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――夢の中の邂逅――
……おは、よう。
ええと、ヒュー、だよね。ヒュー、ルック?
[暫く前に食堂で会った、という記憶はある。
名前を聞いて覚えたと思っていたが、まだどこかうろ覚えで。
ただ、包帯を巻くような怪我をしていた気がする、と探るような、疑問に満ちたような視線で、下級生を見た。]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 記者 イアン[図書室から自分の衣類を回収し (2) 2018/05/23(Wed) 00時頃 |
― 夢の中 ―
……はは、 うん
ヒューでいいよ
[夢なら、望むことは叶うかもしれない。
今も、ほら。
ポケットから出した手のひらに、
珠抱く羽がころん、と転がる]
これのお礼、 言いたいなーって思ってて
お気に入り ……ううん、違うか
【人】 記者 イアン── 中庭 ── (3) 2018/05/23(Wed) 00時頃 |
宝物、 かも
[重い意味なんてどこにもない。持ちえる理由もない。
それは、幼い子どもが引き出しの奥に隠すような。
小さな独占欲。
お気に入りに鍵ちなく近いけれど、
ちょっとだけ、特別の気分を味わいたい気持ち**]
【人】 記者 イアン[こいしい人へ、俺は害意を持っていない (5) 2018/05/23(Wed) 00時半頃 |
「 しさいさま、
きょうはなにのおはなしをされるのですか?」
「 しさいさま、
せいたんさいのじゅんびをしましょう! 」
「 しさいさま、 ─────………」
[ 朧気な過去を、 夢のうつつに。]
[ 彼が"あい"していたのは、
"少年"という 一種のレアリティなのか、
"kevin"だからなのか、
…其れを聞く機会は永遠に失われてしまった。
今の己であれば、 面と向かって聞けたような気もする。
"あんたは あい を 知っているのか?"…なんて
少年らしさを時間と共に捨て去った身体をもって。]
[ 彼と 己の違いなんて、
そのくらいしか、思い付かなかったんだ!]
[ "彼"を……彼であるから その手に掴み
欲をなしたのだから、 と─── 惨めな言い訳に近い。
夢の中で"目覚めた"ときに、 思わず、
おおきな手を掲げてしまったのは、
─── 漸く倫理と背徳心が 己に戻ってきたからか
なにもない空の手を 物言わず眺めてしまうだけ**]
メモを貼った。
【人】 記者 イアン お前は何をすれば満足するんだ。 (10) 2018/05/23(Wed) 00時半頃 |
【人】 記者 イアン[きっと、棘は魂を穢した。 (15) 2018/05/23(Wed) 01時頃 |
【人】 記者 イアン[俺と“もうひとり”は (17) 2018/05/23(Wed) 01時頃 |
【人】 記者 イアン[だから薔薇なんて嫌いなんだ。 (19) 2018/05/23(Wed) 03時頃 |
ヒュー。
[記憶力にはあまり特化していない脳は、後輩の名前がファーストネームだけになった
改めて確かめるように呼んでから、彼のポケットから出てきたものを見る。
ころり、転げるような小さな木彫細工に、軽く目を見開きつつ。]
あれ、これって確か先月の。
そうか、あの時そういえばそのままあげたんだったか。
……宝物……これが?
