182 【身内】白粉花の村
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[>>138静かに処置の進む右手を見れば警戒は徐々に薄まって、小さく溜息を吐き出してようやく落ち着くことが出来た。 セシルが両手を使っているなら武器は構えられないし毒を塗る余裕も…いや、そもそもこの男がとてもそういう風には見えないのだが]
…
[小言は耳が痛い。時々は気付いている、自分が持つ被害妄想の事を。 けれど、その苦しみから誰が守ってくれる?死の恐怖を消し去ってくれるのは何だろうか。…一介の医者が出来るはずはない、そう思っていて。だから目を見据える黒い瞳には睨むように返してやって]
[>>139極めつけの小言は、オスカーには真っ直ぐに届かずに、ただ心を掻き乱す結果となる。まるで僕が臆病だとでも、そう言いたいのか。
自身の唯一の自衛手段であるナイフを指で叩き示唆されるのも、大人しげに顔を見据えて聞き入れてやる。 位置を把握されていたり、易々と触れてくる様には馬鹿にされている気さえしたけれど]
(142) 2014/06/26(Thu) 06時頃
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[相手が背を向けた時に、静かに立ち上がり自身より幾分か身長の低い肩を掴み、脚をかけ床にねじ伏せ。
うつ伏せになるセシルに上にのしかかって、その栗色の髪を掻き上げるようにして顔を上げ黒い目を眺める。悪くない色だとか思いながら。]
…お前にはこうされる怖さは分からないだろ。 僕はいつも感じているんだよ 死ぬかも知れないって。
…まだ死にたくない。
[手を緩めると髪はすり抜けるように落ちて。セシルが自身を脅かす人間だとは、とても思ってはいないけれど。 だから、彼の意思の少しは汲み取ろうと、包帯の巻かれた右手を胸元まで伸ばしナイフを取り上げるとそれを床に投げ捨て。
乗っかかっていたセシルから立ち上がると扉へ向かい、お礼の代わりと毎度の暴力を詫びるよう小さくだけ言葉を吐いて出て行く]
悪かったよ
(143) 2014/06/26(Thu) 06時頃
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……ああ。 暫くは不便だろうな。
[一人で歩ける>>127と言われれば少しの距離を置く。顔を背けるのは、見られたくないからだ。遠慮の無い視線も慣れつつあるけれど、やはり見られたくないのは変わらない。
彼の言葉に、自ら傷付けた傷口をじっと見て。握ってみようとすれば痛みにそれすら叶わないと気付く。 ああ煩わしい。痛みなんて、無くなってしまえばいいのに。そうすればこの仮面も、外す事が出来ただろう。 ……だが。そもそも彼の治療という名目だったのに、何故此方が心配されているんだ?]
ディーンだ。 ……ふ。よろしく、クシャミ?
