233 逢魔時の喫茶店
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…君が、欲しいだけ、 好きなだけ、 満たすといい。
[>>23欲しいだけと言わず、それ以上でも構わない。 絡めた腕で引き寄せて、満たして欲しいと、満たしたいと、何度も強請る。 口付けにアルコールの味が混ざったのは最初の内。 幾度も繰り返すうちにそれは薄れ、 後はもう、分からない。
蕩ける思考に、瞳を揺らした。]
(25) mzsn 2015/08/13(Thu) 02時頃
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[夜の続き>>24は寝室で。 背に爪を立て、愛を紡ぐ。満たされ、満たして、触れて、揺さぶられ。 濡れた視界に写るのは、見上げた君の、大きな羽だっただろうか。
荒野に花が咲く。 君が咲かせた花だ。 胸を、君の花と愛で満たして、 ――ああ、どうしようもなく、熱く、愛おしい。
けだるい眠気に意識を落とす寸前、 自分から口付け、もう一度愛をささやく。]
愛してる。
[今まで何度も口にした言葉だった。しかし今は、心から君に愛していると、そう言える。 愛してる。全部。全て。君を。 やっと、――見つけた。]
(26) mzsn 2015/08/13(Thu) 02時頃
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[その後、 こんな身体の様子では立ち仕事の接客業はできないと、そう、シーツにくるまって笑って、 その日は結局、昼も夜も店を閉めた。 昼の休みの連絡は、店員達への通達を忘れていたかもしれないけれど。
カウンターの上には、日の光に輝くワイングラスが2つ。]
(27) mzsn 2015/08/13(Thu) 02時頃
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[好きな物を、好きなだけ。 そう契約した身、今更になって撤回する気はさらさらなくて、 求めたいだけ持っていけばいいと、呟く口>>44を自ら塞いだ。
人の欲に限界は無い。 それは生憎自分も同じで、幾度求め満たされても終わりは無く、 満たした端から新たな欲求へと変化して行く欲望を、何度も曝け出し、強請っただろう。
何時の間にか、滴る精と汗の香をかき消すように、ぬるい部屋の中を花の香りが満たしていたか。 まるでお互いの胸の内から限界を超え溢れ出したかのように、 色が、空間を塗りつぶして――…。
包まれた甘い体温に擦り寄って、愛と言う名の熱が灯る胸の中、何度も彼の声>>46を繰り返した。 瞼の裏に写るのは、彼の、美しい金の瞳。]
(52) mzsn 2015/08/13(Thu) 20時半頃
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…だれか?
[眠りから意識を浮上させたのは呟く彼の声>>47と、微か聞こえた下階の物音。 時刻は普段の起床時間をとうに過ぎ去り、時計を見れば開店ギリギリ。 でも今日は休みにする気だしともう一度頭を枕に沈めてシーツに包まって、>>27 ふと気付く。
あ、皆に連絡入れてない。
と言う事は来たのは客では無く出勤してきた店員の誰か、で? これはまずい。 裸の男×2を見られる訳にはと慌ててベッドサイドの携帯電話へ伸ばした手は、熱に誘われ儚くも途中で落ちた。
未だ欲の籠る重い体、そんな風にされたら、抗える訳、無いと言うのに。*]
(53) mzsn 2015/08/13(Thu) 20時半頃
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― いつかの、夜のトワイライト ―
[その扉が男>>43を拒む事はなく、深いグリーンは昼間と同じようベルの音と共に口を開いただろう。
ただ昼間と違う個所は、 酒の並ぶカウンターの奥の風景と、店員の服装と、揃う客の風貌ぐらいか。 馴染みの顔を見つければ、やあ、と、カウンターの奥から店主が手を振った。]
(*3) mzsn 2015/08/13(Thu) 21時頃
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…あー、
[まあ、初めてでアレはきつい物があるよね。 扉を閉めてしまった客の反応>>60はフツーの人間の物である。と、番犬もとい番悪魔をじとりと見つめる。 一旦他の物に業務を任せ、客に断り、カウンターの奥からフロアに身を滑らせると、]
デニスちゃん用に、 ちょっとバージョン落としといて。
[言付と共に悪魔>>57>>58の頬に口づけて、客を追いかけそのまま外へ。 戻ってきた時にはもう少しまろやかな外見になっていると良いなと期待しながら。]
(*13) mzsn 2015/08/13(Thu) 22時半頃
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デーニスちゃーん、 なんかごめんねー? びっくりした?
