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【人】 病人 キャサリン―自室― (235) 2010/02/26(Fri) 02時半頃 |
メモを貼った。
―キャサリンの部屋―
[窓の明かりで林檎を剥くキャサリンを見て、胸を撫で下ろす。]
…うまいな。
[手際に感心する。自分も一人で生きていた為、包丁は日常的に扱っていたのだが、こうはいかなかった。彼女が林檎が好物だというのを打ち明ければ。]
そうだった…いや、アーチに林檎の味を覚えさせたのはお前だった筈だぞ?
[林檎を慎ましやかに齧る音を聞きながら、窓の外を見る。]
ほら、好物はここだ…早く来ないと食っちまうぞ。
[極彩色の相棒を探した。]
【人】 病人 キャサリン―自室→― (262) 2010/02/26(Fri) 12時半頃 |
―キャサリンの部屋―
[林檎を齧る音が静かな寝息に変わってどのくらい経ったか。]
風邪引くぞ…馬鹿。
[窓を閉めることも毛布をかけてやることもできない。苛立ち頭を掻く。]
――ん?
[ばさりと、聞き馴染んだ音。]
――ああ。
[生きていてくれたか。極彩色の姿は窓に降り立つと、キョロキョロと部屋の中を確認する。]
お前にゃもう見えないんだよな。
[苦笑し、頭を撫でようと近付く――不意に目が合った気がして、驚いた。極彩色の鳥は少しだけ考えるように首を傾げ、林檎を一つ咥えて飛び立った。]
おいおい…。
[呆然とその姿を見送ると、傍らから小さく咳き込む音。]
…起こしてくれたのか?
[窓の外を見ても、既に姿はない。小さく笑ってから、部屋を出て行く車椅子に付き添った。]
【人】 病人 キャサリン[ドナルドを拒まないのは、紛れも無くフィリップの思い。 (272) 2010/02/26(Fri) 13時頃 |
―キッチン―
[咳き込むキャサリンに何もしてやれず、ただ付き添う。すると、馴染みの声が聞こえた。
ドナルド。
[思わず手を上げて――見えていないことを思い出した。上げた手をどうするか暫し迷い、首の後を掻く事に使う。そこで見たものは、ドナルドを素直に当てにするキャサリンの姿。]
…なんだ。仲いいじゃないか。
[安堵の微笑に混じるものは一抹の寂しさ。]
メモを貼った。
[ドナルドの言葉に頷いた。]
ああ。俺が最期に見た奴の背丈は、小さかった。大人のものじゃない。
――ったく、こんなことなら…。
[お前の言葉を話半分にしとくんじゃなかったな。そう言いかかって、止める。]
【人】 病人 キャサリン[ドナルドと話しながら、ローズマリー宛てにメモを書く。] (274) 2010/02/26(Fri) 13時半頃 |
【人】 病人 キャサリン ……だからね。 (275) 2010/02/26(Fri) 13時半頃 |
【人】 病人 キャサリン 私は、人狼が増えたと思ってるの。 (276) 2010/02/26(Fri) 13時半頃 |
【人】 病人 キャサリン ―――ピッパさんが人狼の可能性もあるんだけどね。 (277) 2010/02/26(Fri) 13時半頃 |
【人】 病人 キャサリン あ…! (278) 2010/02/26(Fri) 14時頃 |
[コルクボードに貼られたものに目を通す。丘の上の林檎の木を思い出した。]
あいつ、餌が気に入らなくて逃げた時はいつもあそこにいた…案外、居るのかもな。
[話題は人狼へ――だが、見たはずの顔を思い出せない。]
――たく、出来の悪い頭だよ、本当。
[苛立ちながら考えると、ふと、悲しい言葉が耳に入った。
…お前が人狼のはずがない。あり得ない…お前だったなら、真っ先に殺すのはサイモンでも俺でもない。――だろ?
