88 吸血鬼の城 殲滅篇
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ふん……
[鼻を鳴らすような吐息に覆いがたく滲むのは、愉悦。]
"親"にそんな口をきく"子"には、 躾が必要だなぁ。
[弱々しいその声に、抵抗の意志は薄いと知りながら、 "血の親"たる義務にかこつけて、罰を口にする。]
(*13) 2012/05/01(Tue) 19時半頃
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おまえの為を思ってのことだぞ?
[優しさを装った声を掛けながら、見えない手を伸ばした。 血の縁をたぐり寄せ、内に流れる己の血を操って きつく、内腑を締め上げる。 魔に堕ちる前、受けた痛手を思い出させるように。
懲罰は尾を引く苦痛だけを与え、 ごく短い時間続いたあと、引いていった。]
(*14) 2012/05/01(Tue) 19時半頃
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良い子にしていたら、ちゃんと褒めてやる。 だから、オレに逆らうな。
いいな?
[支配の絆を刻みつけるように、言葉を突き立てた**]
(*15) 2012/05/01(Tue) 19時半頃
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― 中庭 ―
良かろう。
[宣誓(>>81)を聞き入れ、 捧げられた剣を掴んで騎士の頭上に擬し]
ヒュー・ガルデン。 いまこのときよりは、 血盟騎士《ブラッドナイト》の称号を加えて名乗るが良い。
[告げると同時に剣を振り下ろした。]
(106) 2012/05/01(Tue) 22時頃
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[本来ならば、切る真似事をするだけの儀式。 だが、刃は首と肩の付け根を砕き、 胸の半ばまで食い込んだ。
噴き上がる血が落ちるよりも早く、 柄をさらに突き入れるように押し倒し、 騎士の身体を地面に縫い止める。]
(108) 2012/05/01(Tue) 22時頃
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貴様の血は、"娘"に。 貴様の命は、オレに。
[降りかかる鮮血は、闇の主を赤く染め、 騎士の傷口から迸る血が、地面を黒く染め変える。
流れ出す命が城に吸い込まれていくのを 真剣な目で見守っていた。]
(109) 2012/05/01(Tue) 22時頃
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―――…おいおい
[見ている、と宣言したとおり、 意識の一部は眷属の動きへと向けていて]
だれがオッサンだ。だれが。
[別に声を届かせる気もなく、存外楽しげに文句をつけていた。]
(*19) 2012/05/01(Tue) 22時半頃
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― 中庭 ―
[手についた血に舌を這わせ、降り注いだ幾ばくかを舐め取る。 もっと貪りたい衝動も覚えたが、今はそれを無視した。
短い痙攣が途絶え、騎士の身体が動かなくなる。 それを見届けて、横たわった身体を踏みつけ 深々と突き立った剣を引き抜いた。
新たに開いた傷口からなおも血が溢れるが、 もはや、勢いはない。]
(126) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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[抜いた剣の切っ先で自分の腕を浅く刺し、 魔の気帯びる血を騎士の身体へと注ぎ掛けた。
ドナルドの時と同じく、血は青み差す身体へと呑み込まれ 大きく開いた傷口が次第に癒えていく。
しかし、その速度はドナルドの時と比べて、 明らかに遅かった。]
(127) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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……しゃーねぇよなぁ。 ふたり立て続けなんざ、オレも久しぶりだし。
[眷属を生み出すことは、命を分け与えること。 さすがに消耗していたかと苦笑して、 騎士の身体を肩に担ぎ上げる。]
(129) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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……… 一旦、風呂でも入るか。
[勢い良く斬りつけたせいで、 頭の先からつま先まで、くまなく血を被っていた。 濃い血臭は心地良いが、濡れたままではさすがに気持ち悪い。
騎士一人担ぎ、機嫌良く鼻歌を歌いながら 中庭から厨房へと続く扉を開けた]
―→ 厨房 ―
(132) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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なんだ。聞いていたのか。
[自分が盗み聞きしていたことも棚に上げて、 返ってきた囁きに、心外だとばかりに眉を上げる。]
(*21) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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しかし、案外と楽しそうじゃねぇか。
[笑い含みに指摘したのは、戦いぶりのこと]
(*22) 2012/05/01(Tue) 23時頃
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[ためらい、惑い、一拍を置いて、 おずおずと手を伸ばすように、『声』が届く。
不安。或いは、心配する響き。 微かに感じたそれらを、鼻で笑い飛ばした。]
なんでもねぇよ。 余計なこと考えてねぇで、 目の前に集中しやがれ。
(*24) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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良い子で帰ってきたら、 あとで良いことしてやるからな。
[嘲笑と揶揄を込め、 それ以上の問いを拒むように声を投げた。]
(*26) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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― 厨房 ―
[ご機嫌な鼻歌をそのままに、 厨房に踏み込んで、階段へと向かいかける。
その足を止めさせたのは、 カーテンの向こうから聞こえる複数の声。]
(144) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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……………。
[肩に騎士の身体を担いだまま、 どうするべきかと耳を峙てる間にも、 口元からは愉しげな笑みが消えなかった。]
(145) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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…。
ま、おまえが言いつけをちゃんと守っていれば、 おれは満足だがな。
[残念かとの言葉(>>*27)へ、ごく軽い調子で声を返し、 動揺の気配(>>*28)には忍びやかに笑みを漏らして あとは口を噤んでおいてやった。]
(*29) 2012/05/01(Tue) 23時半頃
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― 厨房 ―
[カーテンの側に立って様子を探れば、 討伐隊の三人が大広間で話をしているようだった。
最初に来た人数を思い出し、 死んだ者、死につつある者、眷属へと変えた者の数を引けば、 そこに、生き残りの全員がいると知れる。]
……。
[もうしばらく考えたあと、 やはりご機嫌に鼻歌を歌いながら、大広間に踏み込んだ。 どのみち、階段はその先だ。 別に、使う必要もなかったが。]
(155) 2012/05/02(Wed) 00時頃
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― 大広間 ―
[大広間には、やはり人間共の姿が3つあった。
そちらの方を一瞥しただけで、 当たり前のように階段へ向かって歩いていく。
大広間の惨状には少しばかり眉を顰めたが、 機嫌が悪くなるほどでもなかった。]
(158) 2012/05/02(Wed) 00時頃
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