[本人からすればビックリしたどころでは無いのだが。 走って遠くまで行ってたら困るなと思っていたものの彼は案外近くに居り、まさか腰が抜けているとは思いもせず、緑の扉からひょっこり店主が顔を出しただろう。 その後ろに銀色>>63を確認したのなら、二人まとめてエスコート。]
(*14) mzsn 2015/08/13(Thu) 22時半頃
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[取りあえずカウンター席に押し込んで、隣はヒトに近い外見の客か顔見知りで埋めるか。 いつぞや来たゴロウより派手な反応だなあとか、ここまで驚く客>>68も随分久しぶりだなあとか、やっぱり事前説明は大事だなあとか色々考えながら、ヴェスパタインが手伝ってくれるなら二人でデニスを店内まで運搬しようか。
まあまあとにかく飲みなさいとアルコールのメニューを差し出して、…さて彼は酔う人だったっけ。 だいぶ前のファミリアで一緒に呑んだ記憶はあるにはあるが、彼の様子までは覚えていない。]
(*17) mzsn 2015/08/13(Thu) 23時頃
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[再び店内に戻れば悪魔はきっちりボリュームダウン>>67しており、すれ違う際よくできましたと笑みを投げる。
こっちの混乱が収まったら、後で酒を注ぎに行ってやろうか。 離れた位置で寂しそうにしている彼に労いの酒と息抜きの雑談を贈って、店を閉めたらちゃんと構ってやると、大きな角を撫でただろう。]
(*18) mzsn 2015/08/13(Thu) 23時半頃
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まー、お察しの通り、ウチはこう言う店なの。
はいはい。ジン、ロックでね。 …ボンベイサファイアでいーい?
[こういう店。>>69と、全然説明になっていないフォローを入れて、きっとあの日のコテツ以上に説明ができていない。 カウンターの内側で店主が作るのはいつものコーヒーではなく、淡い色彩のカクテルの数々。
同業者の男にジンの銘柄を伝えたものの返答はそんなに聞いて居ない。 「あくま」「このこと」>>70の話はちょっと分からなかったけれど、そうだよと頷いて、、 ロックでも十分美味いそれをロックグラスに氷と共に注ぎ、小皿に乗ったオリーブとクラッカーをテーブルに置い――]
…どしたの?
[突然カウンターに飛び乗った猿>>73に驚いたものの、見下ろす目は随分柔らかい。 ふら付く身体をそっと支えて、一応デニスにジンを差し出しはしたが、彼の好きにもさせてやろうと、基本的に止めはしない。 何やら銘柄は怪しい…というか、酷く強い物のような気もしたが。]
(*20) mzsn 2015/08/14(Fri) 00時頃
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― まどろみの中で ―
[漂う意識は何処か遠くへ流れ行き、脳の信号が作り出す記憶の夢は、いつもと違う風景を見せていた。
映像は、普段通りのセピア色。 泣く青年が一人と、静かに佇む男が一人。 泣いた方がいくら相手に縋っても片方は微動だにせず、鋭い言葉も聞いているのか居ないのか。 そこまでは、普段と同じ。 ただ、いつもの夢と違ったのは相手の顔が朧げでは無く、きちんと輪郭を伴っていたという点だろう。
顔色の悪い喪服の死神の男は、昼の姿。 そのスーツに縋り幾ら皺を刻んだって、男の手が青年に触れる事は無い。]
(96) mzsn 2015/08/14(Fri) 01時頃
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[――そして、普段と違う点がもう一つ。 セピア色の世界の中、二人を見つめるカラーの男。 男の顔は泣く青年によく似ていて、きっと青年が15ほど年を重ねればこんな感じになるかと想像は容易い。
カラーの男は泣いてはいなかった。 何処かぼんやりと二人を見つめ、近寄る訳でもなく、離れた位置で事の進展を静かに眺めている。 縋る青年と、喪服の男。 そのやり取りはしばらく続き、ストーリーは最後に差し掛かる。
「連れて行けない」 「でも」 「愛してる」
男の言葉に、青年の指が離れる。 何処か呆気に取られたような表情の人間を差し置いて、喪服の男は踵を返す。 去る喪服と、その場に崩れ落ちる青年と。慟哭は何処か遠く、青年の流す涙が地に吸い込まれても、カラーの男は微動だにしない。
…つもりだったのだが、]
(97) mzsn 2015/08/14(Fri) 01時頃
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[はたり] [はた]
[滲む感情だけは止められず、ようやく、静かに涙を零したか。
水分を拭う事もなく、喪服の男を追う訳でも、青年に駆け寄る訳でもない。 あれらは全て過ぎた事。自分の記憶の、古い1ページ。 悲しかった。 苦しかった。 今でも胸が張り裂けそうで、しかし昔ほどじゃない。 昔ほど、辛くはない。
如何してと思考を回すより先、何時の間にか背後に沸いた闇に気付くと、迷わず身を預け、 その後は花の香りの中、悪魔の腕の中で目覚めただろう。>>27*]
(98) mzsn 2015/08/14(Fri) 01時半頃
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そうそう。 いやー、来てくれてうれしいよ。
ウチはこっちが本業でさ、 デニスちゃんいつも昼間沢山来てくれてるし、 そろそろこっちにお誘いしてもいいかなーって。
[先より落ち着いたように見える男に安心>>92すると、自分の方も酒を流し込む。 飲んでいるのは彼と同じ、ジンをロックで。
そして、猿の抱えた瓶の銘柄>>90にようやく気付いた。 あれ、これってケイのじゃん。 スペシャルブレンドと書かれた手書きラベルをちらりと見て、まあデニス強そうだし大丈夫でしょ。と、適当さは昼間と同じ。 ちなみに、自分は飲んだ事無い。 注文されれば、氷を入れたグラスをもう一つ。]
(*21) mzsn 2015/08/14(Fri) 02時頃
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…大丈夫?
