91 時計館の魔女 ―始―
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― 大浴場 ―
[ 魔女の喉笛めがけて飛びかかったのは、狼だった。相手の反応を無視し、その牙を首に突き立てる。
後ろ向きに倒れた魔女のドレスを、湯船から溢れた湯が濡らした。
否、風もないのに、湯は波打っていた。まるで、それ自体が生き物のごとくうねり、床を走る。 白い湯気も意思を持ったかのようだ。狼の攻撃に合わせて、その濃度を変える。]
(31) 2012/05/21(Mon) 04時頃
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[ 伸ばされた魔女の腕が空をつかんだ。 その瞳は最後に、古代ローマの神を模した彫像を見ただろうか。壁際に並べられた、12神の姿を。
タイルとモザイクで飾られた浴場の床に、血だまりが広がる。 しかし、それも長い時間ではなかった。波打つ湯が湯船を越え、魔女の血を洗い流していく。
この空間を支配している魔女さえ、血は赤い。無力な人間と同じなのだ。]
(32) 2012/05/21(Mon) 04時頃
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[ 青みを帯びた月光が、狼の背中を照らす。
大浴場の天井の半分と壁の一面は開閉式になっている。大きく開けられた天窓と扉にも似たそこから、湯気は外へ出ない。外気は入ってこない。
月光だけが、この魔法の空間を通過していた。]
(33) 2012/05/21(Mon) 04時頃
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[ 動かなくなった魔女に覆いかぶさっていた狼は、牙でドレスを裂き、爪で邪魔な布切れをのけると、あらわになった白い腹部に、改めてかぶりつく。
温もりのある内臓のうち、狼が一番に選んだのは肝臓。ぬめる赤い塊を、がつがつと一気食いした。
それから、他の内臓をいくつか食い散らかし、湯に濡れてしぼんだドレスの下の脚にかぶりついた。 筋肉の詰まった女の太腿は、人間の男には別の意味で“美味”と表現されるだろうが、食欲に支配された狼には意味も意図もない。腹を満たすため、ひたすら喰らい続けた。]
(34) 2012/05/21(Mon) 04時半頃
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[ 2本目の太腿をその大きな口に収めたころには、勢いが落ちていた。満腹したのだ。
狼はそれでも、しばらくは足首をかじっていた。骨を砕き、床に落としては前肢で転がしたが、やがて鈍い動作で浴場をうろうろし始めた。
床には湯が溢れ続け、魔女の血をすっかり洗い流していたが、狼の口の周りは血まみれだ。 濡れた前肢を舐め、毛づくろいをしかけるが、床の湯が気になるのか、落ちつかない。]
(35) 2012/05/21(Mon) 04時半頃
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[ だが、いつしかその頭が下がっていった。 四肢をふらつかせ、場所を探すそぶりをしながら、狼はやがて濡れた床に伏せた。前肢に頭を乗せ、丸くなって眠りにつく。
天窓から斜めに差し込んだ月光が、その獣の姿を、柔らかく包んでいた。]
(36) 2012/05/21(Mon) 04時半頃
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[ 数分後、狼がふたたび頭を上げた。不快げに鼻を鳴らすと、浴場へ飛び込む。湯に沈んだ獣の姿は、若い女性の姿となって浮かんできた。
その朝、同じ浴槽を男性客らが使ったとは思わず、...は広々とした湯船で手足を伸ばした。]
(37) 2012/05/21(Mon) 05時頃
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[ 湯船から出た...は、白いバスローブを拾うと、すっかり濡れてしまったそれを無造作にまとった。 2階の部屋へ戻るには、自分の足で歩かなくてはならない。]
……頼んでおけばよかったかしら……。
[ 低くつぶやいた。]
(38) 2012/05/21(Mon) 05時頃
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ミッシェルは、濡れた足跡に気づき、タオルで*ぬぐう*
2012/05/21(Mon) 05時頃
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― 客間、2-6 ―
[ 髪がまだ少し濡れていた。眼を開けると同時に、...はその不快感に気づいて、上体を起こした。身につけたバスローブもどこか湿っぽい。 理由がわからず、...は室内を見回した。ベッド脇のサイドチェストの上の絵が目に留まった。
赤い草原の中の風車小屋。
昨日、ダーラが返す前にその場を去ってしまったので、持ち帰ってサイドチェストに置いたそれ。]
……ええと、孤立、才能、狂気……。
[ 絵から視線をはずさず、ベッドから下りる。手に取った絵には、サイズ以上の重みが感じられた。]
黒いのは鳥の影? 通り過ぎるもの、手に入らないもの……そういう象徴かしら。 水車小屋は、たぶん画家本人の……。
