88 吸血鬼の城 殲滅篇
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おまえは、あとで泣くほど可愛がってから じっくり殺してやる。
―――楽しみにしておけよ。
[言い終えると同時に、身体は粘性の闇へと変じ、 隻眼の男を飲み込んで、ずるりと窓から外へと出て行った。
闇の主がいなくなれば、次第に闇は晴れ、 扉の鍵も解放されるだろう。]
(156) 2012/04/30(Mon) 23時頃
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ヘクターは、ドナルドを飲み込んだまま、物見塔(27)へと流れ行く。
2012/04/30(Mon) 23時頃
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あー。 本気で、腹減ってきた。
[度重なる聖属性の攻撃を受け、 身体は傷つき、血も失われている。
これを癒すために必要なものはなにか。 それは、身体がよく承知していた。]
(*4) 2012/04/30(Mon) 23時頃
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……ま。 この際、男の血でも仕方あるまいよ。
[先程から、流れ続けている血に目が引き寄せられる。 渇きは、今や絶えがたいほどに強まっていた。]
(*5) 2012/04/30(Mon) 23時頃
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― 2F:宴会場(12) ―
[階下から響く音に、闇の犬もまた気を逸らされていた。 無数の風の刃に切り裂かれ、よろめいたところを 銀の刃に貫かれる。
腹と首、そして全身から炎と闇をまき散らしながら、 地獄の犬は数歩離れるように歩き、音を立てて床に倒れた。
だらりと四肢を投げ出して動かなくなるが、 腹だけが僅かに上下している。]
(165) 2012/04/30(Mon) 23時頃
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[闇へと変化して移動している間に、 地獄の犬が倒されたことを知る。]
―――……ふん。 それぐらいでなきゃ、面白くねぇよなぁ。
[忌々しいの半分、感心半分で呟いて、 階下の動きに、少し意識を注いだ。]
(*6) 2012/04/30(Mon) 23時頃
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[塔へと流れゆく闇が、いっとき、止まる。 それは、地獄の犬が倒れたあと。 二度目の竜牙兵が現れたとき。]
―――…… ……。
[声として聞こえぬ声が、発せられ、 再び、闇は塔の壁をずるりと登っていく。]
(175) 2012/04/30(Mon) 23時半頃
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……なんか面白そうなことになっているな。 まだ生きてるんなら、見てこい。
[それは、犬に向かって告げられた言葉。]
(*7) 2012/04/30(Mon) 23時半頃
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― 2F:宴会場(12) ―
[横倒しに動かなくなっていた犬が、 ひくりと耳を立てる。 数度、もがくような動きを見せた後、 覚束ない足取りで立ち上がり、 身体を引きずるように動き始めた。
背を向け、無防備に歩いている魔術師を一瞥した後、 ずるずると半ば滑り落ちながら階段を下っていく。]
(179) 2012/05/01(Tue) 00時頃
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[やがて、階下が見える位置まで来ると へたりと身体を伏せて、その場に蹲った。
僅かに残り火を燃やす瞳が、階下の戦いをじっと見つめている。]
(180) 2012/05/01(Tue) 00時頃
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