
ヴェスパタイン様、貴方にお譲りしようかしら? 舞台にいる間にずいぶんと擦れてしまったみたい。
私の欲しい奴隷ではなくなってしまったの。 ジェレミー様にお詫びも篭めて差し上げようかしら? 興味を示されていたようだったから。
(*19) 2010/04/12(Mon) 03時半頃
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別に損をしたとは思っていないわ。 勉強代というべきかしら?
そうね、少しは、勿体無かったとはおもってるのよ。貴女を早くに落とさなかったこと。 でも、そこまで落ちてしまうとは思わなかったから。
[息を付く。カルヴィナがイアンへと掛ける言葉は意に介さずに。 ヴェスパタインのところにやれば、彼女がどうなるかは知れない。 けれども、奴隷としておく理由が薄くなったことも事実で、さらにはイアンから掛けられた言葉もあり。 そして、失ったポイントも問題ではない]
(*20) 2010/04/12(Mon) 03時半頃
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私が変わった? そうね、変わったように見えるのかしら。 貴女からは。
[ツィーがカルヴィナへ向ける視線の思いはわからない。 わかったとしても、彼女はそれに首を振るだろう。 かわいそうだから、ではなく。 そこに自分を見たのだから。
だからこそ、彼女の言葉も虚勢であるのかもしれない、とは少しだけ思う。本心は聞いてみなければわからないけれど]
(*21) 2010/04/12(Mon) 04時頃
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ばかね。生き残りたいのなら、
[生き残るための主人を探さなければならないのに。 そう思ったが口には出さない]
文句が言える立場でないのに、ずいぶんと文句を言うのね?
[それでも一度は買うと決めたのだ。彼女が生き残るのを望むのなら、その可能性が高い方へ渡すべきだろうと。
その候補としては弟が一番良かったのだけれど。要らないといったものを貰うほど弟は情に深くない]
ヨアヒム様、ジェレミー様の居宅はわかります? そちらに、彼女を。 お詫びの気持ちも込めて贈らせて貰うわ。
(*22) 2010/04/12(Mon) 04時頃
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[ヨアヒムへと願えば送る準備は整うのだろうか。 少女の姿がなくなれば、少し自己嫌悪の表情を扇子の下に見せる。
買うつもりがあったのは、確か。その理由も。 例え「足元を掬われて」も、彼女には関係ない。
イアンを見上げ、そして又舞台を*見た*]
(*23) 2010/04/12(Mon) 04時半頃
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今は、買う気分ではないから、いいわ。
帰ってしまうのは、もう少し後にするわ。
[ネイサンにそれだけ告げる]
(*55) 2010/04/12(Mon) 23時半頃
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[ヴェスパタインが去って後、舞台の上では装置の移動が行われていた。それを見ることはない。 しばらくすればどこかに行っていたヴェスパタインが戻ってくる。
装置に括り付けられ、炙られ始める二人を、何も言わず見ていた。
感慨も嫌悪もなく、ただ見るだけの舞台。 反応の違う二人の奴隷。 パトリシアの様子はやはりどこまでも変わらない。 客へと意見をする様子も媚を見せないことも。それは既に壊れてしまった後なのか、それとも屈強なだけなのか、そのどちらでも、興味を持ったのは確か。
奴隷として欲しいかと問われるなら、少なくともグロリアには必要なかった。 もしカルヴィナを手放さなければ、入札を考えていたかもしれないし、奴隷以外でなら、欲しかったかもしれない。 それも、彼女の強さがあってこそで、けれどその強さがあるからこそ買うことは戸惑われて]
(55) 2010/04/13(Tue) 00時半頃
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[マーゴの嬌声とも悲鳴とも言える声が響く。消える蝋燭の火。 説明を請う男の声にも、ただ舞台を見ているだけ。 何も、しようとはせず。
時を止めたように微笑んだまま座っていた。
やがてネイサンの声が響く。 No.5への入札の声。
マーゴの懇願の声が聞こえて、漸く。 添えられた男の腕に、顔を傾けた]
(56) 2010/04/13(Tue) 00時半頃
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高見、そうかしら?
[カルヴィナの言葉にはそれだけ返し。 ヴェスパタインと話しこむ様子は耳だけ傾ける。
男が二人を伴って席を立つのを、座ったまま見送った。
後ろに立つイアンの]カルヴィナに掛けられた声と笑い。 変わってしまったという言葉。握る手を強く。
見上げた彼の顔は近くに、自然と唇が触れて。 囁きには肯定も否定もしなかった。
重ねられた手を見る。暖かな手は、奴隷であっても、貴族であっても同じ。
首筋に唇が触れると、力が抜けたように息をついた]
(*58) 2010/04/13(Tue) 00時半頃
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