112 燐火硝子に人狼の影.
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ホレーショーは、本の頁を捲った。
2013/02/07(Thu) 23時半頃
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――…私を殺さねば、全て喰らい尽くしてしまうよ。 人狼の存在を知った者を生かしておく酔狂は一度きりだ。 喰われたくない者として名をあげたあの娘も 全て――…
[サリスとミドルの遣り取りを聞けば 己の意志を淡々と告げる]
(*16) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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殺させなんか、しない。
同じにも、させない。
[それは、今「あかいこえ」の方で、告げた意志。 人としての声でも、また、紡ぐ。]
……馬鹿。 お前を嫌いになんて、なれねェ、よ、
[男は上着を羽織り、ひとり部屋を出る。 途中、自警団の男と出くわす。テッドの処刑が済んだことと、フランシスカが喰われたことを聞くこととなる。 ――そうか、と。ただ一言だけを返し、廊下の先へ。]
(40) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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[動かないフランシスカの指先をもう一度、なぞる様に撫でる。 思い返すのはたった数日間の出来事だけれど。 怖かったけれども、それ以上に。 久しぶりに、人並みに扱って貰えた事が。]
……私にとっては、人よりも。 ほんの少しの気遣いだったとしても。 人外の方が、優しかったから。 それが嘘だったとしても、気紛れでも。良いんです。
[だって、]
(41) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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私は嬉しかったから。 優しい人達が、生きてください。それで、良いです。
[本当は、もう少し一緒に居れたら良いなって思うけれど。 その望みを口にすることは、無い。*]
(42) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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[――もし、他の選択肢として。
彼が少女を己よりも、あるいは同じ声を持つ者達よりも 優先するのならば。
己はいかに、動くだろうか。]
(*17) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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[二つ目は主人公を取り巻く環境だ。 一見、成長し、幸せになる為に必要なプロセスであり 大事な要素のように描かれているが。
何の事は無い。 結局はぬるま湯に浸かっているだけの馴れ合いであり 時にはそれを脱却する必要があるのではないか。
冷たい風を知らぬ子供が いざその環境に放り出された時の酷さは なかなか筆舌につくしがたいものがある。
それに気づくものが果たしていたかどうか という一点が、不安要素の一つでもあった。]
(43) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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“害を及ぼすようなら、殺す。 …――ンだろ”
[少女の人狼に、返すこえ。]
“あんた、も ………全部喰らう、心算、で”
[うつくしい男の人狼に、返すこえ。]
“……、………させねェ、よ。あの子、だけ、は”
[揺らぐ。心は、揺らぐ。それでも―――…。 あかいこえ紡ぐ人間はやがて、あかい痕>>3:124を見つけ出す。 立ち薫る鉄錆の花。開いた扉の、その奥を、覗き込む。]
(44) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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…………………馬鹿、
[慣れた、などと。 そんな声が聞こえてきて、揺らぐこえは、洩れる。 けれど、その後に続く彼のこえを、もう、聞いてしまった。]
(*18) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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――空き部屋――
[中に入れば、嫌悪を齎す赤い生臭い香り。 けれどその部屋に入るを忌避しなかったのは、少女の姿を目の当たりにしたから。 その声が、廊下にも微かに届き聞こえていたから。]
……其処に居たンかよ、メアリー。
[シーツで覆われたものに触れる、その少女>>28>>29の背に、声を一つ。 ここはテッドの部屋ではないから、眠る死者が誰であるかは察せられる。]
(45) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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―広間―
[遠い昔、同じになることを望んだ存在。 彼の返した声に、薄い笑みを浮かべる]
ばか、か。 そうかもしれないな。
[場所を同じくしない彼には聞こえぬ人の声で呟くは 否定ではなく肯定のそれだった]
(46) 2013/02/07(Thu) 23時半頃
