26 Fairy Tales Ep.4
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――診療所――
[グロリアの姿をしたオスカーらしき者と ルーカスが去った後 戸棚から色々な文献を取り出し、老医師は調べていた。 奥の部屋から呻く声は 未だ眠り続けるウェーズリーのもの。 鼻の奥に忍び込む香りは 薬草や消毒液の鼻を突くものに混じり 今は まだ沢山残る渋い茶とも混じり 揺れる。
不意に フランシスカの声と大勢の気配。 驚いて小走りで 扉を 開く。]
なんだい、どうした…――!
[抱かれたアイリス=ルベライトの、姿。 愛らしい口唇は青紫色 薔薇色の頬は土気色 もう体温の無いただの骸と化した其れに 息を呑んだ。]
(167) 2010/08/10(Tue) 11時頃
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― 広場 ベンチ付近 ―
おう、こんにちは。 いい女になったなァ、ポー。
[とくりとまた脈打つ右腕の証。 じわりと熱をもつ胸元の証。 少女の首の証に、遅い気付き。
萌葱色の瞳は緩やかに弧を描いた。]
まだはっきりしねーけと …今のグロリアはオスカーかもしれねェって事かな。
そーだ。それと、
[ごそりと背負った靱の中から無理やり丸めて入れておいた大きな本を取り出し]
これ、読める範囲で読んでおけ。
(168) 2010/08/10(Tue) 12時頃
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サイモンが大事に持ってた本で… 俺らが知っておかなきゃいけねェことが書いてる。
[大精霊の頁を開いてから、特にここ読んでおけと伝え]
どんな偶然の風の吹きまわしか知らねェけどさ 俺ら兄弟は大精霊の証を持ってンだ。
ちなみに俺は、これらしいぜ。
[勇気の精霊について、整った字でびっしり書かれた場所を見せもした。]
それからな…
ポー。この村は今、人狼に狙われてる。 それは10年前の…お前が生まれた年にあった事件のせいなんだと思う。
その事件で沢山の 人 が、死んだんだ。
(169) 2010/08/10(Tue) 12時頃
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俺らの両親もそこで人狼に殺された。 けど、俺らの両親は人狼を殺した。
……憎しみによる復讐が今、起きてンだとしたら ポーの兄貴はそれを止めたいって思ってンだ。
俺は ――― 人狼のこと心の底から憎いなんて
…もう、思えねェからさ。
(170) 2010/08/10(Tue) 12時頃
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けど、人狼が…この村の誰かを殺そうってンなら 俺は ―――そいつを殺してでも、止める。
手加減してたら、こっちがやられちまう相手だからさ。
…
……
[ずっと真面目な面持ちで語りかけていたけれど 不意に眉を下げて困った顔になっていく。]
悪ィ。 一気に喋りすぎた。
せっかく、また…会えたのにな。
(171) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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其処に寝かせて、気道確保して人工呼吸!
[老医師の鋭い声が診療所に響く。 険しい顔は眼鏡の奥 引き絞った口元に貼り付けられ ずいぶんとしてから ぽたり 落ちた汗の音に顔を上げて]
――これは、「人狼」の仕業じゃないね。
[重い重い言葉を零した。]
(172) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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[聞いた話の―― 白くて後ろ足を引きずった、と 装飾する言葉は 胸裏に落としたまま]
(173) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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あちッ
[胸元に入れていた証が何かを必死に訴えているようで 右腕の腕輪がぎちりと締め付けてきていた。]
…なンだァ?
