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ォォォ…
[纏わりついた魂が人型となって志乃の前に現れる。]
いたい… いたいよ…志…乃…
[身体中に張り付いた桜、指が触れるとポロポロと桜は落ちて、しだいに姿もはっきりしていく。 しかし目は窪んだ穴となり瘴気を吐き出して、胸に突き刺さった鉈は深く食いこむ。悪霊の様相がそこにはあった。]
し…の…
うううう…とって…タスケ……
オォォ…
[志乃を認識し、縋るようにして足を掴む**。]
【人】 半の目 丁助勝手なことばかりよのう。 (46) 2016/04/28(Thu) 17時半頃 |
[人型となった纏わりつくものを指の腹で撫でてやる。
撫でる度に零れ行くのは桜の花弁。
剥がれた部分から亀吉の姿が徐々に見えてくるのだが]
──── っ!
[目は窪み、窪んだ箇所から瘴気を漂わせる姿に志乃は息を呑んだ。
悲鳴が上がらなかったのは良かったのかどうか。
胸へと視線を転じれば、これが亀吉の死因なのだろう、鉈が深く突き刺さっている]
[死の記憶に苛まれているのだろうと考え、もういたくない、と声をかけていたのだが、亀吉は死して尚、痛みから解放されていないらしい。
とって、と。
たすけて、と。
足に縋り願う様子に、志乃は逃げることなく亀吉へと向き直った]
…かめにぃ、
とってあげる、から。
── 自分を、ゆるしてあげて
[魂は強い未練を残してしまうと歪められてしまうという。
志乃は思い残しはあれど、ないてくれるひと、弔ってくれる人が居たから正気を失わすに済んだ。
もし、亀吉がそのような状態であるならば救ってあげたいと。
願いながら、鉈の柄に手を伸ばした]
んっ……!
[志乃は非力だ。
けれどここは魂の世界。
想いが強ければ。
亀吉を悪霊へ貶めんとするものよりも想いの力が上回れば。
きっと抜くことが出来ると信じて柄を引く*]
【人】 半の目 丁助馬鹿者め。 (50) 2016/04/28(Thu) 20時半頃 |
メモを貼った。
【人】 半の目 丁助馬鹿がもう一人。 (54) 2016/04/28(Thu) 21時頃 |
【人】 半の目 丁助そうか。 (64) 2016/04/28(Thu) 21時半頃 |
【人】 半の目 丁助─── 一二三四五 (66) 2016/04/28(Thu) 21時半頃 |
【人】 半の目 丁助───人の心配などしている暇があるのか? (68) 2016/04/28(Thu) 22時頃 |
【人】 半の目 丁助[だが、その凶刃が置壱を貫く手前で止まる。 (69) 2016/04/28(Thu) 22時頃 |
【人】 半の目 丁助所詮、鬼の子では神には届かないということだ。 (81) 2016/04/28(Thu) 22時半頃 |
【人】 半の目 丁助[桜が散って再びその姿が消える、その繰り返し。 (86) 2016/04/28(Thu) 23時頃 |
【人】 半の目 丁助ぐ、ッッッ!! (87) 2016/04/28(Thu) 23時頃 |
― 刹那 ―
[雨と雷鳴を背に立つ男の影は、どこか危うい。
よもや、との疑念が心の隅に泡のように浮かび上がるが、
助けを乞う声を聞けばすぐさまそれも沈むんだ。]
[そう、確か、家中に迎え招き入れたはずだ。
傍に立ち、二言三言言葉を向けもした。
だが己の問いも、返ったか分からぬ返答も、
現在は記憶の中からすっぽりと抜け落ち。
覚えているのは刃が身体に食い込む衝撃ひとつ。]
(――― … )
[致命傷であることは判り切っていた。
丁助は何か言っていたろうか、音は届けど認識には至らずに。
声ならぬ声を絞り出すが、身体は鉛のように重く。
やがて、意識も視界も漆黒に塗り潰されて]
― 狭間 ―
………
[気づけば、己の躯の傍に立っていた。
絶命の淵において靄がかっていた意識は、
現在は不思議な程澄み切っている。]
これは、死に切れていないって奴…かな。
ま、無理もねぇ。
[血の海に眉を潜め、手を伸ばしてみるが、
触れようとしたものは悉くすり抜けてしまう。]
おう、辰っつぁん。
済まないな、先にこんな風だ。
…お前さんには何から何まで、手間ー掛けさせるようで悪いな。
[辰次がやってきたのには、
届かぬと知りながら、生前と同じ声を向ける。
辰次の様子から、桜に魅入られし者の気配は受け取れぬ。
己の魂に僅かに残った感知能力も、警鐘を鳴らしてはいない。
だから恐らく、ひと一倍正義感と責任感の強い彼には
二重の意味で世話になることになろう。
事が終わった後の埋葬然り、
―――弟分のこと、然り。]
[暫しの間其処に佇んだ後で、
何が起きているのかを把握するのが先決と、
往けぬ魂魄はふらりと村を抜け、丘を目指したのだった。**]
【人】 半の目 丁助くっそ、お前にやられるのだけは嫌だったんだけどな。 (89) 2016/04/28(Thu) 23時頃 |
【人】 半の目 丁助おい鬼子!! (90) 2016/04/28(Thu) 23時頃 |
ぎ……ぐがぁ……
[鉈が胸より粉のようになって外れ、徐々に薄い身体ははっきりとした形になってどさりと志乃の前に崩れ落ちる]
……し………の…?
[接した感触がしだいに暖かな慈愛のような、人の気持ちに触れだすと正気に戻って記憶を辿らす。]
…ぼく…は…
…僕はとんでもないことを…
[悔いても戻らない深い罪の意識が自分を襲う。自我が消えそうになってその場に泣き蹲った]
[鉈の柄を引き抜くと共に、それは粉のようになり掻き消えていく。
柄を握った志乃の両手には何も残らず、目の前に整然と同じ姿の亀吉が現れた
かめにぃ…!
よかった……
[救うことが出来た、と。
志乃は安堵の表情を浮かべる。
己のしたことを理解し、泣き崩れる亀吉の傍へと寄ると、そっとその肩に右手を添えた。
落ち着かせるように緩やかに撫でてやる]
…かめにぃ、
桜、咲かせようとしたのは、どうして?
[今際の刻の記憶は薄い、けれど。
亀吉が桜を咲かせようとしていたのは薄らと聞こえていた。
志乃は自分を手に掛けたことは問わず、その原因となったことを問いかける]
【人】 半の目 丁助……俺はお前が嫌いだったんだよ。 (99) 2016/04/28(Thu) 23時半頃 |
う…うう…
[泣き崩れた自分に差し延べられた手、志乃とはっきり認識するものの顔はあげらずにその撫でてくれる手にただただ泣くばかり。しかし理由を聞かれて記憶を辿り。
少しずつ彼女にその始まりを話していく]
声が…
血を…血が…必要だって…
美しい…女性の声が僕を誘うんだ……
父が…母が……あっ…ああ…あ…
[再び錯乱し、頭を抱えるとぶんぶんと振り乱す。]
声……女性の、声…。
[血が必要と求める声。
伝承の通りならば、それは桜、ひいては巫女の声だと言うことになろうか。
丁助は異形となっていた。
ならば亀吉は。
刀を使っていたことから人の身のままだったのだろうと推測する]
… うん … そ っか
[父も母も手にかけたと思しき言葉
頭を抱え振り乱す亀吉を、尚も撫でてやり]
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