162 絶望と後悔と懺悔と
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[その黄金の気配が訪れる、重圧。 己の苦痛と悲しみをも、愉悦としているのだろう存在。 自らを支配するもの、けれど]
……お父様、 わたしのこの苦痛すべてわたしのもの、 あなたには一欠けらも差し上げません。
[いとしい、と思うが故に苦しむのだ。 だから己の苦痛の意味を父は真には理解しない]
あなたにはなにも、わからないのですもの。
[彼の首にある片手、それは意思と理性とが戦い震える]
(196) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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[14の誕生日の日を思い出す。 乾杯したのは『新しい家族』に。
ホリーとの暮らしがどれ程長かったかは推し量ることしか出来ない。]
確かに、あなたが読んでいた本も、また家畜が――…人が、作り、形にして、継いできたものですね。
鬼にはないものを、あなたは愉しみとしてきた。
[他には心の内の。希望に絶望に後悔に反省に幸福に苦しみに哀しみに――色の変わる、心の。]
では、どうされます?
[必要と分かった家畜を。]
(*40) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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>>191
[力がほどなく抜けて、がくり、腕の支えきれず、 体制はぐるりと反転する。 そこに見えるのは、上空からおりてくるきんいろの影。
それがあの、5年前にみた姿と寸分も変わらないこと、確かめると、 最後、歯を噛み締めて、
マユミに首を絞めちぎられながら、 手を伸ばすのは、腰にある、周の長ドス]
(197) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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あぁ、……あなたに、試して頂きたいものがあります。
きっと、美味しいですよ。
[本だけではなく、久しく口にしていない菓子も。料理も。*]
(*41) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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(マユミは……ころさせない……だ)
[思うのは、それだけ。 マユミはころさせない。 マユミがきんいろに殺されるくらいなら…。]
(198) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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サミュエルは、声は音にはならず、・・・意識も危うくなって・・・
2014/02/20(Thu) 23時半頃
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[だが構えたのも束の間。 真弓の手は彼の首を捕え、真弓が叫びを耐えるが如く 力が籠っていく]
苦痛全てお前のものか。 なかなかに芯の通った娘だ。
[真弓の苦痛の中から絞り出された返答>>196に 満足そうに頷いて見せる。 愛しいと言う感情等、 家畜を愛らしいと思う事はあるかもしれなかった。 だが対等に認めて狂おしく思うほどの感情など。
持つ事が出来ていれば、何か変わったのだろうか。
だが知らぬ今、それを思う事さえ浮かびはしない]
(199) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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[周の残した対吸血鬼の刃。 その刃先を・・・・・・・・・・・]
(200) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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だとしても構わない、お前を殺したあと追うまでだ。 これまでと同じようにな。
[二度も逃している、それに殺しても簡単に死なない相手だ。 認めたくはないが追うのには慣れてしまっていた。
違うのは安吾が其処にいないこと]
お前に、ソレが使えるのか?
[吸血鬼の治癒の速度は人間の比にならないが、 片腕をやられ、片足を無くした彼が武器を変えたところで 安吾の重みを背負えるのだろうか]
(201) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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明にーさん、僕も、行くよ。
[僕は絢矢の意志を尊重することを示す。
――絢矢と手を取り合って、共に、外に。 かつて願ったのとはずいぶん違う形になっちゃったね。
ただ、僕は絢矢が止まる様子を見せない理由を知らないから、 不安がただただ渦巻いていて、絢矢の手をぎゅっと握りしめてた]
(202) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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[昇り始める太陽の、その光を背に受ける。 吸血鬼は陽光に弱いなど、そんな迷信は笑ってやろう。
真弓の気配。対峙した時にもそうと知れたが、 確かに彼女は――強い。
別の褒美をと願った時には計画していたのだろう。 こうなるように。
けれど、強くなったからといって臆することはない。 生きなければ、勝たなければ、ならないのだから。]
(203) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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[折れた長ドスは、マユミの胸に届くだろうか。 最後の力で、彼女を抱きしめれたかどうか。
もう、記憶はない**]
(204) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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サミュエル……、
[彼の首を絞める、己の手。 ああ、そうだ、先ほど思ったのではなかったか。 彼を殺すくらいなら、目を潰して、 それでだめなら―――]
―――ッ、
[転がる錐を右手が握る、 それを振り上げ振り下ろすのはその左手、 彼から離れたがらない妄執のようなその手を穿つ。
そして――彼が手にする鈍く煌く刃の色を、見た]
(205) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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サミュエル……、
[大丈夫、 自分は彼を殺しはし無い。 だから、赤い飛沫の散る中―― 浮かぶのはきっと微笑みだけだ]
(206) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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[城には家畜が残した多くの蔵書が溢れていた。 家畜の書いた物等と、読む鬼は殆どいなかった。
だがそれを永い命の愉しみの1つとした鬼もいた。
己の知らぬ心を持って書かれた書物は、 それなりに退屈を紛らわせる。 そしてその心もまた己の退屈を紛らわせると知った。
苦しみ、絶望させ、後悔にのたうち、 呪詛を吐いて死んでいく人間達の剥き出しの心とやらが 慰みの様だった。
他の鬼はどうだか知らぬが、 己に家畜の様な心は無いだろうと思っていた。 愛しいと思うほど近く深く寄り添う鬼も人も無く、 ただ高見に1人立つだけ。 見下ろした者に心があると知ってはいても、自ら そこに降りようとはしない。 今までも、今も、見下ろす者達の心を真に知る事はない]
(207) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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えぇ、けして決して――裏切りはしません。 あなたの期待に沿いましょう。
[そう、主が零瑠に向かう笑みひとつあれば。>>*38
気力は増し、士気高まるのだ。]
(*42) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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………、でも死んだら意味ない、っていうのは、 明にーさんの方に、賛成で。
[うん、さすがにこの言葉は聞き逃せない。>>190
全てが終わった後、絢矢に僕の罪を贖ってもらいたい、なんて、 すごく一方的でワガママな思いは内に秘めて。
意味ありげな笑みは少ししか歪まない]
(208) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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……お父様、 あなたの終わる時、 それはそう遠くないのですから、 どうぞ思い出してくださいね。
わたしがあなたの終わりを祈ることを。
[姉から受けて託した死の棘、 それこそが己の父に対する祈りのかたちだ]
(*43) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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[だが]
それが答えか。
[サミュエルの刃の行方と真弓の笑みが 陽の光に眩しいと瞬いた]
(209) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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[絢矢に寄り添うリカルダをちらりと見た。]
……もしもの時は、お願いしても、良い?
[人に触れてはいけない。 その意味を、彼女は納得したから。 多分、悲しい事だと思うけれど、通じる、と思った]
(*44) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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あの人は――何故食われたか、知っています?
[破れかけた外套は風に揺れ。>>192 あの日の弟を思わせるやも知れない。]
……さぁ、でも真弓が居るんだ。 純血の血を取り込んだ彼女が、主を倒すかもしれない。
(210) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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