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―回想・キッチン―
[ラルフからパスタが茹で上がったと聞けば、フライパンにパスタを投入した。
コンソメふり入れ、ケチャップを投入。
塩コショウを少し入れ、今日はきちんと味見をする。]
んー?何か、もう少し…
[考えた末、牛乳を一回し入れた。
もう一度味見して、]
でーきた!ベネット、盛り付けてー!!
[ベネットにフライパンとパルメザンチーズを手渡した。
今日のナポリタンの感想はどうだっただろうか?
ただ、兄弟の為に何かをする、という事が嬉しい。
それが、あんな歪んだ表情になっているのを知るのは、本人がもう少し大人になってからの話。]
……、…その結果がこれって、あぁ、くそ。
ばかやろう。
[ラルフの言葉>>*0に、膝よりも胸の方が、ずきずきと痛んだ。
言ってない本音ならこちらもあったけど、結局、それ以上は何も言えずに。
静かに夜を過ごしていた。
……ただ、兄が入ってきた時と。末弟が入ってきた時には。]
あ。
[と、声を漏らしたが。]
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―回想・リビング?―
[今夜も、犯人探しの話合いがあった。色々考えて…]
僕はベネットかな。
[本当はヴィーと言ってしまいたかったが、このお遊びがどういう意味であるのか、もう少し見ていたいと思ったからだ。]
ベネットもお菓子大好きだもんね?
[あどけない顔でそう言えば、きっとベネットなら怒らない。
それに、セシルと話がしたそうだと思ったから。
言い訳に聞こえるかもしれないから、後に問いただされてもそれだけは言うまいと思った。
末弟の立場を利用して、自分の好奇心を優先させてしまっただけのこと。]
(本当に僕、最近変なんだ…。)
[シャワーを浴びながら、結局反省部屋に入ることになったヴィーの事を考える。]
(犯人が一人ならこれで終わるはず。まぁ、ハワードがグルじゃなければ、の話…だけど。)
―回想・廊下―
[ラルフから、反省部屋の面々に夕食を運ぶよう頼まれた
兄弟の為ならこんなに嬉しいことはない。]
うんわかった!
[にこっと笑って、夕食を手に反省部屋に向かう。
ハワードに鍵を開けてもらい、]
みんなー、晩ご飯だよー?
今日はテオのスープと、僕特製のなぽr…
[中に入ったところで、背後の扉が閉まる音がした。]
……え?
[ガチャリ…。それは施錠の音。]
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―回想・サンルームから―
ゆっくりでいい、ロビンの速さで歩けばいいんだ。
幸い俺たちはそれに付き合える。
[そんな話をいつまでしただろうか。
残りの話はまた今度だなと締めくくって。
他の兄弟に言われるでもなく、今日は自分が部屋に行くんだなと最後の晩餐をスープにはげっほしつつ楽しんだ]
―使用人室―
[ハワードには問い詰められるでもなく、むしろ共犯でもあったので]
いい演技だよね。上手くて俺驚いた。ノーリーンも。
[しれっと犯人である事は肯定する、理由は部屋の弟に問い詰められても言わないけれども]
―回想・反省部屋―
ちょ、なに!?
[夕食のトレーを置き、ドアを叩く。]
開けて!…開けろーッ!!!!!!
[まさか、自分が閉じ込められるなんて考えていなかった。
ヴィーの悪ふざけに誰かが乗っかったとして、…末弟の自分を閉じ込める暴挙に出るとは思っていなかったのだ。
それこそが甘えだったのだ、と打ちのめされた気分だ。
部屋の中を見渡し、ヴィー、セシル、サイラスの顔を確認する。
まず、口にしたのは…]
セシル、ごめんね…。
[セシルの反応はどうだっただろうか…。
謝罪を口にした後、顔を見据える勇気は無くて目を逸らした。
その先にあったのは、驚いた顔のサイラス。
きっと、サイラスも今の自分と同じようにここに連れてこられたのだろう。
サイラスには苦笑を向け、次に視線を移したのは…]
ヴィー…。
なにこれ?説明、してくれるよね?
