17 吸血鬼の城
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>>17 [力が抜けたような様子の女を目にして、不作法にも近づく。]
おう、嬢ちゃん大丈夫か。 …そんなに悲観することでもねーだろ? でかい城ん中で楽しく過ごせると考えりゃあ。
それとも何か、彼氏でも待たせてんの? [迷子と言われていたこと、青ざめてはいたが純朴そうな顔立ち、敬語は使わなくてもいいだろうと判断して話しかける。
軽口をたたくが、女の不安を胸の奥では理解していた]
(26) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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ふ……
[笑みが毀れた。 吐息は意図せずとも誘う類]
そなたが伝える其の心と言うものが 私を愉しませてくれるやもしれん。 試す事も、しないのか?
[>>17座り込んだ女の前を、赤い裏地のマントを翻し通り過ぎ 詩人の前へと歩み寄る]
抜け出す為に足掻くのか? ……面白いな。 詩人、名を問おう。 答えよ。
(27) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[>>14 声に眉をひそめて見やったのはほんの一瞬。 主の嗜める言葉に、再び面差しは伏せられる。 まだ声の主が何者かには気づくことはなく――まじまじ見たとしても、恐らくそう簡単には記憶とは繋がらぬだろうけれど]
―――……、
[>>22 ただ己に注がれる眼差しには、 なにか?とでも言う様にゆるく首を傾いだ]
(28) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[服の裾を掴むトーニャに、不思議と孤独を癒された。]
ここに集まった連中の関係は知らんが、少なくとも、おれにはトーニャがいるワケだ。
[連中、を見回す眼が、白い服の従者の上に留まる。]
(29) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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セシ…ル。
[かつての知己と認めれば、流れた歳月が思いやられた。]
なんてこった。 おまえにとってまだ、あの「宴」は終わっていないのか…?
(30) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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地下牢があるのか。
[はた、と呟く。――何を考えているのか。彼女が消えたのは随分前の話だ。 頭を横に振り、しかしその事実は記しておく。後で向かってみるか、とも考え]
俺は……あなたのお気に召すような事はきっと出来ないでしょうね。
[自嘲気味な笑いを含んだ呟きを落としつつ、広間の面々へと目を向ける。友人の軽口には胸をなでおろしつつ、どこか怪しい空気が広間を覆っている事ははっきりと理解できた]
(31) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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――…誰もお兄様からは逃れられない。
[詩人の言葉に紡がれた女の声は哀しげ]
少し前なら逃げられる可能性を示してさしあげられたのだけど 今はもう……逃れられぬとしか言えない。 逃れられたはずの者も、戻ってきてしまった。
[チラと視線を向けた先には長身の男の姿。 以前の宴でみた姿とは変わってしまっていたけれど その者だと分かるのは並外れた嗅覚のせい]
(32) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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>>10 満足するまでは、霧が晴れない? 楽しませるために招かれた……? [自分は自分の意思でやってきたのだ、そんなことのためにでは――だけど、本当に自分の意思だっただろうか。とふと思って……ふるふると首を振る。]
>>13 え?
[聞き覚えのある声に思わず振り向く。空耳だろうと――]
あ……イアンさん……?