[ しばし絵を見つめていたが、...は湿った髪に触れ、優先すべきことを思い出してバスルームへ行った。]
(76) 2012/05/21(Mon) 16時半頃
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― 大広間 ―
[ 身支度を整えて大広間へ向かうと、目当ての人物のひとりがそこにいた。
ヴェスパタイン・エヴァンス。ランタン職人としては、知る人ぞ知る存在だ。
...は声をかけた。]
おはようございます。 ……何か、あったんでしょうか? ずいぶん騒がしい気がしますけれど。
(79) 2012/05/21(Mon) 16時半頃
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[ ヴェスパタインに「気をつけたほうがいい」と低い声で注意>>80 され、...は青ざめつつうなずいた。]
では、やはり、本当に……。
[ 続く言葉を床に落とす。]
(出られないのですね……魔女の“ゲーム”からは……)
[ ヴェスパタインが小柄な少女に声をかけた。>>81 最初の日、図書室で見かけたひとりだ。彼女が状況を説明してくれるなら、...はそれを聞くだろう。]
(82) 2012/05/21(Mon) 17時頃
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[ ヴェスパタインが声をかけた小柄な少女は、そのまま立ち去ってしまった>>84 ので、...はおろおろしつつ周囲をながめていた。無口な芸術家にランタンを見せて欲しいと頼めるような雰囲気ではない。]
あの、ご迷惑でなければ……もし、ランタンをお持ちなら……後で、見せていただけないかと……思っています。 こんなときに、申し訳ないのですけれど……。 ……もしも、本当に、ご迷惑でなければ、ですから。
[ ようやく、勇気を出してそう伝えると、...は逃げるように場を離れた。]
(92) 2012/05/21(Mon) 18時頃
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― 図書室 ―
[ 迷ったものの、...は1-3の扉を通って地下への階段を下り、図書室の中に身を滑り込ませた。本を選ぶと、読書用個室へ移る。 椅子に腰掛けた...は、デスクではなく膝の上で本を開いた。]
(96) 2012/05/21(Mon) 18時頃
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ミッシェルは、読書用個室で本の内容に没頭している**
2012/05/21(Mon) 18時半頃
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― 回想・大広間(1日目朝) ―
>>470 [ 近づいてきた長髪の男は、その長身と異国風のいでたちでひときわ目立っていた。 だが、性格は違ったらしい。誰にともなく遠慮がちに挨拶し、テーブルについて以降も、会話には応じるものの、終始控えめだった。
...は彼が名乗る前から「ヴェスパタイン・エヴァンス」の名を知っていた。 謁見の間で、ヤニク・ゲルバーが「探している」と言った>>117 ときではない。 ヘクターという男の問いに答えた>>110 ときでもない。
もっと以前に、一部の好事家の注目を集めつつあるランタン職人の名前として、知ったのだ。 ...は喜んで自己紹介し、彼と彼の祖父の評判を伝えた。>>0、>>4、>>16]
(145) 2012/05/21(Mon) 22時半頃
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ミッシェルは、エリアスに話の続きを促した。
2012/05/22(Tue) 00時頃
ミッシェルは、ヴェスパタインに話の続きを促した。
2012/05/22(Tue) 00時頃
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― 読書用個室 ―
[ 読みかけの本を膝に置き、...はデスクの上の空間を真剣な面持ちで見つめていた。 そこに、銀製のトレイが現れた。青い小花模様のティーポットと、揃いの皿とカップが乗っていた。 ...は吐息とともに、表情を緩める。
そうっとポットに触れ、熱くなっていることを確認すると、小さな蓋をずらしてみる。湯気の立った紅茶の匂いに、...は蓋を戻し、楽しげな手つきで皿とカップを重ねた。
紅茶を注ごうとして、その取っ手の熱さに眉をひそめ、...はしばし考えた。 手のひらを上に何かを待ったのは一瞬。セットと同じく、青い花柄のティー・コージーが現れた。
...はにっこりした。]
(233) 2012/05/22(Tue) 02時頃
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― 読書用個室→廊下 ―
[ デスクの上のティーセットを消すと、...は立ち上がった。 個室を出て、本を図書室の書架へと戻す**]
(235) 2012/05/22(Tue) 02時半頃
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ミッシェルは、イアンに話の続きを促した。
