197 獣ノ國
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[たったそれだけ、短い文を書き終えると 芒を地面に河に浮かべる。
緩やかな水に乗り、芒が流れて行くのを しばらく見送っていたが。
やがて完全に視界から消えたことを確認すると 列車へと戻って行った。
まだ旅は続く*]
(133) kuromi 2014/10/13(Mon) 21時頃
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――回想>>4:34-36:本屋前 後路地――
[ こわい、と言われたとき。 獣人の彼が、友達だと一度声を交わした彼が。 己をこわいと言うのが―― 酷く、嬉しかった記憶がある。
度胸が無い、と告げたのは事実だった。 硝子箱のなかで終わりを待ち、桑葉を食みながら、それに気付かない振りをし続けていても。
ほんの揶揄いじみた気持ちで、それでも“友人”の手が差し伸べられるのも。 大した目的でもないそこへ出向くのも、確かにその感触は残っていたのであれば。 漏らした一文はただ密やかなものだった。
……例えば、初めての友人へ手向けるように。]
(134) omusouu 2014/10/13(Mon) 21時半頃
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[ ――度胸がない。硬く両顳かみの奥から生えるそれが。その足先にあるかもしれない蹄が怖かったわけじゃない。 差し伸べられる手に、無垢に向けられ続ける己への友情に、唐突に恐怖を覚えた。何も知らない仕草をしてみせた彼が妬ましかった。 ――だから。駄駄を捏ねる子供のまま。
最低な行為を。身勝手に、彼の気持ちを裏切ろうとした。 その手を止めたのは>>3:315 彼の声へ子供染みた期待を、苛立ちを自覚したからで。
“友達”でも、“友人”でも。どちらでも良かったんだ、と。 獣でも人でも。だからまた、嘘を吐いた。
“言っておくけど、”]
恐がり、は。
[ ――ただ自分へだよ、オズ。 誰にも届かない場所でまた、掠れた声で呟く。擡げた首で。 最後に見えた、自分と鏡映しのような薄笑いを思い浮かべながら。]
(135) omusouu 2014/10/13(Mon) 21時半頃
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[苦笑いを浮かべた。 ついさっき否定したばかりのことを、思わせ振りな言葉>>92>>93で希望を持たせようとしているように思えたから。 回された手が動いた事は分かったけれど、相手の唇が切れているとは思わない。
手が離れた後も顔を合わせられなかった。 手放された銀>>94にポケット越しに触れる。]
…………ヤニク…生憎と、記憶力は悪い方ではないの。
覚えているわ。きっと。一生。
[そうして、爪先を家に向けようと––––––……]
(136) tyu-gakusei 2014/10/13(Mon) 22時半頃
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[掴まれた腕に瞠目した。 振り返った時の私の顔は、もしかしたらとても間抜けだったかもしれない。
まろび出た言葉の意味>>95>>96を理解すれば、眉尻を下げて笑った。
「そうね、貴方の言う通り」]
でも貴方は迷子じゃなくなるのよ。 こらから友達と追いかけっこをするのなら、目的地なんて何処にもありはしない。迷いようが無いじゃない。 ……それでも迷子になった時は、その人に見つけて貰えるのね。
[人が大切にしている時計を、いとも簡単に捨ててしまえ>>97>>98>>99と言う。
我儘。エゴイスティック。一方的。 それでいい。物語の主役はそうでなければ。]
(137) tyu-gakusei 2014/10/13(Mon) 22時半頃
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検問を潜る?普通に手続きをすれば……そうだったわね。貴方じゃ、無理かも。
[相手の耳を一瞥して、顎を引いた。]
––––––…私の次の役割は
お手伝い クラリッサ
それでいいのよね?