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[先に光を見つけられない要素は数えればきりがない。 酔うのは簡単で、幾らでも貪れる。 しかし、そればかりを見ていてはつまらない。 悲観し、結論を諦めて投げ出すよりは、 少しでも解釈を変えて楽しむのが好いだろう。
そういうメッセージを得続けられる本はそう多く無い。 だからこそ人に例えられたりもするのだろう。
なんだかんだ言っても矢張り何処かで 幸せな結末を求めていたりもする。 それがホレーショーという男だった。
予定調和ならば予定調和でいい。 要は楽しめれば、それでいいじゃないか。 無き事を、楽しく感じ過ごすこと。
それも一つの結末と*言えよう*。]
(47) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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ホレーショーは、のんびりと欠伸した。
2013/02/08(Fri) 00時頃
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[掛けられる声>>45に振り向きはしない。 振り向かなくても誰かなんてわかっているから。]
…シーシャさんってば。どうして来ちゃうんですか。 もう、決めてるんです。良いんです。
[だから、揺らがせないで欲しいと。苦笑する。 これじゃあ折角、寝ている隙に出てきたのに意味がない。]
(48) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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…………馬鹿、
[さっき人ならぬこえでうつくしい獣に向けた言。 言葉のかたち同じ声を、今ここで少女に向ける。 その声>>41>>42が、聞こえてしまっていた、から。 そして今、顔も向けずに言い放つその言葉が。]
急に居なくなっちまったから、だよ。 人を ……惚れさせといて、何抜かすンだよ。何を。
[左手は口許の歯にではなく、銀のクロスの方に在る。 その右手は、振り向かぬ少女の肩へと、伸びる。]
(49) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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[薄いくちびるに刻まれた紅い痕。 ちろと赤く濡れた舌がそれをなぞる。 思い出すのは、甘美な血の味。 血の匂いに酔い高揚するあの刹那。 生きているのだと強く感じられる時間]
罪深い化け物、か。
[絵本を共に読んだ妹が漏らした言葉。 人狼がいなくなりみんな幸せになる。 めでたしめでたし。 よかったね。 無邪気に笑う妹に兄は「そうだね」と微笑んだ]
(50) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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[「惚れた」に近いは、人外なるものの方にもあった。 かれらは確かに気紛れで――何処か優しくもあったのだと思う。 けれどその緩さに浸ったまま、あの少女の傍に居て。 ――今朝になって突きつけられた、その少女の死の可能性。]
嬉し「かった」、って、何、だよ。 まるで、死にに行くようなモンじゃ、ねェ、か。
[あぁ、何時か誰かにも、似たような言を吐いていたのだったか。 その時は、見殺しにしてしまった、のだけれど。]
つーか、言い忘れてたけど、よ。
(51) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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別に、優しく無くたって。 ………生きてて、欲しいンだよ。メアリー。
(52) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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[散歩でもするかのように廊下を歩く。 やがて辿り着いた、まだ新しい血の匂いを漂わせる部屋。
その前で足を止め。
中から漏れ聞こえる声を聞いていただろう。**]
(53) 2013/02/08(Fri) 00時頃
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[少女か、サリスか。 どちらを喰らうかは、二人の会話を聞いた心次第か。]
――リヒトさん。 お願いしますね。
[昨日リヒトが漏らしていた声は覚えている。 下された結論次第では、今宵の狩りもまた リヒトの手によるものとなるだろうと。
サリスにも届いている事を知る故に僅かにぼかしつつも、 託す言葉をひとつ落とした。]
(*19) 2013/02/08(Fri) 00時半頃
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[人狼がいなくなれば妹は喜ぶだろうか。 兄がその人狼だと知れば哀しむだろうか。 人である妹の心は獣である兄には知れない。
「人狼が現れたらグロリアはどうする?」
絵本を読んだ後、尋ねたことがある。 彼女の答えは絵本の中の村人たちが選んだのと同じ。 たたかい、人狼を退治するのだと言った。
『おとうさまやおかあさま。 おにいさまも、わたしがまもってあげるの』
利発な妹はそんなことをいって胸をはる。 退治するといった存在を前に、守る、と。 両立せぬ言葉に、兄は「ありがとう」と妹の頭を撫でた]
(54) 2013/02/08(Fri) 00時半頃
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[馬鹿だなんて、知っている。 だから、それに返す答えは無い。けれど。 生きてて欲しい、その一言に。 漸く彼女の手をゆっくりと降ろして。振り向く。]
…秘密があるんです。 知ったら、皆離れて行っちゃうの。不気味って。 寂しいの、嫌いです。 だから、貴方に知られる前に…死んでしまいたい。
