249 Digital Devil Survivor
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― 異変前夜・赤羽根教会 ― [数日前と同じようにバスを降りると、涼しい風が頬を撫でた。 夏至近い頃とはいえ、日が落ちる頃になれば気温は20度を割るのが常なのだ。東空に上る円い月から目を逸らすようにしながら、少し緊張した表情で教会のドアホンを鳴らした。]
こんばんはー、御名方です。 すみません、神父さん。わがまま言っちゃって。 今夜一晩、お邪魔させて頂きますね。
[現れた神父さんにぺこりと頭を下げた。 胸元に抱いたスポーツバッグに入っているのは、寝巻用の長襦袢と下着類のお泊りセット、それから一巻のサラシ。割と真面目に万一の事を起こさない為の備えとして持ってきたのである。]
――まゆちゃん、ごめんねー。 今晩はご厄介にならせてもらうね。
(20) 2016/06/16(Thu) 01時半頃
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[まずはバッグから白晒を出して、トンと置く。]
でも、いざとなったら、ほら、これで。 腕と足、ぐるぐる巻きにしてくれればいいから。
[彼女へ笑いかけて、気づく。気のせいだろうか。 ……心なしか、普段よりも表情が硬いように思えた。]
どうかしたの、まゆちゃん。何かあった?
[この時まだ、私は変事の前兆を感じ取ってはいなかった。 ただ自分の身に起こった変調にだけ意識が囚われていた。満月に強い影響を受ける存在。それが今の私だけでないことになど、思いもよらなかったのだった。*]
(21) 2016/06/16(Thu) 01時半頃
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― 騒乱の頃 ― [ 月が中天に昇る。 まあるい、まあるい、満月が。 太陽の光を受け、それを自らのものとして輝く月が。]
……ぁ…… ……む……
[ 地上に生命が生まれる遥か以前から、この惑星と共にあり続けた衛星が。存在を誇示するように、煌々と光を降り注がせる。]
……たし……は……
[ 古来より月光は見る者の精神に変調を起こさせるという。 それはヒトに限らず、悪魔と呼ばれる存在に対しても、また。 否、ヒト以上に霊的基盤から受ける影響が大きい悪魔にこそ、 その輝きは強く作用するのだろう。]
……っ……は……っ、はっ……はっ。
[ そして此処にも、一人――いや、一体と云うべきか。 目覚めようとする存在があった。]
(30) 2016/06/16(Thu) 02時半頃
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― 赤羽根教会・客間 ― [ ごく僅かに開いたカーテンの隙間から月光が洩れ込んでいた。 ベッドには艶めかしい声を上げ、魘される少女の姿。 苦しげに身をよじり、荒い呼吸を繰り返していた。 寝乱れた長襦袢から覗く肌に玉の汗を伝わせ、何か掴み取ろうとするかのように中空へと手を伸ばした。]
……っ、は……!
[ 少女の手が何もない空を掴んだと同時、瞼が見開かれた。 ゆっくりと解いた掌の中には無論、何も存在してはいない。 哀し気な瞳でその様子を見つめたあと、静かに身を起こした。]
(31) 2016/06/16(Thu) 02時半頃
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…… …… …… 。
[ 声には出さず、唇と呼気だけが三つの音の形をなぞった。 項垂れた姿勢で、少女――ゆりは自らに向け、呟く]
……そっか。
私が求めてた、相手……
…………もう、いないんだ。“ かれ ”は。
(32) 2016/06/16(Thu) 02時半頃
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―赤羽根教会― [ 悲嘆に満ちた表情は、けれどものの十秒もせずに緊迫したものへと変わる。夜気を劈く悲鳴(>>28)。 ゆりが一夜の宿を借りたこの教会の娘の、よく聞き知った声。長襦袢姿のままベッドを飛び降り、廊下へ出た。]
まゆっ!!
[友人の姿に続いて目に映った、三体の奇怪な雪だるまの姿。 ゆりの眉が顰められ、彼らを睨み付ける。立ちすくんだままの少女を庇うように、傍らに立とうとするが――]
これ……まゆ、貴女……!?