[あー、結構強かったかなー。香りはそうでもなかったんだけどやっぱりあっちの酒は怖いなーなんて思いながら一応の声かけはして、 ちらりと厨房の、該当酒の管理者を方を盗み見た。 やや不安そうな店主に対し、さて蛇はどんな顔をしていたか。 二杯めもその次>>103も、注ぐのは猿に全て任せて、 任せて、飼い主は特に止めない。]
(*22) mzsn 2015/08/14(Fri) 02時頃
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うん。そう。ブローリン。 一応ウチの番け…、警備員として採用だから、 まー、怖いかもだけど、慣れといて。 ねっ!
[一応トレイルがああいった存在に偏見が無いというのはきちんと分かっているが、 出勤してきた彼>>*24にそう伝えて、最後の「ねっ!」は背中をばしーんと叩いておいた。 そこまで痛くない筈。多分。
しかしその反動で自分の腰にもダメージが来るという事までは予想できず、結果叩いた方がよろめく事となったか。 鈍い腰の痛みは件の警備員による物で、ついでに喉の調子も少しおかしい。 痛みと、激しい営みを思い出して一瞬動きを停止させたものの、それを問われれば何でも無いと、すぐ業務に戻っただろう。 その頬をほんのり染め上げて。]
(*29) mzsn 2015/08/14(Fri) 18時頃
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昼営業してないと、 近所から不審に思われるでしょ?
まー、たまに飲みに来てくれるだけで俺は嬉しいから。 ファミリアで沢山飲ませてもらったし? 今度はこっちが。と思って。
[>>109デニスと話しながらも手元は忙しなく働き続け、昼間のだらけっぷりが嘘のよう。 途中途中で注文を承ると、酒瓶を、ミキシンググラスを、シェーカーを手に取り、グラスの中に鮮やかな色彩を咲かせていく。 オレンジジュースが鮮やかな黄色いカクテルの名は、パラダイス。 それを注文した客は、ファミリアのマスターとも顔見知りである「昼の喫茶店の常連」だったのだが、ああも風貌が変わっては分からないだろうなと、全てを知る店主は静かに笑って。]
――俺? さー、どうだろうね。 アッチから見ればお仲間じゃないだろうし、 デニスちゃんからしたら、人間じゃないと思うよ。
[ヒトだけど、ヒトじゃない。 ヒトのままで何やら微妙な立ち位置に添えられた新米の黒魔術師は、そう、笑って、今は普通のカクテルを振る舞うだけ。]
(*30) mzsn 2015/08/14(Fri) 18時頃
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[だが彼が猿にキス>>110したとなるとその笑みも崩れる物で、驚いた顔は一瞬の事。今はよじ登ってきた猿>>112を指先で撫でて、]
…。
[何やら何とも言えない顔をしていた。 つまりは、嫉妬である。**]
(*31) mzsn 2015/08/14(Fri) 18時頃
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− プリムラの花咲く夜 −
[触れた感触はヒトのそれとはほど遠く、そして寝台に横になる姿も、同じ様に程遠い。 君の全てに触れたい、全てを見たい。と、全部盛りの披露>>119を魔術師がねだったのは少し前の事。 知らぬ人間が見れば卒倒しそうな姿の生物に愛おしげに手を這わせ、口付けて。 困惑を浮かべる瞳を見つけたのなら、セピアの瞳は楽しげに。]
なに、今更気付いたの。
[余裕の無い姿に目を細め、今日は此方が笑う番。 可愛らしく尋ねる声に肩を揺らして、けれど、手は止めてやらない。
自分だって男だし、好きな相手をどうこうしたいと言う欲はどうしても芽生える物。 いつもは叶わぬ事だとしても、しかし、今日はたまたま都合よく。 本当はずっと抱いていた欲をぶつけようと、これは彼にする願いの一つ。 君の全てに触れたい。全てを見たい。 君をもっと、知りたいから。]
(127) mzsn 2015/08/14(Fri) 23時半頃
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[渦を巻く角を撫でて、骨っぽい羽を優しく食んで、 普段此方を絡め遊んで離さない尾を、指先で擽って。]
――ここ?
