25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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貴方の身を欲しいとは思って居らぬ 私を試してみるならば、と 誘った裏に他意も無い
未だ、この身を少し 持て余している 所作を試してみたかっただけのこと
要らぬなら――…構わない
(*73) 2010/08/04(Wed) 18時頃
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思うように、伝えられぬ 嗚呼、冬の名残か
[軽い笑みを含んだ吐息 朝の日を浴びながら、瞳を細める]
花主は欲張りだ ……私には、思いつかなかった
(*74) 2010/08/04(Wed) 18時頃
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――…矢張り、意地が悪い。
[拗ねたように呟き]
裏の世で生きるなら 全てを捨てて一つを選べと 教わったのは、間逆
狼憑きが生きるには 常に危険が伴う場所故に。
[薄く哂う]
この足では、激しい運動は難しいのだけれど…… ……其れよりも、昨夜の汗を流したい 貴方は――哀れな花の運び手になる気も無い、か?
(*76) 2010/08/04(Wed) 18時頃
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― 庭 ― [楽の音止めてしまえば、庭には静寂が戻る。 僅かに鈴の音を聞いた。 顔をあげ、ずれた眼鏡をそっと指で押し上げる] ……?
[首を傾ぐ。 戯れに触れていた手をひらひらと手招いた]
(564) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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天満月の御子息さまとやら ……何処に居るのか とんと顔を見ぬが……。
やれ、どちらも私では不足と謂うか。 流石に 傷の付く事よ
(*78) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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……抱く?
私を幾ら抱いても孕まぬよ 受け継いだのは、種付ける術
喰らいたくなっては――確かに困る。
(*80) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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本当の事。
[嗤う音に、拗ねたこえ。 暫し間が空いた]
簡単に謂う。 私の居た場所は、貴方達の想像のはるか底辺 誰にも見捨てられた裏路地に子捨てが何故この世に起きるのか 財持つ家に生まれたものには遠い話。
(*82) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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――では、俟とうか 幾時も幾日でも
(*83) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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― 庭 ― [近づく鈴の音に、瞳を揺らす。 唇が綻び、僅かな弧を描いて]
……
[ほぅ、と息を吐く。 怯えた様子は無い]
手を
[近づく相手にかける声は硬質ながらも媚を含み 雪のように白い手を伸ばした]
(569) 2010/08/04(Wed) 18時半頃
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花になったのは……嗚呼、解らない 親は何故 同じ道を歩ませてくれなかったのか
世を狂わせる 其の為に危険の中へ留まり続けたのでは、無かったのか
[思い馳せるも、答えは出無い]
――直ぐに帰るといいながら 待てども待てども、置き去りのまま
[詠うこえが聴こえた気がした。 古い古い、知っているのは、冬の知識]
それは、失せもの戻るまじない歌……?
(*85) 2010/08/04(Wed) 19時頃
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― 庭 ― [触れれば、雪よりも暖かい 熱が引いたとはいえ、日の下で長く居た為に]
是を 日の下に、長く晒すわけにも
いかないんだ
[言葉を選び、紡ぐ これをと視線を一度膝の上においた弦楽器へやって。 少し眉を下げて困ったようにちらり見上げる冬の色 紫苑色を斜めに流し見遣る]
助けて。
(571) 2010/08/04(Wed) 19時頃
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別れを詠む 去なばの山の ……知りたいのは、うたの意味ではなく
[記憶の引き出しにあったのは もう千年もそれ以上も、古い古い書物のうた]
私が知るは 失せ者かえるよう、願うものでもあった故 其れを知る貴方は……失せものでもあったかと
詠み違えたか?
(*87) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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そう――…か?
[僅かな間は微かな疑問を浮かばせたが]
なら、良い
[短く零す]
(*89) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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― 庭 ― ……鳴らぬはずの音は、届いたかい [小首を傾ぐ]
花であれと、高嶺さまが仰るから かの人が 若しやと思ったんだ
それも、選定を終えたと聞けば 無駄だと知っているけど
[交えた瞳の色を翳らせ、つと視線を流す。 眉を下げ 薄くにじむ、目元の朱 握った手、引く力僅か強めて]
足を痛めていて……立ち上がるに これを持ったまま片手では難しくてね
(576) 2010/08/04(Wed) 19時半頃
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否、詮索はせんよ 立ち入るなと謂うならば。
[冬色が翳る 眉を下げて]
先刻の、庭に そのまま居る
足の怪我を失念していて ……立ち上がれなくなった
ひとつ花が其処にあるけれど
(*91) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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……姿は見ての通り 私も、昨夜生まれたばかり
子供には違いない
[くすくすと、わらう。 花開く 柔かな花びらの其の通り 徐々に変化しているのは トゲ混じる冬の名残が消えていく証拠]
(*93) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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― 庭 ― それは、そうだろう……ね まだこちらでは珍しい異国の楽器だ ロビンが習ったのは、舞も歌も
[言葉を紡ぐ所々に間が空く]
どうして? ……その答えは、彼だけが知っているよ。 迂闊と謂うけれど、お陰で私は目覚める事が――
[支えて引かれる 膝にあった楽器が滑り落ちそうになるのを空いた手が止めた]
あ、っ
[弾みがついた。 軸足で止められなかった様子で、体重はそのまま目前の相手へ 冬色に映ったのは、テラスにあったその人の影]
(581) 2010/08/04(Wed) 20時半頃
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― 庭 ― [ぐらりと傾いだ身は白鳥の傍に 片手で支えた楽器は落とさない。 一際大きく鳴った鈴 僅かに眉を顰める]
あぁ……思ったより力があるんだ? 目測を誤った
[見上げ、間近で囁く]
めが覚める……言葉どおりさ 態度を改めねばと、そう思った 噂の「ロビン」のままでは駄目なんだろう
実践中なんだよ。 もう遅いと、哂うかい?