2012/05/22(Tue) 12時半頃
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― 大広間 ―
[ ...は急いで――客観的にはごく普通の、ゆったりした速度にしか見えなかっただろうが――歩き、1-3の扉から大広間へ出た。 大浴場につながる1-10の扉の向こうへ消えていくシスター・ツェリ、イアン、ソフィア>>201、>>204、>>210 の後ろ姿が見えたかもしれない。 ...が足を進めたのは、扉のない2階への階段だった。]
(254) 2012/05/22(Tue) 15時半頃
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― 謁見の間 ―
[ 予想外の先客がいた。両者のただならぬ雰囲気>>225、>>231 に、...は立ちすくんだ。]
……あのう、お邪魔してしまって……。
[ 口ごもりながら、詫びた。]
ごめんなさいね、すぐ……すぐ出ていきますから、少しだけ……。 ほんの少しだけ、お邪魔させてください。
[ 急いで部屋へ入り、玉座の後ろの壁に近づく。...の目的地は、かけられた肖像画のひとつ。]
ああ、やっぱり……。
[ 人の目の高さに並べられた額縁つきの12枚の絵。それが1枚だけ、変化していた。]
(255) 2012/05/22(Tue) 15時半頃
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[ 魔女の衣装が、
真っ赤なドレスに
なっていた。 ...は壁から額縁をはずそうとして手を伸ばしたが、途中でそれを止める。両手を伸ばした位置で、待った。
絵は、まるで自らが望んだごとく、その空間に現れた。 額縁の重みにたたらを踏みながら、...はつぶやく。]
やっぱり、そうなんですね……?
[ 絵をしっかり胸に抱いた...は、未だ睨み合うヘクターとヤニクに会釈しつつ、扉のところへ急いだ。 けらけらと笑うヘクターの声が、扉を開けた...の背中を打った。]
(256) 2012/05/22(Tue) 15時半頃
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― 2階廊下 ―
[ ...は豪華な額縁入りの絵を胸に抱き、廊下へ出た。そこで、あることに気づいて立ち止まる。]
ダーラさんの部屋は、どこかしら……?
[ 周囲を見回すが、質問に答えてくれそうな人影は見当たらない。 ...は真剣な面持ちで、絵に問いかけた。]
あなたを描いた人の、部屋を知っているなら……。 わたしに教えて欲しいの。
[ キィ、と扉の開く音がした。絵から、音のした方向へ視線を向けた...は、驚きつつも顔をほころばせ、近づこうと足を踏み出す。 2-3の扉から出てきた人物はダーラだった。]
(266) 2012/05/22(Tue) 17時半頃
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[ しかし、ダーラの姿は常軌を逸していた。 派手な紫色のドレスは、大広間での朝食の席から着替えていないようだった。が、あちこちに赤い色が飛び散って、レースもフリルも無残な斑模様に。 高く結い上げた黒髪は半ば崩れ、毛先はやはり赤とも朱ともつかない色に変わっている。
...は息を呑んで足を止めた。
ゆらゆらと歩くダーラのドレスの裾からは、何か赤いものが引きずられていた。>>240]
(267) 2012/05/22(Tue) 17時半頃
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……えっ!
[ のけぞって壁に背をぶつけた...の腕から、絵が滑り落ちた。足元でごとりと鈍い音が響く。 尋常ではない相手の姿に、...は声をかけられない。
ダーラの通った床には、ドレスから滴ったとおぼしき赤い水分――血にしか見えない――が、不気味な軌跡を残していた。]
(268) 2012/05/22(Tue) 17時半頃
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ミッシェルは、まるで、稚拙な画家の筆跡のようだと思った。**
2012/05/22(Tue) 17時半頃
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― 2階廊下→大広間 ―
[ 呆然とダーラを見送った...は、彼女からも離れて階段へと向かう。 焦っても足は満足に動かず、ときおり壁にすがりながらの移動だったが、確実に誰かがいる場所として、階下の大広間を目指した。]
(276) 2012/05/22(Tue) 19時半頃
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― 大広間 ―
[ 椅子のひとつでうつむいているのは、最初の日、ここでチーズケーキを勧めてくれた少女だった。名前は確か、クラリッサ。 シスター・ツェリがそのかたわらで心配そうにしているのは、彼女を慰めているのだろうか。
いくらか離れたソファでは、杖をついた少女が横たわっていた。まだ言葉を交わしていない青年が、心配顔で付き添っている。
...は双方に会釈し、迷いながらも、顔見知りであるクラリッサとシスター・ツェリに近寄った。]
……お邪魔でしょうか?
