137 海の家 『nave Di mare』
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
[足が生えたイルカさん。 海から上がった事にまだ慣れていないのかしら。 アタシの長い髪は捕まる事無く、潮風に揺れるばかり。 同じように上下する胸は走るのにはちょっと邪魔だけれど。]
きゃっ、 ……!
[躓いた時にはいつの間にか捕まえられた腕。 引き上げられて、代わりにトレイルくんは熱い砂浜の上へ。 そして腕は捕まったままだったから。]
(38) anbito 2013/08/23(Fri) 02時頃
|
|
……――――!!
[ばふんと一緒に砂浜へ。 助けてもらったのか、よけいに引っ張られたのかは分からないところね。 砂塗れのイルカさんは、口に入った砂に眉をしかめてるみたい。]
ふふっ、あはは! もう、トレイルくんのおかげでアタシまで砂塗れだわ?
[なんて、片方の手を伸ばす。 そっと顔に触れて、ついた砂を優しく払いながら見上げるの。 もう片方は捕まったまま、逃げるなんて事思いつきもしなくて。]
(39) anbito 2013/08/23(Fri) 02時頃
|
|
あら、これでもゆっくり走ったんだけどな…?
[笑いあう二人、白い砂浜。 まるで歌の歌詞にでも出てきそうな恋人たちみたい、なんて思ったら。 トレイルくんのファンに、きっとすごい目で見られちゃうわね。]
……うん?
[触れた指先から砂が剥がれ落ちてくる。 サラサラ、一粒一粒が星の砂みたいに。 途切れた声には少しだけ首を傾げて、続きの音を漣と共に聞いて。]
(47) anbito 2013/08/23(Fri) 03時頃
|
|
………泣くほど弱く、見える?
[そう意地悪に返してしまうの。 だってトレイルくんの顔が、泣きそうな表情に見えてしまったから。]
なんだか、告白されてるみたい。
[捕まったままの腕に感じる体温は、気のせい? 少しだけ熱く感じて、だからこそふっと笑みが零れてしまう。 世の中の沢山の女の子に、黄色い声援を掛けられる彼が。 こんな風に告白するのが本当の姿なんだとしたら。 少し可笑しくて、くすくす笑っちゃった。]
(48) anbito 2013/08/23(Fri) 03時頃
|
|
[縋るように書き続けた、日記は今この手にはない。 あのヒトのために空けておいた場所は、ここじゃない。
201号室。 愛を知れば、恋を知れば、歌うことが出来なくなるという歌鳥の部屋。 アタシの初恋は遠く遠く。 羽ばたいて消えて行ったその歌鳥が、きっと持っていってしまったの。
トレイルくんにむかって、少しだけ見つめて。 そっと瞳を伏せて、見つめていたのは捕まえられた腕。 アタシはその短い間に、そっと思い出のページをめくるの。]
(49) anbito 2013/08/23(Fri) 03時頃
|
|
―五年前の日記―
△月◎日
今日は珍しく雨、台風も近くに来てるらしい。 お客さんがいなくて良かった。 そう思っていたら、たった一人ずぶ濡れになってやってきた。
オレンジの髪、胸元のタトゥー。 恐い見た目の割に優しい人だった。 雨戸を閉めるの、全部手伝ってくれたし。 夜には本当に嵐になって、雷が鳴るわ停電するわで。 だけどずっと傍に居てくれた。 肩を抱いて寄り添って居てくれたの。
好きになるのは一瞬だったわ。 時間なんて関係なかったの。
でもそれはそんなに簡単なものじゃないって。 アタシは、あのヒトの瞳を初めて見た時からわかってた。
(*0) anbito 2013/08/23(Fri) 03時頃
|
|
トレイルくん、アタシね。
本当は女の子じゃないの。 でもね、男の子ってわけでもなくて。 ああ、えっと、生まれた時は男の子だったんだけど。
[話し始めるのは隠してたアタシの事。 少し捕まったままの腕が震えてるの。]
例えばほら、オカマさんっているじゃない? 男の子だけど、女の子になりたいんだって。 そういうのとはまたちょっと違って…ね。
胸はほしかった、女の子の恰好もしたかったし、男の子として扱われるのは嫌だった。 だけどね、男の子を捨てる事も出来なくて。
アタシ、すごく中途半端なの。
(50) anbito 2013/08/23(Fri) 03時半頃
|
|
[この事を告げたのは、トレイルくんで三人目。
一人は、両親に。 一人は、あの人に。 そして、トレイルくんに。
ただ少し付け足したのは、トレイルくんにだけ。]
だからね。 例えば、もし…トレイルくんが…アタシを気に入ってくれたりしてるなら これ以上、近付いて傷付くのは貴方だと、思う。
………きっともう、傷つけちゃったと思うけど。
[そういって、漸く少し笑ったけど。 それはきっと自嘲みたいなのにしかならなかった。]
(51) anbito 2013/08/23(Fri) 03時半頃
|
|
△月#日
あのヒトに告げたの、アタシの事。 隠さずに全て、嫌われることも覚悟で。 だけどあのヒトは何も云わずに、私を抱きしめてくれた。 それから立った一度だけ、額に唇を寄せてくれた。
その日の夜、アタシたちは一緒のベッドで眠ったの。 やましい事なんて何もなかった。 ただ、寄り添って眠ってくれた。
部屋の歌鳥たちはきっと知っていたから。 だから鳴かなかったのね。
(*1) anbito 2013/08/23(Fri) 03時半頃
|
|
次の日の朝、あのヒトはいなくなっていた。 家中を探した、隅から隅まで。 暫くして玄関に、数日分の宿泊代と書置きの手紙が置いてあったのを見つけた。 アタシはそれをみて、泣く事しか出来なかった。
嗚咽はひとつも出なかった。 だって、それは初恋だったから。
(*2) anbito 2013/08/23(Fri) 03時半頃
|
|
『タバサへ』
大きくなったお前を見られて、よかった。 お前がどんな姿をしていても、お前はお前だよ。 ありがとう、ごめんな。
Hector=Estate
(*3) anbito 2013/08/23(Fri) 04時頃
|
|
―――あれ、ふ、…はは …なんで、だろ?
