179 仮想現実人狼―Avalon―
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[>>65グレッグさんの呟きに、頷いた。 果たして聞こえているのか分からなかったが。]
そうですね。
[そう、淡々としている。 殺すことには痛みが生じるのは、彼女にとって当たり前だ。 だからせめて、苦もなく死ねるようにと早くトドメを刺す。 そして、美味しく食べて――。
というわけではないのが、この部屋の惨状で。 もう少し上手くできなかったのだろうかと、シロガネは部屋を改めて見渡した。]
…いいえ、こちらこそ不快にさせてしまったようで。 すみません……。
[と、謝る声に謝った。 去りゆく背中は追わずに。]
(71) 2014/06/03(Tue) 02時半頃
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……少し、片づけておきましょうか。 腐るかどうかは分かりませんが。
[と、ぽいぽいと飛び散った死体を毛布の中へと集めだした。]
(72) 2014/06/03(Tue) 02時半頃
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[抱え上げたトニーの様子を見ながら、広間へと向かう。 皆に報告をしなければ。
サイモンが、本当に犠牲になった、と。]
……トニー、大丈夫ですか? 先に報告だけしてきます。 気分が悪ければ横になって構いませんから。
[トニーをソファへと座らせ、記録アイテムへ簡単に報告しておく。 サイモンの死体の様子――すでにカリュクスが報告していた>>19モンスターと同じように、血液が部屋に溢れていたと。 死体もいつもの死亡ペナルティ中のデフォルメされたものではなかったと。
他のことは記録しない。 主観が混ざる内容は報告ではなくなるからだ。]
(73) 2014/06/03(Tue) 03時頃
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[――シロガネは、処刑について考えていた。 今日、誰かを処刑しなければならない。 きっと、その役割はみんな嫌がるだろう。様子を見る限りでは、知り合いも多いようだったから。
……なら、せめて。
その役割は、私が担おうと。 嫌な役割なら、私がやろうと。 心ひそかに、その決意をしていた。
……人狼よりは、上手くやろうと――。]
(74) 2014/06/03(Tue) 03時頃
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……最初の相手は、誰にすればいいんだろう。
[そんなことを呟きつつ、彼女の掃除は一通り終わる。 そうして、調理室へと戻る為に歩き出した。
サイモンの部屋には、毛布にくるまった肉塊が部屋の隅に隠れるように置いてあるだろう。
考えることは、処刑の相手だった。 ルール上、今日誰かを処刑することになる。 占い師のうち、一人は偽物だろう。どちらかの結果で人狼と出ていれば、まずその判定を確かめる為に殺すつもりだった。
問題は、どちらの占い師も結果は人間と言った場合だ。 その時には、誰を殺せば良いだろうか。
そんな物騒な思考は、まるでゲームのようで。
――というよりは、ゲームとして考えていて。 誰を殺せば、良いのか。 シロガネは、淡々と考えていた――**。]
(75) 2014/06/03(Tue) 03時頃
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[記録し終わり、珈琲を淹れる。 砂糖とミルクをたっぷり入れたものをトニーへと差し出す。]
僕の愛情たっぷりこめましたから。 火傷しないように冷まして飲んでくださいね。
[砂糖とミルクを入れよくかき混ぜている為、適度に冷めてはいるが、念の為にとそう告げる。
それから、ふとフランシスカのことが気になり始める。]
(76) 2014/06/03(Tue) 03時頃
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グレッグは、ずるりと洗面台にもたれて、ただ水の音が*響く*
2014/06/03(Tue) 03時頃
徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2014/06/03(Tue) 03時頃
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[システムメッセージにあったように、サイモンが「ダミー」として襲撃されたのならば、フランシスカはおそらく無事だろう。 しかし、気分が悪そうだったフランシスカが休んでいる部屋の傍でおきたことだ。
まだ姿を見ていない者たちも無事だとは思うが、姿が見えないと少し心配になる。]
……クシャミさんとフランシスカさんのスキル結果はどうだったのでしょうか。
[トニーの頭を撫でる手は、少し震えていた。**]
(77) 2014/06/03(Tue) 03時頃
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魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/06/03(Tue) 03時半頃
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[寝起きはさほどよくなく動けるまでに時間が掛かる。 昔からの事だがすぐに動けない事をこれほどもどかしく思ったことはない。 漸く寝台を抜け出してサイモンの部屋にゆく頃には ワンダがトニーを運び、グレッグが洗面所へと向かい シロガネが既に片付けて立ち去った後。 血の匂いが残る室内に足を踏み入れて、サイモンの身に起きた事を知る。]
――…っ。
[酷くリアルな悪夢にチアキは口許を押さえた。 こみ上げるものがあるが、ぐ、とそれを堪える。]
…………サイモン
[名を呼ぶ声はやや震える。]
(78) 2014/06/03(Tue) 03時半頃
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[過るのはこれまでのサイモンの姿。 当然、アヴァロンの中の彼しか知らないけれど 付き合いは長く、言葉交わすことも少なくなかった。 人狼というゲームを知ったのも彼が切欠だった。 痛かっただろうと思う。 痛覚フィルターがあっても痛いのを嫌がっていた姿を思い出した。]
……ああ。