(279) 2012/05/22(Tue) 19時半頃
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― 大広間 ―
[ クラリッサに席を勧められ、...は空いた椅子に腰かける。ダーラのようすが気になったが、こちらも深刻な事情がありそうだった。シスター・ツェリに語られた過去>>277 は重い。
クラリッサがふたたび口を開くまでにはずいぶんな間があった。「屋敷に住むようになってから……」と、彼女は続けた。>>280
「ご主人を生き返らせたくて」>>307 という切ない願いに、...はうなずいていた。]
だからあなたは、この館へ来たのですね……。 それほどの願いなら、神ではなく、魔女でしか叶えられないから……。
(335) 2012/05/22(Tue) 22時半頃
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[ 服のボタンをはずしたクラリッサは、襟をくつろげ、肩に刻印された蝶の7かたちの痣を見せた。>>310 「ソフィーと似たような痣が私の肩にも」と説明して。
...は椅子から腰を浮かしかけた。
クラリッサは気づかなかったらしく、「何を意味するかまだ…わからないけど」とうつむいたまま付け加えた。 シスター・ツェリも、彼女の話に意識を集中しているようで、...には注意を払っていない。
...はクラリッサと、離れたソファに横たわる杖の少女を見比べる。未だ紹介されていないが、たぶん、彼女が「ソフィー」なのだろう。手作りのチーズケーキを持参した……。]
(351) 2012/05/22(Tue) 22時半頃
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[ 「ソフィー」はやや離れたソファで横になっていた。イアン・コアルトと自己紹介した青年>>318 が、彼女に付き添って世話を焼いているふうだった。
だが、彼が大広間から姿を消したわずかな時間に、ソフィーは起き上がり、杖をつきながらふらふらと歩き始めた。こちらへ近づいてくるのは、クラリッサの声を求めて、だろうか。 横になっていたのは、深刻な病気や怪我ではなく、気分が悪くなっただけなのかもしれない。
「え、姉さんにも…痣が?」
残りの距離を駆け寄ってきた彼女は、少なからず驚いているようだった。
...は友達らしいふたりのやりとりに口を出せず、はらはらしながら見守るしかなかった。]
(384) 2012/05/22(Tue) 23時半頃
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[ 杖を手にした目の不自由な少女は、「あたしの肩にも蝶の痣があるの」と早口で言った。呑気にも「これ…なんだろうね? 「親友の証」とか、なのかなぁ?」と続け、笑顔になる。
それが強張った。
びくりと肩を震わせたソフィーは、ぎこちない動きでクラリッサに近づいてくる。意思を持たない操り人形のような動きだった。
何をするつもりなのかわからず、見つめていた...の前で、ソフィーはクラリッサの首に両手を伸ばしていた。]
あの、待って!
[ 制止する...の声はふたりに届いただろうか。]
(414) 2012/05/23(Wed) 00時頃
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[ 鋭い声で「ソフィア!!」>>390
と名前を呼ばれ、杖の少女はわれに返ったようだ。動きを止め、ひどく狼狽したようすで、「今…あたし…」と口ごもり、涙ぐんだ。>>385
そこへ地下からやってきた男は、ヘクターと言ったか。にやにや笑いながらイアンに近づくと、彼の耳へ何かを吹き込む。>>379
...には止める暇もない。
振り向いたイアンはヘクターの胸倉をつかもうとした>>392 が、余裕で笑う相手には届かない。ヘクターはくすりと笑って彼に何か言った。>>395
けらけらと心底おかしそうな笑い声を残し、ヘクターが2階へ去って>>395 も、イアンはしばし、その方向を睨みつけていた。震える握り拳は、強い怒りの感情を示すのだろう。
席を立った...は、ソフィアの落とした杖を拾い、泣きじゃくる彼女にそっと持たせた。]
(441) 2012/05/23(Wed) 00時半頃
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[ 無意識に後ずさっているのだろう、ソフィアは身体をぶつけてくる>>431 が、...は無難な言葉でなだめることしかできない。
落ちついてください……大丈夫ですから……。
振り返ったイアンは大股で近づいてくると、ソフィアの肩に手を置き、「一度部屋に戻ったほうが良い」と言った。>>432 ヘクターへの怒りを抑えた声で。
彼女の身を案じるようすに、...はうなずき、
お願いします。
と頼んだ。]
(451) 2012/05/23(Wed) 01時頃
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