258 【突発誰歓】鬼渡し弐
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─帰還─
[すべての朱が失われた、モノクロームの世界が遠ざかっていく。 目を閉じて……再び開ければほら、そこは元に居た世界。
気が済めば返してやろう>>1:3、とは違う結末だったかな。 けれど、遊戯は終わった。 全員、帰ってきた…はずだよね? 傍らには、最後まで一緒だったネリエルさん、居るかな]
……。
[ここはまた、曼殊神社のようだ。黄昏時ではない。辺りは深夜。 夜の冷気が身を刺すように堪えた。 わたしは身を竦ませると、震え上がる]
…────ッ!
[左胸に強い痛みが生じて、両手で抑え込んで蹲る。歯を食いしばって痛みをやり過ごそうとするも、すぐに治まってくれない。息が詰まって、呼吸が乱れる。肺が悲鳴を上げて、何度も強く咳き込む]
(0) vitamin-girl 2016/11/22(Tue) 19時半頃
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[声を発する事もできず、助けを呼ぶこともできない。 嗚呼、ここは本当に元通りの世界。わたしはまた、不治の病に苛まれる日常を送る事になるのだ。**]
(1) vitamin-girl 2016/11/22(Tue) 19時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
vitamin-girl 2016/11/22(Tue) 21時半頃
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[戻ってきた時は、ネリエルさんが一緒だった。>>8 わたしが発作を起こした時に、すぐに背中を擦って介抱してくれる]
…───。
[そこへもう一人、わたしの傍に駆けつけてきてくれた小さな姿。 顔を上げ、涙が滲んだ目で見ると、そこに夕顔が居た。>>10 短い一言だが、口ぶりからすると鬼ではなさそうだ]
…だ、い……。
[大丈夫と答えてあげたいけど、そうはできなくて。 そうしているうちに、ネリエルさんがわたしを背負ってくれた。>>9]
(11) vitamin-girl 2016/11/22(Tue) 23時頃
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[わたしは彼の背中に運ばれて、その先で複数の大人たちの声を聞いたかもしれない。 もしかしたら、祥子さんもその場にいたかな。けれど、わたしの意識は途切れ途切れで、記憶は曖昧になってしまい]
……。
[再び目を開けた時、わたしは真っ白な部屋の中に居た。 ここは、村よりももう少し都会にある、総合病院の一室。わたしはこのまま、しばらく入院する事になった。*]
(12) vitamin-girl 2016/11/22(Tue) 23時頃
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─その後─
[鬼渡しから生還した後、そこで巡り合った童女・夕顔を篁家で引き取る事になった。 決断を下したのは、その場に居合わせた父だった。 その日、わたしが失踪した知らせを聞いて、急いで帰省したらしい。 のちにわたしが発見され、緊急入院をすることになって、周囲はかなりごたついたが、容体が安定した頃から、身よりがいない子どもがその場に居る事に、周りが気づき始めたらしい。
夕顔の処遇をどうするか大人たちで話し合っている最中に、父が引き取ると言い出したのだ。 地元の名士として、身よりのない子どもを放り出すわけにはいかず、体面上で申し出たに過ぎない。その場の全員がそう考えたが、暗黙の了解を経て、満場一致で決定した。
わたしも、そうした大人たちの思惑は薄々と分かっていたものの、家から出られないわたしにとって、年の近い子どもが近くに居てくれることは嬉しい。 妹ができたようだと、わたしは両親の前で素直に喜んでみせた。]
(30) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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[夕顔と同居を始めて、季節がいくつか過ぎた後だっただろうか。 夕顔がわたしに、あるものを差し入れてくれた]
……これは?