[踏み出そうとした足の一歩先。 何かに弾かれるような感触があった。 神父の氷像を弄っていた氷魔らが襲い掛かるよりも早く。 それは召喚円を形成し、何者かを呼び出すことになるだろう。]
(33) 2016/06/16(Thu) 02時半頃
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[そうして同時に、私は直観によって理解していた。]
まゆ……私、ね……。
[ 眼前の三体の氷魔。 この瞬間にも現出しようとする“何者か”。 私が分類されるとすれば人間としてではなく、彼らと同じ側としてなのだ、と。すなわち、]
……悪魔……。
[だったんだ、とまでは、今、声には出来なかった。**]
(34) 2016/06/16(Thu) 02時半頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2016/06/16(Thu) 03時頃
ゆりは、リツに話の続きを促した。
2016/06/16(Thu) 12時頃
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― 深夜・赤羽根教会 ―>>77>>78 [ 濃密で混沌とした気配が渦巻く、異界化したような空間。 私はまるで怖じたかのような動作で、片方の足を踏み戻す。 声なき声の波動。それが何者であるかは、召喚主ならぬ私にはまだ感じ取れなかったけれど。 小さく目を細め、呼び出された悪魔の実体化を見守った。]
( ……あら。あまり見覚えのない、ような……?)
[ 妖精でも魔獣でもないその悪魔。 普通のジャックフロストになら幾らでも見覚えはあった。 たった今現れた彼もまた、彼らの系譜に繋がることは口調からも明らか。でも、“黒いフロスト”となると――思い出すまでには少々の間、記憶を辿る必要があった。]
(95) 2016/06/16(Thu) 21時頃
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― 深夜・赤羽根教会 ―>>80>>81 [ “黒いフロスト”の言動を吟味しつつ、私の瞳はその悪魔の名を見定めようとする。]
( お前たちの仲間は、みんな溶かした?) ( でも、ランタンの仮装、なんて線もなさそうだし)
[ まゆの号令と共に、放たれる火炎魔法。 三体の氷魔を、その弱点である火炎が包み込んだ。]
( ――見届けるまでもないわね)
……、まゆ?
[ 巨大な炎が収まりきらない内に、背後から彼女へ声をかけた。 まゆからの返事はない。 両肩へ手を伸ばしたと同時、その肢体は倒れ込む。]
まゆ、ったら!
[ 溶け出した氷で濡れた廊下に屈み込む。彼女の身体を抱き抱えるようにした頭上から、暢気な口調が届いた。]
(96) 2016/06/16(Thu) 21時頃
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>>96>>81 [ はあ、とひとつ溜息を吐いて、“黒いフロスト”を見上げる。 苦笑した私の表情には、些かの恐れも宿ってはいない。 彼の台詞に、軽く頷き返した。]
マスターが無傷なのだから、やり過ぎという事はないけれど。 初めてのこの娘には、少し荷が重かったかも知れないわね。
[ 一緒に来るならお前も守ってやる、という声に、クスリ。 笑いを向ける。]
そう、じゃあお願いするわ。 新しい子は元気があって、良いわね。
ところで、フロスト。貴方、MAGはよく食べる方かしら? まゆをちゃんと休ませてあげなくてはだめよ?
[ 抱え上げようとするのを阻むことはしない。ただ、そう忠告を投げ、付いていくのだった。*]
(100) 2016/06/16(Thu) 21時頃
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― 深夜・赤羽根教会 ―>>100 [ 廊下の惨事から少し後。 私は“黒いフロスト”と共に、まゆちゃんの部屋に居た。 ベッドには失神から眠りへ移行した少女の姿。]
しばらくの間、そこで寝かせてあげてて。 私は少し、片づけなきゃいけない事があるから。
自分でCOMPに戻れるならそうした方が、マスターの消耗は抑えられる筈よ。その中からでも、会話くらいは出来るでしょう?