[睨んでしまったかもしれない。でも、それについて謝る気はなかった。]
[何と説明を求められても、どんな誤解をされていても。
共犯者の相棒が表向きの言葉しか言わないのなら自分の理由も告げるつもりはないと]
全部俺の責任だからね、巻き込まれたラルフは責めないでやってほしい。
恨み言は、俺だけに。
[それだけを口にして、後はソファーで寝ることにした**]
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[説明などする気は無いらしい長兄は、ソファーで寝てしまったらしい
むすっっとしたまま、ドアの前に膝を抱えて座り込んだ。
こんなに人を睨んだのは、学校でケンカした時以来かもしれない。]
馬鹿ヴィー、馬鹿ラルフ。
[そう呟いて、膝に顔を埋めた。]
[部屋に自ら入り、閉じ込められたオスカーと視線がかち合う。
二人同時に苦笑が零れたことだろう。]
今日はオスカー、か。
んで……ヴィーもラルフも、自首する気はゼロなんだな。
[説明する気も無いとばかりに早々に眠りにつく兄を
オスカー同様に睨むが、効果が無いことを悟れば溜息。
弟の脅しのような…願いのような言葉が頭の中で響いていたが、
今は、迫ってきた睡魔に身を任せることにした。]
恨み言じゃ足りねえ。ヴィー、覚えてろよ。
[捨て台詞を残しては、自身も頭を抱えながら夢の中へと。**]
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[膝を抱えたまま、嫌な感情があふれ出そうになる。]
(どうしてこんな事したの?)
[兄弟の気持ちが分からない。それがとても痛い。]
明日…、タバサさんと約束があったんだけどな…。
[ぽつりと零した。
きっと、寝入ったヴィーには届いていなかっただろうけど…。
届いていたとして、セシルとサイラスの様子からしてここから出して貰える訳もないだろうけれど。
オススメの本を貸し合う予定だった。
昔、兄に薦められて読んだファンタジー小説を貸すつもりだったのに。]
またいつもの夢を見て、涙を流している。**
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俺は、お前の側に居たいよラルフ。
一人では足りないかもしれないけれど。
だから……お前の手が空かないように沢山甘えるから。
[そんな寝言は、届かぬまま**]
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―朝・反省室―
[扉の前で黒い塊となったまま寝てしまっていた。
目の辺りと頬っぺたが突っ張るような感じがして、]
あぁ、また…。
「と、呟く。
また、あの夢を見た。
皆大人になって、この家にはハワードとノーリーンと、いつまでも子供のままのオスカーしかいない夢。
いつかそれが現実になってしまうなら、
兄達がまだこの家にいてくれる今、ここにいたいと願って…。
テオとロビンが通う私立ではなく、このまま、この家から通える公立の学校に通うと申し出た。
周りには、「色んな子と友達になりたいの。貧しい家の子も、普通の家の子も…」そう言って、我を通した。
いっそ、出てしまえば楽だったのかもしれない。]
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ここから出せぇぇぇぇぇー!!!!
[立ち上がり、ドアに向かって悲鳴のような声で叫んだ。
騙された事も、理解出来ない事も、取り残されていくことも…一人ぼっちの未来も。
全てが悲しくて、全部がごちゃまぜになって…。
プツリと何かが切れたかのように、狂ったように叫び続けた。
声が嗄れようと、誰かに制止されようと、疲れて再び眠ってしまうまで叫び続けた。**]
―朝―
[オスカーの叫びに、薄らと目を開ける。
頭がまだ起きてないのか、その声を聴きながら自分が最初にこの家を空けた時のことを思い出していた。
自分で出来ることは自分でやる。それがうちの家訓だ。
しかし、実際はどうだろう。
家事のほとんどはラルフがこなし。
何かあった時兄として責任を持つのはヴィー。
そんな二人が自分を頼ってきた覚えも無くて。
少しの罪悪感からかぼんやりと、家を出ようか、と考えた。
元々無職の身だ、それを強く反対された記憶も無い。
この家にとっては面倒な男が一人いなくなるだけだろう、と。思っていた。]
みんなと一緒にいたい、か……。
[その呟きはオスカーの声に掻き消されてしまったけれど。
彼が眠りにつき、部屋に静寂が訪れれば]
お前もラルフと同じ考えなのか。
[オスカーの頭をそっと撫でながら、
兄に聞こえるようはっきりと言った。
返事はあまり、期待していないが。]
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[叫び疲れて眠りに堕ち、またあの夢がやってきた。
一人ずつオスカーに背を向けて去っていく。
去り際に、誰かに頭を撫でられた。
それが、現実にサイラスに撫でられているもの
僕も…一緒に、連れてって…
(一人で)ここにいるのは…辛い、よ…
[寝言と共に、頭を撫でている方向へと手を伸ばす。
触れる事が出来たなら、必死で捕まえてぎゅうぅぅと抱き締めただろう。]
[オスカーの頭を撫でていると、不意に聴こえてきた寝言。
その言葉が誰に向けられているかは分からないけれど。
せめて末弟の不安を拭えればと――自分なりの言葉を。]
……誰も、お前を置いてったりしないさ。
俺たちには切っても切れない縁があるだろ?