[はにかむような笑みを浮かべ、心境の変化を告げる 視線は一度交えてから庭先へ]
(588) 2010/08/04(Wed) 21時頃
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お恥ずかしい所を……本郷、さま?
[身を預けたまま、視線の先の声に顔を向けた 名を確かめるように語尾があがる]
(589) 2010/08/04(Wed) 21時頃
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― 庭 ―
瀕死の白鳥ならば、習った記憶があるな。 あの舞は、特殊な床と靴が入用なんだけど
……白き鳥の舞 昨夜の……見ていられなかった、あれか
[遠い目をして、やがて首を振る]
嗚呼、もう問題無いよ 離してくれないか、少し汗臭いだろう 昨夜は高嶺さまに無理矢理床に押し付けられてしまったから
[つ、と片手で胸を押す際 指先がなぞる]
(598) 2010/08/04(Wed) 21時半頃
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― 庭 ―
……知っているも何も 色々な方が呼んでいたのは、聞き覚えて
います。
[語尾を迷う風に間が空いた]
足裏をぱっくりと切りまして 昨夜は臥せっていたんです 宴の最中に情け無いことですけども。
[首を傾いだ本郷に説明する。 不注意を恥じるように、眉を下げて笑んだ]
(599) 2010/08/04(Wed) 21時半頃
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此方でも、白鳥は湖に身を投げて死ぬね ……恋する相手と共にだけど。
[白鳥を振るわせた事に満足そうな笑みひとつ]
――――――ロビン。 それでも、聞き覚えはありませんか。
[名を知らないと言われ、眉を寄せた。 冬色は手元で鳴る音を見遣る。 下げた視線を追ってずれた眼鏡を指先で押し上げて]
眼鏡を割りました。 治療は、最初に夜光とセシル……いや、月瀬 が。
[簡素に語る昨夜の出来事]
(605) 2010/08/04(Wed) 21時半頃
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執事見習い ロビンは、呉服問屋 藤之助から離れる。「倒れないよ」と苦笑いを浮かべて。
2010/08/04(Wed) 22時頃
執事見習い ロビンは、本屋 ベネットの口から出た名と言葉の意味に瞬いた。
2010/08/04(Wed) 22時頃
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……え、ああ……見聞き能わぬままでは 花とも呼べぬ でしょう?
[続いて投げられた言葉に反応する前に間が空いた。 頷く]
今朝は、もうすっかり良いんですよ 歩くと痛みはありますが……眼鏡も頂いたし、視界は開けました。 しかし、夜に手当してから未だそのままでした。 ご忠告感謝します、本郷さま ……感謝ついでにお願い事など、失礼でしょうか
(611) 2010/08/04(Wed) 22時頃
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……そう、随分違う 高嶺さまに呼ばれた……なら 独り朽ちるのはキミじゃない
[まだだと本郷に語る白い鳥 視線を向けて、薄く笑みを引いた]
未だなら、早く行くといい 主の用事が第一だろう? 呼び止めてすまなかったね
(613) 2010/08/04(Wed) 22時頃
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― 庭 ― ロビンと、普通に呼んでくれれば良いのに。 意地の悪いことを謂うんですね?
[眉根を寄せて、少し見上げる。 音に反応して視線はまた下に。 手にした楽器と弓は日の当たらぬよう後ろ手に持った]
傷を残さぬためにも 一度湯を使い清めたいんです、が 先ほどお話した通りこの足では少し。 湯殿へ、私を……
[本郷の視線に促されるように願いを紡ぐが、語尾に迷う]
(623) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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……ロビンでも、名も無き花でも、徒花でも 何とでも呼ばれれば気付く。
少し意識が飛んだ。 日に当たりすぎたか……何かしたのやも。
[空いた間は名の通り空白の一瞬。 咲いた花にその間の感情が無い]
(*96) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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……未だ、違うのか……? 高嶺の花は
[目前での応答を見聞きし、呟く]
(625) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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―――…
[鈴のおと 扇が鳴る。
呆けたように、立ち尽くした 表情が無い]
(633) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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[唇吊りあげ息を吐く、本郷の視線に気付くのがまた遅れた]
ああ、嗚呼……ご無理なら構わないんです、本郷さま ひとりでも、時間はかかりますが たどり着けぬ事は無いと思いますし
[庭のこの先から、花達の棟のさらに奥となれば距離があって 大分難儀するのは目に見えている。 鉄色をした瞳を見上げる冬の色は翳っていた]
(635) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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ならば余り動揺させぬよう願う まだ……抑えられぬ
どちらもなど、貴方が謂うから。
(*98) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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