[変な名前。そう思ったけれど、勿論口にする事は無く。ディーンにしては珍しく、友好的とも取れる態度で言葉を交わす。
先導する背中を見つめて、その視線が向こうを向いた事に安堵した。こっそり吐いたため息は、気付かれなかったろうけど。 さて、彼の部屋はどれだろうか。無意識に傷を摩りつつ、彼の後を着いて歩いた]
(144) 2014/06/26(Thu) 06時半頃
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ー1F朝顔の病室ー
[レティーシャと別れ、自分の部屋に入る。]
んーと、おふとんまでは20かいあるけばいいんだよね。
[壁に手を当てて瞼を閉じる。スーッと深呼吸をしてから、まず一歩踏み出す]
いーち。にー。さーん。よーん …………………にじゅう。
[大きな声で歩数を数えながら、なんとかベッドの近くまで戻ってくる。 ここまではいつも大丈夫。でも、壁から手を離さなければいけないから、ここからが一番の問題だ。]
まず、さんかいあるいて……。 えっと…えっと…
[今日はベッドが平らに見えているから、高さがわからずに困惑する。 登ろうと思っても、足をぶつけてしまいそうで。]
(145) 2014/06/26(Thu) 07時半頃
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[しばらくグルグルと悩んでいたが、やがて諦めてペタリと床に、お尻をつけた。 怖くない巨人の誰かが来たときに、ベッドに乗せてもらおうと。
ふたごのおにーちゃんこないかな。 せんせーでもいいな。
[ここで言ったところで、聞こえないのはわかっているけど。 この病院に来たばかりの時にだって、何度も姉や両親を呼んだけど来てはくれなかったから。 それでも、誰の名前も呼べないのも悲しいから。 床の上にぺたんと座り込んで、歌うように独り言を言う。
袂を探ればさっき、新しく買った風船と折り紙。 ほんとうは中庭で水風船がやりたいな。なんて考えながら、風船を膨らませる。
ふわり、赤い風船が宙に舞い上がる。 開け放したままの、窓から吹き込んだ風に乗せられ、廊下へと出て行った。]
あーあ。いっちゃった。
(146) 2014/06/26(Thu) 07時半頃
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[珍しくも初めて友好的になるディーンに少し驚きつつも名前を少し呟いた]
ディーン…ディーン……へぇ、変な名前だね。特に伸ばし棒の辺り凄く要らない気がするよ、ディンさんだね
[勝手に人の呼び名を変えた上に変とは失礼極まりないが、そこに構ってるほどクシャミに余裕があるわけでもない。ラウンジからそう離れた所にない部屋の一つを立ち止まる事なく自分の部屋に帰るようにドアを開けるとそのまま部屋へと入り込んだ]
ここが僕の部屋。適当に座ってて良いよ。椅子でもベッドでも
[白い机に黒い椅子は部屋の中央に置かれ、モノクロシーツのベッドはそれから数歩離れた所の壁際に置いてあるだけだった。仮に彼がどちらを座ろうが、迷うこと無くもう片方に座るだろう]
それで…。何が聞きたいのか改めて話してくれれば嬉しいんだけどな?
[部屋の中にある唯一の色、机の上に無造作に広がったお菓子を袋に入れて片付けつつ目線をそちらに向けないように気を使って改めて質問した]
ディンさんのその顔、動かないんでしょ。筋肉が弱い病気とかなのかな?ニハハ、さすがにそこまでだと逆にわかっちゃうよね、病人だと知ってれば
(147) 2014/06/26(Thu) 08時半頃
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……似合わない自覚はあるよ。
[彼の言葉に、その通りだろうと同調して。せいぜい自分に似合うのは、そこらの雑草が良いところだろうと自嘲する。 眉目麗しい彼の傍にずっと居たから、自らがどれだけみすぼらしいか、その自覚はあった。別に、卑屈になっているつもりはないけれど]
木? それは……喜んで良いのか微妙なところだな。
[困惑混じりに、眉を下げる。幼馴染の意図など分からないし、皮肉じみた言葉もあって、平均より幾らか高いこの身長を揶揄されているのかと思ったのだ。 けれどまあ、それに反発する気も起きず、似合うかなあ……などと、木になった自分を連想してみたりもする。いまいちピンとこなかったが]
(*6) 2014/06/26(Thu) 08時半頃
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……ああ、そうだな。今度送るよ。
[生憎と、これまで学術書ばかり読んできたから、彼の気に入るものが選べるとは思えなかったけれど。それでも相手が自分が選んだものを、というのなら、拒む理由は無かった]
此方は少し忙しくてね、時間がかかるかもしれないけれど。 ――きっと送るよ。
[本当は手渡し出来れば良いと、そう思ったが、今此処を離れるわけにもいかない。 早く他の患者の治療法を見つけ出さなければと急く心を隠して、出来るだけ穏やかな口調でそう言った]
(*7) 2014/06/26(Thu) 08時半頃
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なん、………っ、!?