[兄弟ずっと一緒にいるなんてことは夢のまた夢の話。
それでも、今回のようにみんなで集まって、笑いながら食事して、大人げ無く遊んだりして。
少しの間でもそういった時間を共有するということは、
きっと、これから先も変わらない筈だ。家族なのだから。]
みんなでお菓子、食べような。
[伸ばされた手に触れ、抵抗せずにされるがまま抱き締められる。
彼の悪い夢が消えるまで。その頭をやわらかく撫で続けた。]
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…う…ん…?ケホッ、コホッ!
[目を覚まし、喉の違和感に咳き込んだ。]
(あぁ…。
閉じ込められたのも、あんなに叫んだのも
…夢なんかじゃなかったんだ。)
[温かいと思ったら、サイラスに抱き着いて眠っていたらしい
頭に乗せられて手には思わず泣きそうになって…]
サイラス…おはよ…ぐすっ
[掠れた声で朝の挨拶をすると、再びぎゅうぅとサイラスに抱き着いて顔を埋めた。]
反省部屋の中に広がる甘い香りにくんかくんか。
[突然の咳き込みにドキリ。目を覚ましたのかと分かれば、
どこまで聞かれていただろうとも考えてさらにドキドキして。]
あ、お、おう。おはよう。喉、大丈夫か?
[そう、どぎまぎしながらも返事をした。
また抱き着かれればやっぱり少し恥ずかしかったのだが、
頭を撫でる手は暫く止めずに。]
……あんだけ叫んだんだ、腹減ったんじゃないのか。
飯あるぞ。
[テーブルに置かれた朝食を指差し、自分もそれに視線を遣った。
のだが、ふとタルトが目に入れば、ぽつりと。]
…………顔面タルトもありか…。
[煽るようなラルフの言葉に、もうなにも言う気にならなかった。
自分の考えを貫くつもりらしいから
今更何を言っても変わるまい]
…見損なった。
[小さく呟いて、背を向けて寝台に転がる。
反省部屋に新たな兄弟達が増えた頃には、
空腹からくる疲労ですっかり眠ってしまっていた]
[まだぼんやりとした思考のまま、サイラスの頭を撫でる手が心地いいな…なんて思いながらへばりついている。
怖い夢を見た。でも、この現実はもっと怖いような気がして…。
セシルは自分のせいもあってここにいるから、なんとなく近付き難く、自分と同じようにここに連れて来られたであろうサイラスにくっついていたい気分だった。
これがもし、ヴィーに抱き着いて寝ていたとしたら、自分の頭を思い切りドアにぶつけていただろう。]
…ごはん?