[滋養があるものだからと、夕顔が自ら調べて、手に入れて、こしらえたのだという。 わたしによくなってほしいのだと、願いを込めたのだと聞けば、わたしの顔は自然とほころぶ]
ありがとう。
[穏やかに礼を述べる。器の中身を一目見た時から、それが何であるかを悟っていたけれども]
(35) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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でもね、夕顔。 きみも知っている通り、わたしの食事はすべて家の者が管理をしている。 勝手に他のものを食べてはいけない、決まりになっているんだよ。 だからね、
[と、器を夕顔の前に突き返し]
代わりにきみが食べなさい。 食べた後でどんな味か、わたしに教えてくれるだけで嬉しいからね。
[さぁ、わたしが見ている前で食べてごらん。わたしは笑顔で成り行きを見守った。]
(37) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 13時頃
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─病室─
[ 病室以外のところで、大人たちが夕顔の処遇について、話し合っている頃だろうか。>>30 わたしの意識が回復し、起き上がれるようになると、見舞客が時々病室を訪れてくれるようになった。
両親や家の者以外にも、一度きりだったが、在京中の兄たちも顔を見せにきてくれた。 どうやら危篤と聞いて飛んで来たらしいが、無事でよかったと胸をなでおろしてくれ、掛け値なしの気遣いにわたしも素直に喜んだ。 その後、知らない大人たちも入れ替わり立ち代わりやってきて、刑事と名乗る人たちが失踪中の事について尋ねると、わたしは覚えている限りをありのままに伝えた]
(44) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 19時半頃
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曼殊神社の境内で、鬼渡しをしました。 鬼に捕まりそうになった時、二人同時に捕まるようにしました。そうしたら、鬼の面が渡される前に、真っ二つに割れて消えて、戻ってこれたのです。
[ 言ったところで不審な顔をされるのが落ちだ。 ただし、似たような事を他の失踪者から も聞いているのだろう。 信じていいかどうか、わからないといった様子で首を傾げて部屋を出て行こうとする。 その前に]
(45) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 19時半頃
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来島祥子さんは、無事に戻ってきましたか?
[ 彼らが知らぬはずはない。 わたしが尋ねた名前も、失踪者の中に含まれているはずだからだ。刑事の一人が、無事に保護して家に帰したよ、と伝えてくれる]
家に帰ったんですね…?そう、よかった…。
[ ようやくわたしは安堵する。胸につかえていたものが取れて、肩から力を抜いた。 直接会って会話をするのは、もう少し先かもしれないけど]
(46) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 19時半頃
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…───よかった、無事で。
[ 初めて会った時に泣いていた祥子さん。 もし、次に会えたら、教科書は無事に返してもらえたか尋ねてみようか。 自分で解決すると言ってみせた。 鬼渡しに誘われた時も、境内で共に励ましあった。 背中に回された腕の強さを、頭を撫でてくれたあの手の優しさを、まだ思い返す事ができる。 あの時に見せてくれた強さは、きっとこちらに帰ってきてからも、彼女の支えとなるはず]
(47) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 19時半頃
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……。
[ 回想の後を追うように湧いた、ほんのりと焦がれるような思いは、出てこないようにそっと胸の中に押し留めて。 わたしは誰も居なくなった病室で、ベッドに再び身を横たえると、目を閉じて眠りについた。*]
(48) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 19時半頃
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─病室─
[身を起こして本を読んでいると、扉がノックされた。 声をかけた後に入ってきたのは、]
……。
[年頃は二番目の兄に近いだろうか。ゆうべ見たその面影を重ねて思い返しつつ、初めて見る顔に目を瞬く]
…きりやま、さん…?
[膝の上に置いた本を閉じて、背筋を伸ばす。 顔は、遊戯に呼ばれた最初の時に、ちらっと見かけただけかな。 言葉を交わす間もなく、すぐに散り散りになってしまったけれど。 名前は知っていた。 伐山さんが搬送先の病院について口利きをしてくれたのだと、ネリエルさんか御門さんから聞いたのかもしれない]
(54) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 21時半頃
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ここを紹介してくれたの、伐山さんだって聞きました。 ありがとうございます。
[かかりつけの病院は都心にあって、年に数回しか訪れない。 出来るだけ近く、適切な処置が行える総合病院に運ばれて良かったと、母も有り難がりながら教えてくれた]
……おかげさまで無事でした。 伐山さんと、皆さんも無事に戻れたんですよね。 みんな、あの神社に戻ったんですか?その、……鬼を渡した、順番に?