[茶化し、頭を撫でる。――届かないのは承知の上で。]
【人】 病人 キャサリン[ドナルドの口から挙がらなかった名。 (283) 2010/02/26(Fri) 14時半頃 |
【人】 病人 キャサリン (284) 2010/02/26(Fri) 14時半頃 |
メモを貼った。
―回想・自室―
[ドナルドに連れられていくキャサリンを見送り、息をついた。]
――悪いな。
[どうなってもいいと思っていた。形は違うといえ、あの時死を望んだのは間違いなく自分。だが、その結果、大切な者がどうなるか――考えないようにしていたのだが。]
…きっついなぁ。
[彼女の慟哭を目の当たりにし――ドナルドの冷静さに救われた。自分もまた歩き出す。彼女の元へ行く前に少しだけ寄り道をしようと思った。足の向く先は、自室。]
…これで見納めか。
[自分だったものを見下ろす――今の自分は鏡には映らない。己の顔を覚えておこうと思ったのだが。]
やれやれ、鏡くらいまともに見とくべきだった。
[生前には思わなかったこと。…ふと思いついたとしても、実行しなかっただろうが。]
…?誰だ。
[ふと、足音に気付いた。振り返る。扉が開く。]
――ベネット…。
[そこへ現れたのが無二の親友と気付き、顔を伏せた。
そのまま真っ直ぐと自分の方へと向かってくる親友に道を譲る。
己の手では捲る事の出来なかった布はあっさりと剥ぎ取られ、自分の姿をようやく目にすることは叶った。]
こんな顔だったんだな…。
[そこにある顔は何の感情も浮かべておらず、間抜けた寝顔のようにも思えた。そのままベネットの――俺に向かって語られる言葉を盗み聞く。]
…ああ、悪かった。
[死にたくはなかった――こいつらにこんな顔をさせるくらいなら、どんな悪党になっても死ぬべきではなかった。人の情を低く見積もった、自分の愚かさを思い知らされるくらいなら。]
…生きたかった。お前らとも…あいつとも別れるなんてまっぴらだった。
[悲しませたくない奴らの表情を曇らせてしまった。――俺は、天国へは行けないのだろう。]
…ありがとうな、ベネット。
[語り終え、体は再び隠された。背を向けて部屋を出て行く親友の背中に、心からの感謝を。]
身代わりなんて褒められたものじゃない。だけど…お前がお前らしく生きてくれるなら。
[それだけが自分に許された望だろう。散々自分を隠してきた馬鹿が言えたことでもないが――もう一度自分の姿を振り返る。体を覆う布は払えないが、記憶には十分焼き付けた。]
…じゃあな。
[もう見ることもないだろう。見守るべき人の下へ。そう思い、最期を迎えた部屋を後にした。]
は。
死者の言葉を代弁した心算か、ベネット。
[ウェーズリーの襟首を掴むベネットに、冷たい視線。]
仕事の誇りだのなんだのなんざ、女といちゃついてたお前が口に出来る台詞か。
………ニンゲンってのは、勝手だよなぁああ?
今朝方親友が死んで嘆き悲しんでたのは演技だったのかぁ?
うひゃひゃひゃ。
あーあ、つまんね。
村人なんざ全員まとめて食っちまう心算だったのによぉ。
[地面を蹴って宙に浮き、ハンモックに腰掛けているような体勢に。]
………墓なんざいらね。
こんな村の墓場に埋められてたまるものか。
[興味を失ったかのように目を閉じ、狸寝入りを始めた。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
―広間―
[広間に差し掛かったとき、大きな――むしろ、自棄のような大あくびを聞いた。]
…サイラスさん。
[人狼と疑われて処刑された男は、宙に浮いたまま眠っている。]
あんたは…あいつを騙したんすよね。
[この男が本当に占い師だったならどれほど良かったのだろう?…首を振った。今更言っても仕方ないことだ。]
俺は…あんたに投票しました。その事について謝る心算はないっす。
[くるりと寝返りを打たれた。会話に応じる気はないという事だろう。ため息をつく。]
ただ…あいつの薬をいつも都合してくれて…ありがとうございました。あんたの薬のお陰で、あいつは救われました。
[深く頭を下げた。この男が例え人狼であっても、彼女を救ったのは間違いなく男が培ってきた技術なのだ。だから、この捨て鉢になっている薬屋を憎む事は…できそうにない。]
…俺はキャサリンの所に居ます。暇に飽きたら…。
[果たして、自分たちは何時までここに留まる事が出来るのだろう?いや、結社というのは魂までも留めておく事が出来るのか?――馬鹿なこと。浮かんだ発想に失笑する。]
暇に飽きたら、罵り合いでもしましょう――人間対人狼、の。負けやしませんよ?