[サイラスに促されて
甘い匂い…。
[ちゃんとした朝食なようで、ラルフが作ったのかな…と思い至ると、高らかに鳴く自分の腹の虫が恨めしい。]
[目覚めた時には、全身が既にまったりと疲れていた。
体力には自信のある方だったが、飲食が欠けるだけで大分違う。
寝台から起き上がるのも面倒で、丸くなるだけ。
眠気と疲労に任せて、その意識はうつうつとしていた]
…。
[朝食と聞こえたが相変わらず
食べる気は起きそうにない]
おはよう。
ラルフの朝食は美味いよ、ちゃんと食べないと暴れる体力も持たないだろうしね。
ハンストするにしても、な。
[ラルフが朝食を運んでくる頃に目を覚まして、きちんと残さず完食する。
デザートまでありがたく食べる。イチジクは好物の一つだ、アイスまで添えられてるなんてもう幸せすぎるだろう。
顔面タルトなんて俺が赦すわけが無いだろう、食べモノをそんなことに使うなんてもってのほかだ。
他の手段で訴えてほしいもの]
[昨晩同様の、…いや、昨晩よりもふてぶてしいかもしれないヴィーの態度に、むくりと体を起こして真正面に座ってやる。
もぐもぐと朝食を食べ、デザートを食べ、お茶を飲み干し…
ずっとヴィーの目を睨み続けてやった。
食べ終わった後も目を逸らさない。
他にやる事が無いのだ、徹底的にやってやる。]
[しれっと起きてきては朝食を食べ始める兄にカチン。
本気でタルトを投げかけたが、ブレッドマン同様に惜しくて、投げることは出来なかった。
それでも一度は手に乗せたタルトを元の場所に戻すのは悔しい。
結果、置いたのは兄の目の前。]
いらねーからやるよ。太れこのあほんだら。
セシルはいい加減食えよ。最悪口移しでも食わせるからな。
今の俺ならマジでするからな。
[弟に言うわりには自分は手をつけず、
どう報復してやろうかとイライラしながら考えていた。]
[庭のことを考えていると
サイラスの声が聞こえて]
…断る
[食事も口移しも御免被るという意思表示。
食事の香りは余計に食欲を減退させて]
オスカー、やるよ。
[食べ盛りの弟に押し付けた]
[オスカーにじっと見つめられるから、食べている最中でも目を逸らさずにじっと見つめ返してみる]
お前大きくなったなあ。
[睨まれているのはわかっているけれども、そんな感想がつい口からでてしまって。余計睨まれるかもしれない]
[ヴィーに「大きくなったな」なんて言われて
へぇ、今気づいたの?
今まで、…何を見てたのかな?
[睨んだまま口元だけ笑ってみせた。
今言われても嬉しくもなんともない。というかむしろ腹立たしいくらいだ。]
[セシルが食事をとっていない事を知り、自分に朝食を押し付けるのを聞いては
ねぇセシル。
セシルがご飯食べないなら、
僕、ここを出たらまっ先に庭に火つけるから。
[そう返した。]
セシルをこんなところに入れちゃったのは僕のせいでもある。
それは勿論悪いと思ってる。ごめん。
謝って許してもらえるとも思ってない。
でも、ごはんは食べて。
倒れられたら、僕、何をするかわからない。
僕、最近変なんだ。本当に何をするか分からない…。
[じっとヴィーを睨んだまま、セシルに言葉を向けた。]
しょうもねえこと言ってんじゃねえ。
[険しくなった声は少し掠れている。
一つ二つゆっくり瞬きをして]
庭に罪なんかねえんだ。
悪いと思うなら謝るより
俺の分の食事を空にしろ。
そう簡単に倒れてたまるか。
いや、川で抱き上げた時にも思った。
だからこそな、子供扱いでなく、一人の男として此処に入れられているんだ。
それとも、末っ子だからと甘やかされてずっと子供扱いされたままの方が良かったか?
[思ったよりも大人びた表情をするようになった。
あんなに小さかったのに]
セシルも。
食わないならハワードにドクターの手配頼んでおくからな。
僕は庭なんかよりセシルのが大事だもん。
悪いと思うなら食事を空にしろ?なんで?
食事を空にして、セシルの為になるの?なんの意味もないよね?
だったら許してくれなくていいよ。
庭に火つけてセシルに恨まれたっていいよ。
…でも、セシルがごはん食べてくれるなら、やらない。
[怒っているセシルに反論したことなんか無い。
凄く怖いのを知っているから。特に、庭が絡むともの凄く怖い。]
そう簡単に倒れてたまるか?じゃあその掠れた声は何だっていうの?
[こんな事件があって、セシルを怒らせて。]
(あぁ、僕もうこの家に居られないかもしれない。
頭がどうにかなっちゃいそうだよ。)
[ヴィーの言葉
じゃあ、
その一人の男としてここに入れられている理由は何?