[ 私はそう言い、彼女のスマホを指差す。 何か問われても軽い笑みと共に若い悪魔を見つめ、疑問を煙に巻いてしまう。視線に乗せた私の魔力は、精神耐性を有さなければ悪魔とて抗うことは容易でないのだ。]
――まゆちゃんには私から、直に伝えたいの。
[ 口にしたとすれば、その一言。 そうして、まゆを一度見やった後、部屋を出ていった。]
(116) 2016/06/16(Thu) 22時半頃
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―赤羽根教会―>>116,>>65 [ 頭と胴体に分割された神父の亡骸を彼のベッドに横たえる。 といって、私に蘇生魔法が使える訳もない。 代わりに唱えるのは、幻術を固定化する魔法。]
≪―― イル・テトラ ≫
[ 氷漬けにされ火炎に炙られて無残な有様だった遺体が、生前の彼の姿を取り戻していく。 もし手を触れても、感じられるのは元の肌の感触だろう。 尤も、実際にそうすれば、手には血肉の汚れが付いてしまう事になるのだが。]
安らかに、赤羽根先生。 悪魔の私が言うのは変かもしれないけれど。
[ 瞑目して、客間へ移動する。 私服に着替えようとして気づくのは、私のスマホに入っていた幾つかの連絡。短い返信を送る途中、ある一人の名前を目にして指先が止まった。]
……慶ちゃん。
(120) 2016/06/16(Thu) 23時頃
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―赤羽根教会―>>65 [ 幼馴染からの短いメッセージ。その送信時刻は、赤羽根教会を異変が襲ったのとさほど変わらない時間帯だ。]
慶ちゃんも、悪魔に遭遇した……?
神社の中なら安全、か。でも、私……ねえ、慶ちゃん?
[ 心配してくれるのは嬉しいけど、今の私の事を知ったらどんな反応が返ってくるだろう。 「私、実は悪魔だったから大丈夫!」なんて返事したら。]
……頭の方を心配されちゃうな、きっと。
[ とりあえず、他の家族はみな下社に居る、とは確かめていた。少し真実とは異なるけれど、そっちを伝えることにする。]
『父さんやススムもお宮に居るから大丈夫。 慶ちゃんこそ一人だったりしない?』
[ うちに連絡を取られれば、不在は伝わってしまうだろうけど。 でも同時に、私が無事なのも家族経由で伝わるだろうし、と。 楽観的にそう考えて、慶ちゃんへと返信したのだった。]
(124) 2016/06/16(Thu) 23時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2016/06/16(Thu) 23時頃
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― ―>>118>>119 [ 瞼閉ざした娘の表情から、ジャアクフロストと名乗った悪魔に目を移す。まるでやんちゃな子供だと、小さく声を立てて笑う。]
クスクス、本当に威勢がいいことね。 それがあなた達の取り柄でもあるのだけど。
――でも、あまり悪さをしては駄目よ? そう、例えば、召喚主が倒れてもCOMPに帰らずに出歩くような事なんかは。
[ 同類かとの問いかけに、柔らかな笑みは瞳を細める。]
私は、妖精でも邪鬼でもないけれど。 まゆに害を為すようだったら、“夜の魔女”の名にかけて。 ばらばらにして常夜の淵に沈めてしまうわよ。
[ この手の悪魔に脅しは効かない――だからこれは、私自身への誓言みたいなものだ。それが証拠に、振り返って火炎魔法を放つジャアクフロストに、今の言葉が届いた様子もなかった。]
――彼は良いけど、建物までは焼かないようにね。
[ 神父の遺体を燃やし尽くす焔に、短い一言と黙祷を向けたのみで、私は廊下を後にした。]
(143) 2016/06/16(Thu) 23時半頃
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ゆりは、ニコラスに話の続きを促した。
2016/06/16(Thu) 23時半頃
ゆりは、メアリーに話の続きを促した。
2016/06/16(Thu) 23時半頃
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― 朝・赤羽根教会 ―>>150 [廊下を歩く気配に、扉を開けて顔を出す。]
おはよ、まゆちゃん。
[室内から漏れるのはテレビニュースの音声。この町の異変など全く素知らぬ顔の国内ニュースをキャスターが読み終えたいた。]
何だか、妙ね。 まるで御渡市の外では何も起こってないみたい。
[スマホから得たネットニュースにも、一切それらしき情報は流れていなかった。何もないことが不気味なくらいに、何も。]
(156) 2016/06/17(Fri) 00時頃
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― 朝・赤羽根教会 ―>>138>>151
……?