[もう一度頭を下げた。今度こそ寄り道をしないようにと思いながら。]
―キャサリンの部屋―
[ここに戻ってからずっと、窓の外を眺めている――アーチは今何処に居るのだろうか。]
…あいつ、南国の鳥だから…。
[寒さは平気だったが、丸一日外に出したことはない。無事だろうか。それだけを気にして、白銀の世界に鮮やかな色を探していた。]
――ああ、開いてる…。
[声を聞かずとも誰だか分かる――強く低いノック音につい反応してしまった。]
…聞こえる訳ないか。
[ひとりごちてキャサリンを見る。――彼女は肩を震わせていた。]
ああ…わかっていたんだな。
[その人狼が。そして、どうあっても彼女はそいつを憎めない事も。――二度目のノックで予想の通り、親友が姿を現した。]
お前か…ベネットだと思ったんだがな。
[とうとう嫌われ役が板についたか――そんな軽口も叩けず、ドナルドの言葉を聞く。]
――ああ、その通りだ。
[ようやく記憶の霧が晴れる。そう、最期に目にしたのは――。]
…カルヴィン。
[少年の目に灯る、紅い光だった。]
…くそ、サイラスさんといいカルヴィンといい…俺もそうだ。
[ぎりと歯を噛み締める――何故、彼女ばかりがこう、何もかもに奪われ、裏切られなければならないのか。]
…キャサリン。
[取り乱し、泣きじゃくりながらドナルドを止めようとする姿を只眺めるだけ…助けてやる事も、止めてやる事も――抱きしめてやる事もできやしない。
不意に、その動きが止まる。男の拳が彼女の鳩尾を打ち意識を奪った事に気付いたのは、崩れ落ちるキャサリンをドナルドが抱き支えたからだ。]
――ドナルド、済まん。
[怒りはない。ただ、友人にとてつもない汚れ仕事を押し付けたような、後ろめたい気持ちで一杯だった。]
お前は…そうか。そうまでしてでも、護りたいものが出来たんだな。
[ベッドに寝かせてから部屋を出るドナルドに声をかけた。何も聞こえていないよう、扉の向こうへと消える背中。]
行ってこい…頼んだ。
[友の背中は、前見た時よりも一回り大きく見えた。]
―キャサリンの部屋―
[何をする訳でもなく、ベッドの脇に立つ。視界には眠る少女の顔があった。]
…たく、何でお前ばっかり…なあ?
[嘆息する。人狼であったサイラスも、カルヴィンも…彼女が信頼を寄せたものだったに違いない――遠くからでもそのくらいは見抜けた。]
なあ、キャサリン…。
[頬に残る涙の後。この指では消せない事くらい知っていたが、それでもなぞった。]
どうすれば…お前は苦しまなくて済むんだろうな?
[そんな道はないのかもしれない。だが、少しでも苦しみを和らげる道があるなら――。]
俺は…その道を進みたかったな…。
[殺された事への恨みはとうに忘れた。今は只、彼女が目覚めるのを待つだけ。]
【人】 病人 キャサリン―自室― (453) 2010/02/27(Sat) 02時半頃 |
【人】 病人 キャサリン―広間前― (460) 2010/02/27(Sat) 02時半頃 |
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