[ダミーと言われ部屋に閉じこもった理由に思い当たる。 痛覚フィルターの事を知らずともささやかな痛みもこわかったのだろう、と。]
ちゃんと、話きいてやればよかった。
[何も出来ずとも不安を紛らわす為についていれば、と。 今となっては遅いけれど悔いる気持ちが湧き出してしまう。]
(79) 2014/06/03(Tue) 04時頃
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チアキは、マユミに話の続きを促した。
2014/06/03(Tue) 04時頃
チアキは、グレッグに話の続きを促した。
2014/06/03(Tue) 04時頃
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[アバターなのだと分かっている。 けれど酷くリアルな死が目の前に広がり その痛みが現実の彼にどのような衝撃を与えるかを考えて心は乱れてしまう。]
……………………………。
[悪趣味だ、と思うのはこのクエストを送りつけた者に対して。 何処かでこれもみているのだろうか、とぼんやり過ってまた悔しさが滲む。]
……は、何だってこんな事に。
[漏らした声はやるせない響き。
サイモンの姿も暫くすれば プレイヤーに狩られた敵と同様に消えてしまうだろうけど チアキはその処理が起きる前にサイモンの部屋を出た。]
(80) 2014/06/03(Tue) 04時頃
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[人が集まる場所へ行く事を考える。 広間に向かおうとするも途中でぴたと足を止めた。 チアキの耳にとまるのは流れる水の音。 顔をそちらに向ければ洗面所があり 其処には洗面台にもたれるグレッグの姿が見える。]
…… グレッグ ?
[問うような響きで名を呼び彼へと歩み寄る。 水に紛れながらも漂うは酸味がかったにおい。]
大丈夫、じゃ、なさそーだな。 背中、さするか? それとも、部屋まで運んでやろーか?
[掛けた声には労わるような響きがのった。**]
(81) 2014/06/03(Tue) 04時頃
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― 翌朝/宿の個室 ―
[目覚めは快適とは言いがたかった。 トニーがサイモンを発見してから、かなり時間がたった後にようやく目覚めて。
重苦しい感じがする頭に眉をひそめながらのそのそと動き出す]
――?
[廊下にでれば違和感を感じ。 それが、血のにおいだと気づいて。
ダミーだと言われていた、サイモンが襲われたのかな、と思う。 扉は閉まっているから、はっきりとはわからないけれど。]
(82) 2014/06/03(Tue) 06時半頃
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[でもいま確認する気にはなれなくて、広間へと向かう。 そこに誰がいたのか確認しないまま]
おはよう……、トルトニスは人間だったわ。
[スキル結果は誰かに見せることができない状態である。 ステータスならSSをとればみせれただろうけれど。 SSもとることができないし、他者へのステータス可視化などもない。
だから、口でしか伝えられないことを、その場で告げたのだった**]
(83) 2014/06/03(Tue) 06時半頃
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[状況説明に上がったリンダの声>>29に、意識のどこかがふと反応する。 妙に軽い言葉はどちらの現実に対する執着も思い残しも感じられない。
リンダの笑みに僅かなシンパシーを感じながらも、口に出すことはしなかった]
(84) 2014/06/03(Tue) 07時頃
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[調理室に向かうシロガネ>>28に兎肉を渡して、自分は少し水でも浴びてくるかと考える]
…お風呂使ってくる。
[そう言い置いて、適当な空き部屋に入る。 無機質に整った部屋はさすがにきれいだ。 普段のゲーム画面だと個室にはシャワールームの扉しか表示されていないが、ノブを回すと普通に入ることができた。
先に血のついた装備を洗ってみると、あっというまに元通りで水に濡れた風もない。 こういうところはシステムが生きているようだ]
…バランスが謎。
[綺麗になったコートをベッドの上に放り出して、ゆっくりと湯につかった*]
(85) 2014/06/03(Tue) 07時頃
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[風呂につかっているうちに少しうとうとしていたらしい。
目が覚めたのは2枚のドアを隔ててもまだ大きい、トニーの絶叫>>1のせいだった]
…何事。
[ただならぬ声に、タオルを体に巻いただけの姿で駆けつけるとそこには酸鼻な光景が広がっていた。
血が飛び散り、内蔵の散らかされた光景に少し眉をひそめ、リアルよりはまだましだな、と別のことを思い出す。 血と消化物と鉄、それに油の入り雑じった悲惨な光景の記憶は、サイモンの遺体の様子を冷静に眺めさせた。
そしてアバターにこれだけのダメージを与える手段と、その結果《中の人》がどうなったのかに想像を巡らせ。 …中の人の脳があまり想像力豊かでないことを祈った]
…ひどい。
[ワンダやリンダとともに部屋の中を覗き込んでいると、遅れてやってきたシロガネが隣をすり抜けていった。 兎を捌くところも見たが、思った以上に彼女はたくましくできているらしい>>42]
(86) 2014/06/03(Tue) 07時半頃
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[シロガネが遺体に毛布をかけたのを皮切りに、トニーを抱えて場を後にするワンダを追った。
グレッグが来たことは目の端に捉えはしたが、その後の邂逅は目にしていない*]
(87) 2014/06/03(Tue) 08時頃
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[部屋を後にしながら思う。
シロガネが霊能者でよかった、と。
あの様子を見れば、人によっては彼女に襲撃経験があるから、あんなに冷静なのだと考えかねない。
…しかし、どうしたものだろう。 確かルールによれば、今日から《処刑投票》が始まるらしい。 処刑者に選ばれたものをどうするか?