(174) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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[フランシスカが 怒りの言葉を零すのを 目を細めて、聞き――彼女の肩を ぽんと 叩こうと 短い手を伸ばす。]
…赦せない、のは、君だけじゃないよ。
[彼女の演技 心の内に気づいた風は無く。 アイリス=ルベライトを殺した者を探しに行く男たちの後姿を、フランシスカと並んで見送った。 開いた扉 西では無い方角からの風が 木の葉を舞わせる。]
(175) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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良家の息子 ルーカスは、突然、話しかけてくる大精霊の声を 聞いた
2010/08/10(Tue) 12時半頃
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ああ、ボクに。 ――死者と話せる力でもあったらなぁ…
[呟き、そっと白い布をアイリスの顔にかけてやった。 果たして今此処にある死体が アイリスの者なのか それとも名乗った「グロリア=オルグイユ」のものなのか。 老医師は眼鏡を片手で外すと、もう片方の手で眉間をぐいと揉んだ。]
(176) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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[その 声 は訴えていた。 証を持つ者に何か異変があったのだと]
――――――――… ポー、一緒に来てくれ。
[ベンチに座る小さな少女の手を引き寄せようと手を伸ばす。 手を取ってくれれば共に走るつもりで、他に用があるならば止めはしない。
自分の右腕も くん、と引かれる感覚。 それに逆らわず ―――― 走ればやがて見えるは診療所で**]
(177) 2010/08/10(Tue) 12時半頃
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[暫くして。 白い狼の歯牙に引き裂かれた死体が運び込まれてきた。 昨日よりも被害が多かった為、家族という引き取り手がいなかった者 であった肉塊。 傷口は最早傷と居えるものかも微妙な程で]
――これは――酷い。
[老医師を呻らせるに足るもので。
小さな診療所の中は 咽帰る程の *血の匂い*]
(178) 2010/08/10(Tue) 13時半頃
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―雑貨屋―
[カラン 鈴の音の共に駆け込んで来た雑貨屋の主が店番をしていたオスカーを抱き締める。 そして訪ねる言葉の意味は、今だ村に起こるもう一つの異変を知らぬから分からない。]
……すぐに、帰ります。
[俯き、床を這う視線は上げぬまま。 お茶菓子には手をつけず、お茶を啜る。]
もっと、休んで行けなんて。 ソフィアさんは、本当に―――。
善い人ですね。
[呟きに、お茶の味は*変わらない。*]
(179) 2010/08/10(Tue) 14時頃
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友人だと思い込んだ相手の事しか目にはいらない。 曇りきった眼の善人ですけどね。
[血が香る。 昨夜の惨劇の残り香。]
(*9) 2010/08/10(Tue) 14時頃
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友人でなければどうなっても気にしないなんて。
―――本当、人間は怖い。
(*10) 2010/08/10(Tue) 14時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 14時頃
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―回想・診療所―
・・・ロミオ先生・・・・・・
[フランシスカはロミオの言葉(>>176)を聞くと悲しげな表情を浮かべ。]
・・・こんなことをしている場合ではないのに。
[思ってもいないことをしらじらしく呟く。 ―事実、死者と話せる能力なんてあったのならひとたまりもないのは承知の上ではあるが。]
(180) 2010/08/10(Tue) 14時頃
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・・・人間なんて、そんなものよ。
[わずかに聞こえる囁きに、思わず呟く。]
自分の為だったら、『友人と思い込んだ人』さえ、裏切る動物ですもの。
[弱弱しいその声は、まるで複数の子どもに囲まれて虐げられている子犬のような鳴き声で]
(*11) 2010/08/10(Tue) 14時頃
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・・・とりあえず、弔いましょう。 このままの姿でも、報われないと思いますので。
[フランシスカは無残な姿となった骸を弔う準備をする。 腐敗が進まないように、香辛料の混じった塗料で化粧を施すと、]
あ、ロミオ先生は患者さんに専念してくださいね。 こっちはあたしだけでどうにかなりそうですから。
[ロミオを気遣いながら、増え行く骸を*弔っていった*]
(181) 2010/08/10(Tue) 14時半頃
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どうにか? 「人狼」を、退治できる、という事…かい。 [フランシスカの言葉に、彼女が診療所を去る前。 そのたっぷりとした後髪に向けて、小さな声は呟くよう]
ボクはあまり仕事熱心じゃないからね?
[傷ついて来ても。 それに 弔いは仕事じゃない。
続く言葉は飲み込むと 肩に上げたネクタイが落ちた*]
――→現在
(182) 2010/08/10(Tue) 15時半頃
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― 雑貨屋 ―
僕は欲張りなだ…ッ?!