[苛立っている。もの凄く。]
[弟たちのやり取りを暫し無言で見学する。頭が痛い。胸が痛い。
だから、昨日から続いてる膝の痛みなんて気にならずに。
椅子を思いっ切り蹴飛ばした。]
セシル。食え。
自分のことばっか考えてんじゃねえぞ。
[相変わらず睨む先は、ヴィーのままだけれど。]
[サイラスが椅子を蹴る音がした
驚かなかったと言えば嘘になる。
でもサイラスのは、セシルを思ってやっている事だ。
ちっとも怖くない。
怖いのは、理由も明かさずに自分達をこんなところに閉じ込めているヴィー、そしてラルフ。]
…………。
[じっとヴィーを睨み見る。
もの凄く悲しい。なんでこんな事になったのか…。]
………………。
[オスカーは多分オリジナリティ溢れる料理が原因だと思うんだけれども。
そんなことは言えないので、黙る事にした。
多分、明確な理由なんて、無い。
自分の願いなんてもう、最初の目的から随分反れてしまっているのだから]
お前はさ。自分ばっかり思い出が少ないとか言ってただろう。
だから。
誰かがここから出てゆく前に共通の記憶が欲しいなって思ったんだ。
これは、願ってはいけない事だったのか。
……俺が間違えたんだよな。
すまない。
俺は食事残すの嫌なの。
でも食いたくないからお前が食ってくれりゃ
俺は少しだけ楽なんだよ。
[苛立ちは声ににじむ]
寝起きで声が枯れてちゃわるいのか。
[椅子を蹴る音がしたが、
梃子でも動く気配はなく]
嫌だね。
あいつが謝んねえ限り絶対食わねえ。
[ヴィーの言葉
共通の記憶は、こんなやり方じゃなきゃ作れなかったの?
[睨んだまま、訊ねた。]
確かに、僕は皆との思い出が少ないって言った。
アルバム見るのも大っ嫌いだし、
皆が昔みたいな遊びに付き合ってくれないのも寂しかった。
でも、みんなが楽しみにしてたお菓子隠して、
ノーリーンやハワードも巻き込んで、
鍵付きの反省部屋まで用意して
騙してここに閉じ込めるような真似して…。
[ヴィーの目を真っ直ぐ見る。]
僕はあのアルバムみたいに、
皆が笑ってる思い出が欲しかった…。
[願いを受け入れたのは自分、側にいると決めたのも自分。
でも今は側に居ないから、この声は届かないし聞こえない]
……ラルフ。
[セシルのハンストは続く
セシルの庭への愛情はそんなものだったんだね。
いいよ、食べなくて。
[短くそう応えた。]
[兄から弟への回答に
すんなりと謝罪の言葉が出たことにも。]
………、それ、最初に言えよ。
[苛立ちが完全に消えた訳ではないが、刺々しさは少し薄まった。
少しだけだけど、彼の考えが解ったから。]
誰かが出てったって共通の記憶くらい作れるだろ。
なんで、ここから出てったらもう戻ってこないみたいな思考になってんだよ…。
[ああ、まずい。色々感情が混じって涙が出てきそうだ。
今まで睨んでいたのを止め、部屋にいる全員に背を向けた。]
皆で宝探しができたら、楽しいだろうなって。
どうすれば良かったんだ。
仕事で、学校で。そうでなくても皆で集まる事なんてこの機会かクリスマスぐらいしか無いっていうのに。
どうしたら、皆で笑顔で居られるんだ。
俺に、教えてくれよ……
[ソファーに沈み込んで、項垂れる。
多分これは犯人を捜さずに菓子を探せば良かっただけの話]
は? 宝探し?
[ヴィーを見ていた目がまん丸になる。]
…なに、それ?
だったら最初からそうすればいいじゃない。
お菓子隠した後に「お菓子隠したから皆で探せー!」って。
忽然と、何の情報もなくお菓子が消えたからみんな犯人探ししたんだよ?
サイラスだって、家を出ようとしていただろう?
独り暮らしは、寂しいぞ。
部屋に帰っても誰も居ないんだ。しかも暗い。
一人で食う飯は不味い。
自由は得られるかもしれないが、孤独だ。
[サイラスの背中へ追い討ちをかける、外へ出てみて気づいたことが沢山あって。
寂しさを埋めるように仕事を詰め込んだのは他でもない自分だから。
本当はロビンに目標とされるような、立派な人間じゃない]
下らねえな。
俺が飯食うかどうかと庭に関係なんかねえだろ。
テメーのやろうとしてることはただの環境破壊だ。
言うこときいてくれなきゃ癇癪でこわすのか?