[あの異世界から戻った時の話を、わたしはよく知らない。 興味が向くまま、尋ねた。*]
(55) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 21時半頃
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─病室─
[その日は、母と夕顔が病室に居た。 本来の土曜日だったら父も居たはずだが、入院騒ぎやら何やらでスケジュールの大幅な変更を余儀なくされたそうで、この日は不在だった。 母たちと他愛のない談笑をしていた時に、来客を迎える]
…───あれ、え、…祥子さんっ?
[予想しなかった突然の来訪に驚いた。見ている目の前で、祥子さんの顔がくしゃりと歪む。ああ、その顔は何度も見た、…けどぉ!]
ちょっ、うわ、ま、っ…!
[再会を喜ぶ間もなく、いきなり抱き着かれて狼狽える。 声にならない悲鳴を上げた。]
(62) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 22時頃
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[待って、お母さんたちが見ている前ではず、はずか、しい…っ!
心拍数が一気に上がったが、わたしの脆弱な心臓も、この時は空気を読んでくれたらしい。 発作を起こさず、何とか持ちこたえてくれたけど、顔はきっと真っ赤っかだ。 ああ、こんな顔を見られたくないのに…でも、それ以上に嬉しいから、結局なすがままにされてしまう。 年下の女の子に頭を撫でられる。どうしよう、って思ったのは最初の一瞬だけで、その優しさに思わずわたしも涙ぐんだ]
謝らなくて、いいんだよ。 わたしもこうして戻ってこれたし、ね。祥子さんが無事に帰ってこれて、…良かった。
[祥子さんの安否は既に聞いていたけれども、実際に元気な姿を見せてくれれば実感が伴って、嬉しさもひとしおだ。 共に鼻をすすって、再会を喜び合ってから、身体を離す]
(63) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 22時頃
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[祥子さんの身体が離れると、肩越しに見知らぬ男の人を見た。 お父さんかな?そちらを見て、会釈をした。恥ずかしい気持ちがまた復活しそうで、慌てて目を逸らしたけれど。 一方、目の前で祥子さんは、ポケットから何かを取り出してくれて]
……飴?
[手の中に握らせてくれたそれを見て、尋ねる]
一緒に食べられたら、か…。 祥子さんが居なくなった後で、食べたよ。 あの時、わたしもこれに勇気をもらったんだ。
[口の中に飴を含みながら、ネリエルさんに作戦を伝え、御門さんに声を掛けたんだった。それを思い返してから、言葉を続ける]
(64) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 22時頃
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でも、あの時は悲しい時や辛い時に食べようって約束したよね。 どうせなら、今度は別の約束がしたいな。
[例えば嬉しい時とか、楽しい時とか。 甘いのを一緒に食べて、幸せ気分倍増とか。本当は今すぐ食べたいけど、母に一旦止められそうだから]
今度、また会った時に一緒に食べよう、…ね?
[次に会う約束をすることにした。**]
(65) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 22時頃
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─少し前・病室>>59>>60>>61─
[伐山さんの紹介で来た病院。 そういえば、主治医の先生も伐山といった。よく見たら、年の頃や顔立ちも似ているかもしれない。身内と仰ってるので、お兄さんなのかな、などと予想をする]
みんな無事。赤羽さんも…。
[知ってる名前を聞いて、無事と告げられると嬉しい。 赤羽さんが捕まえたのが、伐山さんで。 伐山さんが捕まえたのが、御門さんかな。
同じ体験をもう二度としたくない、といった事を聞くと、わたしも大きく何度も頷いて同意を示した]
華、…そうですね。綺麗でした。
[言いながら、伐山さんは自分と違う感覚で、あの時の華を見たんだな、と思った。 もう少し尋ねれば、伐山さんの職業とかも聞けたかな。 自分はあの時、言い伝えを利用して、あるかどうかわからない遊戯に参加したくて、期待を込めて華を手折った。綺麗と感じ入るなんて、まったくなかったから。]
(69) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時頃
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[この後で伐山さんは、ガラリと口調を変えて主治医の先生の事について教えてくれる。 少し砕けた口調が可笑しくて、お兄さんですか、と先ほど立てた予想を尋ねたら的中した。 兄弟仲がいいのか、悪いのか。 口調からきっといいんだろうなと察して、昨夜会った兄たちの事をまた思い出す。