[けれど、もしも。と付け加えて。] どんな私でも、好きでいてくれますか。 ずっと一緒に居てくれますか。 …約束、してくれますか。
[視線は合わせず俯いたまま。 目尻からまた一粒、枯れた筈の何かが零れ落ちた]
(55) 2013/02/08(Fri) 00時半頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2013/02/08(Fri) 00時半頃
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[共存など出来はしない。 捕食するものと捕食されるもの。 一時ならば仮初の関係も可能であろうが 長くは続かない。 何れ破綻するのは見えている]
二つに一つ。
[己の心は既に決まっていた]
(56) 2013/02/08(Fri) 00時半頃
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[この人間の少女を、『人のまま』かれらに『協力させることが』できるか。そんな囁きも聞いて居たし、それが叶うならば――と思ったこともある。 けれど結局は人食いの人狼とすれば、喰わぬ保証がある訳でも無い。現に、己を獲物に、という囁きも、以前耳に届いていたものだった。]
――――…
[それでも、一つ過っていた思考。
――自警団なんかには殺させない。 そう何処かで思うのは、甘さであり、己自身のしがらみ。 結局は銃の力を借りた方が、という結論になろうとも――。 それでも、獣の姿に変じぬなら、男の腕で娘の首を絞めることは叶うかもしれない。
其処に近づく少女の存在>>53にはまだ気づかねど。 誰が見ていたのか、気づいたならば――…]
(57) 2013/02/08(Fri) 00時半頃
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[メアリー>>55が、漸く振り向いた。 その瞳を覗き込もうとしたけれど、彼女は俯いたまま。 彼女の口が紡ぐ、「秘密」の語。 不気味だと。寂しいと。――知られる前に、と。]
…………馬鹿。
[また、同じ言葉が零れる。]
ンなこと言ったら、オレもだわ。 ……見てねェ訳じゃ、ないんだろ。見せた、だろ。 今まで、どんだけ隠して生きてたと思ってるンだよ……。
[男の手は一度、ぐっと己の左襟を開けてみせて。 それからその手は、メアリーの顔を此方に向けさせようと、その細い顎に伸びる。]
どんなお前でも、受け入れるさ。 ………ひとりぼっちには、させねェよ。
(58) 2013/02/08(Fri) 01時頃
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好き、だ。
[零れる滴を拭うように、そっと、指で触れた。]
(59) 2013/02/08(Fri) 01時頃
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[自警団が催促に来るまで未だ少しの間がある。 男は杖を片手に立ち上がる。 調理場でチーズを切り分け生ハムと共に皿に盛り付ける]
――……、は。
[同胞の聲に小さく吐き出される息。 返事は直ぐには返さない。 聴いていると示すようにクツ、と喉を鳴らす]
(60) 2013/02/08(Fri) 01時頃
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[リヒトに向けたミドルの言は、曖昧なものだった。 サリスにも聞こえるこえなれば、その曖昧さも道理だろう。]
……………、
[何れにせよ、もう、甘い選択など、来はしないのだ、と思う。]
(*20) 2013/02/08(Fri) 01時頃
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[触れた指に>>59すくわれる様に顔を上げれば瞳が合う。 本当に?と。疑い出せば切が無いけれど。 真っ直ぐに自分を見つめた瞳を、信じたいと。 誰にも明かせぬ過去を見せてくれた彼に。 せめて、何かを返せるだろうか。こんな私でも。
臆病な自分は振り切って。漸く、願いを口にする。]
…私も、貴方の事が好き。――だから、
(61) 2013/02/08(Fri) 01時頃
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――死にたくない。 どうなってもいい。だから、ずっと一緒に居て。
[そう言えば、シーシャの元へと飛び込んだ**]
(62) 2013/02/08(Fri) 01時頃
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[チーズを切り分ける事は出来ても 紅茶を淹れる事は出来ない。 料理などした試しがない。 人として生きるのに必要な技能は欠けている。 それが無くとも生きていけるのだから それに対して不自由を感じたのも 集会所に隔離されてからのことだった]
これで良いか。
[酒場で出されていたのと同じ葡萄酒の瓶をみつけると グラス二つを添えてトレイにのせる。 そうして向かうのは、ホレーショ―のもと]
(63) 2013/02/08(Fri) 01時半頃
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[開けられたままの扉の向こうに ホレーショ―の姿を見つける。 扉の前で立ち止まり、コツリと一つ扉を叩いた。 彼の手元の本に一度視線を落とし]
お邪魔かな?
[コトと頸を傾げ問いかける。 酒と肴ののったトレイを軽く掲げて]
少し、付き合って呉れないか。
[彼と酌み交わす機会はこれが最後かもしれない。 そう思えば、此処に集められた際に交わした言葉が思い出され 気づけば彼を酒の席に誘っていた**]
(64) 2013/02/08(Fri) 01時半頃
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