末っ子の言うことなら誰でも最後にはきいてくれるとでもおもってんのか。
[ベッドの上でもそりと起き上がると、
おもむろに壁を殴った。
みし、という音がしたがそんなことはどうでもいい]
ふざけたこと言ってくれるじゃねーの。
[セシルが壁を殴るのが聞こえた
うん。僕もふざけたこと言ってるの分かってるよ。
でもセシル、サイラスもヴィーもセシルの事
心配してるのが分からない子供じゃないでしょ?
普通に食べてって言ってもきかないんだもん。
…普通じゃない言い方するしか、ないじゃない。
とにかく、俺は首謀者が謝るまで飯は食わねえ。
理由がなんだって、人のもんに勝手に手ェ出したんだ
頭下げて詫びの一つも言えねえとか
甘ったれたこと言ってんじゃねーっつーの。
[息を吐き出すところりとまたベッドの上に転がった]
…だったら、あいつ連れてきて謝らせりゃいいだろ。
[オスカーに背を向けたまま答える。
臍を一度曲げたら何があっても
決着がつくまで曲げっぱなしなことを
恐らく弟は知らないだろう。
大きくなるにつれて、随分少なくなったから]
[セシルのハンストは、自分なんかが口を出しても終わりそうにない
むしろ余計怒らせてしまったようだ。
少し項垂れながら、]
ねぇ、ヴィー…。もう終わらせる訳にはいかないの?
セシルも、首謀者が謝ればって言ってるし。
ここから出て、皆でお菓子食べよう?
[ヴィーに訊ねた。]
…あぁ、なかなか寂しいもんだよな。一人って。
家に帰んないでそこら辺で買った奴食べたりしてると、
ラルフの料理が恋しくなってやばかった。
けど、な。
人間いつかは自立しねえとダメになることくらい、
お前なら分かってるだろ?
…ここにいたら俺はきっと、お前らに頼りっぱなしになる。
それは嫌だ。
ついでにお前ら、俺に頼ってくんねーしな。
[最後は愚痴のような本音だったけど、出来るだけ淡々と口にして。
ぎゅ、と裾を握る。泣くもんか。
そう自分に暗示を掛けてから、振り返る。]
寂しいけど。俺は平気だ。
ほんとに辛くてどうしようも無くなったら、
お前らに甘えに行く気満々だったからな。
[うわ、俺ダメ人間。顔に浮かんだ苦笑は、そんな心情から。]
……んん?
だから、そんな感じで言うようにノーリーンに……。
[どこかでボタンを掛け違えたままの伝言ゲームが、ずれたまま広がって。
寝ていて丸投げしていたのも悪化の原因の一つのようだ。
セシルのハンストへは、こうなったらもうどうしようもない事を知っているから。どうもしない。
凝り固まった彼の脳内では首謀は自分だと言って謝っても気が晴れるとは思えないし]
どうだろうな。俺もこの部屋は内側から開けられない。
解放したいと外から思わない限り出られない部屋を選んだから。
[母親の手料理の味なんか記憶に無くて。
ラルフの味しかもう家の料理だと受け付けないぐらいには馴染んでいて。
それが本人への負担、しわ寄せにどれだけなっているかなんて考えもしなかった]
自立が、イコール家から出るって意味でも無いだろう?
それに俺がお前に甘えられるかよ、かっこ悪い。
頼られたいなら変わりに長男になってくれよ。マジで。
[最後の一言は割りと本気で最近思うこと。
一番付き合いの長いサイラスには、何故か見栄を張りたがるクセがあって。自分でもよくわからないが、最初に自分が兄であると意識させた存在でもある……]
[サイラスの話
しっかりしているし、場を和ませる能力はかなり高い。
弟がこれだけいれば、喧嘩の仲裁もかなりの数こなしたんじゃないかな…とか。
自分の質問に対するヴィーの答え
えー?じゃあラルフが開けてくれないと出られない訳?
でも、ハワードとかノーリーンとか…鍵持ってたりしないの?
