134 Dum fata sinunt vivite laeti.
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
――僕は人狼だから。 嘘つきの獣だから。
ミナカタ、キミは正しいよ。
[獣の性もつ青年は密やかに紡ぐ。]
(*0) helmut 2013/07/28(Sun) 00時頃
|
|
[ミナカタの返しにガーディはふっと笑みを零した。]
爪も牙も、僕にはないよ。 ――…ああ、知ってる。わかってる、さ。
[狙いを定めたナイフの先は真っ直ぐに ミナカタの左胸へと向かうけれど―― 人の姿のままでは体格の差が大きい相手にかなうはずもない。 彼の備えに気付いた時には、もう軌道を修正できぬ状況。]
(1) helmut 2013/07/28(Sun) 00時頃
|
|
[ミナカタの左胸は彼自身の腕に隠れる。 不意に現れた盾に狙いを見失った刃の先が掠め衣服を割いた。 拍子抜けするほど、手応えはなく、驚愕に見開かれる眸。]
な、――っ!?
[体勢立てなおそうと利き足である右に力を込めるが 突き出されたミナカタの左腕が腹部に埋まる。 ぐ、と喉の奥から漏れる呻き。 痛みに思わず顰める顔。 右手にあったナイフは彼の手に払われ、からり、音をたて床に落ちる。]
(3) helmut 2013/07/28(Sun) 00時半頃
|
|
[腹部への鈍痛からけほけほと咳き込む。 涙目になるのはそういった痛みに慣れていないから。 落ちたナイフに視線を向ける頃には ミナカタの手にすっぽりとおさまっていた。]
殺そうとした、報い、か。
[彼の狙いに気づいて、逃げようと身を翻す。 無防備な背が彼へとさらされることになるが]
――…あ。
[振り向いた先に、ジェニファーの姿が見えた。 逃げようと踏み出した足は、ぴたと動きを止める。]
(5) helmut 2013/07/28(Sun) 00時半頃
|
|
[名を呼ぼうと唇が開かれる。 けれどそれをなす前に背に冷たい何かが触れる。 冷たいと感じたのは一瞬。 次の瞬間には熱を伴う鋭い痛みがガーディを襲う。 ミナカタの狙い通り、背骨を掠めるように埋まるナイフ。]
――ぐ、っ。
[勢いに押されるように、膝を折り、右手を床につく。]
(7) helmut 2013/07/28(Sun) 01時頃
|
|
因果応報だ。 恨むなんてそんな面倒な事、しない。
[認めるような言葉は表には出さない。 どちらかといえば、出せない、と言った方が正しい。]
(*1) helmut 2013/07/28(Sun) 01時頃
|
|
こんな中途半端な姿だから、届かない。 ――…大人になれたら、 言いたいことあったんだけど。
[背に受けた傷。 不利な状況はもう覆らないだろう。 シャツは血に染まるのか濡れた感触がある。]
かなわないな。
[何に対してか、そんな思考が漏れる。]
(*2) helmut 2013/07/28(Sun) 01時頃
|
|
――…謝るなよ。
それ、 が。 キミの、 選んだ、道、 だろ……。
[絶え絶えに紡ぐ声はまだ幼さの残る響き。 背から刃が引き抜かれると、更に傷は広がり そこからは夥しい血が溢れる。]
……、たぃ、な。
[生理的な反応か、涙で視界が朧となっていた。 支える力は抜けてゆき、ぐらり、前のめりに床へと伏す。]
(9) helmut 2013/07/28(Sun) 01時半頃
|
|
[こんな状態になっても獣の姿は晒さない。 無駄な抵抗なのかもしれない。 それでも、両親には育てて貰った恩がある。 彼らに害が及ぶ事は避けたかった。
――だから、人の姿のまま無様に伏している。]
(11) helmut 2013/07/28(Sun) 01時半頃