(33) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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私のローズ……お前は客では無いだろう? 傍に居るだけで、充分私は満足している。
[人間の中では類稀な美しい薔薇を この手で手折ったその瞬間と 変じた彼女が作り出す新たな犠牲者と 其れを眺める事こそ、城主を愉しませているのだが]
愛しいローズ。 お前に甘いのは、仕方が無いだろう。 永遠に続く孤独の中で漸く見つけた同胞なのだからな。
[人の言う愛は、城主には当てはまらない。 けれどその薄い唇は愛しいとそう何度も彼女へ呟くのだった]
(*2) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[目の前に来た領主(>>27)の視線から目を逸らす事無く、]
――ユリシーズ・タウンゼント
[飾りの無い名乗り。 それは言葉を紡ぐ詩人にとっては勝負を挑む決心。]
(34) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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あ……。
[力なく隻眼の男を見上げる。]
いえ、そういうわけではありませんが……。
[ふるふると首を振り、男の言葉を否定する。]
ただ、どうしようもなく不安なのです……。
[女は、今にも泣き出しそうになるのを堪えながら、男に話す。]
(35) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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>>26 え、あれ、イアンさんだけじゃない……ドナルドも? ……なんでこんなとこに居るの? [一瞬今の怖さを忘れてぽかんとする]
(36) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[死んだ詩人、と自らを表した男性へ、城主が近寄っていく。 それを、伏し目がちに見ながら
そろり――、と
扉の方へ、後ずさった。
――ここにいては 息が、出来ない…。
微かに呼気を荒げて、 そっと扉の傍へ寄る。]
(37) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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>>33 [見覚えのある背中が、はっきりこちらを向いた。 顔を歪めてから、すと数歩近づき。城主の方を窺いつつ、低く囁いた]
――どうして、ここに居るんだ。
(38) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[セシルが「従者」だというなら、あとで呼びつけて話をすることもできるだろう。 ひとまずは彼から視線を外し、地下牢行きをほのめかす城主に返す。]
あんたの目に余るようなこと――してみたいねぇ。
[城主の“妹”の視線にも、いかつい微笑で応えた。]
(39) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[一同を睥睨する血色に濡れた瞳が、僅かでも黒曜石の瞳と交差すれば、少女はふらふらとヘクターの背中を離れて。
そして、魅入られたように城主の下へ向かおうとする]
(40) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[其々の言葉は城主に届いていた。 イアンの自嘲も、青年>>33の不思議そうな声音にも 口元に湛えた笑みを向けて返す。 誘いかける風にも、疑問を肯定する風にも取れる其れ。 >>34詩人の名乗りを聞けば、僅かに肩を揺らして]
そう、ユリシーズ 覚えておこう。
[芯から蕩けさせるような声で囁いた。 象牙色をした指先が伸びる先には、朱に染まった白いチーフ]
(41) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[>>37 贄の少女の辞そうとする姿を、そっと目に留めれば]
――…皆様、どうぞ、あちらを。
稀なる客人である皆様方への心ばかりのおもてなしにございます。いつでもご用意は出来ておりますので、気が向かれましたら歓談など交えて、ごゆるりとご飲食をお楽しみ下さいませ――。
[天の色持つもつ青年は、その穏やかな面持ちを崩さない。 広間から続く食事の間では影の手で常に晩餐の準備が整えられている。並ぶ食事に贅は尽くされているものの、そう堅苦しいものではなく。 ――特別な日に饗される家庭料理サルマーレなども並ぶ]
……トゥルナバはやはり白をお勧めいたします。
[飲食に興じる、などという雰囲気ではなくてとも、己の行く末を悟った者は酒精を欲することもあるだろう。気に入りのワインを勧める声音は優しげなもの]
(42) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[>>24「褒美」「人の身では味わえない快楽」 その言葉に心が揺れた事は、男自身よく分かっていた。 喧嘩騒ぎばかり起こしてきたのも、マフィアのボスの所有物(女)に手を出したのも有り体に言えば――
>>35目の前の女の声で心が戻る]
あ?不安? [その顔を片目でじっと覗きこめば、瞳がうるんでいることを知った。ぎょっと焦った素振りで] …な、泣くなよ?泣いても俺ぁどうしたらいいかわかんねーからな?
(43) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[顔ぶれをざっと眺めれば大多数は、街の住人のような顔ぶれ。それだけを見れば、地方領主の慰安にも似た一風変わったお遊びの戯れと思い込んでしまう]
このような場所での娯楽となれば、限られてしまうもの。
[彼らの引き攣った表情、張り詰めた空気などは何故か一切読み取らず、感じ取らずに独り言]
とは言え、詰まらぬ事を言って、興を削ぐのは本意ではありませんわ。 さて如何致しましょう。
[宿借りの身とは言え、自分も客に含まれるのであれば、何かを考えるべきなのだろうか――などと暢気な事を呟いていた]
(44) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[広間を辞そうとするものに、セシルが晩餐へ招く声が聞こえる。 よく出来た従者だと、内心で褒めた。
>>39いつかの気配を纏う男の声が聞こえると 獲物へ向けるような凍てつく視線を一度投げて寄越す。
>>40その彼の傍からひとり此方へ歩み寄る姿に気付いている。 害を及ぼす気配は感じられない。 さて何用かと思いながらも、声がかかるまでは気付かぬフリをする事にした]
(45) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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[かつての宴の招待客。 ヘクターの言葉と微笑にゆるく首を傾げる]
貴方が私を愉しませて呉れるの?