リアルに危害が及ぶ可能性を考えれば、なるべくなら気絶と幽閉程度で済ませたいと思う。
…システム的にそうもいかないのであれば、せめて一撃で。
兎と同じく首を落とせばてきめんなのだろうが、今の自分にそれだけのステータスはなかった*]
(88) 2014/06/03(Tue) 08時頃
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カリュクスは、タオル姿なのを忘れて広間のソファに腰かけ、考え事**
2014/06/03(Tue) 08時半頃
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[サイモンだったアバターが破壊された部屋。 アバター、破壊、人間そのもではない。 そう言い聞かせても、 一体サイモンはどの段階まで意識があったのか? どれほどの痛みがあったのか? 現実でも同じ状態になってないか? と、思わせるほど脳裏に残る映像は鮮やかで。 物音がする。人の足音。 俺の名前が呼ばれた。]
…………チアキ…… わりぃ………… 部屋まで、いいか?
[喉を酸で焼いたまま、 労わりが滲む声に俺は掠れた声を返す。 とりあえず笑顔を作ろうとしたが 果たして成功したかどうか? 彼の申し出に甘えて 手を借り部屋で休むことを選択した。]
(89) 2014/06/03(Tue) 09時半頃
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ー 空室 ー [チアキの助けを借りて、俺は寝台に横になる。 工房からもってきた荷物も脇に置いて。 結び目が気になってバンダナをほどけば 現実同様長めの前髪が軽く視界を覆うと 世界に対し淡く境界ができ内心安堵した。]
ーーーサイモン、大丈夫、かな ダミーって、村側? なら、まだ勝敗決して、ないし 消滅、はしてない、よな…………
[ぽつ、ぽつとそんなことをこぼす。 長目の前髪越しにじっとチアキを見た。 俺はうなづいて欲しかった*]
(90) 2014/06/03(Tue) 09時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2014/06/03(Tue) 09時半頃
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― 洗面所 ―
[水音が続く場所に掠れたグレッグの声>>89が届いた。 笑みを形作ろうとするが見えて困ったように眉を下げる。]
こーゆーときはお互いさま。 わりぃ、とか、いいから。 …………ああ。
[部屋まで、に頷いて]
と、行く前に――…
[手を蛇口から流れる水に浸して グレッグの口許を拭うため濡れた手を伸ばした。 次いで、口をすすぐよう促す。 此処での用が済めば水を止めてグレッグに肩を貸した。]
(91) 2014/06/03(Tue) 11時頃
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― 空室 ―
[寝台まで辿りつけば手は必要なくなるか。 そこに横たわるグレッグ>>90のバンダナが外されるを見る。 トレードマークと思うほどに親しんできたものが取られると 金糸が彼の目許に掛かり常と印象が変わるよう。 少しだけ意外そうに目を瞠るものの声が掛かれば瞬いて]
――サイモン、な。 大分痛かったんじゃねぇかと思う、けど。
[仮想現実での痛みに現実のサイモンにどれほど影響があったか。 耐えられる痛みであったか、と、そんな考えがちらと過る。]
(92) 2014/06/03(Tue) 11時頃
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[ぽつりぽつりと零れるグレッグの声を聞き]
ダミーは村側だな。 サイモンは村人だってシスメ流れてたから其処は確定と考えてる。 勝敗――…、ああ、そういえば、そう、だな。 勝負がつくまで、クエストの処理はお預けだろうから 消滅なんてしてねーし、させねぇ。 ――…、だろ?