長男と次男の会話に「ぶっ」と思わず噴き出した。
俺は嫌だな。誰かが居ないと、一人の静かな部屋じゃロクに寝れない。
[その分を埋め合わせるように昼間からしている寝貯め、夜はパソコンで仕事をしているなんて誰が気づこうか]
ここは使ってなかった使用人室だからな、マスターキーしか俺は知らないし、今は当然持っていない。
ハワードたちは勝手に開けることはしないだろう。
……たぶん。
末弟には格好つけたかったのにと思ったが後の祭り。
[ヴィーの言葉
ヴィーから目的を聞き出せたのだから、もう終わりだと思っていたのに。
ベッドの上に転がるセシルをチラリと見て、もう一度ため息。
早く終わらせて、セシルに食事をしてもらいたい。
今願いを訊かれたら、そう答えるに違いない。]
ラルフー…。
俺にとってはイコールみたいなもんだ。
この家だとお前らが全部やっちまうんだからよ。
俺の性格的にも、自立するにゃ一人暮らししかねえんだ。
[何だか一線越えて吹っ切れてきた。
かっこ悪い、と言われても「ですよねー」と返すくらいには。]
あぁ、長男ね。ぶっちゃけ、なってやりたいくらいだ。
元より俺はお前のことなんか、兄だなんて思ったことねえし。
……お前はそうじゃなかったろうけど、さ。
[…吹っ切れ過ぎて本音がずらりずらり。
ちょっと言い方がつっけんどんなのが紛れもないその証。
兄弟なんて、子供の頃では遊び相手くらいな認識だった。
弟たちへの認識は年を経て流石に変わったが、
何となく……ヴィーを兄と思うのが悔しい、絶対ありえない、という子供染みた思いが、今も定着していて。]
……ガキ。
兄弟の誰かが歌った子守唄でも録音して常備してろ。
[嫁さん作ればいい、とは流石にそういう問題ではないだろうと思って言わなかったけども。
そればっかりは自分とヴィーとの根本的な違いによるものだ。
解決するにしても毎夜お宅訪問は無理があるし、そもそも俺が行っても寝ているうちにアームロック掛けちゃいそうだしなぁ…なんて考えたりもしながら。]
…あっち、殺伐としてないといいけどな。
ま、俺たちだけでもドッキリでしたくらいの心持でいようぜ。
笑ってる思い出にするためにも、さ。
[もう一度、オスカーの頭を撫でた。]
朝食の皿を回収しに誰か来るはずだ。
そのときにラルフへ伝言を頼もう。
[末弟のため息にはそう返すしか出来なくて]
そうだよな、お前が自主的に何かする所俺は知らない。
今日からお前が長男だ。俺は兄をやめる。それで満足か。
[付き合いが長いからこそ、双子までとは行かないものの互いの考えは筒抜けているのだろう。
張り合う弟にふっと目を細めて応戦の顔]
俺だって、何で俺が長男だろうって思ってたさ。
お前が歌えよ、サイラス兄ちゃん。
ばっちり録音しておくから。
[にやーっと笑いながら「兄」と呼ぶ嫌がらせ。
寝ているときに、誰かが居ると抱き枕にしてしまうのもその所為で。
毎晩サイラスが来てもきっとありがたく抱きしめて長身同士暑苦しい夜になるだろう]
ラルフが。思いつめて爆発していないかが心配だ。
でも、溜め込んできたものを全部出して来いって思うから。
それがどんな内容でも。言わないよりは言ってしまえ。
俺には言ってくれただろう。
[サイラスに頭を撫でられ
うん!
でもまぁ、ラルフのお腹に頭突きくらいしてもいいよね?
だぁいじょうぶ、ちゃんと冗談っぽくするから!
[にこぉと笑った。
ヴィーが言うのには
そっか。でもまぁ、それが最速なら待つしかないね。
[と答え、サイラスとのやり取りには目をぱちくりさせ、]
僕、弟がいるって感覚が分からないんだけど、
そんなに長男でいるのが嫌だったの、ヴィー?
