91 時計館の魔女 ―始―
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[それはずるい問いかけだっただろう、 己の背後に隠れていろと、たとえこの背が崩折れても、手を出さずに見ていろと。
そう告げたのも、同義だ。
けれどそれは同時に、ヴェスパタインの覚悟でもあった。 ――自分より背後に、決して獣を通しはしない、と]
(37) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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/* →お風呂でソフィアをいただきます。
なら良かったのに。
(*44) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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[謁見室に行こう、という彼の意見に同意して。 そちらへと歩みを進めようとしたが、彼が動かないのを感じて立ち止まる。
随分と見上げなければ、その顔は見えない。 よくも慣れたものだ、と思う。 背の高い人には近づけない、近づけても何日もかけないとまともに口を開けないのが常だというのに ヘクターの次に、なれるのは早く。 状況がそうさせた、というのはあるが。 もしかしたら、ヘクターが死ぬことがなければ、今でも。 ―――幸か不幸か
そうして開かれる口に、僅かに首を傾げ]
(38) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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……命、を?
[即答出来なかったのは、信用していないから、ではない。 その問の真意をつかみきれなかったからだ。 命を預ける。 自分の命の先を、相手に委ねる。 真っ先に思い浮かんだのは、手術だった。 自分は手を出さずに、医師にすべてを預けると。
……まさか。 自分には戦うなと、手を出すなと。 …そう、言っているのだろうか。 顔を一瞬、歪める]
(39) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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……、 私も。
戦います、よ。
(40) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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[なにが出来るわけではない。 護る術も、戦う術も、持っているわけでは、ないけれど。 独りだけで戦いに挑ませてなるものか、と。 ……ペーパーナイフを、握りしめて]
(41) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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[ツェツィーリヤの問いへのソフィアの返事はどうだっただろう。
下の階にいる二人の人間、少なくとも片方は占い師よりもさらに手ごわい能力を持つ相手。 彼らがこちらへと抱く想いを知る由は無いけれど、戦う場合には激しくやりあう可能性はある。
そんな中、盲目の彼女を如何にして守るべきか。 暗い廊下で考える。]
(42) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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/* 私も基本一方的にやられがちですわねえ。 一矢くらいは報いたいですけれど。
(*45) 2012/05/29(Tue) 22時半頃
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[守りたかった仲間は、胸のナイフに命を抉られた。 そのナイフには、妖精の香り。
死なないで、と告げた妖精は花に溶けた。 理由は恐らく、占い師の上位の存在。
ならばこれは、私の復讐なのだろうか。]
(*46) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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/* クラリッサありがとー。もふもふ。むぎゅ。
(*47) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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[戻った答えは、共闘を望むもので。 小さく、笑った。 素直に頷く筈もない、壇上のお姫様で居てくれる訳もない。 解っていたことだけれど、こうも真正面から直球を投げてくるとは。]
なら、言い方を変えよう、
――巻き添えにしたくないから、私の前に出るな。
その……なんだ、私は。 加減を知らない、
[焼くぞ、と。額を小突いて。
『背中は任せた』とも、『必ず護る』とも、取れる言葉を投げて。 謁見室へゆこう、と。再度ことばを紡いで、手を差し出した]
(43) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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[告解を受けた週に一度顔を合わせていた少女は。 美味しそうな信頼を残したまま、人間に殺された。
そんな少女に、私のやっと出会えた仲間に、精神を蝕む呪をかけた悪魔を、憎しみを込めた狼の爪で屠った。
その折の怪我を治すためと言う理由で、狼は一人の男を栄養のためだけに食い散らかした。 人魚だとは知らぬまま。
一体、何が善で、何が悪だというのか。]
(*48) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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[2人の人間を守るためにと狼の前に姿を見せた守護者を、狼は仲間を守るために、噛み殺した。
守護者の刃は、愛する少女を守るためならばと狼に協力していた男を、狙わずに凪いだ。
そこにあったのは、因果とでも呼ぶべきものなのか。]
(*49) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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/* やにくんもふぎゅー。 妖精さんかわいいですわー。
(*50) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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わかりました。
……さすがに。 貴方に、焼かれたくは、ないですから。
[小突かれ、僅かに頬をふくらませたが、それには素直に頷いた。 彼の邪魔だけはしない、と。 前にでられないなら後ろにいればいい。 それだって、できることは、あるはずだ。 ……実際なってみないと分からないけれど。
再び紡がれた、謁見の間へ行こうというのに頷くと、 差し出された手を強く握った]
(44) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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……そうだわ。 少しだけ待っていて。
[ふと、イアンの遺体の傍に転がっているだろうインクの瓶を見つけ、それを拾い上げる。 同じように落ちていた付けペンは、形見のようにソフィアへと手渡して。
僅かな灯りを元に、呼び出した一枚の紙に、さらさらと文字を残すと、それを小さく折りソフィアに持たせた。]
……願いがかなう、おまじないよ。
[彼女には見えない言葉。だからこそ。]
大切に、持っていてね。
(*51) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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君を焼くと。 ヘクターが、煩い、だろうな。
私も、御免、だ。