[仕上げの飾り彫りがまだ足りない木彫の翼。
それを宝だと言われれば照れくさいやら何やらで、憮然とした口振りになる。
人の宝物になるという感覚は、まだ未体験だ。
くすぐったくて、どういう顔をしていいかわからない**]
【人】 記者 イアン[じっと眺め続け、結局声を掛けない。 (31) 2018/05/23(Wed) 07時半頃 |
【人】 記者 イアン[────わからない、けれど。 (35) 2018/05/23(Wed) 10時頃 |
[ 恋とはどんなものなのかしら。
熱したかと思えば冷め、
楽しみかと思えば苦痛に変わる。
そんなものを持っているかだなんて
ただ、これだけは言える。 ]
[ And love itself is just as innocent as roses in May
I know nothing can drive it away
Though love itself is just as brief as a candle
in the wind
And it's greedy just like sin ]
( 私の心を解き放とうとしないで。
きっと私の手には終えないから。 )
[ 願う声
言葉とは裏腹に縋るよう絡み合う指
伝わる温度の薔薇の香り。
逃げられなんてしない空間。
なんて返せば良いのか分からなかった。
熱に浮かされる躰は譫言を。 ]
君は、どこまでいっても君でしかないのに。
何も違っちゃ、いない。
[ 彼自身が口にしたとは知らず
今更何を隠す必要があると笑った。 ]
[ だが、それっきり。
蝶は花の蜜を吸い、ひと時の眠りにつく。
そのあと彼が何を感じたのかだなんて、
知る由もなく
きっと、かみさまだってしらない。 ]**
[ 自分から音楽を取れば何が残るのだろう。
考えたところで笑った。
きっと何にも残りやしなかった。
それをこわいと思わないのか。
かつてモリスに尋ねられたことだ。
その時にだって答えを出したし、
見解も告げたけれど、
もっと深くを告げるなら明かそう。 ]
[ 繋いだ絲を、つながりを、切らさないよう
懸命だったのはきっと同じ。
ただ、呑まれてしまう恐怖よりも
呑まれてでもいいから縋り付きたい想いがあった。 ]
[ その為ならピアノだってやめよう。
代わりにヴァイオリンを弾くから戻ってきて。
それがだめだったなら次は――……
そうやって諦めて棄てて、自分という存在が
気薄に感じられてでも無かった事にはしたくなかった。
それは音楽を愛していたというよりは、
きっと、音楽を通じて愛していた人達を
失いたくなかった。
そんな子どもの戯言だった。 ]
[ だがそれさえも強欲である事は知っている。
分かりきっているから望む事など許されない。
神の赦しも最早求めず、
己の意志で枷をつけた。
それが正しい答えだと決め込んだ。
だが、誘発される己の望み。
膨れ上がった慾の果て。
自らの深淵に潜む本心。
完全に引き上げられなくて良かったと思う。
狂わずにはいられたから。 ]
[ だが、薔薇の木を中心に囁かれた言葉など
なにひとつ知らぬ身である故に。
今現在どんな事が起きているのかは蚊帳の外。
しかしだからこそ守られた安寧があるのかもしれない。
自覚した想いは言葉になり形になれど
それを何が何でも奪い取りたい慾にはならなかった。
まだ誰かの幸せを願う為に棄てられる。
また、奪って失敗する事はもうない。
だから、良かったと思う。 ]
[ 咲いた花は薔薇ではない。
死人の口をふさぐ梔子。
この想いも全て、秘めてしまおう。 ]*
―夢の世界、医務室―
[ ぱちり、と瞬きをした。
花開くように一瞬の出来事だった。
周囲を見渡せば此処は医務室だろうか。
あの後誰かが運んで来てくれたのかと
考えながら身動ぎすれば軋むベット。 ]
…………ここは。
[ 言葉にしながらもすぐに起き上がる気にぬれず、寝そべる。
なんだか違和感がある気がする。
まだ此処が夢の世界だと分かっていなかった。
そんな悠長さも重苦しくない躰を自覚すれば、
のそりと起き上がって目を丸くするのだが。 ]**
【人】 記者 イアン[なるほど、説得力はある。 (46) 2018/05/23(Wed) 19時頃 |
[戸惑いと面映さで所在なくしていた後ろから、不意に声がした
誰もいなかったはずなのに、と瞬いて振り向けば、そこには同室の。]
……何してるの、こんなとこで。
[おそらくお互いさまな一言を、遠慮なく放り投げた。]
[ その声
ぱちぱちと瞬きの後、視線を向ける。
そこに後輩の姿
首を傾げた事だろう。 ]
何……だろう。
俺は少し体調が悪くて気付いたら此処に。
誰かが連れてきてくれたのかな。
[ 緊張感に欠けたコメントをしながらも、
なんだかほんわかとした空気を感じる。
何かあったのだろうと考えながらも
口を開く。 ]
モリスとヒューが医務室で休んでいたようだから心配してたけど、
元気そうで安心したよ。
[ 見舞いに行った時
慰めるよう撫でた手により、彼の葛藤が
覗き見れた事を知らない男は悠長に。
どこか緊張感のない表情を浮かべていた。 ]
[ その間に向こう≠フ扉の前で
一枚隔てた先に聞こえた声に
無意識に吐き出した息がはくりと、
震えたのは本人も知らぬところ。
