270 食人村忌譚
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―容の家―
いつもありがとう。
……感謝の気持ちを、どうしても形で伝えたいんだ。 お裾分けのサツマイモか……勿論!
[ホッとした顔で、敷居をくぐる。 机の前、椅子に腰かけて 出てきた味噌煮になっているものをみて、容を見て 本当に食べて良いのかと皿を見て ごくりと喉を鳴らし、箸をとる]
――――頂きます。
(5) 2017/11/25(Sat) 02時頃
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[命を頂く。 牛の舌は、蕩けるほど柔らかかった。 味噌の他に食欲を増進させる香味もする。 一口だけ、と言ったはずが 白米は瞬く間にススムの胃に収まった]
美味しいよ……これ、 何でお肉がこんなに柔らかいんだろう
味噌の味も、すっごい……
[舌を細切れにして口に運び、噛みしめるように味わって 白米を一口、二口、もうひとくち。 すっかり腰を落ち着けてしまって、向かいで食事を見守る容へ美味い、美味いと箸を進める度に口にする。 幼いころは、己も図々しいもので 彼女らと食卓を囲む事に対価が必要など思いもせずに 与えられるままに喜んでいたけれど 何故、食事を与えられるのか かんがえるようになってからは、素直に味わう事を忘れてしまっていた]
(6) 2017/11/25(Sat) 02時頃
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[対価を約束したことで、味わう事の罪悪感が薄れた。 空になった茶碗 味噌煮の椀に残った汁の上に白飯を落として食べたら きっとまた同じ味が楽しめるだろう そう、思いは過ぎったけれど お替りまでは要求し辛い]
これ、江津子さんも、きっと喜ぶよ。 美味しいごはん、ご馳走様。
[だから、ゆっくりと箸をおいて 食事と、作ってくれた容へ 感謝の両手を合わせる]
お裾分けに行く前の日には声をかけて。 朝一で迎えに行くからね。
[帰り際、そんな約束など交わして容と別れる。 翌日、思いもよらぬ話に巻き込まれる等、その時のススムには知る由もなかったから**]
(7) 2017/11/25(Sat) 02時頃
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−朝− [呼び出しを受けたのは、容の家に行くより前だった。 丁度学生服に袖を通した後のこと]
集会所?
[何故集まるのかを知らぬまま 向かった先で、愛理の話を知る。
先へと動き出す大人たちを眺めながら ススムは不思議そうな顔で首を傾げた。 愛理が殺された だから疑わしきが集められた そこまでは聞いたが、理解出来ない この人選が*]
(60) 2017/11/25(Sat) 22時頃
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[料理が出来るわけでもなく、 実際に人を解体したこともない ススムにできる事と言えば、この場に集められた人々を眺めている事くらい。 かんがえても、けれど、理解出来ず]
……どうして。
[腑に落ちぬという風、ぽつりと零す。 >>88同じような呟きを聞き、貌を上げた]
僕には、わからないよ。 これから、どうすれば良いのかも こんな事、教わってない……
[ため息が二つに増える*]
(93) 2017/11/25(Sat) 23時頃
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[>>99問の答えは、ススムが欲したものとは少し違った]
でも、集められた皆 ここにきてから誰も、名乗り出てくれないよ。 どうして? 名乗り出てくれないなら、 僕ら……誰を殺して食べればいい?
[皆、一様に愛理の死に驚き その後弔いの準備を進めている。 同じ様子にしか見えない皆の中で、 誰を殺して食べればいいのかと、言葉を付け加えて問い返した]
罪を裁くために 殺された愛理と、殺した人の為に 食べなくちゃならないのは、わかってるよ。
それで、誰が殺したの……?
[リツは知っているだろうか。答えを求める眼差しを向ける*]
(113) 2017/11/26(Sun) 00時頃
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―リツと― [>>125同じように見渡した面々は 其々に話をしているが]
……必ずいる、って確信はないよね 疑わしい人、というだけで。
それにしたって 巫女様や錠さん櫻子さん…… どうして彼女等まで呼ばれたんだろう 何処に疑う要素があったんだろう。
[居るのか、居ないのか。 リツの言葉に、呼ばれた皆の呼ばれた理由を 改めて考え込んでしまう。 弔いの準備がで来るまでは、 リツの傍ら暫く集会所の様子を黙って眺めている**]
(135) 2017/11/26(Sun) 01時頃
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―リツの傍らで― [周囲を見渡し、 ススムは自分の考えたことを垂れ流すように 愛理を手にかけた理由をひとつひとつ考えていく]
例えば僕が殺すなら 覚えたての解体作業がしたかった 食べたことのない脳髄やはらわたを口にしたかった そんな理由が思いつく ……だから、多分僕が此処に呼ばれたんだろうけど
彼女が何故手にかけられたのか ほかの理由が思い浮かばないや……
どうして、誰が、彼女を殺したんだろう。
[ため息を一つ。 先程から二人で何度ため息をついたことか。 ふと人の影に顔を上げる>>157]
(194) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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江津子さん……ありがとう
[何処まで彼女が聞いていたかは、問わない。 自分が彼女を殺す理由を上げたけれど ススムは冤罪を被る可能性を考えていなかった 他の誰に聞かれても、自分は胸を張って言える。 理由のない殺人は、禁忌だと知っている。 するわけがないと]
提案……
[差し出された串と椀。 どちらにしようと迷って、串を頂く事にした。 手を合わせてから、串を受け取る。 提案を聞き>>158、ススムは首を傾いだ]
周囲、というのは村中を三人で歩くという事でしょうか ……殺した人は 愛理さんだけを殺したかったわけじゃない?