[突然掴まれた肩>>143に振り向くよりも先に、急激に揺らぐ視界に目を見開く。ひゅ、とひとつ、鋭く息を吸って。 思考が追い付くより先に床に叩きつけられて、吸ったばかりの空気はすぐに吐き出された。視界の端で、取り落とした缶ががらりと転がる。]
……ッ、やめ、
[身を起こそうとするよりも先に背に乗る重みに、ぐっと喉が鳴る。先に自分が示唆したばかりの凶器の存在を思い出せば、意識するより先に制止の言葉が出た。――踏み込みすぎたかと、何か恨みでも買っただろうかと。 頭上から落とされる言葉には何も言えないまま、彼が身じろぎと共にナイフを取り出せば、思わず肩を揺らす。 ――殺されるかもしれない、と。 それが彼の常の意識だとは、その場で気付くには至らない。]
………、は、?
[けれどそんな最悪な想像に反して、金属音と共に床に転がったナイフに、気の抜けた声を漏らした。 背にかかる体重が離れても、まだ衝撃からは戻れずに。立ち去る彼の足元を目で追う。]
ちょ…っ、…コープラさん!
[慌てて上げた声は掠れていたけれど、そのまま立ち去る彼には届いただろうか。]
(148) 2014/06/26(Thu) 09時頃
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[遠ざかる足音を聞きながら、ようやく深く息を吸って。これでは先の彼の挙動の繰り返しのようだと、ぼんやり思った。 床に転がる缶とナイフを取り上げれば、どうしたものかと妙に冷静に思考する。結局棚の上に転がっていた袋を拝借することにした。]
………死なせはしません、けど。
[未だ震える息を吐き出しながら、語られた彼の恐怖と、最後に落とされた切実な願いを、反芻する。 "誰かに殺される"。それが妄想だったとしても、その病自体が彼の命を蝕んでいることには変わりない。 誰にともなく、小さくひとつ呟いて。]
……くそ、最悪だ。
[気を取り直したように悪態を吐くと、白衣の裾を払いながら、ようやく立ち上がった。]
(149) 2014/06/26(Thu) 09時頃
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――2F廊下――
[乱雑に掴まれたせいで随分と乱れた髪を直しながら、そのまま廊下へと出る。オスカーの病室に鍵がかけられないことに、少し躊躇って。 どのみち仕方のない事だと気付けば、そのまま先も辿った道を戻りながら、絵本作家の青年の部屋の前へと歩を進めた。]
…、ノーランさん?
[辿り着いた時、部屋へと入ろうとする2人の姿は見えただろうか。 それが廊下ならばそのまま歩み寄るし、もしも室内へ入っていたとしても、ドアをノックして声を掛けるだろう。]
(150) 2014/06/26(Thu) 09時頃
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……お前の方が余程変な名前をしていると思うが……。
[先程飲み込んだ言葉が思わず口をついて出る。失礼な奴だとは思ったが、此処最近会ったのはそういう奴ばかりだし、こいつは未だマシな方だ。話が通じるだけ、随分良い]
[彼の部屋は、自分の部屋とは少し離れた位置にあった。これならまあ、お互い知らないのも無理からぬものだと納得する。そもそもディーンはあまり積極的に人と話す方では無いし、そのせいもあっただろう]
ああ、すまない。
[モノクロの部屋に足を踏み入れて、失礼だと分かりつつもぐるりと見回す。部屋内が白黒に統一されている事に気付けば、そんなに好きなのかとぼんやり考えた。勿論これだけで、彼の病に思い至るわけもない。
座る様に勧められれば、流石に家主を差し置いてベッドに座れる筈も無く。黒い椅子に座って、彼がベッドに座るのを待った]
(151) 2014/06/26(Thu) 09時頃
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[問いを急かす様な言葉に口を開こうとするが、己の病を言い当てられて。視線を此方に向けない彼を、じっと見る。 別に隠せる事でもないと分かっていても、見透かした様な口調には少し腹が立った。その為の観察か、と。小さく一つ舌打ちをして、右手で軽く顔を覆った。もう見られてないと、分かっているけれど]
ああそうだよ。最初は笑えないだけだったんだが、今はもうどの表情も出来ない。 ……で、お前は何故此処に居るんだ?