[まだ半ば寝ているのか、ぼんやりした様子でまゆはふらふらと歩いていく。玄関から呼ぶ声が聞こえた。]
ちょっと、まゆちゃん。どうしたの?
[しょうがないなあ、と後を追って玄関へ。扉を開けた向こうには、一人の青年の姿と――仲魔はさて、連れていただろうか。*]
(160) 2016/06/17(Fri) 00時頃
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―午前・赤羽根教会―>>162>>166 [ チアキと名乗った青年。食料うんぬんは別段、私が口出しする事でもないからスルーしたんだ、けど。]
あく……悪魔、でしょ?
[何か取り繕うような言い方が引っ掛かった。どこからどう逃げてきたのやら、と彼の様子を眺めてみる。足元から頭の方まで。]
(……ふうん?)
[ 別段、悪魔が人に化けているという訳ではなさそうだ。 というか――彼が人間だという証拠、でもないだろうけれど。]
……ガキの群れ、ね。ふぅ。
[ ぼぅっとした霊体を纏った、小柄な幽鬼が群れを成してチアキの後から現れた。私にとっては、別段困るような連中でもない。 が――]
(172) 2016/06/17(Fri) 00時半頃
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―午前・赤羽根教会―>>167>>168 [ 初対面の青年からの、折角の申し出だ。 わざわざ無下にすることもないだろう。]
隠れて、だって。まゆちゃん。
[ 暢気な口調で友人に言って、彼女の前に立つ。]
ほら、私の後ろ。 扉の影より、安全よ?
[ 悪霊の存在からはまるで無防備に、振り向いてそう言った。]
(173) 2016/06/17(Fri) 00時半頃
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―午前・赤羽根教会―>>170>>171 [ 青年が取り逃がしたというか、単に別な獲物を見つけてというか。私たちの方へ二体のガキが駆け寄ってきていた。]
まゆちゃんは、何もしないで、見てて?
[ 悪霊の扱いなら私の得手も良いところ。 ましてこの程度の低級霊だ。片手を向けて、薄く微笑した。]
≪私の家は死に下り、私の道は陰府におもむく≫ ≪すべて我がもとへ来るものは、帰らない また、命の道に至らない≫
――さあ、還りなさい?
[ MAGの消費すらない。『箴言』を読み替えた、ただ私の在り方を示す言葉。二体の幽鬼へ投げたその韻律が彼らに還るべき場所を思い出させ、虚空へ霧散させていった。]
(183) 2016/06/17(Fri) 01時頃
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>>192>>191
ん、まゆちゃん。 私ね、いまの。“戦って”すらないんだよ。
[ 友人の言葉に、ふわりと微笑を返した。 私自身の本来のあり方を示す、蠱惑的で心揺さぶる表情だ。 有史以前から幾多の人間を誘惑してきた、魔の魅惑。 ふと息を吐けばそれは薄れ、跡形も残さないけれど。]
それに、あの程度なら見極めつけなきゃ。 何でも手を出してたら、まゆちゃんが死ぬかもしれないよ?
ああいうのにやられてじゃなくって、
[ 彼女の姿に向けた眼差し。スマホを収めた辺りを探るように。]
呼び出した悪魔にまゆちゃんが精気を吸われすぎて、ね。もし本人にその気がなかったとしても。昨日の今日で、まゆちゃん、体力戻ってる?
[ こんどは彼女の顔を見つめた。血色を確かめるように。チアキ青年が来るころまで、私はそうしているだろう。**]
(197) 2016/06/17(Fri) 01時半頃
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ゆりは、メアリーをじっと見つめた。
2016/06/17(Fri) 01時半頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2016/06/17(Fri) 02時頃
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まゆちゃん、悲しい時には、ちゃんと悲しめばいいの。 自分の感情を抑えつけてたら、心にシワが出来ちゃうよ。
[気丈に振る舞う様子だけと、少し無理してるようにも見えてそう言葉を掛けた。千秋がやって来たあと少しして、遅めの朝食にすることになる。]
――千秋さん。街の様子、どんな風になってるんですか?