[本気とも冗談とも分からぬ言葉を紡ぐが ふらふらと兄に近付く小さな招待客へと目をとめ 愉しそうに唇に笑みを刷いた]
(46) 2010/06/20(Sun) 00時頃
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>>36
[自分の名前が聞こえて男は振り返る。 何故、まさに「馬子にも衣装」状態の時に友人と会うのだろうか。それが一番最初に頭に浮かんだ。]
ベネット、なんでってえのは [俺の台詞でもあるんすけど。 続きの言葉はイアンの勢い>>38に消された。 肩をすくめて二人の行方は知らんぷり]
(47) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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お初にお目にかかります。 私、グロリア・バイルシュミットと申します。
[ユリシーズの元へ向かい会話を交わした主>>45を見れば、一言挨拶ぐらいはと思い二人へと近づいた]
この度は、一夜の宿借りはおろかこのような催しにお招きいただき有難う御座います。
[...は喩えるなら地方領主の風変わりな趣向に興を減じないようにという姿勢で、殊更恭しく挨拶をしてみせた。少なくても恐怖や畏れなどは微塵も感じ取れていないような鈍さと共に]
(48) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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>>38 どうしてって……僕は、…………姉さんを探しに。
[すっと視線をはずして小さな声で。嘘をつくときの何時もの癖。分かりやすい所為で、よく居なくなるまでは姉に怒られていたけれど、ついに治ることは無かった]
イアンさんこそ……どうして。
(49) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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『虚ろな丘』……
[食事を勧める声が従者から放たれる。>>42 彼は人間なのか、それとも城主と同類のモノなのか、それは判別できぬまま。 呟いたのは、迷いこんだ場所で差し出された物を食べた人間の伝説。手を出したが故、永遠に元の世界へは戻ってこれなかった人間の――]
どうも、ありがとうございます。
[礼は述べるが、食事の間に足を勧める気は無かった。 広間に立ったまま、その場の人間と城主『兄妹』に厳しい視線を走らせている]
(50) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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[>>28 ちらりとセシルの枷を見やったが、それに彼が気づきこちらを向いたあとは、なんでもない、というように首を振って、視線を泳がせる。]
――………さて、そうですか、霧の晴れる方法は…。
[みなの話を聴きながら、城主なる人物の仕草を長める。 それから、さまざまな声があがるほうを見て、
さすがに荷は降ろし、適当にかけた。]
(51) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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あ……。 いえ、泣いてなんて、ないですよっ。
[男の慌てた様子に、瞳から溢れそうになった涙を慌てて拭うと、足に力を込めて立ち上がる。]
あ、あの、すいません、変なこと言ってしまって……。
[ぺこり、と頭を下げる。]
(52) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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[>>41の伸びる指先を軽く跳ねのけて、踵を返す。]
触るな―…‥
[心の鼓動はすでに限界に達していた。 それを抑える様に冷静な口調で返すのに努力を要していた。 これが今の男の最大限の抵抗だった。
そしてその場から立ち去る。 ――紅い花を咲かせたチーフを落とした事も気付かずに―…‥。]
(53) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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客人ではないけれど…… 私はお兄様の為だけに存在するの。 お兄様に喜んで貰える事が無上の喜び……。
[目覚めて初めて目にした美しい兄に心酔していた。 長く共にあれど其れは変わる事無く]
愛しいお兄様。 貴方の孤独を私の存在が少しでも埋められたなら……
[薄い兄の唇が紡ぐ言葉に女の心は満たされる。 それは先ほどまでの飢えさえ忘れさせて呉れる魔法の言葉]
(*3) 2010/06/20(Sun) 00時半頃
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