こうして伐山さんは、病室を出て行った。 いい人だな、と背中を見送りながら思う。また機会があったら来てくれるだろうか。 今度は、あの村を訪れた理由について訊いてみようか、なんて。
喜びをそっと噛みしめる。 楽しい予定が、また一つ増えたことに。**]
(70) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時頃
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─あれから─
[数日を病院で過ごした後、検査も済んで予後も良好で、無事に自宅に戻る事ができた。 引き続き、伐山さんのお兄さんが、わたしの主治医になった。 都心の病院からカルテを取り寄せた。 以降、わたしの身に何かあった時、こちらの病院に運ばれることになる。
退院後はこれまでの生活に戻るはずだったが、少しだけ変化があった。 まずは夕顔を迎えた事。
父の口添えで、我が家に身を寄せる事になったらしい。 住み込みの家政婦と同じ部屋が宛がわれ、親のように面倒をみるという。
下働きという名目だが、夕顔はまだ子どもだ。 庭のほんの一部を掃除させたり、水やりをさせたり。ごく簡単な作業だけを任せるという。 学校に上がれる年齢になったら、ちゃんと通わせるつもりのようだ。
あとは、わたしの遊び相手になってくれと言われているらしい。 少し年が離れているが、常に子どもが身近にいるのが嬉しい。 時々ネリエルさんが送ってきてくれる写真やら絵本やら、そうしたものを一緒に眺めて過ごした。]
(73) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時半頃
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[そして、変化はもう一つ。 祥子さんが時々、我が家に遊びにきてくれた。 子どもが三人集まると、トランプやらボードゲームやら、遊びのバリエーションも色々広がる。 一緒にオセロもやった。一人ではできない遊びを、思いつく限り一緒にやった。 もらった飴を(ちゃんと許可済のものを)一緒に食べながら、楽しい時間を共に過ごした。
冬が来ると、祥子さんがわたしに手編みのマフラーを贈ってくれた。 外出する機会はほとんどないけれど、首元は常に温めた方が良いから、と。部屋の中でも首に巻いて過ごした。 年が明けて、バレンタインデーにはなんと、う、生まれて初めてのチョコレートをいただいた]
(74) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時半頃
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こ、こ、これ、はっ…!
[本でしか、テレビでしか知らないバレンタインデー。 自分は一生関わらないと思っていたのに、きっ、期待してしまうではないかっ! 心臓に不整脈が発生して、そのまま止まってしまうかもと思ったけど……だいじょうぶ、まだボクノシンゾウ動いてる]
バレンタインのお返しは…何をすれば、いいのかな…。
[母にこんな事を尋ねてみれば、笑いながら色々協力してくれただろう]
クッキー?マシュマロ、キャンディー?
[色々と種類があって悩んだけど、飴なら普段一緒に食べてるしと、キャンディーを贈る事にした。母は笑って黙って頷いて。 謎の含み笑いの理由と、お返しの持つ理由については知らされないままだったけど、祥子さんは喜んでくれるかな]
(75) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時半頃
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[祥子さんたちと過ごす季節は、どれも美しくて楽しくて、あっという間に過ぎ去ってしまう。共に二度目の春を迎え、夏を過ごし。 三度目の秋には、季節どおりの彼岸花を眺めた。あの時の記憶は、当時より少しだけ薄れてしまったけど、わたしたちの絆は、これまで以上に強いものになったと実感する。
そして、三度目の冬を迎えた時、───わたしの体調は急変した。]
(76) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時半頃
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[わたしは意識不明のまま、伐山総合病院にすぐ運ばれた。 クリスマスやお正月を、時の流れを知る事なく、病院の集中治療室で過ごし、
…───三度めのバレンタイン。
今度また、チョコレートを贈ってくれたら、わたしの正直な気持ちを伝えようか…なんて、心に決めていた。 しかし、その願いを叶える事はなく、……わたしはこの世を去った。**]
(77) vitamin-girl 2016/11/23(Wed) 23時半頃
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