[そうしてその席上、まず私からはそう質問することになるだろう。**]
(201) 2016/06/17(Fri) 08時頃
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巫女 ゆりは、メモを貼った。
2016/06/17(Fri) 16時半頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2016/06/17(Fri) 22時頃
巫女 ゆりは、メモを貼った。
2016/06/17(Fri) 22時頃
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― 遅い朝食、あるいは早い昼食 ―>>226,>>228
[ ここ赤羽根教会は神父の座す(今や、座していた、だが)神の館であるからして、食前の祈りにはカトリックの流儀が用いられるものだ。 けれど、未だ本性を思い出さずにいた間でも、神社の娘として育てられた私がそれにまで唱和する事はなかった。和して同ぜずというか。時たま、お相伴に与ることがあったとしても、神父はその事に理解を向けてくれていたと思う。]
[ 私は別段、特別な動作をするわけではない。 ただ無言のまま、食膳の来し方と行く末に思いをいたし、感謝を捧げる。それが他人の目にどう映ったかまでは、気に掛けずにおいた。]
[ と、いうか――きっと、通常の食事を摂らなくても、本来悪魔である私の体調は維持できるのだろう。食事によっても可能だというだけで。私が滋養を摂取するために最適な手段が何か、にも気づいていたのだ。無意識のうちに。]
[ ただ、そうする事はおそらく無いだろう、とも分かっていた。 チアキの言葉(>>228)から察するに、事態は予想以上に大規模で深刻な広がりを見せているようだったから。]
(291) 2016/06/17(Fri) 22時頃
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>>248>>249>>250,>>284>>285
[ 普段よりもゆっくりと、食事に移る。 お茶碗のご飯も少なめ。時間割に体育でもある日なら確実に足りない量だ。それでも不足しそうな感じはしなかった。 在り様が変わるって、こういう所でも現れるんだなと感じつつ、二人のやりとりを見守った。]
[ チアキの問いに応える形で喚び出された黒いフロスト。 その言葉に何か合いの手を入れるでもなく、私はまゆの説明が一段落付くのを待った。]
……それじゃ、次は私が答える番かな。
[ そうして、私も青年の質問(>>228)に答える意を示す。 小さく頷く仕草をして、言葉を続けていく。]
けど、そこの君っていうのはあんまり嬉しい呼び方じゃない、かな? 私はゆり。憶えておいて。
(301) 2016/06/17(Fri) 22時半頃
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>>301 [ “名”と“姓”のうち、現在の私にとって深い意味を持つのは前者だけだ。けれど、チアキがサマナーだというなら告げてみる価値くらいはあるだろう。]
名字も言うと、御名方ゆり。もしかしたらご存知かしら。 御渡神社の下社の生まれよ。
[ 一応うちの伝承では、建御名方神に由来する姓だ、という事になっている。神社庁の登録台帳の上でも、“表向き”の主祭神はそうなのだ。でも実際のところそれは“中央向け”の方便というか建前――なのは、この地方に昔から住む信心深い人なら大抵は知っている裏と表だった。]
(308) 2016/06/17(Fri) 22時半頃
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>>308,>>228 [ ――まあ、その辺りはさくっと割愛しよう。“現在の私”にはそこまで強く関連する話ではないし。でも、あの『月刊レムリア』の特集は良い線を付いていた。私の出自がそうだと知れれば、かのサン・ジェルマン伯を己の筆名とするあのライターさんなどはきっと、歓喜して記事に――]
……ふふっ
[ そこまで考えてふと笑いが洩れた。私がこうなのだから、彼がそうでない理由も別段ない、と。 そして、チアキが質問に添えた一言からも連想したのだ。とある知人――面倒だから人でいいや――を。]
……あ、ごめんね。考え事しちゃってて。
[ 一応、二人に謝罪を向ける。ちょっと真顔で、彼を見つめた。]
えっと、でも。チアキくん?