[同意を求めるように、淡い笑み湛え首を傾ける。]
……いいから、今は目ぇ閉じて休め。 なんか飲み物もってくるから。
[そっと声を掛けてから扉のほうへと顔を向ける。**]
(93) 2014/06/03(Tue) 11時頃
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― 宿屋・調理室 ― [調理室へと戻れば、やりかけの作業をする前に少し血を洗う。
手についた人の血の味は、自分が出す血とはまた別の味がして――。 少し、甘めに設定してあることが驚きだった。
現実と同じように、ただの鉄の味だというなら人の死体を食べるのは難しいだろう。 ――しかし、もしかすると人狼が人の死体を食べることを想定して、味付けを食べ易くしてあるのではないか…?と思ったのだ。
そんなゲーム的な考察をシロガネはしながら、兎を解体する作業を再開した。幸い、もう少しで終わり料理へと取りかかれそうだった。
こんなにリアルな体験をすることが出来て、彼女は心なしか少し楽しげだった。]
(94) 2014/06/03(Tue) 12時半頃
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[ざく、ざくと作業を進めれば。 兎の皮と肉は、完璧に分けられた。
兎の肉はとても美味しいのだ。柔らかくて、少し甘くて、鴨肉のような味わいだ。それに、骨も調理すれば食べられる。この骨も甘くて、兎は外見と同じように味も優しい感じがするのだ。
兎の皮は、後で加工すれば帽子やフード、肩掛けなどに出来るかもしれない。 鞣す為の道具なんかが無いと流石に難しいが――、とそのことを考えるのも楽しくて。 血がつかないように丁寧に毛皮を端に置き、そして料理の為に調味料や器具を用意し始めた。]
(95) 2014/06/03(Tue) 12時半頃
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[兎のフィレ肉は、トニーに食べてもらおうか。 などと、シロガネは思う。 それは一番、おいしい部分だった。
さっきの様子を見れば、元気づける為にと言うことで他の人も納得してくれるのではないだろうか。 流石にこの量では、全員分にするのは難しい。 一羽からは彼女の拳の半分くらいの大きさしか取れないのだ。 美味しそうに刺し身を食べてくれた様子を思い出し、肉が嫌いでなければ良いけれど――。 などと考えつつ、フライパンの近くにフィレ肉を置いた。焼くのは簡単なので、調理するのは最後だ。 最初に焼いてしまうと、折角の肉も時間経過とともに固くなってしまう。]
(96) 2014/06/03(Tue) 13時頃
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[調味料はいくつかあったが、野菜が無いのが悩みどころだった。肉だけでは流石にバランスが悪い。 兎の肉は脂身が少なく、殆どが赤身だった。 部位によって味付けが変わると言うことは殆どなく、フィレ肉が少し取れる以外は大体同じなのだ。
そこで、まずシロガネは骨(ガラ)を利用して水で煮込み始めた。鶏がらと方法は一緒だ。 灰汁をすくいながら、じっくりと煮込む。 骨からスープを作るのだ。]
(97) 2014/06/03(Tue) 13時頃
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[その灰汁をとりながら、油を用意する。 から揚げも作るつもりだった。 それと焼いたものと、スープの3品。 スープを利用しての、煮込み肉も作れるだろうか。
材料があるならば、リゾットなども良いと思ったのだが。残念ながら、お米がない。 料理酒はあったので、ガラを使ったスープで煮込むことは出来そうだけれど。 肉と骨が単一では、やれることは流石に少なかった。]
(98) 2014/06/03(Tue) 13時半頃
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[灰汁をとりつつ、骨を一つ取り出した。 試しに一つ小さな破片を磨り潰して、味見する。 骨も、少し甘い。そして柔かい。 これならば、骨も調理すれば食べられそうだった。 骨の髄は結構栄養があって、こりこりとしていて美味しい。てきぱきと、シロガネは灰汁をとりながらお皿を用意したり、完成した料理を運ぶ為のワゴンを用意したり、調理室で忙しく駆け回っていた。]
(99) 2014/06/03(Tue) 13時半頃
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[灰汁を取る作業は、本気でやると約半日かかる。
……が、それはスープとして飲もうとするならだ。 味付けでスープを使い、そしてそのスープを飲むのは後回しにするということであれば短時間である程度は済ませられる。一品減ることになるが、その一品は後で出せれば十分だろう。
その途中のスープを使い、シロガネは料理酒と一緒に肉を煮込み始めた。これも灰汁が良く出るので、丁寧に灰汁を素早くぱっぱと取り出す。
スープと煮込みの間を忙しく作業をしていて、その作業の間は何かを考える余裕なんてなかった。 その灰汁とりこそが、後の味を決めるのだ。美味しさの為には、自分のお腹が減っていることさえも忘れて――。 じっと、その灰汁との戦いに励んだ。]
(100) 2014/06/03(Tue) 13時半頃
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