22 共犯者
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[ズボンのポケットの中で、白い石がじわりと熱を帯びるのを感じていた。その感触は、昨晩「かれ」に触れられた場所を布越しに静かに焼くような心地にも似ている。]
あ、そういえば…… 昨晩はご厚意で村長夫人のお宅に泊めていただきましたけれども、さすがに今晩からお世話になるわけにはいかないような……。
私、すっかり無宿者になってしまいました。 さて……どうしたものか。
[小さな悩みをぽつりと漏らしながら、イアンは教会へと向かっていた**]
(215) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 20時頃
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―教会に行く道すがら>>223―
あ……そうなんですか。気づかなくてすみません、ホリーさん。 双子のごきょうだいならば、仲が良くて当たり前ですね。
[いつもとは違う、溶けるような満面の笑みを浮かべるホリーを見て、つられてイアンも笑った。]
え……いいん、ですか? いえ、その、泊まる所をお貸し戴けるならば嬉しいのですが。 ただ……祭の儀式が終わっても原稿書いてますし、タイプライターとか独り言がうるさいですよ?
[パピヨンという名に一瞬だけ不思議そうな顔をするが、周囲に教えられたのか、それが亡き村長夫人の名だと知り、静かに俯いた。]
それでも大丈夫ならば……是非、お願いします。
[その語尾は、申し訳なさそうに笑う息づかいに混じった。]
(252) 2010/08/03(Tue) 20時頃
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―夕方:教会にて―
[教会で戴いたスープとパンを食した後、ぼんやりとキリスト像を見つめて居る。]
やっぱり、少し様式が違うんですね。 ここの村の神像は。
少しだけ野性的というか、森の中の神というイメージにも不思議と一致する……何だかそんな気がするのです。
あ……いえ、村の方とは少し感覚が違うのかもしれません。
ここの村の祭事でしか使われない「言葉」もそうですし、神の像もそう。「土地の信仰」に必要なものを残し、或いは発達させ、要らないものを切り捨てることを、文化が「進化する」というのでしょう。
ただ……
[ふと俯き、言葉を落とす。]
この村の信仰の不思議な所は…… 「人の命」を捧げることを絶対的に必要とすることなのです。**
(254) 2010/08/03(Tue) 20時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 20時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 22時半頃
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―夕方:教会にて>>256>>257―
「次は8人」……あまり考えたくはないですね。
誰が「御使い様」かも分からない。そして、「御使い様」を討つべきと主張する方と、討ってはならないと主張する方がいます。
それぞれの選択ですよね。村が何処へゆくのかは、生き残る皆さんの手に掛かっている。
[ふとそこで、ミッシェルに信仰のことを聞かれて、]
……ええ。 「信仰」というか、「寄り立つもの」というか…… 村の方が「祭」をどう考えるにせよ、それを止めることに何らかの不安や苦痛を感じる以上は、「信仰」そのものか、或いはそれに似た状態になるとは思います。祈りを捧げることに皆様が何の感慨も感じないというのならば、話は別ですが……
そういえば「御使い様」ってそもそも何なのでしょうね?村長夫人は「ご尊顔を見せて欲しい」とおっしゃっていましたけれども。もしそれが本当だとしたら、「神」が「人」の中に混じって生活していることになります。
「御使い様」――…「人の群れの中に在る神」。 何故村の皆さんがこの「言葉」をもってそれを「信仰」をしているのかが、少しだけ分かった気がします。
(309) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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―夕方から夜へ:広場―
[ミッシェルの誘いに乗り、トニーを連れて教会から広場へと出る。老司祭はトニーのことを随分と心配そうな表情で見送っていたが、トニーはそれに気づいていただろうか。
広場に着くと、またあの巡礼の列を成す「生贄」達が集まっていた。ヴェスパタインに対して、何やら言う人々を、イアンは見つめて居る。]
……ああ。ものすごい熱気だ。
[巡礼者を見送る人々の視線が、彼らに期待の念を寄せている。]
すみませんが、今日も同行させていただきます。 自分の言葉でこの祭の意味を知るには、私も皆さんに同行することの他に思いつかないんです。
できれば自分の身は自分で守りますが……万が一、私の身に何かあっても気にしないでください。愚かな新聞記者が危険な森に入って死んだだけ、と……そう思ってくだされば十分ですから。
(315) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 23時頃
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>>321 ありがとうございます……ミッシェルさん。 でも何だか女性にそう言われてしまうと、少し自分がみっともなくもあります。
[鐘の余韻が耳の縁で滑る。]
できる限り自力でなんとかしますけれど、いざとなったらお力をお貸しくださいね。
(326) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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>>323 すみません、ホリーさん。 それではよろしくお願いいたします。
[噛みしめるように、ホリーの言葉を呟く。]
……「私達が還ってしまっても」……ですか。
(329) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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[森に入る人々の顔に、不安の色が見える。 彼らを見送り、その最後尾を行くことにした。]
(かつてこの村の祭では、罪人が「生贄」……「贖罪の巡礼者」として参加していたという。
だが、ここに集うのは、皆善良な者ばかりだ……)
……御使い様とは、一体何なのでしょうか。 人間と同じもの?それとも、違うもの?
森に「還る」とは、死の恐怖をぼかす為の意味なのでしょうか。いや、皆さんは死を怖がっている……
(342) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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>>352 人に似て、人でなく…… なのに、人の群れに居る……
そういえば村長夫人は、「村を護ってきた者」と……そうおっしゃっていました。
[森のより奥の方で、ぼんやりと明かりが見える。そして、その向こうには、ヴェスパタインの影。]
……月が綺麗ですね。
(355) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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>>345 もし「御使い様」が見つかったら、貴方はその方をどうされますか?
[自分にうっかり村の秘密を喋ったことのある若者に、穏やかな声で問う。]
いいえ、私には善悪を判断する根拠はありません。ただ、村の皆さんは「御使い様」をどう思っていらっしゃるか……それを知りたいだけですから。
(360) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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>>364 ……すみません。
そうですよね。 ある日突然現れた、分かりやすい形をした悪魔ではなく、今まで穏やかな隣人だと思っていた相手ですから……
私だったら、「討つ」とも「いつも通りに接する」とも……即答はできません。
(371) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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