[それが最初の質問だ、と。投げやりな口調でそう言って、首を傾けて睨み付ける。 嗚呼、何から何まで不躾な奴だ。やはり気に食わない。少しは話の分かる奴かと、そう思っていたのだけど]
(152) 2014/06/26(Thu) 09時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/06/26(Thu) 09時頃
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[部屋から出て行ってしまった風船。 てん。てん。てん。という軽い音とその赤を、名残惜しげにしばらく目で追いかけていたが。]
(ワンワンのせんせーにおこられるかも。)
[風船だけじゃなく、紙飛行機も飛ばしてしまったのだ。 もしも気難しそうな茶色の髪の医師や、院長先生に見つかったら怒られかねない。 勇気付けるようにぺちぺちと、自分の頬っぺたを軽く叩くと立ち上がる。]
あさがおのふうせん。まってー。
[パタパタと足音を立て、歩数すら数えずに風船を追いかける。 大きくなった人に、踏み潰されるかもしれない。という恐怖はいつの間にか何処かへ行ってしまって、まっしぐらに風船だけを目指す。
赤い風船は、追いかけっこを楽しむように朝顔の数歩先を転がって行く。 風船だけを見つめているので。もし今、目の前に誰かがきてもすぐに気づくことは難しいだろう。]
(153) 2014/06/26(Thu) 09時頃
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ふいー、疲れた
[ディーンが椅子に座ったのを確認して自分はベッドに倒れ込んだ。座ると思っていただろうディーンはどんな反応を示すだろうか。ベッドからごろりと転がって彼の方を見るが、その反応は本人にとってはどうでも良かった]
目。色がだんだん見えなくなっていくんだ。あとは明日死んでもおかしくない体ってだけ。ちなみにディンさんの髪は炭が被ったようにくすんでるよ
[変なのー。と笑いながら話すが口元は笑ってなかった。声だけはテンションを高く、と言った感じだろうか]
(154) 2014/06/26(Thu) 09時半頃
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[ベッドの上でゴロゴロしていると手に持っていた葡萄酒に目をやると、少し考えてからニンマリと笑った]
ねぇ、ディンさん飲める人?
[手に持っている葡萄酒を指差し、ディーンの反応を待つ。もしも飲めると答えれば勧めただろうし、飲めないと言われたのなら諦めて大人しくしただろう。元々はレティーシャの物であり勝手に飲む事自体が失礼な事なのだが]
ほら、話してるだけじゃつまらないし…ってね
[ニハハ、と軽く笑うと体を上げ、ベッドに座るようにした。確かコップは机のそばにあったはず。飲むのなら出さないと、と思っていたが、飲まないのならまた寝ようと考えていた]
(155) 2014/06/26(Thu) 10時半頃
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[ベッドに転がる相手に、行儀が悪いぞ、と小言を落とそうとして、けれど口を噤む。 別に自分は彼の保護者というわけでもないのだ。非常識さに呆れこそすれ、それに苦言を呈する程でもない。相手が寝ていても話は出来るのだ]
目か。……お互い難儀だな。
[告げられた病の内容とその余命に、険のあった目つきが幾らか和らいだ。 明日をも知れぬ命と聞けば、こいつは恐らく自分より先にし死ぬのだろうと、歪んだ優越感が湧き上がる。それが少しだけディーンを満たしてくれた。
それを隠して、示された髪を指先で弄ぶ。蛍光灯の光に金糸が反射して、きらりと光った。 身なりにはそれなりに気を使っているから、汚れは無い筈だ。であれば、彼の目の不調は明白で]
(156) 2014/06/26(Thu) 11時頃
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[笑っているのに笑っていない、その表情。ちぐはぐだ。そんな中で、彼の瞳はどんな輝きを湛えているのだろう。そんな興味が湧いたが、前髪に隠されたその先に自分が進む事は叶うだろうか。 見せてはもらえないかと、そう問おうとした所で、先の葡萄酒が話題に上る]