[ああ、震える身体も、甘い吐息も愛おしい。>>120 背に覆いかぶさり、枕に突っ伏す異形のうなじに口づけると、そのまま尾に愛撫を重ねて行く。 まるで、別の部位に奉仕するかのように。
もったいない。 愛しい顔も声も、枕に食わせず此方を見せて欲しいと、口付けは背や首元を彷徨って、 やはり、手は止めてやれなかった。]
(128) mzsn 2015/08/14(Fri) 23時半頃
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[力を頑張って使いこなす。などと言う向上心は残念ながら持ち合わせておらず、今男を突き動かすのは、彼のくれた愛と言う感情だけ。 後は、支配欲と性欲がそれなりに。 しかしそれを差し置いても愛したいという欲求は酷く強く、悪魔の呟く声も吐息も身じろぎする異形の身体も、全ては愛おしく愛すべきものであると。]
ここ、すき?
[握って、つまんで、ぐりと、力を込める。 異色の尾を何度も刺激して、時に甘く時に強く。 初めて>>141だといわれても、俺だって君が初めてだったよと返すだけで、満たされる支配欲に心底嬉しそうな顔をした。
口付け舌を這わせて、愛しいと熱い吐息を零す。 ああ、彼は、こんなにも、強く、気高く、恐ろしく、それなのに、今はどうしようもなく愛らしい。 だが支配欲が愛を押しつぶし始めた頃、 不意に抱きしめられた腕の中>>142で、細めていたセピアの目は何度かまたたき、きょとりと丸く。]
(143) mzsn 2015/08/15(Sat) 02時頃
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…誤魔化さないでよ。
[不機嫌そうに不満を零しても愛の言葉は嬉しくて、 その胸に身を預けると、後は、普段通り大人しく。
遊び倒していた尾も開放して、今は、彼の胸に口付けるだけ。]
(144) mzsn 2015/08/15(Sat) 02時頃
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だい、じょぶ、 だいじょー…ぶ。
[明らかに大丈夫でない声と、腰を庇うような体制と。 心配する声>>*32にへろへろの返事を返して、それ以上は、もう何も説明できない。 痛む腰と、あと、尻が、こう、具体的には言い辛いのだが、腰と尻と。その2ポイントが痛くて、思い出したらまた痛くなってきたような気がして。]
へっ!?
ひとりっ…??!?! ――い、いや!俺別に――っ?!!?
[はて、彼の言う一人の身体>>*33とは?! 妊娠!?してないはず!…つーか俺男だし!! 悪魔とのアレソレで子供がどうのこうのは知る所ではないけれど、そもそもそういう器官は自分にはついてないし!ついてねーだし!! だからそういう事はない!はず!! そもそもケイのアレって?この前から実験を重ねまくってる変な酒? 勘弁してほしい! っていうかトレくんには言ってなかったつもりだったんだけどバレたのかな?!]
(*37) mzsn 2015/08/15(Sat) 03時半頃
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[等々ぐるぐる考えて、でも営業中である手前口には出さず騒がず焦らず…、ちょっと焦っ、 散々焦ってワタワタして、まさかその言葉が経営者を指す等思いつきもせず、何やらひたすらな不審人物となった事だろう。 しょうがない。しょうがないのだ。 不可抗力だろう。
とにかくバレたバレてないに関しては、後できっちりトレイルを問い詰めないと。営業後とかに。
そもそもプリムラが夜(昼?)の育みをある程度セーブしていてくれればこんなことにはならない筈と、 出入り口で警備員職に精を出す悪魔をじっとり見て、見てから、また色々思い出してそっぽを向いた。 くやしい。いつか覚えてろよ。**]
(*38) mzsn 2015/08/15(Sat) 03時半頃
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…俺色に染まるの、嫌だった?