|
|
死にたく、ない、なぁ……。
[朦朧とする意識の中、聲が漏れて]
(*3) helmut 2013/07/28(Sun) 01時半頃
|
|
まつり、みたかった、な。
[残念、と音なく紡ぎ、重い瞼が閉じられる。 ガーディの意識は其処で途絶えた**]
(12) helmut 2013/07/28(Sun) 01時半頃
|
|
[交わる視線に一瞬目許が緩む。 朧な視界ではジェニファーがどのような表情なのかは はっきりとは分からなかった。 それでも、憧れを密やかに抱いていた年上の彼女の視線が 此方に向けられていた事を嬉しく思ったのだろう。]
…………。
[名を呼べはしなかったけれど。 薄れゆく意識の中、彼女の声が耳朶に触れる。]
(19) helmut 2013/07/28(Sun) 02時半頃
|
|
[伸ばされる手が微か視界の端に映り込んだが 力を失った青年の視界に広がるのは闇ばかり。 ふ、と、柔らかに包み込まれる感触があった。 だめ、と紡がれた声を聞くうち、 繋ぎ止めんとするのか抱きしめる力が強く感じられる。 背に受けた刃は神経を傷つけていたか、 身体を動かし応えようにも四肢はぴくとも動かせない。]
(20) helmut 2013/07/28(Sun) 02時半頃
|
|
[ぽたり、ぽたりと降るあたたかな雨。]
………。
[混濁する意識の中、彼女の呼び掛けが微か届いた。]
ジェニファー。 泣かないで。
[泣かせたいわけじゃなかった。 守りたい人だった。 彼女にとってはまだ子供と思えただろう自分。 届かぬはずの高嶺の花抱かれた青年は己の手に意識を向ける。 彼女の涙を拭おうと右手に力をこめるが、動く気配なく。
薄れゆく意識の中。 闇しか映さぬ瞼にさいご思い描いたのは、その花の笑み**]
(*4) helmut 2013/07/28(Sun) 02時半頃
|
|
[壁に凭れる女性の隣には腰掛ける青年の姿がある。 壁に背を預け天を仰ぐ双眸は銀灰色。 柔らかな髪は赤みがかった癖っ毛。 器を失い魂だけの脆き存在は本来あるべき年相応の大人びた相貌。 背丈も隣に居る女性より、幾分高くあるが その姿は生者に見えるはずもない。]
――…こんな所で何してるのさ。
[掛ける声も僅かに低く落ち着いたものであるが 彼女の耳には届かぬのだろう反応はなく]
夜風で身体を冷やしてしまうよ。
[案じるような響きは夜風にのり彼女の耳朶を掠める。]
ジェニファー。
[少しだけ年上の彼女に抱いた想いは言葉にせぬまま名を呼んで。 夜が明けるその時まで見守るように傍に在る**]
(*5) helmut 2013/07/30(Tue) 00時半頃
|
|
[子供の悪戯のような、そんな誘い。 窓を開けたヤニクが人狼の仕業と察していようとは知れない。 分かっていてそうするなんて思いもよらなかったから 思惑通り事が運んだ事に安堵していたのを覚えている。
祭りの設営に勤しんでいた皆を纏めていた一人。 隣村の者でありながら其処に居るのが当然のように 村に馴染んでみえた年上の男の思いも知らぬまま 獣は彼の首に喰らいつく。]
ヤニク。
[獲物の名を刻むように獣は名を紡ぐ。 大人である彼が羨ましかった。 彼のように働き手として期待される存在になりたかった。 無理が祟り虚弱であった青年には眩しく見えていた。]
(*6) helmut 2013/07/30(Tue) 01時半頃
|
|
キミを食べればキミと同じようになれるかな。
[なれたとしてもこの村には居られない。 十年後に祭りの準備を率先して行う己を想像する。 実現するはずのない夢は命の音に掻き消えた。]
――――。
[異国の肌に異国の血。 その味に違いは知れない。 これまで喰らった獲物と同じく甘く馨しい血が喉を潤す。]
