162 絶望と後悔と懺悔と
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キャロライナは、明之進の手元へ、取りやすいように投げた心算だが、受け取ってもらえただろうか。**
2014/02/13(Thu) 04時頃
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― 城内>>*67 ―
そうでしょ? それぐらいならきっと。
お互いに相手の血を吸った方が愉しいわ。
[笑いながら彼女の眼を見つめ。 そんな事を言って。]
ま、今はそこまで時間無いし。 また今度になるかしらね?
(*86) 2014/02/13(Thu) 06時半頃
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以前は違ったのねえ……それはそうか。
[そう言って頷いた。 あれだけの精神力があって孤児院にずっといると言うのは違和感がある気がしたから、それは納得できた。
人は歳月で変わるというその言葉。 それは確かなのだろう。 目の前の彼女を始めとする面々は確かに5年間で変わったが故に。]
そう言えば、サミュエル君にも会ったわ。 彼は相変わらずね、良い意味で。
[5年前自分を止めようとして。 そして今回も家族を返せと向かってきた。
後は実力がつけば面白い存在になるだろう。]
(*87) 2014/02/13(Thu) 07時頃
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[城、自室にて。零瑠に会いにいく前のこと。 安吾に問うたを、今自問自答する]
いつに戻れば、かぁ。 あぁ…多分…生まれる前にまで、かなぁ…。 そうしたら、こんなことにはならなかったんだ。
いつか許されて…幸せになれるなんて思うから不幸になるんだ。
(*88) 2014/02/13(Thu) 07時半頃
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[自分の過去は誰にも…強いて言えば周におぼろげにしか語っていない。 だから、誰も知らない筈だ。 知って貰う必要もない。今は尚更。
耳の…青いピアスをいじりながらため息をつく。 吸血鬼の回復能力は高いから、 ピアス程度の穴は傷つけてしまえばすぐに穴もろともふさがってしまう。 うっかりはずすこともできないのは面倒だった]
(*89) 2014/02/13(Thu) 07時半頃
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― 襲撃の前日 ―
ちょっと良い?
[明之進に珍しく声を掛けていた。]
貴方が連れて来たお友達だけど……どうするつもりなの?
[それは詰問と言うよりも、どこか興味本位のようにも聞こえる。実際、ホリーはその事についてはトルドヴィンが認めているのだから咎めるつもりはなかったのだ。]
(301) 2014/02/13(Thu) 08時頃
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貴方が彼を眷属にするようにお父様に言おうと。 もしくは、昔話も終わったから解放しようと。
それをどうこう言うつもりは無いの。
[脳裏を過ぎったのは直円の姿。 結局、絢矢に持っていかれた彼を思い出しながら。]
あんまり甘い事してると、貴方も逝く事になってしまうわ。 それだけ、気をつけなさいね。
(302) 2014/02/13(Thu) 08時頃
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……、……
[即答が堪えたように、キャロライナの顔が歪む。>>297 家族が家族を殺す訳がない。 サミュエルと零瑠の姿がちらついて、首を振る。 ――そうでなければならなかった。]
……そっか。
[続いた返答も半分以上は予想通りだ。>>298]
僕もだよ。もう一度、一緒にいたい。
[そのために選び、代わりに何を切り捨てたのか]
ううん。――僕は、大丈夫。
[霧のようなぼやりとした、かつての面影の表情。 怪我をしても熱を出しても大丈夫だと答える子供]
(303) 2014/02/13(Thu) 09時頃
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知ってるよ。……二人とも、人間。 本当はすぐにでも会わせてあげたいけど、ごめんなさい。
[周と涼平に関しては明確な返答。>>299 己は涼平をどうこうするつもりはないが、 だからこそ退く訳には行かないのだ。
投げ渡された物を胸と手で受け取る。>>300]
――――
[しばし茫然と見る。]
良いの? ……ありがとう。
[小さくはしゃいだ声を零して見せる。 かつて寄り添った霧ではなくて、 誰かの毀れた面影のように笑う。 ――自分はまだ、家族を覚えていられている。]
(304) 2014/02/13(Thu) 09時半頃
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―闇の底―
[キャロライナとはどちらともなく別れて、去る。 連れてきた兵士の瞼が動いて小さく声を発した]
こんばんは。
[そ、とした声を掛けてやり、]
――道を教えてもらえませんか?
[夜はまだ明けない。**]
(305) 2014/02/13(Thu) 09時半頃
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─ 補給基地(三日後夕方) ─
[薬の齎した重い眠りから浮上し 開けた瞼の隙間から赤光が眼を射る。
窓から射し込む赤錆びたようなその色に 直円の、理依の、瞳を染めた紅を思い出す。
時は夕刻。 不意に──忘れたはずのものが込み上げて来るのは 間もなく来る日没に、 魔が勢いを増して来ているのだろう、と 時刻のせいにして絢矢は寝台をおりた。
簡素な窓を開けて風に眼を瞬かす。]
───…安吾さん?