[こういうの、男のロマンっていうんだ。 悪魔の君も知ってるかどうかは、知らないけれど。
好き>>148ならいいじゃん。と、そう言いたげに擦り寄って、返事の代わりに何度も胸に印を落とす。 抱きしめる強さに鼓動を速めて、熱で何度胸を満たされても、 この先満足する事はないのだと、小さく笑っただろう。
それに、どうするもなにも>>149ちゃんと責任ぐらい持つ。 責任持って、大事に、愛すから。 だから、]
ん、
[背をなぞる感覚に小さく声を漏らして、身動ぎするのはいつもの自分。 漏れた吐息を新しい弱点に注いで、物足りないつむじへの口付けに誘われるよう顔を上げれば、見えたのは金の瞳だっただろうか。]
(180) mzsn 2015/08/15(Sat) 22時半頃
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ん。 見せて。俺も、見せる。 見るの、好き。 触れ合うのも、…好きだよ。
[さらさらと触れ包み込まれる翼>>150の感触に、望み通りの嬉しそうな顔をして、 身を乗り出し、きちんと唇に口付けた。
あんなので足りるもんか。 足りる筈ない。 擽る様に触れる尻尾を優しく包み込んで、口付けは、深く、深く。 吐息を押し込めるように。 自分を、彼の色で染め上げるように。]
(181) mzsn 2015/08/15(Sat) 22時半頃
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まあ、落ち着いたと言えば落ち着いたけど…。
[>>*40と言うのは気持で無く腰の事。 ようやく平穏を取り戻したカウンターの内側、様子はなんとか普段通りに。 妙な視線に気付かないふりをして、私は何にもシてませんよーと、手元は色々忙しく。]
ま、まあ、効果はね、効果は…
[確かに抜群だったねと乱れ重ねた夜を思い出し、覚えたのは一瞬の眩暈。 何やらいろいろな事をしたり口走ったりした覚えはあるものの、それは今思い出すことではない!と無理やり記憶の底に押し込んだ。 そして、]
(*49) mzsn 2015/08/15(Sat) 23時頃
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ぐえっ、
[落ち着いてい腰は第二撃目で再び無残に砕け散り、その後の業務は暫くへっぴり腰。*]
(*50) mzsn 2015/08/15(Sat) 23時頃
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― デニス来店中の、背後 ―
おつかれさま。
[それは多分、ケイがデニスに料理を振る舞い始めて少しした頃。 注文や客足も落ち着き、厨房やカウンターを忙しなく行き来していた店主は静かにフロアの、…正確には、出入り口付近の警備員へと歩みよる。 手には二つのワイングラス。揺れる中身は、いつかの朝と同じ物。
そろそろ酒もなくなって悪魔も寂しくなった頃だろうと、自分もしばしの休憩に入ろうか。 店主は食べても居ないザクロとカツの香りをさせて、肩には彼の分身たる小さな猿。*]
(*51) mzsn 2015/08/15(Sat) 23時半頃
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悪用してどうするの。
[>>183例えば君をねじ伏せて、思うがまま無理やり酷く惨い仕事をさせたりとか。 そんな事をしても自分は嬉しくないし、君は悲しむし。メリットなんて何もない。 したいと思った事も、ないし。 君の腕は俺を抱く為にある。――なんて馬鹿な事言うつもりはないけれど、気持ち的にはそんな感じで。
きょとりと丸め見上げた目は、普段の小さな彼に似ていただろう。
お互い甘えるような声を漏らして、抱き合い、偶に見つけた弱みを擽って、 高まる鼓動は同じ速さ。>>184
かつての荒野は愛にあふれ、 胸に咲く花は、何時の間にか君の色。*]
(203) mzsn 2015/08/16(Sun) 00時半頃
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[飛び移り猿が消える>>188のは見慣れた事。 寡黙で無くなった悪魔を見下ろす笑みは客向けより柔らかく、他から見れば明らかな特別扱いで。多分、これで察しない周囲の方がどこかおかしい。 そんな店主モードでも膝に座れと言われたら、それなりにうろたえるのだが。]
膝、て、 いや、 だって、俺、重いし?