(195) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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[集められた皆も 集会所に拘束されるわけではない、と聞いている。 見張りというなら、村中を見張る必要がある]
……そんな事が起こらない為に 事前に、備えておくという事ですね。
[大変な事だ、と思ったけれど >>158理由を聞いてススムは神妙な貌で頷いた]
僕が力になれるなら 僕に役割が出来るなら 手伝いたいです。
[種馬としての自分ではない、役割。 不謹慎だ、と流石に喜ぶ真似はしなかったが どうしたら良いですかと方法を聞き 終えた後で、愛理の串と向かい合う]
(199) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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[串にささる愛理の肉を、ススムは一口、一口 少しずつ時間をかけて食べていく。 昨日、容に出された料理をあっという間に平らげた少年とはまるで食べ方が違うのを、共に人肉を食した事のある人間ならば、知っているだろう。
少しでも長く味わう為に 少しでも長く弔い、死者の転生を願う為に 死した肉の相手を忘れぬ為に
だから、人肉を口にするときは 丁寧に食べているのだと 食事の遅さを指摘されるたびに ススムは自分の考えを口にする]
(200) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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[少し食べては祈り 少し食べては、咀嚼する様子も見せず 暫くそのまま味わうかのように目を閉じる。
囲炉裏が見えるその場所で リツはどの部分を食べていたろう。 ふと、錠が縁側の方に声をかけている姿が見えた]
……?
[縁側から容が立ち去る姿が見える。 何かあったのか 食べかけの串を手に、思わず意識が其方へ向いた*]
(202) 2017/11/26(Sun) 23時頃
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―宴間― [リツが離れた後、聞こえた容の声。 食事を終えて、そちらへと向かう。 >>255こんな状況で、叫んだ内容は よくよく聞けば>>256彼女が”見た”というだけ 集められた全員が疑わしいこの状況で 彼女の言い分をそのまま信じられるかと言われれば 其れはススムにはわからない]
……せめてもう一人いたなら 信憑性もあがるのに。
[悩ましい、とため息。 その点江津子の提案は、理にかなっていると思った。 三人で見張れば、目も増える。 万一三人の中に犯人が居ても、抑制になる。 それを自分から提案する江津子は 一番犯人から遠い存在だと、そう見えると思った]
(274) 2017/11/27(Mon) 00時半頃
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→囲炉裏端― [江津子が刃をしまう姿。 石動が頭を冷やしに行くと出ていく姿。 両方を見遣り、どちらを追うか少し迷って]
……僕は
[結局どちらにも駆け寄れずに、その場で足を止めた。 俯き、囲炉裏端に腰を下ろす。 こんな時にどうしたら良いか、など 教わっていなかった。
せめて見張りをがんばったら 少しは役に立てる処が見せられるだろうか。 武器を調達しておくように言われた事を思い出す。 江津子のように鉈を扱えるわけでもないススムは 少し困ったように囲炉裏の火を見詰めている*]
(277) 2017/11/27(Mon) 00時半頃
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[武器になるもの、と 思考が巡って考えたのが、丞の存在だった。 彼はけれど、鍛冶屋というわけではない。 自分の刃物を持っているわけではないススムには 研いでもらうものがない]
……リツさんか江津子さんに聞いておけばよかった。
[ため息をひとつ。 此処へ来てから何度目かは、数えるのを止めた。 どれ程自分が役に立とうと意気込んでも――]
結局、僕はひとりじゃ ろくに役に立たないのかな
[役に立ちたい、認められたい 雄としての役割以外が欲しい。 こんな状況で不謹慎と言えるかもしれない思考を胸に ススムは何とか武器を調達しようと集会所を後にした*]
(293) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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[無事にたどり着けるなら 錆びた農具の柄部分を手にしたススムが 江津子とリツの前に現れる事になる。 刃物は見つからず、近くの農家にあった 捨てられた農具の柄のところを貰って来たのだ。 よくよく考えれば 殺傷力が必要なわけじゃない。 威嚇が出来れば 其れで役割が果たせると、思って**]
(296) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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