197 獣ノ國
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― 居間 ―
店にあった最後の向日葵です。 全部持ってきてしまいましたので、それで最後ですね。 …あぁ、お代はそんなに取るつもりもないのでご安心を。
[出されたお茶>>154はやはり息を吹きかけて湯気を飛ばす。 ある程度まで熱を取ればこくりと喉に通し、渋みを持つお茶の味に堪能をしては茶菓子にも手を伸ばし]
その時期は卒業式や入学式などがありますからね。 花を届けに毎日何処かに駆け回ってますよ。 疲れますけど、嬉しい悲鳴です。
錠さんの本は面白いですから。 俺は錠さんの話は好きですよ。 でもセンター試験に出たら難しすぎてお手上げです。
[饅頭を持ったまま笑って両手を肩まで挙げる。 勉強はどちらかと言ったら苦手だ。興味のないことはからっきし。 灰皿を置かれたら饅頭を口の中に放り投げて懐かしむように少し昔の話を。]
(171) 2014/10/08(Wed) 00時頃
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煙草…いいですか? 錠さんは相変わらずこれを?
[煙草の箱を見せれば、一本加えて火を付ける。 紫煙が上がれば息を吐き、白い煙を吐き出した。]
この光景も恒例になりましたね。 煙草の話をされた時は驚きましたけど。 ほら、最近嫌煙家が多いので。
[燃えた灰は人差し指で軽く叩いて灰皿に落とす]
(172) 2014/10/08(Wed) 00時頃
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『結構肝っ玉据わってる感じがするし』 『今のままで充分、君は若くて綺麗だよ』 『中紙の硬いやつもあるから、指や爪が傷んではと』 『スッチーさんとか好きだぞ、わりと』
[襖の薄暗闇の中に入り込めば、今迄もらった言葉がくるくると頭の中や胸のうちを回り出す。直近の言葉から、始めての授業で告げた自己紹介の一部まで。 ストーカーみたいだと自嘲しながら、けれど抱えた膝の上に頬を乗せて]
(貴方は、知らないだろうけど、いまになってわかったけれど。私、貴方に一目惚れしてたのよ、錠)
[死に絶えた乙女心がこんなところに見つかってくすぐったいような、嬉しいような気持ちに、小さく笑う。同時にぱたりと尻尾が一つ振られたか]
『半獣は時をどう経ていくんだろうな』
[思い出している中で一つの言葉が気にとまり、一つの問答を思い出す。 自分が質問し、掲示板の誰かが答えてくれたもの。 曰く、獣人は外に出られない。 それを聞いた瞬間の、視界が闇に覆われるかのような感覚は触れられるほどに生々しく。それでも一つの可能性を思いつき尋ねたのは、繋がった夜の夜半も過ぎた頃だったか]
(173) 2014/10/08(Wed) 00時頃
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(もし、私が神隠しにあってしまったら...先生は、悲しむだろうか)
[携帯を確認しても、質問の答えは投稿されておらず、ひとまずは待機の状態なのだけれど]
(賭けに、もし勝率があるのなら、それがほんの少しでも...)