強くはないが、それなりに。 頂ける物は頂いておこう。丁度酔いたい気分だった。
[それが何処かのレティとかいう輩の物だとは知っていたが、悪戯っぽくそう答えて。 白い机の傍にあるコップが目に入れば、勝手に二つ取って一つを彼に差し出した]
お前は酒を飲んで良い歳には見えないがな。 ――まあ、小言は言わないさ。
[どうせ死ぬのだ。健康に気を遣った所で何になる。 医師達は良い顔をしないだろうが、バレなければ良いのだ。バレなければ]
(157) 2014/06/26(Thu) 11時頃
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あは…ありがと… [部屋を貸す と言った彼>>140に、礼を告げる。 プライベートの塊である―それも殿方の―個室に入るのだ。遠慮を感じたが、致し方ない。ベッドも借りることになるだろうか?そこまで図々しくはなれない。そんなことを考えながら]
…ノーランさん?
[ドアノブに手をかけ、開いたところで後ろから掛けられた声>>150に気付く。 その声はの主が誰なのか確認するまでもなく。安堵のあまり彼女はそのまま地面に膝をついた]
あは…迎えに来てくれたのかしら…? 白馬の…王子様…
[緊張の糸の切れた彼女は、そのまま地面に倒れこんだ。 重力から少しだけ開放された体が、肩で息をする]
(158) 2014/06/26(Thu) 11時頃
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[そういう考え方もあるのか。 けれどそれは持ち上げられ過ぎているようで、どうにも落ち着かない。残念そうな口調も相まって、返す言葉を無くしてしまう]
僕は……木も花も、そう変わらないと思うよ。 花の蜜がなければ、生きていけない生物だっているだろう?
[言葉の中の羨望には気付かなかったけれど、それに自虐が含まれていることを感じ取って、窘めるように言葉を送る。 少なくとも、自分は彼に救われているのだと、居なければならない存在なのだと、そう伝えたいけれど。 ”花”という名目で語られたのであれば、それも難しい。……ずるい人だ]
貴方の為なら時間くらい作るさ。 長い付き合いだろう?それくらいさせてくれ。
[本当なら、彼の願いは何だって叶えてやりたいのだ。 勿論自分の立場や彼の体調を考えれば、それは許されないのだけれど]
(*8) 2014/06/26(Thu) 12時頃
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――え、 あ、ああ。そうか、もうそんな時間か。
[時計は見ていたから、回診などには重ならない時間にかけた筈だ。すぐに嘘だと分かったけれど、彼が会話を打ち切りたいのなら、続けるつもりもない。何か悪いことを言ったかと、少し不安にはなったが]
つ、次は……君が、かけてくれないか。 ……いつでも良いから。
[らしくもなく、懇願めいた言葉を吐き出して。少し上気した頬を自覚すれば、初めて、目の前に彼が居なくて良いと思った。こんな姿、彼に見られたらからかわれるに決まっている。 こんなおこがましい願いを口にするのは、随分と躊躇われたけれど。 どうか了承してくれと、祈る様な気持ちで返事を待った]
(*9) 2014/06/26(Thu) 12時頃
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[先程よりも敵意は少なくなっただろうが、明らかにその目には同情など無かった。そこから得られた情報は勿論クシャミにも伝わっただろう(>>156)]
僕酒なんて飲んだ事無いんだけどにゃー…
[コップを受け取ったが、すぐに机の上に置いた。飲まないというアピールではなく、手に持っている葡萄酒は両手で無ければ開けられないからだ 葡萄酒を開けるとディーンのコップに注ぎ、自分の所にも注いだ]
こういうのってなんて言えば良いんだろうね。残り少ない人生に乾杯、かな?