[述べる言い訳は、多分悪魔にとって何でもない事。 膝と彼の笑みを見比べて、赤と紫のワイングラスを両手に暫く座れずオタオタしていただろう、が、 再び痛み始めた腰に観念し、大人しく膝上に収まった。 大変、大変控えめに。
ぴったりと寄り添うと、また色々、思い出してしまいそうで。]
(*53) mzsn 2015/08/16(Sun) 00時半頃
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[大の男を軽い>>209とはどういう事だこのやろう。 と思ったものの悪魔にとってはそう気になる事では無いんだろうなと、肉付きの良い己の腰回りに一瞬思いをはせて、 はせてたらグラスを両方とも取り上げられたので観念してすっぽり膝に収まった。 刺さる客からの視線に、若干身を小さくして。]
乾杯。
[ヒト用のワイングラスを受け取り何度か中身を揺らして、乾杯と、近い距離でまた笑っただろう。 ガラスをなぞる澄んだ音に耳を傾ければ、周囲の様子は何時しか気にならなくなっていた。
営業中で、他にも客が居るのに。なのに、なんだかオフの時みたいだ。 いけない事をしているようなシチュエーションに胸が高鳴って、ほんのり頬を染めただろう。]
(*54) mzsn 2015/08/16(Sun) 02時頃
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[回された腕>>215に抗議の声を上げようにも、耳元で話されては何も言えなくなってしまう。 客の前、客の前だからとじっと耐えても、頬の赤みは消えなくて。 しかし嫌じゃないのが、困った所。]
うん?ニッポ… ――ああ、あれね。
[あれから。と言うより悪魔に想いを伝えて繋がり合ってからになるのだが、 あれからゴロウから借りている写真と旅行パンフレットを照らし合わせ、メモをし、季節や観光名所、行事ごとを調べ、大まかな旅行計画を練り、 …旅費に打ちひしがれ、 片手間にあちらの種族や伝承について調べ。
同時に借りた筈の小説の消化スピードが一番遅いのは、目の前の男とプライベートを二人で過ごすようになったからなのだが其れは今はどうでもいい。 全体的な進みは上々として、一先ずの進歩報告を。
合間合間に顔をそらしてキスを避けるのは、今まさに客から見られまくっているからであって、決して嫌だからという訳ではない。 迫られるたびに「後で」と小さく呟いて、その後とは勿論閉店後の事。 店を閉めた後ならいくらでもキスしていいししてやるのにと、我慢の出来ない警備員に困った顔をしていただろう。]
(*55) mzsn 2015/08/16(Sun) 04時頃
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あれね、今度皆で社員旅行行こうと思って。 …行く?
[そう言えば彼も一応従業員の仲間入りをしたんだっけど、赤を傾け問いかける。 この際4人が5人になっても大して変わらない。 ――残念ながら各従業員の恋人も付いて来ると言う可能性まで気付ける有能雇用主では無かったのだが。
彼も行くならプランを練り直してホテルの部屋数を調節して、俺達だけ二人部屋で、自由時間は皆と別行動で、えーっと、
…なんだかハネムーンかもしれない。 と言う事に気付けば、今度こそ本格的に顔を赤らめた。**]
(*56) mzsn 2015/08/16(Sun) 04時頃
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なら、数に入れとく、から。
[嬉しそうな顔>>228に、愛しさが募って仕方がない。 困ったような嬉しいような赤い顔で唇を遠ざけて、しかし「後で」と触れた指先が、代わりにキスを受ける事になっただろう。
いとしい。あいしてる。 湧き上がる感情に胸を満たされ、どうしようもなく、抱きしめたくなる。
悪魔への信仰や畏れの薄い地。収めるモノも違い、漂う空気や、夜に蠢く闇も違う色。 そんな場所に不安を抱くのも無理はない。しかし自分が彼の、世界への拠り所ならば喜んでそう働こう。
腰にまわされた温もりに、そっと手を重ねる。 迷子にならないよう、消えてしまわないよう。 その存在を確かめるよう。
そして、口づけんと目を閉じ顔を近づけ、]
プリ――…、
(*57) mzsn 2015/08/16(Sun) 12時頃
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………ブローリン、 忘れる訳ないだろははは。
[しまったまだ営業中だった危ない危ない完全に二人きりプライベートモードに入り掛けてた。 ついでにうっかり呼びかけた真名をすんでの所でキャンセルすると、ガバリと効果音でも付きそうな勢いで身を離す。 離す、離して、立ち上がろうとしたのだが、 しかし腰が言う事を聞いてくれる筈もなく、よろめき床に崩れ落ちただろう。]
(*58) mzsn 2015/08/16(Sun) 12時頃
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[>>238>>239ぽかん。 何が起こったか分からず見上げるのはセピアも同じ。 スローモーションで上に浮き上がる周囲の風景に一瞬何が起こったか分からず、喋っていた口は半開きで、 足と尻に感じる床の感触に、周囲が浮き上がったのでは無く自分が落ちたのだとようやく気付いた。 なに?どうした?何でおれ床に居るんだ? しかし気付いたからと言って思考が回復する訳でもなく、腰のへっぴり具合も、同じこと。
そして、じわじわくる熱と、恥ずかしさ。 だってそんな、キスしかけて腰が痛くて転ぶなんて。そもそも腰が痛いのってアレがコレの結果だし。 先とは違う意味で赤面し、目線は見上げた金から剃らせない。 正しくは、他を見れない。客からの視線が痛すぎて。
それでも発するヘルプより早く悪魔が動いたのは、幸いだったか。 現在の脳はあらゆる処理を停止させており、消えた大盛魔除けにも、抱きあげられた事にも一切反応は返せぬまま。 …が、]
(*59) mzsn 2015/08/16(Sun) 14時半頃
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みっ、ず虫は、ないからあああぁぁぁ!!