…………。
[事切れた彼の表情を獣は知らない。 己は生きる為に彼の命奪った事を刻むのみ。]
(*7) helmut 2013/07/30(Tue) 01時半頃
|
|
[――けれど。
同じ姿のものを。 同じ血が流れるものを。 どうして喰わねばならないのだろうと、思う。 生きるためと己に言い聞かせて同じ姿のものを狩る。
羨ましいと思った者の言葉も想いも知れない。 知らない方が心は痛まない。 だから己から彼に話し掛ける事もしなかった。 どうすれば彼のようになれるのか。 聞いてみたかったのだと己の心を知ったのは 動かなくなった彼の血肉を腹へとおさめた後だった**]
(*8) helmut 2013/07/30(Tue) 01時半頃
|
|
[村役場に記されたガーディの年齢は十八。 十五年前、引っ越してきた時に 三歳であるとしたのだからそれも当然。 幼かった頃は人間の血肉など口にできようはずもなく 同じ年頃の子供たちより随分と成長が遅れていた。
育たぬ子供と両親が奇異の目に晒されたのも自然な事だろう。 両親はガーディを連れ引っ越す事を余儀なくされた。 異端であると知れる前に、友達が出来ても直ぐに別れる。 そんな事を繰り返してこの村に辿り着いたのは 生を受けてから十年の月日が経った頃だった。
本来なら十と刻まれるはずの書類には 見た目にそうように三と記されたのも仕方ない事だった。 真実を記そうにも偽りとみなされるだろう。 知識も知恵も歳相応にはあったから 両親のすることにガーディは異論を唱えなかった。]
(72) helmut 2013/07/30(Tue) 09時半頃
|
|
[好奇心も人並み以上で人懐こくあったから 村の大人たちにはすぐに受け入れて貰えたけれど 己と同じ年頃の友達を作るのは難しかった。
或る日。 一人遊び疲れたガーディが広場の大樹で休もうとすると 頭上から、ナァ、という鳴き声がふってきた。 仰ぎみるとそこには白い仔猫が枝の上で震えている。]
……ネコ?
[助けを求めるように鳴き続ける仔猫は 大人であろうと手の届かぬ高さにある。]
随分高くまでのぼったものだね。
[見た目に似合わず大人びた口調で言い、肩を竦めた。]
(73) helmut 2013/07/30(Tue) 10時頃
|
|
[周りに大人はいない。 成長が遅いだけで快活であった子供は 大樹の幹へと手を掛けて枝を支えに上を目指す。 するりするりと危なげなく仔猫のもとにゆくと 手を伸ばしてみるが仔猫は何かに怯えてより細い枝先に後退る。]
そっちはダメだって。 ほら、こっちこい。
[身を乗り出し、手を限界まで伸ばすと 仔猫はさらに後ろに下がって、足を踏み外してしまった。 落ちる仔猫に飛びついて左腕で強引に抱き寄せた。 右の手は一つ二つ下の枝を掴み何とか落下を免れる。
葉擦れの音は思いの外大きかった。 樹の枝に片手でぶら下がり片腕に白い仔猫を抱く子供が 音に気づき窓から顔を覗かせた少女と目が合う。
本来ならば同じ歳くらいの少女。 想い抱く高嶺の花との出会いは生涯忘れ得ぬもの――**]
(74) helmut 2013/07/30(Tue) 10時頃
|
|
[大樹は毎朝のように声掛ける彼女を見守るように静かにある。 ある朝、何時もと同じように開かれた窓の下。 大樹の根本に柔らかな栗色の毛並みが覗く。 木漏れ日の中、其処で本を読んでいた青年が居た場所に 同じ色持つ仔犬がちょんと座り、開いた窓の先を見上げていた。
はたり、豊かな毛並みの尾が揺れる。 それはあの日から丁度一年後の事だった**]
(81) helmut 2013/07/31(Wed) 00時頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る