[張り付けた笑みは嘘を吐いている訳ではなく、最初で最後の「新しい役割」を果たそうとしているだけ。
そして私は提案してみるのだ。 《國を出る時に、私のバイクを盗めばいい》と。
それを受け入れるか。 それによって彼が國から出られるのかは彼次第。*]
(138) tyu-gakusei 2014/10/13(Mon) 22時半頃
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― 数年後の話 ―
[数年経てしまえば獣人の話も隠匿性を薄れさせた。 出國の為には研究塔への協力申請を約束せねばならない。
実験材料のようにあの子が扱われるなんて、 なんとも気が進まないと思いを馳せつつ、 家を離れる前にと、閉ざした侭であった父の私室を ひとり靜かに整理していた。]
[鍵付きの日記を見つけてしまったのは、そんな時。 古い日記に綴られた文面に、瞳を丸めさせた。
母親は知らない。 ――、一体どういう人物なのかと踊る字体に目を凝らす]
(139) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[____年_月_日
__は、神社から遣ってきたという。 しかし、この町には神社などない。
――町を往き、ここだと指差されたのは、唯の野原。 ぼうぼう、と風の音だけが聞こえるだけで、 私には__の云う声など耳に入らない。
戻るにも勘当された身では戻る場所がないという。 私は彼女を匿い始めた。]
(140) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[____年_月_日 ただの庇護欲が形を変え、姿を堕し、 愛おしむように為るまでそう時間も掛からず。
今や私にとって、大事な存在だ。 何よりも、何にも変えがたく。手放せぬ存在だ。]
(141) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[____年_月_日 ―――月の綺麗な晩、彼女は消えていた。 迎えが来たのだと、家番に言い殘し、消えてしまった。
生まれたばかり赤子も、共に消えてしまった。
神社から現れた獣の娘は、 神の子だったのかも知れない。]
(142) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[____年_月_日 出会いから十余年経て、姉と名乗る人物が訪れた。 「返さなければならないものがありますから。」 「どうぞ取りにいらしてください」
それは何処で、一体何をと問い質すより早く、 女は立ち去ってしまった。
思い当たる節は、あの空き地しかない。 私は記臆を頼りに、その野原へと向かった。
置き去られた子供がひとり。 何故か紅葉の葉を握り締めながら、途方に暮れていたのだ
嗚呼、それが死んだ彼女の置き土産だとすれば、 私は無条件に、―――… 彼を匿わねばならない*]
(143) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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― 神社 ―
[愛犬と共に赴いた先は、町外れの小さな神社>>4:168 俺にも見えるのだ。 鳥居も二匹の石像も、その先に或る紅葉の通り道も。
季節はスザンナが卒業を迎えた春であるのにも関わらず、 狂い咲きかと思わせるほど、確かに秋の気配が其処にある。]
(144) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[ 通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの 細道じゃ 天神さまの 細道じゃ ちっと通して 下しゃんせ 御用のないもの 通しゃせぬ ――… ]
(145) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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帰れる保証はあるのだろうけれど。 絶対とは言い切れない。
[ 行きはよいよい 帰りはこわい ]
……それでも、君は此の先に興味が或るのだね?
[ こわいながらも 通りゃんせ ――… 通りゃんせ ]
(146) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[確かめてから繋いだ手に圧を籠め、石像の横を過ぎる。 一匹と一匹の来訪を、紅葉の街道が預かり。
緋色の鳥居は、「あちら」と「こちら」の通り道。 その先に何が構えるかと心臓の鼓動を早めながら。
通り道を潜る月光浴を楽しむ二匹の影。 玉砂利に映りこんだ影の頂点には、獣の形の耳が。]
[此の街には、奇妙な通り道があるらしい。 目印は朱い鳥居と狐の石像。
そしてそこを通る時は、 必ず二人以上で抜けねばならない。
――でなければ―――…]
(147) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時頃
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[そんな「噂」が、民話として土地に殘る**]
(148) motimoti 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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―???―
[あの後。 彼女からの提案>>138に賛同した僕がまず目指すこと。
僕は生まれが獣であった訳ではなかったけれど、頭の上から生えるそれは…残念ながら人間には備わっていないものだ。
突然変異なんてものがこの世にあり得るだなんて信じたくもない話だけれど、どう足掻いたところで取れそうにもなく。
この國に聳え立つ塔に住まうという管理人に許可を頂戴しなければならない、ということを調べた結果知ることになった。
けれどヘイオトロープは科学が栄えど小國。 そんなに簡単にパスポートを発行して貰えるものなのか。 それが一つの疑問。
答えはきっとNO。 これが僕の個人的な見解だった。]
(149) minamiki 2014/10/14(Tue) 00時頃
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――まずさ、この國が陸続きなのかどうかが問題だと思うね、僕は!