[それだけは譲れないのだと、それだけしか返せなかったのだと、 ばびゅんと連れ去られる店主は、最後にそんな叫びをフロアに残しただろう。
体制に文句をつけ暴れはじめるのは、バックヤードに引っ込んでから。]
(*60) mzsn 2015/08/16(Sun) 14時半頃
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そんな事言ったって…、
[こんな恰好恥ずかしすぎる。 続く文句は塞がれて>>254、それ以上のお喋りはナシ。 抵抗していた手は何時の間にか縋りつき、せがむかのように引き寄せて、今度こそ目を閉じ、交わす甘さに溺れていただろう。
だから、抱かれ階段を上がったのも、ベッドに横たえられたのも知らないうちに。 後半は余韻の内に感じたかもしれないが思考はそれどころではなく、熱で緩む意識の隅に、軋むスプリングを微かに聞く。 離れぬ距離に腕をからませ、触れる体温に甘えていた。 後で、後で。そう我慢していた>>255のは此方も同じ。]
(*62) mzsn 2015/08/16(Sun) 17時半頃
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――あ、 ごめ、
[覗きこんだ瞳>>256に、息をのんだ。 心配させた事に気付けば、途端にしょんぼり申し訳なさそうな顔になっただろう。 それでも熱は抜けぬまま、擦り寄って、二人の前髪の色を混ぜ合わせる。]
…気にするかと、思って。 言ったらもう、して貰えなくなるかな。…って、 後悔させたいとか、そんなんじゃ、無くて、
あれ、結構、よかった、し。 またシた、い…し……。
[近いまま目を伏せて逸らして、言葉尻は小さくなるばかり。 朱を浮かべ、目を潤ませて、 今度こそ、この距離からは逃れられそうにない。]
(*63) mzsn 2015/08/16(Sun) 17時半頃
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[>>267ベッドの上で裸体を晒すのは、まるで昼のまぐわいへの合図のようで。布を剥がす彼の指が肌を掠める度、外気に触れる度、何度も身体を震わせただろう。 だが枕に顔を埋めても始まるのは普段のソレで無く、しかしそれを彷彿とさせる事と大差ない。 触れられ漏れ出る声は、きっと相手を煽る物なのだから。]
ン、…っふ
(*66) mzsn 2015/08/16(Sun) 23時頃
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……ごめん。 今度から、正直に、言うから。 ぜんぶ。
[じっとして、おとなしく。>>268 そう言われた癖に首をひねり、視界の端に背後の彼を捕らえれば、丁度背に口づける所だっただろうか。
咎められている事位きちんと分かっている。 彼の気持ちも汲まず、自分の満足感だけを優先して、それで悲しませた。
頼らないのは、信じないと同じ事。もうそんな悲しい顔させたくない。 言ってしまうと全てが恥ずかしくて堪らない気もするが、君がそう望むなら。 俺の物である君が、そう、望むなら。 これから共に過ごすであろう長い時を、些細な事で歪ませない為に。]
(*67) mzsn 2015/08/16(Sun) 23時頃
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[唇が触れる度、行為の最中のように肺が、喉が震える。 漏れ出る声を我慢しなかったのは、どうしてか。>>269
ずくずくとした痛みは徐々に消えて、しかし代わりに、彼の唇の感覚が消えてくれない。 不思議さに関心やら感謝をするより先に、覚えたのはもっとと言う欲で、 彼が好意でしてくれているというのに、それなのに自分はこんな、どうしようもなく、 どうして、こんなに、
こんなに、気持ちいいのか。 沸き上がる快感と甘い背徳感を吐息に混ぜ吐いて、後は身を任せるだけ。
喫茶店の、決して厚く無い扉と床。 止められない声が下階まで響いてしまったかどうかは、悪魔のみぞ知る。 あと、蛇。]
(*68) mzsn 2015/08/16(Sun) 23時頃
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[背後から耳に響く声と、頭に直接響く心の声。>>>314 囁くようなそれらを大切に拾い集め、一つも逃さないよう、心に縫い止めて。
彼は、どんな顔をしているのだろう。 枕の白と瞬きの黒しか写さぬ視界は始終揺れていて、もしこの白が背にあって君と向かい合えていたというのなら、今すぐ抱きしめているのにと、代わりにシーツを握りしめた。 …だめだ。こんな薄っぺらい布じゃ、到底彼の代わりにはなれやしない。
自分の身体に起こる変化>>315なんて知りはしない。彼がもたらす物ならば、例え幾千の痛みであろうとも耐えて見せよう。 …まあ腰の痛みには耐えられなかったのだが、ある日突然揃いの角が生えたって、きっと自分は気にしない。 一度は望んだ道でもあるし、心の準備なんてとっくに出来ている。 君と永久を歩む準備も、同じ様に。]
(*69) mzsn 2015/08/17(Mon) 01時半頃