[持ち上げかけた真鍮製のカップが手を離れ床に落ちても、 息をのみ堪えるように震えながら我が身を抱くだけ]
…ごめ ん 直ぐ、治まる から
[誰かの死がいたみを伴い身を締め付け痣を増やしていく。 戦慄く手がカップを拾い上げてテーブルにおく]
…また誰か―――殺された…
[悲しげな呟きを零してふらふらと立ち上がり、 零れたお茶に雑巾を当てればじわりと染み込む*温度*]
(183) 2010/08/10(Tue) 16時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 16時頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 16時頃
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― →診療所 ―
[それはおそらくグロリアよりも先に辿て着いて ポーが共にいれば手は繋いだままでいただろう。
扉を開けばまだ消えない血の匂いに思わず腕を口元に当てて眉を顰める。]
ロミ爺ッ…何が―――!**
(184) 2010/08/10(Tue) 16時半頃
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違うわよ、『弔い』の話。 でも、今のような状態だったら、『ヤツら』に殺されちゃうかもね。
[フランシスカは去り際に微笑みながら呟く。]
もしかしたら、村の中に『ヤツら』の仲間が混じりこんでいるかもしれないし。
[少し皮肉るように、ロミオにごちり、死者を*弔っていく*]
(185) 2010/08/10(Tue) 18時頃
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― 診療所 ―
あ、そうかそうか。 ――そりゃそうだよね、ゴメンね。
[フランシスカの声に肩を竦め。 続いた言葉には 長く吐く息の音をひそめる態。]
(186) 2010/08/10(Tue) 19時半頃
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[乱暴な扉の開く音は ルーカスのそれ。 小さな老人は少しばかり驚いた表情で振り返り 眉尻を下げて 苦笑に似た形の表情を作った。]
うん――こういう事。
[其処には 弔化粧を施された死体達。 其処には 例の――アイリス=ルベライトのモノも*]
(187) 2010/08/10(Tue) 19時半頃
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あ、おかえりお姉ちゃん!
[カウンターに隠れながら読んでた本を閉じ、持ってきてた鞄にしまって魔法で封印。 お姉ちゃんが帰ってくるまで、この本を読んでたから過去のことなんてすぐわかるのに。ほんと無駄な事するね。 ざんねんでした。]
昔のこと? お姉ちゃんが耳に飾ってたお花、もらったこともあったね。 …あ。
[ぽん、と手を叩く。さも大事な事を思い出したとでもいうように。]
さっき言ってたあれ、準備しなきゃいけないんだ。 ごめんねお姉ちゃん。あとでお茶もらうから…!
[お茶の効果なんてもう知ってる。それもあるけどあんまり他の人と鉢合わせするのもなんだし。 雑貨屋を飛び出して、うーんどこ行こう。出来れば一人に慣れる場所っていったらひとまずオルグイユの屋敷かなあ。*行こう。*]
(188) 2010/08/10(Tue) 21時頃
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―雑貨屋―
[硬い音が響き、温かいお茶が床に広がる。]
ソフィアさん。 どうかしましたか?
[床を滑らせ、その身を抱くソフィアへと向ける眼差しは昏く。 白々しい言葉を吐き、嘲笑うように口端を上げる。]
怖い、ですね。 オスカーも、気をつけてください。 殺気立った人間は、何をするかわかりませんから。
[出て行くオスカーに顔は向けぬまま。 珍しくその身を案じる言葉を掛けた。]
(189) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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たまには、裏切らないで欲しいですけどね。 信用はしませんが。
[痛みを無くせると言ったオスカーの言葉を思い。 悲鳴のような鼓動を続ける心臓の上に手を当てた。]
(*12) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 22時頃
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― 雑貨屋 ―
うん…うん! そうそう、そうだったよね
[オスカーの返答に安堵を見せたのも束の間、 雑巾で床を拭いながらテッドの声に顔をあげる]
あ、うん もう大丈…ゲホゲホッ
[口の中に残る魔法のお茶は味が変わる。 衝撃は治まれど身に残る痣は消えない]
…オスカーも気をつけてね
[出掛けるオスカーに声をかけど立ちあがるのも辛く、 床のお茶を拭う姿勢の侭に扉の閉るのを見送った]
殺気立つのは怯えてるからだよ
(190) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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― 診療所 ―
[ポーと共に診療所へ入り、目にしたのは死体達。]
これ、今日やられたっていう自警団員…―――
そっちは、… ッ
[それから アイリスの死体を知らされる。]
こいつだけ 外傷 ―――少ねェんだな…
(191) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 22時頃
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…うむ。 蘇生は一応、試したけれど、
[無理だった。 語尾は溶かしつつ ルーカスの言葉に頷いて]
ああ、ボクは無力だねェ。 …アイリス=ルベライトの「肉体は」死したよ。 中身は――名乗った通りなら、グロリア=オルグイユだけれど、また入れ替わり?か、宿る?ような事が起きて居たなら、ボクには確認のしようがない。
(192) 2010/08/10(Tue) 22時半頃
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