それは笑っているようにも、
泣いているようにも
揺れる空気は答えなど与えなかった。 ]*
【人】 記者 イアン (61) 2018/05/23(Wed) 21時半頃 |
うん? 何、お前具合悪いの。
まったくマークといいお前といいどうしてこう連休だってのに……
[
誰かが連れてきてくれた、なんて悠長に言うが、つまりここに来るまでのことを覚えていない――意識がなかったということだ。
熱はないかと柔らかな髪に隠された額に触れようとして、ふと。]
……あれ、そういや俺、なんでここに。
[いるんだっけ。
人に聞く前に自分がここにいる理由が不透明すぎた。
確か図書室のソファで寝ていたはず。
そして今は、窓の外によると昼間に見える。
どれだけ寝ていたのだろうと辿るように、眠るまでのやり取りを思い出せば、耳の先が熱くなる。]
[ ───── "現実"の言葉は、 挙動は、
遠くのなにかにしか、感じることができなくて、
それでも、まだ あかいろの
薔薇の言葉だけは 鮮明に ゆめのなかの己にも
──── 頭のいい後輩の恨みのない言葉が、
どうにも、 心地好かった。
それこそ、一発殴られたっておかしくはない、のに、]
[ 薔薇の蕾を頭上に見上げ、
──── 昼間のように明るい ─────
聞こえない声を、唇を、 追い、
先ずは手を洗うとこからはじめてくれ。
[ "普通"じゃあ、フローラルなお前には近付けない、と
……聞こえていないだろうから、って意地悪く。]
[不意に、呼び声が聞こえた気がした。
は、と瞬くけれど、反対を振り向いてもそこには声の主はおらず。
小さな自己嫌悪に息をつきながら]
……お前、が、連れてきたとかじゃないよな?
[振り向いた行動を正当化するために、後輩に問いかける。
怪我のあった手で、それが可能とは思い難かったが、苦肉の策だ。]
【人】 記者 イアン
(75) 2018/05/23(Wed) 22時半頃 |
[ ───ノイズ混じりの朱の囁きは、確かに届く。
……残念なことに、この"パン捏ね大臣"は、
"他に"というとモリスの顔しか浮かばない程度には
情報に疎く、─── 今聞いたような有り様だ。
"薔薇の夢に囚われずに"
"安息に眠る理由"
……頭を殴る以外の解決法が欲しいものだった。]
[ 咄嗟に手を掲げられるくらいには、
自由に動くことは出来そう、と 結論付けると
起立を試してみる。
──── 問題はない。
"地に足のつかない"感覚は少々あるが
まあ、 身体は後から
ついてきてもらっても構わないんじゃないか? とか
幽体離脱じみた景色を見下ろした。
そう、 お忘れなく。 パン以外には大雑把だ。
歩いても、 音はしない。
──── 朱の音だけが、 耳に 届く。]
[ 少し砕けた態度
また彼に対しては特筆すべき能力がある者同士、
親近感を抱いていていたから、
お母さんのような小言にも眉を下げて笑ってしまう。
だがそこに想い人の名前があったから ]
マーク、も。
どこか、悪かった……のかな。
[ 尋ねようとして結局独り言じみたつぶやき。
額に伸びる手を拒む事はなく、いつも通り
甘えていた時に、ふと途切れた言葉。
それから熱を持つ赤い耳
不思議そうに首を傾げた。 ]
[ 何故なら水面下のやりとりを知らないのだし。
彼らが告げてくれないやりとりなど、
こちらが気付ける訳がないのだ。
薔薇の精とやらの話
その事情
そしてモリスとイアンの中に起きた事も
何も知らなかった。
だからみんなが眠った′繧ノ待ち受ける事も
何ひとつ知らなければ、
その中で奮闘する者の影の知らず。
またその心情を測ってやる事など出来ない。 ]
[ それでもその薔薇の言葉とやらは
確かに誰かに何かを与えたのかもしれない
真相から遠い位置にいるフェルゼは
後輩に尋ねる姿
拾い集める事は出来なかったが、
ふと、思い出したように口を開いた。 ]
よく分からないけど。
なんだかみんな様子がおかしいよ。
ベネットもオスカーもおかしかった。
でもその中でもイアンせんぱいが
一番いつもと様子が違ったけどね。
傷つけた、善意を汚したとか言ってたし。
[ らしくない事を言っていたなあ、なんて。
思い出せば、ちらりと二人の様子を見て。 ]
なんだか悪い事は早く終わればいいのにね。
[ ぽつりと小さな声が響く。 ]*
[ 明るい中庭は、 確かな"夢"を感じさせる。
未だ、 彼方は夜の筈だ。
寝静まる深夜を向かえ ……軈て朝が来るのだろう。
草を踏んでも音のない世界が、不思議と面白く
中庭を横切るにも足が傷付くこともなく、
──── そうしてたどり着いたなら医務室の窓を
そっと 覗いてみるつもり。*]
メモを貼った。
― 明るい医務室、まだ二人の時 ―
うん、宝物
[これが?って、言った時のその顔は
褒められなれてない子供みたいで、
思いっきり、少しわざとらしいくらいの笑みを向けた。
こんな顔をすればいいのに、って]
あげる、って言ったでしょ
だからこれは俺のものだから
勝手に、大事にする
[よくわからない言い分を、いっそ胸を張るように言い切った]
[それから。
またひとつ気配が増えた。
包帯に触れてくれた、優しい手。
夢に落ちた身では、透明にしか感じ取れなかったそれも、今目にすれば、かつて聞いた音と重なった]
先輩、おはよう ……おやすみ?