[くつりと喉を鳴らして、此方もまた、確りと握り返す。 この小さな手を、血で汚させなど、しない。 ここに"居たなら"、そうしたであろう"ふたり"を思う。
肉体は潰えども、なんとなしに。 ――傍に居てくれるような、そんな気がしていた。
言い争っていたなら、両成敗で火をつけてやろう、などと物騒な考えを思考の端に置いて、謁見室の扉を潜る]
(45) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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……ごめんなさい、ね。
[それは幾度目の謝罪だったか。
まだ生々しい紅で彩られるラインが残る女の肉体が、再び獣へと変貌した。
黒い狼は、近くに転がる守護者の肉体を貪りはじめる。 元々、人の血肉を得れば体力をいくら買えることが出来る。 それで回復に近いことが出来るのは、人魚が正体だという男や、魔力の宿る肉体である守護者を食する時くらいのものだろう。
とはいえ、人魚の時ほどの力は無く、左の腕の傷がなんとか塞がる程度か。
守護者の血液で口周りを十分に濡らしてから、狼は顔を上げる。]
(46) 2012/05/29(Tue) 23時頃
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/* とは言っても、 私が24時を超えてしまうと若干厳しいので…… (いつオフでもおかしくない状態になります)
仕掛けましょうかね、そろそろ。 (獣はアホなので正面突破しかできないけど)
もふもふぎゅー。
(*52) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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―謁見室―
[謁見室もまた、明るいとは言い難い状況だった。 わずかに灯された明かりが、肖像画を照らしている。
記憶の中にある絵画と、現実の絵画。
変化しているのは、イアンと、ペラジーのもの]
………、"気狂い"と、"獣"、か――…
[ソフィア、という少女には、友を思えばあまり手を掛けたく無いところだが。 敵となるなら已むを得まい、]
(47) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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…、そう、ですね。
[その姿は容易に想像できた。 ふと振り返ってみたものの。 ……姿など、見えるはずはないのだけれど。 なんとなく、そこにいるような気がした。
……自らの命を消してまで、自分たちを生かしてくれた人の顔を、いくつか思い浮かべて。 その分までやれるとは、思えないけれど。 …それに恥じることはすまいと、思いながら]
(48) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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[黒い狼は、ソフィアに紅い言葉で背に乗るようにと伝えた。]
『彼らは狼は二階に居ると思いこんでいるだろうから。 まずは一旦外へと出てからよ。』
[その言葉に偽りはない。 ソフィアの部屋の窓から、黒い狼は少女を背負って飛び降りる。
その前に、念のためにと階段前に積み上げた木製の椅子に、二つほどのランタンをオイルを撒いて倒しておいた。 上手く炎が広がるかは判らない。けれど。]
(49) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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/* こっち来るつもりないっぽいよなー、うんうん。 しかけなきゃいけないよな。
(*53) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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―謁見の間―
…ぅ。
[変化した絵を見ても、視えることはないのだけれど。 …息を引き取っただろう、と考えた人は正解だった。 喉笛を掻っ切られているもの。 ばっさりと、なにかで切られているもの。 そして]
……左、腕、
[ツェリの絵。 ほんのり、左腕が、赤い]
……怪我、してる、
[カミーユが、相手を無傷のまま死んでいくとは思えなかったが。 …それでも、左手…左の前足というべきだろうか。 そこを怪我している、という情報は……何かに使えるだろうか、と頭を回す]
(50) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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― 湖側庭園 ―
[8番の部屋の窓から降りれば、そこは季節を越えて花の咲く庭園。 そっとソフィアを背から降ろし、ぴくぴくと聞き耳を立て彼らの会話が聞こえる先を探る。]
『ソフィア、彼らは方角から言って、恐らく謁見室にいるわ。 あなたは……』
[強く念じれば、イアンがツェツィーリヤに渡したボウガンを虚空から手繰り寄せ]
『これを持っていて。 ……使い方は、わかる?』
[わからないと返事が来れば、口頭でそれを伝えた。 反動が大きいため、恐らくは一発しか打てないことも。]
『打って欲しい時は、私が合図するわ。 だから、まずはソフィアは隠れていて頂戴。』
(51) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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/* 今北。
取り急ぎ、ケーキを欲している人がいたようなので >>+262やきにくん っ(モンブラン)
続きのログを読んでくる。 …全体的に表のログが少ない気がするのは、気のせいなのかな
(*54) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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怪我?
[エリアスの言葉を聞きつけて、視線を追う。 その先には確かに滲んだ赤があり、ゆるりと首を捻りながら――小さく、笑む。
成程、と。声にならぬ呟きを落として。 獣を迎える準備をしよう、と。記憶を辿りながら、血の撒き散らされた床を歩く。
念じれば手に入るこの環境は本当に便利だと、幾度目かの思考を伴いながら、呼び出した剣を引きずって、部屋を一周。
ぐるりと円を書いた其れを横切るように歩いて、次は斜めに歩を進めて。
剣先でつけられた痕跡は、歪な陣。]
(52) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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[謁見室の窓の見える位置の植え込みの奥にソフィアを誘導する。 角度と高さを合わせさせれば、あとは、狼が仕掛けるだけ。]
(53) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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[そうして、剣を消し。次は、小さなナイフを出して。 歪な陣に、複雑な文様を書き加えてゆく。
デタラメにつけているように見えて、規則性のある其れはひとつの言語。 円を辿るように、ひとつひとつ。
薄い痕跡は、目を凝らさねば見えぬだろうもの。 飛び散った血の残り香は、石の削れた香を掻き消してくれるだろうか。
気づかれても、構わない。白墨ではなく痕として記しているのは、その為だ]
(54) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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[ソフィアを気狂いだという声が聞こえ、狼の表情は歪んだ。]
……狂っているのは。
[あんな悪趣味な悪魔を従えて、罪悪感の欠片も持たないあなたの方じゃないかしら。
紅い世界にも響かない想いを呟く。]
(*55) 2012/05/29(Tue) 23時半頃
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