[ 悪魔違いだとは思うけど、確認はしておかないと。]
私に似たような人が、知り合いにいるって……んっと。 その人もしかして、ルイって名前だったりする? 今の所、この辺にいる感じはしないんだけどな。 あ、フルネームは、ルイ=サイファー。偽名だけどね。
(313) 2016/06/17(Fri) 23時頃
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ゆりは、恐らく自分の思い違いだろうと考えつつ、チアキを見つめた。
2016/06/17(Fri) 23時頃
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>>284 [ 音も立てず空いた食器を卓に置いて、チアキの助言(>>284)に私からの見解を差し挟むことにした。ちゃっかりと食卓に着いている悪魔モコイへ一度、視線を投げて。]
えっと、私の経験則から言わせて貰うけど、ね。
「なるべく安全なルートで」「街を脱出する」。
うん、いい案だとは思うわ。 でも、実行はきっと不可能ね。
[ 肯定に続いて否定を告げる。 だって、これはそういうものなのだ。 百万の私の経験がそう告げていた。 今この御渡市は、ある種の『異界』だと考えた方が良いと。]
(325) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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二人とも、TVとかネットのニュース、見た? 御渡市の「御」の字も出てなかったよ。 御渡盆地の外ではまるっきり何も起きてないみたいに。
TwitterとかLINEとか、その辺で調べてみてもぜーんぜん。 異常なくらい何も出てこないの。
[ そう、この街の中でメールが通じるのが不思議なくらいに。 ある種の『隔離』だろうかと思うくらいに。
物理だけでなく電子的・霊的な要素をも含んだ結界を用いての『隔離』。そんなことが可能だとしたら一体、何者が背後に存在するのか――それを思えば、私の想像が正しくはないことを願うばかりだったけれども。]
(327) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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>>322
あ、チアキくん、慶ちゃん知ってるんだ。良かった。
[チアキの口から幼馴染の名が出て――御渡神社ってと言うなら間違いない。彼へにっこりと笑顔を返した。]
そそ。生まれた学年でいうと、私は一個下なの。 私がいま高三で、慶ちゃんは三月に卒業してて。 いちおう、さっきメールしてはみたんだけど……
[ まゆちゃんが着替えてる間にね、と、ちらり。 その時、web上の様子も覗いてみたりしたのだ。]
たぶん、返事はまだ届いてないかな? バイブ音とかも聞こえてないし。
[ 私のスマホは壁際の棚に置いてある。あれね、というように目線を投げた。「必要な時だけ手に持つように」という約束で買って貰ったものだから、食事時には確認できないんだ。]
(330) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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―慶一へのメール―>>330,>>136
[ そして、慶ちゃんからの返事(>>136)への返信として送ったメールはこんな内容だった。 送信時刻は少し前、11時前後になっていただろうか。]
『 おはよ、慶ちゃん。 あれから状況が変わって、私はいま赤羽根教会にいるよ。 待雪ちゃんも一緒だけど、もう一人お客さんがいるの。 シノダチアキって若い男の人。 不安な感じは特にはしなかったけど、えっと、慶ちゃんはどこにいますか。 これからご飯食べたら、私は市内に戻るつもりでいます。』
(332) 2016/06/18(Sat) 00時頃
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ゆりは、チアキの口から出た単語>>338に、興味深そうな目線を向けた。
2016/06/18(Sat) 00時頃
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― 昼前ごろ・赤羽根教会 ―>>338 [ 今まで通りの異界。そうチアキは言った。 つまり、彼が既に一定以上の経験を積んだサマナーであることは確からしい。言いかけて消えた言葉を引き継ぐつもりで、私はこくりと頷き、口を開く。]
今までにも、異常な空間から抜けられなくなった事が、あるのね。チアキ君。 ……そういう時って、どうやって脱出したかな。
[ これは質問ではなくて、前ふりのクエスチョン。 パターンはいくつもある。謎解きだとか鍵探しだとか、あるいは複雑な迷路だとか。でも、一番多いだろうケースは――]
その状況を生み出してた存在を、倒すこと、で。 抜け出せたって場合が殆どじゃなかったかな?
[ こっちが本問。つまり、今の状況も同じなのではないかしら。 そんなニュアンスを含めて、まずはチアキを。次いで、まゆを見つめてみた。]
(347) 2016/06/18(Sat) 00時頃
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