[必ず帰ると言う約束をして、賭けてみたいと、少しだけ決意を強く、心の中にとどめて]
(174) 2014/10/08(Wed) 00時頃
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トレイルは、錠の家にいる獣にまだ気づいていない。
2014/10/08(Wed) 00時頃
愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 00時頃
トレイルは、錠の煙草にも火をつけた
2014/10/08(Wed) 00時頃
抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 00時頃
抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 00時頃
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そうか、行きおくれみたいなもんだな。 買い手になれて良かったよ。
そうか、ならば浮いた分で君は本でも買うといい。 賄賂のことはミナカタさんにはシークレットでね
[>>171此処からは伺えない台所では、 恐らく花瓶に水を満たされ、 飾り花として支度がされている事だろう。
人差し指を立て、秘密だと緩く笑う。 花屋のバイト代が高くない事は知っている。 はした金でも何かの足しに為ればそれでいい]
(175) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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それに退社や移動の時期でもあるからなぁ。 サラリーマンも学生もご苦労様だな、ほんと。 勿論君も、よく働いてる。
あの花屋で働き出してから、 何年目になるんだっけ。
そう言ってくれて嬉しいな。 トレイルみたいな好青年が教え子なら 答案用紙と解答用紙をうっかり間違えても良いんだがなぁ
まー、テストってのは頭に入ってるかどうかを 確かめる為にやるものだから、な。 あんまり重要視していないんだけどね
[掲示板に書かれた、好きでやっている仕事、 という記述を思い出し、腔内へ納めたものを飲み込む。 適当につけたHNをふと過ぎらせたが いまは男の胃袋の中だ。]
(176) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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[パタパタと風に煽られはためくメモ。 『また来ます』の言葉と、名前、連絡先。 果ては住所まで几帳面に書いたそれを、ただぼうっと見つめていると、端末が震えていることに気がつき>>157 視線を落とした。]
―――――――――――――― 差出人:カリュクス 宛先:ヤニクさん ―――――――――――――― Re.Re.件名なし 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― たしかに…そうですね。 毎朝、食べているパンや紅茶も その時の気分や体調によって、感じる味は微妙に変わりますから。
食べ物ですらそうなら 書物は人の心が映されやすい分、もっと違いが出てくるのかも…。 昔の書物や、昔からの言い回しが残っているのは、そういう理由があるからかもしれませんね。 もちろん、それが全てではないのでしょうけれど。
(177) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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証拠を見せろっていわれたのですか それなら仕方がないのかも。 私も、翼で信じてもらえなかったら困ってしまいます。 雄なら求愛の囀りは綺麗ですけれど。私は雄ではないですし。
はい。ベネットさんです。 ヤニクさんも会えなかったのですか…。 私は昨日のお昼間に会って、それっきりなのです。 大事な書類を渡さないといけないのに。
ヤニクさんも探してくださるなら、ありがたいです。 私にはあまり知り合いがいないので、心あたりがなくて…。 心配してくれてありがとう。 大丈夫、一度帰ってから出直すことも考えていますから。 ヤニクさんも、無理はしないでくださいね? ―――――――――――――――
(178) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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[未だに慣れない端末操作。 一文字一文字悩みながら、消したり書き加えたり。 悩みつつ全文を打ち終えて、ほっと肩の力を抜く。
彼からの文章にあった『視る』事が得意という部分には心当たりがなく。 むしろ自分は鳥目だから。などと考えたけれど、よく考えれば文字が違う。
会話とは違う文字での対話は、そうした意味の違いに気がつかせてくれる。 そんなことに気がつけば、新しい発見をしたようで、くすりと笑みが零れ、少しだけ心が落ち着いたのを感じ、送信を押した**]
(179) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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[興味があれば覺えは良いだろうし、 そうでなければ抜けていく分野だ。 社会で飯を食うのにさして役に立たないものだから 試験よりも必須提出のレポートが面白い生徒に色をつける。
伺い立て>>172には是を返し、煙管を取ろうと一瞬考えたが、 トレイルの出した煙草の箱から一本を貰うことにし。]
あぁ、外で吸う時はコレだな。 他も試してみたが、これじゃねーな感が強くて。 刻み煙草と紙巻は大分別物感あるからね。 教えて貰って得をしたよ。 そうなんだよなァ、スタンド灰皿は街からどんどん消えてくし、 飲食店はこぞって禁煙ブームに巻き込まれてくし。
(180) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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喫煙者が離れていくのは、増税が一番でかいんだろうけど。 俺は千円になっても吸うだろうな〜…