[エンジンを吹かしながら僕はボヤく。
お手伝いさんはその時まだ僕の傍に佇んでいたか。 いたのなら、その腕を引いてやる。 当然のように後座席に乗せようとしたかもしれない。
そして友にはまだ見つかっていなかっただろうか。 万が一見つかってしまったのなら、お婆さんのフリをする。 練習し損だったからね。
それにしても、狼のくせに夜目はちっとも役に立ちそうにない!]
(150) minamiki 2014/10/14(Tue) 00時頃
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そもそも何人も見張りがいるかもしれないのに、無計画とはこのことだよ。浪漫の欠片もない!
――御伽噺なら態々出向かなくても南瓜なり差し出せば外に連れて行ってくれるだろうに。
魔法のマント、絨毯。そんなものがあればなんて思うけれど、…まぁ、高望みはしないよ。
[肩を上げて酸素を吸い込み、二酸化炭素を勢い良く吐き出した。 ハンドルを握り締める手は少し汗ばむ。 夢物語にはない物騒さだ。
メーターを調整しつつ、見よう見真似で運転を試みると思った以上のスピードが出て僕を驚かせた。
初めての試みはいつだって僕の心をワクワクさせる。
それは幼い頃寝室で読み聞かせてもらった物語の一頁を知る時のような心地。
炭酸の効いたジュースを呷っているような刺激的な光景だった。]
(151) minamiki 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[流れる雲はどんなものよりも早い。 特急列車よりも、遅く。
ネバーランドみたいな幻想的な景色ではないのに、見るもの全てが奪われていく。
物は試しとヘルメットなんか買ってみたけれど、そんなもので覆い隠すのが勿体無いような晴れた日。
雨が好きだと言っていた彼もきっと気に入ってくれるといい。 そう思える空色。
遠くで鳥の囀りが聞こえたような気がした。 咲き誇る花々の隅で蝶が舞い、蜘蛛が巣を張り巡らせている姿を見た。
向日葵は残念ながら咲いてはいなかったけれど、陽気な太陽がいつかすれ違った金髪を思い出させた。
回る景色。小石が転がっていく。 僕の向かう先を迷わせるようにコロコロと散らばっていく。
小麦とは違い、味っ気のないそれは餌になんかならない。小鳥も犬も近寄らない。それでも確かに残っている。]
(152) minamiki 2014/10/14(Tue) 00時頃
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…――あゝ、彼はとても良ゐ人だったんだ。
[ 科学者は語らう。遠い日を懐かしみ、最早感覚さえ忘れてしまった温もりを脳裏に作り。 ]
人間は愚かだと――思ってゐた時期もあったのだがねェ… ……なあに。他愛無い御噺さ。 撃たれた鶴は、人間に保護され――そうして。
…まるで鶴の恩返しのような、御噺なのだがねェ…
[ 彼を愛しみ、焦がれたあの日々は―――いつの日か、また来るのだろうか。 科学者は目を細め、宵闇を照らす星屑たちさえ眩しいと、目蓋を伏せた。 ――鐘は明日も鳴り響く。 そうして明後日も、そのまた向こうも。 科学者は唯、――誰にも見えないその姿を以って、今日も今日とて手に衣を着せ彼をつくる実験を。
月光に照らされる塔の中、人気の無い塔の中、 ――彼と愛別れ、また後を追うように獣を恐るる人間たちに吊るされた鶴は。 切なく啜るその声と共に、彼のこころを追い求める。**]
(153) grampus 2014/10/14(Tue) 00時頃
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――それでも僕は、“献身的な愛”なんてものより…
我儘な愛の方が素敵だと思うね。
[花の名前を持つ國。
いつか本屋で目にしたその花に与えられた言葉を思い出す。
結局友の店にてそれを購入したことは一度もなかったけれど、脳裏に浮かべては失えた銀色を一度懐かしむように双眸を眇めさせた。
こんな顔は似合わない。 鏡はないけれど僕は確信して叫ぶ。]
(154) minamiki 2014/10/14(Tue) 00時頃
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Verweile doch! du bist so schoen!