[少しおちゃらけてコップを軽くディーンの方に差し出す。彼が合わせてくれなくても特に深く思う事はなくコップに口をつけていただろう]
お酒勧めた側も本当は悪いんだけどね。ディンさん転院した人について何か知ってる?
[ほんの少し唇を湿らす程度にコップに口をつけると質問を繰り出した。転院した人物、治らないと言われた奇病を治ると言われたこの病院からは希望と見られる存在を少しでも知りたかったのが本音である]
(159) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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[いつの間にか眠ってしまっていたようで、目をゆっくりと開けると伸びをする。寝起きだからか頭が重い。のそのそと起き上がるとテーブルの方向へと手を伸ばし、葡萄酒の瓶を持ち上げて。]
(ーーそういえばなくなっていたんだっけ。)
[可笑しいな、と頭を掻く。確かに葡萄酒を買い足したと思ったんだけど……。腕を組みながら眠る前の行動をひとつひとつ思い出す。]
(ああ、二階のラウンジに忘れてきちゃったんだ。)
[暫くして葡萄酒の所在を思い出せば、取りに行かなきゃ、と立ち上がって。鏡の前で寝癖を手櫛で簡単に直すと扉を開けた。
(160) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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ー1F 廊下ー
部屋から一番近くの階段を登ると掲示板と、そこに貼られた一枚の紙が目に入る。紙の1部が赤黒く染まっていることも気にはなったが、なによりこの掲示板が機能している所なんて1度も目にしたことがなく、何の連絡だろう、という疑問が優先されて。]
退院、者……?
[見出しの文字をおずおずと読み上げれば、指先を文字に添わせて食らいつくように続きを読み進める。]
ーーなんで、……彼が。
[退院者の名前を見付けると、何かの見間違いだろう、と何度も最初から読み直す。ーーカリュクス、自らと同じ病を抱えていた人物で、彼の事はほんの少しだけだけど知っていた。]
嘘だ、
[何かの悪い冗談だ、と自らに言い聞かせれば逃げるように階段を駆け下りて。]
(どうして、彼だけなの……。なんで私の治療は普段と変わらないの、同じ病気なのに……。)
[尽きることのない疑問を振り払うように頭を振ると、のそのそと廊下を歩き始めた。誰でもいいから医者を捕まえて、尽きない疑問を投げ掛けようと考えながら。]
(161) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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…な、シャルルさん!?
[病室の扉を開こうとする3人に向けて歩を進める途中、視線の先で揺らいだ女性>>158に瞑目する。 慌てて足を早めて掛け寄れば、ぞんざいに叩きつけられたばかりの身体がぎしりと痛んで、眉を寄せた。]
シャルルさん、どうしましたか。 …聞こえますか?
[倒れ込む身体が固い床にぶつかる前に、その細い肩を掴む。出来る限り動かさないように揺れる肩を支えて、なるべく響かないようにと、抑えた声で呼びかけた。 そうして、近くに立つネルには、遅れて気付いて顔を上げて。]
……ああ、容態は如何ですか。 サフィールさんは落ち着いたので、ひとまずは大丈夫かと思います。 なるべく激しい運動はさせないように、それから中庭には――、
……理解ってますよね?