[夢だ、って口に出すのもおかしくて、やはり無事な右手を振って挨拶して]
[それからは暫く、先輩たちの会話を目を閉じて聞いていた。
こうすれば、目覚めるかもしれない。
でもそうしたら、きっと二人とはまた、暫く話せなくなる。
名残惜しくて、瞬きして――]
へ?
[あらぬ疑いの視線
いや、俺にこんなとこに連れてくる力なんて ないって
だってここ、
夢の中、 ……だよね?
【人】 記者 イアン[衝動を何処にも振り下ろせず (91) 2018/05/23(Wed) 23時半頃 |
――まだ、二人だった頃
いや、まあ、好きにすればいいけど。
礼を言われることじゃないし……でも、ま、有難う?
[今まで褒められること自体は、なくもなかったが。
未完成の、特に何になるでもない小さなオブジェを大事に見せられて、面と向かって宝と称されるのはまずない経験だった。]
それでよかったの。
[ありがとう、と告げられた気持ちを受け取ったくせ、まだどこか否定したがりの自分が、逃げ道を欲しがる。
そんな時だ、同室の影が現れたのは。]
――それから――
マークは、どうだろ。
自分で具合悪いって言って、食堂から出て行ってたよ。
顔色悪かったし早く休みなって言ったんだけど、大丈夫かね。
[
いつもなら紅茶を淹れて蜂蜜を溶かしたのを出してやるところだけれど、あいにくここは医務室だ。
首が傾いたが、特に指摘されなかったために赤くなった耳に気づかれているとは思わず、マークのことだろうと脳内で完結し。
お前は気にすんな、の代わりにくしゃりとフェルゼの髪を撫ぜた。]
[言うつもりのないやり取りは、胸の奥に秘めたまま。
様子がおかしい、と言われれば、知らぬ間薔薇に酔い、無自覚なままにおかしい筆頭だった己には、そうだったのかと納得するが。
……ちがう、
ちがう、そんなの。
[反射的に否定を口にしてから、はっと口を噤む。
何をどう、されただとか。傷ついたか、だとか。
具体的なことは言わないまま、唇を噛んだ。]
そうだな。早く、終わればいい。
悪い事なんて、ないほうがいいな。
[誤魔化すように、終わりを願う。
様子がおかしいのリストに書き加えられそうな、あからさまな切り替えだった*]
【人】 記者 イアン[ 過去が追い掛けてくる (93) 2018/05/23(Wed) 23時半頃 |
……は? え?
[
今、何て言った。]
夢の、中、って。
[ぐるり、見渡す。
明るい医務室。そばにいる二人とは普通に話も出来るし、意思の疎通に問題はない。
夢の中などという言葉のほうが信じがたい。
外はどうなっているかと窓の側を見た時、先ほどまではいなかった人物
[ 二人の可愛らしいやりとり
知れたら、
割って入らないよう口を噤んだもの。
生憎と空気を読まず吸いながら
のほほんとしているものだから、
どちらともつかない挨拶
ゆるりと口角を上げたまで。 ]
……ん。おはよう。
おやすみしたいけど、起きとく。
[ ちらりと右手を見やるがそこは無事。
しかし左手は違うのだから眉を下げて ]
― いつかの屋上 ―
[夜でもなく真昼でもない茜色の時。
こっそり教えてもらった秘密の場所に
わくわくが我慢出来ずに、すぐに一人で訪れた。
背後で開いた扉。
此処を知る人は少ないだろう、とそのまま叫んだ]
先輩、 ここ、すっげー綺麗な!