肺をやられて死ぬのが早いか、 肝臓で死ぬのが早いかってとこか
[からりと笑いフィルターを銜え込み。 ライターを向ける指を手で制し、顔を寄せて火種を貰う。
ニ指の合間に煙草を挟み込んで、紫煙を口腔から身体の奥へ招き。 唇から離して、紫煙を燻らせれば独特のフレーバー。]
15から吸ってるんで、もう止めらんないだろうな。 習慣は恐ろしいね。
(181) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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― 現在 ― [シメオン君の家を御暇した後、学生は誰も居ない家へひとり足を運ばせました。普段より朝早くから家から姿を消す、家族とは俄かに言い難い――言いたくない人々は、矢張り家の何処へも居らずに。ただ何か日常でない事が起こり早く帰って来られてもイヤだと学生は玄関を警戒しつつ、お風呂場へと体を滑り込ませました。 体を温め、髪を乾かした後には、違う鞄に教科書を詰め込みます。入ることならば旅先のパンフレットだって詰め込むこともあったかもしれません。学生は先の鞄より大きくなったそれを持ち、家を後にしたのでした。]
…――ティソくん。
[踵を鳴らし髪を秋風に揺らし、向かった先は級友の家。高台に在る其処は海の見晴らしも良く、朝独特の風に乗った潮が鼻孔を擽りました。ぐるり、辺りを一望し、遠くに飛行機の影を認め。伸びる雲は飛行機雲でしょうか。学生は久しく見るそれに目を細め、記念と云わんばかりに携帯へと収めるのでした。 コンコン、鳴る扉は数度。幾度か訪れた事のある彼の家を再訪するのは苦難でも何でも無く。然し中から彼の姿が出て来なければ、学生はひとつ息を吐いて、颯爽と大学へと歩先を向かわせたことでしょう。
(182) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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[喩え肺や肝臓を病まなかったとしても、 スザンナより長生きする事は無い気がする。 己が老いて死んだ後、彼女がどう過ごすかが気掛かりだった。 孤独に胸を痛め、寂しくいつまでも想われるよりも 若くて良い男と始まればいいのだと。 顔を歪めて目を腫らし泣いている顔よりも、 向日葵のように笑っている方が好きだから。
隠り世で彼女の行く末を見守るにも 倖せに包まれていてくれる方が、ずっと安心できそうで。
泣き顔も笑う顔も見せない処>>174へと赴く 決意を固めている事など、知る由もなく。]
(183) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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ー屋敷ー [着替えに帰れば、頭が熱くぼう、として。
あぁ、やってしまったか。
そうは思うも、咳などは無いためか、平気だろうと仕事へと向かう準備をして。
ふと端末を見れば通知が入っていることに気づいて。
其の分を読めば、文を打っていき、書き終われば送信釦を押して。自嘲的な笑みを浮かべた。
俺は…最低、だな。 そして大人気が無い。相手は子供なのに。何をして居るんだか。
そんなことを、思った。]
(184) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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―――――――――――――― 宛先:おず 差出人:鼬 ―――――――――――――― Re:風邪… 20xx年10月3日 xx:yy ―――――――――――――― 了解した。 じきに彼方に向かうから、其の時にでも伝えておこう。
獣だから、というわけでは無い。 ……済まんな、理由が分からん儘で。 しかし理由を言ってしまえば、きっと俺は、今迄通りでは居られなくなってしまうから。
俺の事を深く知れば、きっとお前は穢れてしまう。 …身勝手で済まない、本当に。 ――――――――――――――
(185) 2014/10/08(Wed) 00時半頃
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5年くらい…ですかね。 今のとこの世話になって。
[実家はこの國よりも離れた國。 両親は幼い頃に亡くなって、高校生くらいから俺は荒れ始めた。 悪友に誘われて煙草も吸う様になったし、高校を卒業してからは働きもせずにふらふらしては警察に世話になることも。幼い頃のことはあまり覚えていない。唯一覚えていることは寝かしつける為に読んでくれた御伽噺の話くらいだ。]
ミナカタさん、怖いんですから。 でも有り難く受け取ります。 ありがとうございます。
[少し多めに貰った代金を受け取り頭を下げる。 花屋で働き始めたのは店主に出会ってからだった。荒れてた自分を拾ってくれては息子の様に可愛がってくれる店主に今では頭が上がらない。]
(186) 2014/10/08(Wed) 01時頃
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[大学に行けば面白い話や体験などたくさん味わえるのだろうが、今更行くつもりもなくて。差出した火が煙草に移ればライターは煙草の箱の上に。]
こちらこそ。 "こいつ"があったからこそ錠さんとこうして話も出来るわけです。 …けど15って、錠さんは悪い少年だったんですね。
[こちらが少し若いことを良い事にそう言って。 でもしっかりと自分も辞められないことも告げて、動物の尻尾らしき物を視線の端に捉えたのだった>>174]
そういえば最近、"獣人"なんて噂がありますね。 俺はそうゆうのは疎いんで何の話なのかよくはわからないのですが。
[その尻尾は生き物の様に揺れていただろうか。吸いかけの煙草を共有してる灰皿に置いて、チリチリと燃える煙草を尻目に渋みのあるお茶に手を掛けて]
(187) 2014/10/08(Wed) 01時頃
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錠さん、犬なんて飼い始めたんですか?
