6 偽りの聖戦《イミテーション・ジ・ハード》
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……ん?
[声が聞こえた。少年にとってはいつもの事だ。 そしてその声が、厄介事を運んで来るのも、いつもの事。 街の雑踏の中で、少年は怪訝そうに眉を顰めた。]
ちょっとリィン。人のいる所じゃ声出さないって約束だろ? その度に変な奴に思われるのは、僕なんだから……
『ごめんね? けど…けど、感じるの。 なにか大きな力《マナ》の流れ――』
[鈴の震えるような声。しかしそれは、少年のような力在る者《ジーニアス》にしか聞こえない。いつもより怯えているような様子に、少年――如月・翔太(ショウタ・キサラギ)はぎゅっと胸元を握った。
正確には……服の下に密かに提げている、クリスタルの鍵を。]
(15) 2010/03/16(Tue) 20時頃
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……また何か、起こるの?
『ううん、近くはないみたい。けど、気をつけて。』
気をつけろったって、僕にはどうしようもなぁ……
[ため息と共にランドセルを握り直すと、少年は再び雑踏の中へと溶け込んだ。]
(16) 2010/03/16(Tue) 20時頃
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[つめたい。
鏡。 映すモノがなければ、そこには何もない。
無機質な世界に動くのは、ただひとつ。少年の姿。]
もうすぐ、映し手<<アリス>>が来る?
[前の世界が死んでから、もう幾年経っただろう? どれだけの間、探し続けていたのだろう?]
くすくす、くすくす。
[少年は、笑う事を、止めない]
(17) 2010/03/16(Tue) 20時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/03/16(Tue) 20時頃
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―エリシュ街―
…………。
[女は先ほどの『枢機院』での顛末を追想していた。 任務完了の報告。 そして休む暇もなく、すぐに言い渡された新しい任務…といってもやることは同じであるが。
――異形のモノ、《咎屍》の討伐。]
(18) 2010/03/16(Tue) 20時頃
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[親も、学校の友達も、きっと誰も知らない。
彼が不思議なクリスタルの鍵――秩序の鍵《コズミック・キー》の《リィン》と友達であることを。 そして、彼女の言葉に導かれ、密かに異形のもの《ナイト・ウォーカー》らと戦いを繰り広げていることを……]
(バレても、どうせ信じちゃくれないだろうしね。 こんなマンガみたいな話。)
[一般人《ノーマル》の小学六年生の自分。それも彼は大事にしたいと思っている。]
わわ、塾の時間……!
[腕時計の時間を見直すと、弾かれるように走り出した。]
(19) 2010/03/16(Tue) 20時半頃
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[からり] [時計塔の上、純白(しろ)が奏でるは、銀色の竪琴の音色。]
(20) 2010/03/16(Tue) 20時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/16(Tue) 20時半頃
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――この世界では、見つけられるだろうか…… ……私の―――― 『 』 [呟いた詞は、風に消え――――] [純白の姿も、もうそこには *ない*]
(21) 2010/03/16(Tue) 20時半頃
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[揺れた。
懐かしい気配を感じて、ふと下を見る。
けれどもすでにそこには何者の姿もなく。 水の向こう、ちらと映るは銀糸のみ。
この光は、いつかの昔に見たような気がして]
だれだろう?
[永い刻の中で忘れてしまった。 また出会うことがあれば、その時こそは思い出せるだろうか]
[こつ、こつ。 小さな足は、どこへ向かう?]
(22) 2010/03/16(Tue) 21時頃
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[世界を渡る――その途中で懐かしい気配を感じ取る――>>22]
――?
[しかし今自分に見えるのはまだ見ぬ主殿への道しるべのみ。後ろ髪を引かれるような、そんな感覚を覚えながら女性は光を渡る]
(23) 2010/03/16(Tue) 21時頃
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―某大学A棟校舎上空―
[そして女性は光と共にそこに現れた]
ここに……、ここに、俺様の主殿がいるのか?