[笑って、振り返ると
屋上にやってきた人の顔は、夕日のせいで見えなかった]
ヒュー。
君こそ怪我をしているんだし
あんまり無理しちゃだめだよ。
君が大変そうなら助けてあげるけど
でも痛々しそうな君の姿を長くは見たくないから。
[ そんな小言をモリスを倣って告げたのだった。 ]
[ 話が移ろえばモリスの返答を待つように瞬き。
マークの事情
…………全然、気づかなかった。
見てるようで俺、全然見てなかったんだなぁ。
大丈夫だとは、思うよ。
俺がマークを見つけた時、オスカーもその場にいたから。
[ いつもより体は気怠く思えるが、果たして
この世界がどのような造りなのか知らず。
一層高熱ならモリスの作る紅茶をみんなで
楽しむ事が出来たのだろうかと暢気な思考。
撫でられる手に気分が良くなり目を細めるあたり、
いたって単純な思考回路をしていた。 ]
[ それでも思わぬところから出た否定に
はたりと目が丸くなる。 ]
…………。
俺、少し話した時、なんだか一人で
落ち込んでるように見えたから。
詳しい話は分からないけど、モリスと
イアン先輩仲良かったでしょう?
また会えたら励ましてあげて。
[ 要らぬお節介を焼いている自覚はあった。
ただ、モリスの予想通り
様子がおかしいリストにその名を連ねる。
伸ばした腕は彼の頭に向かおう。
さっきされたお返しに撫でようと思ったのだ。 ]
…………別に言わなくてもいいけど。
でも君も我慢ばかりしちゃだめだよ。
[ 気休め程度のものだろうが、言い残した。
そんな時、医務室の窓に気配
衝撃的な言葉
…………へ、夢の中……?
[ どういう事なのだろう、と。
思い込みは恐ろしいもので、
夢の中である概念がすっぽ抜けた思考は
漠然と夢の中である感覚を否定していた。 ]
夢の中……ならどうして、
俺たちは話せているんだろう?
[ これさえも自分の夢なのだろうか。
戸惑うあまり首を傾げて思案顔。
戸惑うモリスの態度
抱きながらも窓を覗き見るせんぱいに
思わずシーツを抱き寄せて肩を跳ねさせた。 ]*
[両手でしっかり握った手すりの向こうは、
明るくて、どこまでも続いているようだった。
あれから、また二人で屋上で話す機会はなかったけれど
(当たり前だ。むしろ入学してひと月足らずで、沢山のことがあった)
もし、また話せたら。
そうしたら、 何て言おう。
何を、話そう]
― 目覚め……というより寝言 ―
[現実の医務室が、また穏やかな寝息に満ちた頃。
巻き直された包帯を左手で撫ぜ、固く目を瞑ったまま、溜息を落とす]
……ありがとー
[先輩、と呼びかけそこねたとしても、そこにはもう目覚めている人はいなかったから。
―――夢の囁きが聞こえる彼なら、夢も、現も。あるいは違いなどなかったかもしれない*]
【人】 記者 イアン
(103) 2018/05/24(Thu) 00時頃 |
― そして、夢の中 ―
[「おやすみ」を言ったのは、ここが夢の中だから。
だから、眠った彼らにおはようを言うのはおかしいような気がしたのだけれど、どうやら、それに気づいていたのは一人だけ。右手を見下ろせば、さもありなん]
うん、 夢だからほら
[と無事な右手をひらひらり]
ここなら、フェルゼ先輩も心配させずにすむ
……あ、勿論目覚めても、うん。
いい加減、早く治したいし
[包帯の下を、彼らは勿論知らないけれど
到底短期間で治るものではないのだ]
[膝上にあった小さな細工をまたポケットにしまい込んで、ベッドを降りた。
何故か裸の足は、床の冷たさを心地よく踏みしめる。
明るい中庭に続く、大きな窓
おはよう、 ……それともおやすみ?
パン先輩
[細く開いて、小さく呼びかける。
あんまり大きな声だと、誰かを目覚めさせてしまうかもしれないから]
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