[押入れから覗く尻尾をちらりと見てはお茶を飲み干した。]
(188) 2014/10/08(Wed) 01時頃
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五年か、君の顔にも見慣れて来る筈だ。 来たばかりの頃は、もっと髪が赤かったがね。
[>>186荒んでいた時期を本人の口から聞く機会は無かったが、 時間の経過と共に、彼は接客に熟れて来た気もする。 店主の明かした彼の素性も、ほんの少しだけ小耳に挟んだが 無駄に吹聴はせず、いまに至る。 過去が後悔に染まったものであろうとなかろうと、 今は色取り取りの風物と共に生きているのだから
寝物語と己の語る小咄への解釈が 青年に何かを結びつけているのかは解らないが、 話に耳を傾けている時のトレイルは穏やかに見えた。]
人間の縁とは奇妙なものだね。 同じ釜の飯や一杯のかけそばを食えば腹も頒かつというが、 同じ銘柄を吸えば、信を預けて良いと思えるなんて。
(189) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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[男が吹聴を好まないのと同じように、 青年もまた無駄に痛みを広げないのでは そう感じる処が或る。
喩え接客に慣れて来たとしても、 厳しくも甘い店主の下で働いて来たからこそ、 今の彼は好青年として「生きて」いるのだろう、と。]
あぁ、或るな。 身近なところに棲んでいるものらしいぞ。
[掲示板にもそんな句が綴られていた気もするけれど。 青年の視線がある一点を捉えていることに、 もはや取り繕う事はせず、出ておいで、と軽く声をかけて。]
(190) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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うん、つい昨日からな。 此れもシークレットにしてくれよ?
[>>188人差し指を立てて唇の前に押し当てる。 ゆらゆらと紫煙が灰皿から上り、視界を濁らせ歪めた。
よくは解らないと告げられた手前、 青年のヘーゼル色の瞳を横目で見遣り]
ところで、――
(191) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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君はこれまでに、半獣を見たことがあるかい。
[与太話の途中で色合いを変えるのは、 早朝の肌寒さも消え失せ、雨を忘れた陽光が包む時刻。]
先程メールに書いた送り狼にも由来があるんだよ。
これは人に憑いて回る獣とも護り神とも呼べる存在で、 獣の通るテリトリー区域を歩む者を護衛するのだと。 他の狼が獲物と解して飛びつかないように 自分の匂いを寄せているのだとか。
ただし、転んだり振り返ると食い殺されてしまう。
[一般的な送り狼にも共通しそうな最後の句を告げて、笑い。]
君からも獣の匂いがするのだけど、 君の耳は普通の耳だな。
[半分カマをかけて告げ、転ばぬようにと助言する。**]
(192) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 01時半頃
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― 回想 シメオンくん宅 ―
[自分の所為か、傾いた彼の体>>169を学生はぼんやり感じていました。すん、と一度鼻を鳴らせば途端に拡がるのは彼の香と、雨の匂い。慣れない其れと、慣れた其れ。相反する二つの香に思考回路が鈍り真面な線が機能しなくなり行きます。学生はまるで微温湯に浸る心地を持ちながら、彼の疑問符に一つ頷いたのだったか。*]
――シメオンく、
[まるで彼が余裕を保て無くなって居る事など知らずに、背に回された手が離れたのなら、離れ行く体温に寂寥を。少しでも温かみを求めるその姿その瞳は強欲とでも揶揄われたのでしょうか。 そうして頬に寄せられた手には、少しだけ首を傾げました。擽ったがるように小首を傾げ、鴉色の髪を揺らし。 彼の日々常浮かべていた薄笑など思い付かない程に柔に並べられ、学生へ手向けられた言の葉>>170には。自分の瞳を丸くし、嘆息の息を吐きました。]
(193) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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……す、…………き。…だよ。
[負けじと返した言葉は、然し尻凄みしてしまったけれど。背凭れへと体を、重を預けながら、ぎこちなくも伝えられた事に満足感を。触れられていることには緊張感を抱くのでした。 意識すればする程、彼を突き飛ばしてでも逃げたくなる衝動を抑え、耳朶を、首筋を移り、擦る其れには咽喉を引き攣らせ、悲鳴にも似たものを蚊の鳴くような声で上げることだって。 学生を肯定してくれた様な言葉>>170を今一度、もう一度とエゴイスティックに身を委ねながら彼の視線を見詰めると、降って来たのは御伽噺の其れとは程遠い、口付け。探るような彼の舌に背筋に情欲を走らせながら、学生は彼のシャツにまた一つ皺を作り、そうして口付けにこたえるのでした。]