[悪魔と契約した男が呟いた言葉。 契約の終わりを告げる台詞。
叫んだのなら、僕の命の行き先は地獄なのだろうか。
それとも――…?
そんなことは、今はどうだっていい。
頬を撫でる風を浴びながら僕は笑った。
始まったばかりの旅先の結末はまだ、綴られていないのだから。]*
(155) minamiki 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[友人と別れたあと>>4:200、風の吹くままに流れに乗って髪の毛が揺れる。何処かで男の物語が新たな一頁が綴られた。>>60>>86
静かに目を閉じ、天を仰ぐ。 その男の物語は耳を澄ませば風に乗せて耳まで届きそうな――…。]
(156) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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お前に幸あれ。
[紡ぎ手は願う、読み手と共に。 友として願う、己の人生で尤も最高で心を許した友の為に。
群青色の空の下。 お揃いで買った蒲萄ジュースを全て飲み干し、商店街での物語を風は逐一教えてくれた。]
(157) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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― いつか 何処か ―
[あれから幾日が経ったのか。 筆を取り、真っ新な紙に文字を書き出し、物語を二つ程書き上げた。助けを求めケーキを共に食した少年の話と、犬の様な耳と尾を持ち合わせた少女の物語。架空の出来事を織り交ぜた物語は、何度も書き直された手習草紙に。 時間があれば幼い子供に自らの書いた物語を読み聞かせては紡ぎ手としても生活をしていた。
そして野に咲いた花を見つけては摘んでは癖のように作品を作り上げることも。]
(158) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[誰かを探していた。 毎日、毎日、何時間も。 それはあれから姿を見せなくなった最愛の友の影。
店は長期の休みを貰った。自分の書き上げた物語の登場人物たちには手製の花籠を置いて。そしてもう一つ、いつも店に伝票を届けれくれる彼女にも。あの日、久しく見ていなかった彼女に会った。聞けば擦れ違いになっていたと言う。それには謝罪をして、風が教えてくれた物語を彼女から直接聞いた。そこには友人が行おうとしている行動も。赤く眼を腫らした彼女の瞳から涙が溢れればそっと拭いて。
友人の元へ届くことのない携帯の電波。 宛もなく探し回って見知らぬ土地に足を踏み入れて。]
(159) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[そしてある時、いつもと変わらず姿を探す。 "狼"ではなく、"気まぐれ猫"の友人を。
街の商店に目を移すと蒲萄ジュースが売られていた。 懐かしむように思わず二本、買い込んで店を出ると目に入ったのは一人の青年。全身から鳥肌が経つのがわかった。その姿に目を丸くして、足は彼の元へと急ぎ、背後から静かに声を掛ける。]
(160) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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あなたの物語を俺に書かせてもらえませんか? 夜には葡萄酒を片手に。
[背格好、髪の色、雰囲気。 なにもかもが探していた友人に似ている彼に他人行儀で。
約束したから、探してみせると。 いつも迎えに来てくれたお前を今度はこちらから。 何日、何年、何十年と経過をしてを俺はお前を探してみせる。
途中まで書いた男の物語はあの時から筆は止まっている。 公園で別れたあの時から。
声を掛けた彼が振り返れば、あの時と同じ挨拶を変わらず行う。 時が経ってもなにも変わらずあの時もまま。二人の会話もあの時のまま。]
(161) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[止まったままの時計の秒針が漸く動き出した瞬間。 蒲萄ジュースで別れたあの日。 傍らには蒲萄ジュースを携えて。
さぁ、時が止まった物語を再会させよう。 あの時の蒲萄ジュースと同じ銘柄、同じ味で―――…**]
(162) しょこら 2014/10/14(Tue) 00時頃
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