[セクリィス湖が指し示した人物。それが自分の探す主なのかはわからない。けれど、ここにはなにかある。それは確かで]
(24) 2010/03/16(Tue) 21時頃
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それならば。
[ふと自分の衣服を見やる。道行く学生と見比べるといささか卑猥な格好]
さあ、我が母セクリィスの湖より生まれし河川・淀の川よ。 我に力を貸し給え。
[遠く右手に見える河川・淀川。それに向かって祈りを捧げる]
(25) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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[淀川が光り輝き、水面が浮かび上がる。水が爆ぜ、雫が滴る。その水滴が女性の身体に纏わりつく]
……よし、これで俺様もこの国の女子大生に見えるだろう。
[白くふんわりとしたカットソーに黒いシフォンスカート。ピンクのストールを首を巻いたその姿は確かに普通の女性そのもの。銀の髪は変わらぬがそれが不自然だという事は女性は気付かない]
よし。
[ふわり。校舎の上から地上へと降り立つ。目標はひとつ。求める人物を探し出す事]
(26) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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【とある街角】〜日が暮れたばかりの頃〜
[一人の青年が薄汚れた路地裏で呆然と立ち尽くす]
事態はとても………深刻だ。
(27) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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[今日もまた、向こうの世界を見て歩く。
ランドセルを背負った少年。 異形と戦う女性。 竪琴に映った白。
いつもと違ったのは。 映った者達は皆、何かを持ち合わせているようであった事。
映し手<<アリス>>はこちらからはわからない。 ボクが見える人には、いつになったら出会えるだろう?
きっと、もうすぐ。]
(28) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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−ところで。
[ラルフが話しかけてくる。]
−その機械の名前は……決まったのか?
[意味深にも思えたが、実の所は機械の名前というたわいも無いものだった。前世の頃から気にしていたのだろうか、それを手に入れられるかもしれない興奮が伝わってくるが落ち着かせるように話す。]
安心してください。素敵な名前を用意しています。 ……Wolf<<ヴォルフ>>。
親機の方はWolf-a<<ヴォルフ・アー>>。 子機の方はWolf-z<<ヴォルフ・ツェット>> という名があります。
−そうか、良い名だ。 さすがは私の魂を受け継ぐ者だ。
[それを聞き、ラルフは不敵に微笑んだようだ。 亮としても自作自演感が否めないが、褒められて悪い気はしない。]
(29) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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[歳の頃は16、7といったところか。全国チェーンの本屋≪純九堂≫のエプロンをしたごく普通の青年が、暗い路地裏で一人ぶつぶつと呟いている]
まずは落ち着こう俺。 どうしてこうなったか順に考えよう。
「にゃぁ〜お…」
[鳴き声に振り向けば、青年をじっと見つめる金色の双瞳。その双瞳の持ち主の黒猫に青年はなぜかホッとした表情を浮かべた]
お前、聞いてくれるかい?
(30) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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―某大学メインストリート―
[大学のメインストリートを闊歩する。今の自分は教育学部3年次生。もうすぐとある小学校へ教育実習に行くために準備に勤しむ教員志望の大学生。そう頭の中で反芻する。ぬかりはない。偽造した学生証もある]
[道行く学生と自分の姿を見比べてニヤリと笑う。目的の人物を探すだけなら別にここまでしなくてもよいのだが、これは単に自分の趣味だった]
(31) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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[今度に映ったのは]
―――!
[青年、だろうか。 見た目に合わず発せられるただならぬ気配。
随分と昔にもこれは見た。見た目こそ違うが覚えている。 彼は一度、ここに立ち入ろうとしたのだ]
また、か……?
[何かのチカラが、こちらに干渉しようとする]
(32) 2010/03/16(Tue) 21時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/03/16(Tue) 21時半頃
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―某大学・第3男子寮―
[目的の地は男子寮――管理人にはサークルの忘れものを届けに来たと言い、他の学生には彼女の振りをして中に堂々と入る]
[そして、ある部屋の前で立ち止まる。その部屋の主は――長谷川亮]
(33) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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…彼は、映し手<<アリス>>? いや、何なのかわからない…ッ!