、ん……ッは…ぁ
[囂しいとさえ思える心音は、耳音に深く残り響き。腰元へ落つる彼の手には空いた片手を重ねることもしたけれど、止めることはせずに。誘うように自分のシャツを押し上げたのなら、彼の手を中へ滑り込ませることもしたでしょう。尤も、厭がる素振りが見られれば手を重ねるだけに止めることだって。]
(194) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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――ねえ、もう。調子に乗っちゃうからね。
[口付けを一旦離す事をすれば、学生は近しい距離で囁きました。家に飼われる約束をしたメールの件名に綴った言葉は、深く脳裏に刻まれています。学生は彼に言葉を捧げると、その首筋へと今度は自ら唇を落とすのでした。横筋を下へ下へとなぞり、襟を割っては付け根に吸い付き。鎖骨まで見えることがあったのなら、甘く噛んだ後に舐り。ひとつの味も味見忘れないようにと、淑やかに舌を這わせました。 漏れる吐息は規律正しいものでは無く、熱を帯びたそれ。 間も無くシャツを掴んでいたその手は、距離をより近付けるようにと彼の腰へと回されました。**]
(195) 2014/10/08(Wed) 01時半頃
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[着替えたところで、仕事に向かうことにした。
鼬の姿で居られればもっと早く行けるのだがな。
そんな事を思いつつ早足で歩いていく。
やがて目的地の屋敷に着けば門の前に立つ下男に事情を話すのだった。 便利屋であると。 通して貰い、説明を受け、この屋敷の主の姿が見えないようであれば、早速取り掛かるのだった。]
(196) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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"出ておいて"
[声に誘われて>>190姿を見せたのは先日、店に来た人だっただろうか。押入れから覗かせていた尻尾に耳は"獣人"と呼ばれる人種に近しい姿。彼女の全身を眺めては驚きの声もあげずに]
先日はご来店ありがとうございます。 まさかここで会えるとは思いませんでした。 ご注文の向日葵はあなたので?
[くすりと笑みを零して、ゆらりと揺れる紫煙の越しに「もちろんです」と頷いた。それは姿が暴かれた獣人の行く末を掲示板で知っていたから。]
(197) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/08(Wed) 02時半頃
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[次いで語られる物語>>192に耳を傾け、最後の言葉に苦笑い。]
錠さんの話は何を聞いても面白い。 こんな俺でもわかりやすくて、すぐに頭に入ってきます。
…残念ながら俺はただの人です。 御伽噺を渡り歩くただの人。 主人公は獣人である君。 錠さんはその獣人と結ばれる登場人物。 そして"今日も"一つの御伽噺に出くわしているのはこの俺です。
[その言葉はまるで別の獣人に会ったとでも言わんばかりで。]
(198) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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[主に放っておかれた煙草はただ燃えるだけ。 長く伸びた灰はこちらが手を加えることなく、ぽたりと落ちては紫煙の柱もか細くなった。]
さてと、俺はそろそろ失礼しますね。 錠さんの話は面白かったですよ。 また来月に伺いますので。
[煙草の火種を消しては居間を後にして玄関へ。 靴を履いて振り返れば半獣の話を思い出す様に口を開き]
もし半獣に出会ったら―… 食い殺されないように頑張ります。
[獣人に半獣。 最近のこの國は面白いことばかりが起きて、不思議と楽しんでいる自分がいることに気づかされる。挨拶もそこそこに玄関の扉に手を掛けると「お幸せに」と冷やかしの言葉を投げかけ姿を消した。
携帯には友人からのメール>>159を告げる画面が持ち主をずっと呼んでいる**]
(199) 2014/10/08(Wed) 02時半頃
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―――――――――――――― 差出人:トレイル 宛先:ヤニク ―――――――――――――― Re:Re:Reおはよう寝坊助さん 20xx年 10月3日 ――――――――――――――
よくわかったな。 お前の言う通りだ。 あの時は悪かったな。空気を読んでくれて助かった。
お前はそんなに甘い物を食べていたのか? アップルパイか。わかった。何処かで見つけて買っておく。
追伸:お前が俺を誘い込むのなら。
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(200) 2014/10/08(Wed) 03時頃
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