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――んぁ、プ、リム、
…プリ、ムラっ…! プリムラぁっ、
[呼んだのは彼の、自分だけが知るホントの名前。 揺さぶられる身体ではどうにも上手に名前を言えなくて、掠れた声で何度も、何度も名前を唱え直す。 縋る手の先はシーツか彼か。どちらにせよ爪を立て、今は必死に縋りつくしかない。
啼き声を塞ぐ口付け>>316の合間、また、何度も名前を呼んだ。 彼を忘れないように。彼が消えないように。 存在を、強く求めて。]
(*70) mzsn 2015/08/17(Mon) 01時半頃
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― 夜の街 ―
[深く暗い街の中。 その地区の一角は何故か他よりひと際暗く、上を見上げれば街灯が一部壊れている事に気付くだろう。
おかしいな。 先週来た時は煌々と明かりがついていた筈なのに、どうして。 そう首をかしげても同行者はよそ見をするなと急かすだけ。
「にゃあ」
鳴く猫の後を付いて、君は歩く。 いつもは迷子になる道を今日はすんなり。立ち止まり周囲を見回しても、同行者はやっぱり急かすだけ。]
(*72) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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「にゃあ」
[夜の街を歩く一人と一匹。 暗い路地をとぼとぼ歩く。目的地は知らないまま。 だってこの猫が、僕の万年筆を返してくれないものだから。 暗い道のり、こんな深夜にもかかわらず、僕と同じように歩く人が何人か。
あれ?今すれ違った二人組、片方に白い羽が生えていなかった? 驚き振り向いても、誰も居ない。]
(*73) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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― 昼の街 ―
[野良猫の餌付けはダメだって、そんなこと僕だってちゃんと知っている。
走っていくパーカーの子に見つからないようこっそりキャットフードを持ちこんで、植木の影であるこの辺りなら、絶対誰にも見つからない。 それにこの時間帯なら、何時も居るベンチの居眠りの人は来ない筈だか。 ぴったり時間通りに現れた黒猫にご飯をあげて、僕はふにゃふにゃの顔で笑った。 植木から突き出た尻を女の子にゴム銃で狙い撃ちされたって、全然気にならない。
ペットフードの匂いをさせながら喫茶店に行く僕の後ろを、さっきの猫が付いて行く。 ここ動物OKだっけ?そう思うより早く猫は店内に滑り込んで、でもウェイターのお兄さんは気にしてない。お兄さんは黒猫と僕をちらりと見て、ヘビみたいな目で笑った。
相変わらずここはお客さんが少なくて、でも今日は少し多め。他の喫茶店に比べたら少ないけどね。]
(341) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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[コーヒーを飲むおじさんは、少し先のバーの店主さんだって知ってる。どんなバーかは、意地悪な友達は教えてくれなかったけど。 あっちのテーブルで緑と赤の布を広げる二人組は、たまに見る常連さん。
店内をぐるり見まわしても喫茶店のマスターさんは今日は居ないみたいだ。 僕のテーブルの下で、黒猫がにゃあと鳴いた。]
(342) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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[どうやら猫は喫茶店に向かってるみたい。 暗い夜の道で一軒だけ明かりの灯る喫茶店は、なんだかいつもと雰囲気が違う。 っていうかここって夜も営業してたっけ? 怖々近づく明かりの元、耳を澄まして聞こえたのは店内からの賑やかな声で、なんだ、店員さん同士で騒いでいるのかな。 それにしては、声の数が多い気も。
猫はと言えば緑の扉を引っ掻いて、…もしかして開けて欲しい? ほんの少し扉を引けば、猫は昼と同じようにスルリ中に忍び込んだ。 いいのかなあ、入っちゃって。 少し遅れて僕も中へ。
「夜遅くごめんなさい。この猫ってこの店の――、」
続く言葉は途中で切れて、だってだって、このお店は、こんな場所じゃなかった筈で、 少し暗い店内と、カウンターの奥で輝く鮮やかな瓶の数々。 グラスを交わすお客さんはどう見ても人間じゃなくて、見回す店内、扉の傍でリラックスする角の生えた誰かは、いつか漫画で見た悪魔みたい。 けれど、カウンター越し笑うマスターは昼間と同じ人。
そして一体何時来たのか。 僕の目の前に、黒い髪にネコミミの、知らない男の人がいた。*]
(*74) mzsn 2015/08/17(Mon) 02時頃
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