[チカラの矛先を、別の世界へ向けようとする]
此所だけ、は、…―――
[果たしてうまくいったかどうか。 それは、機械が繋がった先によってわかることだろう]
(34) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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[コンコン。ドアをノックする。そして息を大きく吸って声を出す]
こんにちわぁ。 長谷川く〜ん。
[甘い、甘い声で。これが女性が認識する女子大生の口調]
あたしィ、飲みサーの3年の吉田鈴恵だよ〜。 飲み行こうよ〜
[適当にまくしたてる。相手に心辺りがなくてもこの大声で部屋の前で叫んでいれば出てくれるだろうとの計算だ。完璧]
(35) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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[青年はじっと見つめてくる黒猫に、とうとうと話かける]
ねえ、猫。 俺はこう言っちゃなんだが、ごく普通の高校生なんだ。 部活も引退したし、大学も推薦が決まってる。 それまで部活三昧で一度も経験したことがなかったバイトをやってみたくて、つい最近本屋で働き始めたりもした。
ごく普通の高校生なんだよ、俺。
(36) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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−亮、外に誰かが居る。
[ラルフが呼びかける。]
外に? ……大学内での交友関係の無さナンバーワンの僕に用がある変わり者が居るって言うんですか?
それとも……僕の命を狙おうとしている誰かさん、ですとか? 仮にそうでなくても、新聞か保険の勧誘でしょう。
おかしいですね、勧誘避けの対策はしてあるはずなのですが……。
[それならばうかつに出ない方が良いかもしれない。 とりあえず様子を見守る事にした。 チャイムが鳴れば、用事だと思いあしらい方を考えながら出るだろう]
(37) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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――ガタン!!
[>>37部屋の主がドアを開けるなり、有無を言わさずその者に抱きつき部屋へ自分も押し入った。まるで押し込み強盗のようなその様子は傍から見たら女子大生が意中の男性に甘えているように見えるはず。完璧]
(38) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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…………?
[街道を歩く女の瞳。 その側に先ほどまではそこにいなかったものが映りこんだ。 ――こちらを見つめている、少年とも少女ともつかぬ姿]
………!
[素早く身構えるが、それはやわらかな光へと姿を変えた]
なんなの、これ……?
[光を怪訝そうに、しかし魅入られたように。女はじっと覗き込んでいる]
(39) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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[頭の中でシュミレ―トする計画は完璧完全ぬかりなし。よし、と気合を入れて再び甘い声を出す]
は・せ・が・わ・く〜ん!
(40) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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[外から声が聞こえてくる。>>35]
女の声……ですね。
[女友達に知り合いはいない。しかもご丁寧に名前まで喋ってくれてはいるが、吉田鈴恵等という名前は知らない。]
……!?
[自分がこの寮に入っている事、そして部屋を知っているのは大学の事務課の関係者くらいしか居ない。名前すらも知らなかったはずの女が何故ここを知っているのだろうか。 事務の関係者が寮の部屋や寮の場所をそう教えるはずは無い。ましてや女だ。余計に知っているはずの無い事だ。]
(41) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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歌い手 コリーンは、チャイムを鳴らす。1回、2回、3回……もはや悪戯の領域の回数。
2010/03/16(Tue) 22時頃
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……ただならぬ予感がします。 どうやらこの人には……会っておく必要がありそうですね。
[恐る恐るドアを開けて、声の正体である吉田鈴恵を見る。 名前こそは吉田鈴恵ではあるが、それが本名かどうかはわからない。ここに辿りついたのだから、本名を誤魔化す事くらいたやすいだろう。]
はい。呼びましたか?
[怪訝そうな声で向こうに居る吉田鈴恵に話しかけた]
(42) 2010/03/16(Tue) 22時頃
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