[外から、聞き覚えのある声が聞こえて来る>>290。 絢矢な部屋を出て、声のした方へ向かった。]
(306) 2014/02/13(Thu) 10時頃
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早いですね、安吾さん。
[急ぎ来たので、外套の下は襦袢のままだが 前を留めていれば周りからは見えない。]
安吾さんにお伝えすることがあります。
──先日の駐屯地襲撃の折、 新たに確認された複数の上級吸血鬼ですが その支配者がわかりました。
理依、白兎真弓、都零瑠は始祖吸血鬼による支配。 柊明之進、リカルダ・アーランは ホリー・ニルヴァーナによる支配下にあるようです。 直円の吸血鬼化も、ホリーの手によるものです。
つまり──どちらかを先に討てば 実質、敵戦力は半減する。
(307) 2014/02/13(Thu) 10時頃
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安吾さん。
[淡々と、兵士の口調で告げた後、 息を吸い──]
ホリー・ニルヴァーナを討ちましょう。
[決然と断言する。]
子が親吸血鬼を守ることは周知ですが 今ならホリーを守る戦力は一つ削れています。
始祖を斃すには時間も人手も掛かる──。 その間にホリーらに合流されれば 今度こそ壊滅する危険性があります。
(308) 2014/02/13(Thu) 10時頃
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そうなる前に── こちらから先手を打って出ましょう。
[そこまで言い切ると、 一度自分を落ち着かせるように呼吸を整え]
もう一つ──まだ誰にも伝えていない情報があります。
先日の戦いで、ボクはホリーに言われました。 自分と戦いたくば一人で神宿に来い──と。
(309) 2014/02/13(Thu) 10時半頃
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安吾さん。 ボクを囮に少数でホリー討伐隊を組みませんか。
多人数で移動すれば察知されるかもしれない。 だけど、限られた極小数の隠密部隊なら、 ホリーにだって感知されずに動けるはずです。
もし、この作戦が通らなくても 明朝ボクは一人で神宿へ向かいます。
これ以上、無駄な犠牲は出したくない。
(310) 2014/02/13(Thu) 10時半頃
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例え一人でも、ボクは──ホリーを討つ。
(311) 2014/02/13(Thu) 10時半頃
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…──突然、勝手を言ってすみません。
実は、補給基地襲撃と支配者の情報は 理依から直接聞きました。 正午頃、彼はここに。
目的は不明。 目的はない──と言っていました。 言葉通り、交戦はせずに彼は退いた。
──…。
ボクからは以上です。 後の判断は──安吾さんにお任せします。
[再び一気呵成に言い切ると、 ぺこりと頭を下げてその場を辞した。*]
(312) 2014/02/13(Thu) 10時半頃
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─ 三日目深夜 ─
[それは深夜。 鬼も眠る丑三つ時。
寝入ったサミュエル>>237の部屋を、絢矢は訪れる。
ノックもなく、音もなく。 眠るサミュエルの口を、絢矢の手が塞ぐ。
恐らくは、気配に気付いたサミュエルの反応の方が先。 絢矢は唇の前に人差し指を立てて、 キャロライナを起こさないようにと視線で告げる。]
(313) 2014/02/13(Thu) 10時半頃
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[闇夜に静謐な瞳が、サミュエルを見下ろしている。]
『俺を殺したいならホリーを狙えばいい。 俺はあの子を守らないといけないから。』
──理依からの伝言。
[絢矢は戦地で用いるような発声で 殆ど音を発さずに言葉を伝える。]
それと、これ。
[外套の下から、適当な布切れに巻かれたものを サミュエルの手に握らせる。]
駐屯地から持って来た。 折られてるけど──周ちゃんの、武器。
[手放す前に、一度鞘をぐ、と握り、 それから指を解いた。]
(314) 2014/02/13(Thu) 11時頃
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[話にはまだ続きがある。 絢矢はサミュエルを部屋の外へと誘った。
扉を横に配し、サミュエルと向き合う。 見上げるサミュエルの表情は 年下の自分が言うのもなんだが 鏡で見る自分の顔とよく似て来ていると思う。
あまり笑わない。泣かない。 それを哀しいと思う心も麻痺して来ている。
──已む終えないことだと思うけれど。]
(315) 2014/02/13(Thu) 11時半頃
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[感傷を断ち切り、絢矢は会話を再開する。]
ボクは明朝、神宿に行く。
[安吾にも告げた言葉を繰り返す。 夕刻よりも、少し柔らかな声で。]
本人直々のお招きだから、ありがたく受けるよ。
サミュはどうするの? 来てくれるならボクは嬉しい。
安吾さんには話したけど、 ホリーに気付かれずに行動出来る兵士は限られる。 その点サミュなら何も問題ないから。
(316) 2014/02/13(Thu) 11時半頃