[今ならば、彼が診察室を飛び出した理由も、何となく察しはつく。 問診、というよりは、とりあえずの挨拶といった体で、そんな質問を投げかけて。続いて口をついて出た小言は、結局途中で飲み込んだ。皆まで言わずとも伝わるだろう、そう考えて。
(162) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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[支えたローズマリーにもう一度目を戻して、とりあえず処置室、それか自室へと運んでやるべきかと、そう考える。 気力があるようならば本人の口から話も聞きたいけれど――難しいだろうか。
思考を巡らせながら、彼女の身体を受け止める直前、耳に届いたか弱い声を、改めて反芻した。]
…、そんな器じゃあありませんよ、僕は。
[誰に聞かせるでもなく、自嘲めいた言葉を確認するように呟く。騎士だとか、王子だとか。デメテルあたりが聞いたら目を輝かせて喜びそうな、そんな夢のような言葉は、あまりに不相応だ。 彼女の様子を伺いながら、さてどうするべきかと、視線を彷徨わせた。]
(163) 2014/06/26(Thu) 12時半頃
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[コップを差し出されれば、自らもそれに習う。二つのグラスがぶつかって、かつりと音を立てた。 葡萄酒を嚥下する彼を見て、初めてだとかいう酒の味はどうだろうと考える。自分の時は、甘いカクテルがやっとだったのだけれど]
……ふ。さて、誰の事だろうな? 私は止めなかっただけだ。
[責任を此方に押し付けてくる言葉に、肩を竦める。続く質問には、眉を寄せて]
知らん。 医者に聞いた方が早いだろう、そういう事は。
[彼が医者嫌いだなんて知らないから、軽い口調でそう言って、自分も葡萄酒を口に運ぶ。安物は正直好かないけれど、此処で上等な酒が飲めると期待する方が馬鹿だ。……今は、飲めれば良い。顎の傷口は痛むが、酔えばそれも分からなくなるだろう。
――そもそも、自分が質問するつもりだったのに、何故こいつに質問されているんだ? そんな理不尽な怒りが湧いて、グラスを持った手でぴし、と。相手を指差す]
(164) 2014/06/26(Thu) 13時頃
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なあ、お前は何であんな事をしたんだ? 何が気に食わなかった?
[”あんな事”とは掲示板を殴りつけていた事で。元はと言えばそれを聞き出す為に慣れない親切をしたのだ。……全く意味は無かったし、結局有耶無耶になってしまったけれど。
好奇心を抑えられない質問に、彼は答えてくれるだろうか。聞き出せないのなら此処に居る意味は無い。グラスの酒を飲みきって、退出の意を伝えるだろう]
(165) 2014/06/26(Thu) 13時頃
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[静かに笑うディーンに対して「大人って汚いにゃー」と笑いながらまた一口コップの酒を口にした]
医者…医者、ね
[ヤニクやセシルなら答えてくれるだろうが、病気の事に関して医者と関わるのは気が進まなかった。励ましという名目で人を期待させて匙を投げる。それが医者だとクシャミの中では偏見として生まれていた]
何故?何故って…あぁ
[質問の意図と意味がわかなかったわけではないが、そういえばそんな事もあったな、と忘れていた。答えないつもりはないが、勿体ぶってやろうとも思った。しかし、答えなければ帰ると言わんばかりの目をしていたので冗談は程々にしようと決めた]
ディンさんってさ。ここに来るまで何回か診察しなかった?
[ディーンの返答を待たずして自分が今までに医者から治る治ると言われ続けて匙を投げられた事。みんな治らないはずなのに希望を出された事。死にたくないと思ってから残りの寿命と向き合わなければいけなくなった事。その希望に、自分の身体が付いていけない理不尽さについて説明した]
(166) 2014/06/26(Thu) 13時頃
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には…は?
[全部話し終わってからベッドから立とうとした所で目の前がぐにゃりと歪み、バランスを崩してディーンの方へと倒れかかった]
あ…るぇ?なんかフラフラする。頭が重いし動きにくい…うにー
[コップの中に入っていた酒は半分減っていた。それが半分“しか”と言うべきか半分“も”と言うべきかは人によって違うかもしれないが、クシャミにとっては後者の方だろう 酔いは一気に回り歩けない事は無いが千鳥足になるような状況だった]
うえぇ…気持ち悪い……
(167) 2014/06/26(Thu) 13時頃
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