[パタパタ落ちてきた雨は、砂浜を濡らす。 堪えようとして唇を噛めば、嗚咽が出てしまうんじゃないかって。
その涙を拭おうとして。 ううん、トレイルくんの気持ちから逃げようとして。 掴まれた腕を引こうとするの。 きっとこの手が離れてしまえば、全部夏の思い出で終わる。
星の下で話したことも、花火で見ていた横顔も。 ふいに見せてくれる優しさも、船酔いで情けない姿も、キメキメの顔も。 泣きそうに笑って云ってくれた、言葉も―――…]
(52) anbito 2013/08/23(Fri) 04時頃
|
|
[アタシの腕はきっと情けないくらいに震えてて、力だって弱かった。 それは引き離してしまいたかった気持ちと反対に、きっとこの手を離してほしくなかったから。 あのヒトのように、一夏だけのお客さんのように、いなくなってしまうのが怖かった。]
っ…、……!
[強い力で引かれれば、アタシはそのまま体を預けるように。 ぽすんと、胸に頭を寄せる。 いつも笑顔で、いつも皆を迎える、明るいお姉さんでいたかったから。 素直に弱いところを見せるのは、とてもとても、怖くて。]
(57) anbito 2013/08/23(Fri) 22時頃
|
|
お、とこのこ…なんだ、よ? 可愛い女の子じゃない、し…っ その……トレイルくんと、同じものとか、あって……
[ぱたぱたと降る雨は止まらないまま、トレイルくんの胸元を濡らす。]
……アタシ、そんな……綺麗じゃ、ないんだよ…? 水商売…だし、だから!
[離れてほしいと願いながら、離れてほしいと願えない。 捕まれていない片手が、ウェットスーツを掴めずにぎゅっと砂浜を掴む。]
(58) anbito 2013/08/23(Fri) 22時頃
|
|
[何度も何度も、くっつけた頭を擦り付ける。 横にふって、横にふって。 それが拒否なのか否定なのか、なんなのかわからない。 だけど。]
ふ …れる、わけ ない、じゃないっ
[真剣に、強くもなくて。 だけど弱いだけじゃないトレイルくんの告白に アタシが必死に返せたのはそのくらいだった。]
(59) anbito 2013/08/23(Fri) 22時頃
|
|
[手が回されて、微かに体が怯える。 でも、その手を振りほどいたりは出来ない、きっとしたくない。
教えてと云われて、教えられるほどのものがアタシにあるのかもわからない。 だけど、少しずつなら話していけるかしら。 好きだったあのヒトのことも、この家をやるまでのことも。 ここから帰れば待っているのはネオン輝く夜の世界だってことも。 全然、綺麗な人間じゃないってことも。
添えられた手に逆らわず。 無言で告げられた通りに上を向く。 大粒の涙を湛えた夕焼けの色の瞳がトレイルくんを映して。]
(61) anbito 2013/08/23(Fri) 22時半頃
|
|
わかんない、わよ……… ばかっ!
(62) anbito 2013/08/23(Fri) 22時半頃
|
|
[ふにゃりとした笑顔。 だからアタシも泣きながら、いつもの笑顔で応えたの。]
(63) anbito 2013/08/23(Fri) 22時半頃
|
|
あ、アタシはいつだって…っ…―――
[素直だ、なんて返そうとしたけど出来なくて。 それはトレイルくんの顔が間近にあったから。 やがて唇が触れて、だけど熱いかどうかも分からないくらい。 すぐに離れてしまってから、漸く温度の違いがわかってくるの。 それだけアタシの顔は今きっと、真っ赤なんだわ…って。]
――――…っ…
[言葉も奪われてしまったのかしら。 意味のある口付けはきっと、トレイルくんが初めてだったから。]
(65) anbito 2013/08/23(Fri) 23時頃
|
|
[そっと、そっと、心のページをめくって。 夕焼けみたいな臙脂の表紙をなぞって、砂浜みたいなページに綴ろうと思うの。 消えないように、大切に、届かなくてもいいから。]
(66) anbito 2013/08/23(Fri) 23時頃
|
|
『ヘクターおにいちゃんへ』
大切な人が、できました。 アタシはアタシなりに頑張っています。 貴方もどうか、お元気で。 Tabitha=Estate
(*4) anbito 2013/08/23(Fri) 23時頃
|
|
[そっと本の表紙を閉じて、見上げるの。 離れてしまったトレイルくんの顔を。
今度は自由になった腕を、アタシが背中へ回す番―――…**]
(68) anbito 2013/08/23(Fri) 23時頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る