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[サミュエルを見上げた視線は 迷うように一度床に落ちて、また、サミュエルを見上げる。]
…──うぅん、出来たら一緒に来て欲しい。
ホリーだけでもきついのに、 理依まで来たら、一人じゃ絶対に勝てないから。
(それに、来るのは理依だけじゃないかもしれない。)
どうするかは任せる。 来てくれるなら、日の出前に訓練場に来て。
夜明けとともにボクは発つ。 待ってるよ、サミュエル。
(317) 2014/02/13(Thu) 11時半頃
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[サミュエルの返答がどうあれ、 絢矢はここでも確約を求めず、部屋を離れる。
次に円と共通で使っている部屋へ戻り 音を立てずにそっとその扉を開けた。]
─→ 自室 ─
(318) 2014/02/13(Thu) 11時半頃
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[闇を縫うように、円の寝台へそっと寄る。 ホリーに削がれた耳には包帯が巻かれているだろうか。
絢矢は傷口に痛みを与えぬようそっと円の頬を撫でた。
見下ろす眼差しに 眠る円の顔を焼き付けようとするかのように 長い間、ただそうして、じっと見詰めていた。*]
(319) 2014/02/13(Thu) 11時半頃
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─ 四日目:夜明け前 ─
[地平線から陽は昇りしも、未だ暗い彼は誰時。
そこに誰が現れようと、現れまいと。
これ見よがしに白の外套を風に靡かせ いつぞや戯れに隊員のくれた紅を唇に刷き。
絢矢は宿舎を出立した。**]
(320) 2014/02/13(Thu) 11時半頃
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まどかがぐれだしたのはいつの頃だったか。あの大火以降子供らしさは失せ時折一人きりになり考えこむことは多かったが、精神的不安定を抱えるまどかの症状から大した変化ともとられ兄弟達の中で一番年下であったまどかはわりと好き勝手に振る舞う事を周りから許されていた
(321) 2014/02/13(Thu) 12時頃
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[切っ掛けといえば帝都軍付属の中学ので入学式で肩があたったのどうのといちゃもん付けてきた上級生をのしたこと。その相手がたまたまその地区をすべていた猛者だった事。たちまちまどかは次の番を張ることになり日々抗争の中学生活がスタートする。今より少し前まだ吸血鬼達の人間狩が激しくない頃の事。
(322) 2014/02/13(Thu) 12時頃
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[そんなまどかを心配したのはキャライナと涼平の二人で、周に至ってはいい訓練になるとでも思っていたのかただ見守っていた。がある朝起きてきたらまどかが眉を剃り落としていたことには驚いたようで 姉の絢矢に相談したようだか、まどか自信はしれっとした顔で兄貴、気合いさ とどこふく風を通した。]
(323) 2014/02/13(Thu) 12時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/13(Thu) 12時頃
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―城への帰還―
機動隊の補給中継地点か…… 地図とか外からじゃあ、建物のそと見くらいしか 解らないけど、実際に聞いてみると色々あるんだ。
[哀れな兵士を一人捕えて聞き出した情報は、 吸血鬼の軍勢の次の一手を僅かながら補うもの。>>252 捕食の構造による絶対的な数の差こそあれ、 このまま人間達が防戦一方に回れば、 いずれ食い潰されることは明らかだろう。
多分、何かを打って出る。 ――それが何かは解らないけど]
(324) 2014/02/13(Thu) 12時半頃
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後訓練時代のまどかについて特筆しておく事は彼女の兄サミュエルに対する態度の変化だ。この兄の事を子犬がジャレるよう慕っていたが避けるようになったらしい。 まあ思春期特有の反抗期でもあるのだろう。とくにこの年頃の女の子の母親に対する感情は… と訓練時代のカウンセラーの報告書にある なお、カウンセラーから母呼ばわりされたうら若き青年の心中は計りしれない。 と結ばれていた。
(325) 2014/02/13(Thu) 12時半頃
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ごめんなさい……!!
―自室にて―
[帰って来て、零瑠の差し入れだという汁椀を見、>>258 自分が寝込んでいる間の飯抜きを知れば、 両手で顔を覆って沈没する事になった。
自分が連れて帰ったのに完全にほっぽり出して 何をしていたんだろう僕は]
そう、だよね、ご飯の問題は深刻だよね…… どうしよう、ここはあまりきちんとした食事が できる所じゃないから……方法を考えないと
[ご飯がない。まさかの庶民的かつ切実な落とし穴。 もう少し言うと、吸血鬼の純然たる階級社会に 通貨というものは存在しないようだ、とも]
(326) 2014/02/13(Thu) 12時半頃
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