[迷惑かけてばっかりだからかな…と、ヴィーの足首に視線を投げてしょんぼり。]
僕もサイラスの歌、聴きたいなーとかなんとか。
お前が長男をやめて“それで満足”なら、俺も“それで満足”だ。
どーぞご自由に。も、存っ分に他の弟たちとだらけてください。
…俺は例え長男って肩書があっても。
んな肩書に合わせて何かする気はねえがな。
[兄の顔に、こちらも目が鈍く光る。言い合う気満々だ。
しかし、こんな風に会話したのはいつ以来か。
いつからそうなったかは分からないけれど、
最近は話しても一言二言程度だった気がする。
これだけ本音をぶちまけたからか、気分がすっきりしていた。が。]
ッ………。
……生憎。子守唄なんて知らねえからよ。
ハードロックで寝れなくしてやんよ、このクソ生意気な弟が。
[兄ちゃん、と呼ばれて迷わず鳥肌が立ち、
キモイと盛大に叫びたかったが、青筋を見せながらも抑えて。
その上、もしありがたく抱きしめるなんて言われたら、今度こそタルトを投げていたかもしれない。恥ずかしさ含め。]
………ラルフも、本音。言えてたらいいな。
そしたらこっちだって、いくらでも言ってやるんだからよ。
オスカーの頭突きに合わせてハリセンで殴るくらいはするけど。
[そう言って、オスカーに倣うように
オスカーに俺の歌はまだ早い。とかなんとか。
[長男と次男の言い合いをニコニコと見守っている。
この二人がこんな風に長い会話をするのを、どれくらいぶりに見ただろう?
昔よりも随分と大きくなった体に、【兄】というフィルタを掛けていたせいか、自分ばかりが取り残されていた感じがしていたけれど、蓋を開けてみれば子供じみたところもしっかり残っていて…。]
…ぷくく…あっははははは!
[笑い声を上げてしまった。**]
それがどんな内容でも。言わないよりは言ってしまえ。
俺には言ってくれただろう。
ただの無いもの強請りだ。
もし兄が居たら。末弟だったら。双子だったら。
今の自分と違うポジションだったらどうなんだろうと。
でも実際は俺は兄で、お前は弟で。
[しょんぼりさせてしまったオスカーの肩をポンと叩いて]
俺の弟はお前でよかったと思うぞ。
メモを貼った。
俺は長男でもだらけるけどな。
[出来れば多分、飲みながらしたい話だった。
素面で居るのはなかなかに恥ずかしい告白をいくつかしているようで、ますます素直とは離れた方向へ]
幸いハードロックは大好きなんでね、サイラス兄ちゃん流石俺の好みをばっちり把握してくれてるんだな。
ついでに抱き枕になってくれたらもう最高なんだが。
[嫌そうな顔に満足して、追撃をかます。
タルトが投げられたら流石に慌ててキャッチ、できたらいいな。
後で俺が食べておきました]
……いや、オスカー、頭突きを鳩尾には勘弁してやってくれな。吐くから。
サイラスも、顔面は。せめて後頭部か背中で。
けが人増やさないように。
[子供にはまだ早いアダルトな子守唄、とサイラスの言葉にニヤニヤから思わず肩を震わせている所でオスカーに笑われて。
ふっと眉が緩んだ]
オスカーも一日長男してみるか?
[ダラダラしたい訳ではないが、また多分くだらなくてどうしようもない事を思いつくままに提案していた**]
メモを貼った。
あぁ、うん、それは知ってる…。つか最早性分だろ。
[と、返せばふと、だったら彼が兄としてあれこれするのも性分なんだろうか、と思いつく。
……認めるのは腹立たしいので言わなかったが。]
へーハードロック好きだったのかー知らなかっ……
いやいやいや! ハードロック聴きながら寝る奴がいるかボケ!
ついでに変な要望付け足してんじゃねえ!
お前と寝るとか暑苦しすぎる! どう考えたって絵面もわりいし!
[この世界ではツッコミに回ったら負けなのだ。顔も赤い。
そもそも、口喧嘩でヴィーに勝った試しなど無いわけで。
その後、結局タルトは兄の口に入ることになる。
※ 食べ物を粗末に扱っちゃいけないよ!]
そこはまあ、ラルフ次第っていうか?
あ、ヴィーは足の小指を思いっきり角にぶつける刑な。
[思い出したようにオスカーが言っていた刑を勝手に兄に着せる。
今までの不満や苛立ちの分はまだ取り返してないのだ。]
[それから、オスカーの笑い声に目を丸くしたり。
お前も何笑ってんだ。とヴィーを睨んだり。
オスカーが一日長男したら色々と危ないんじゃ、
食事的な意味で。とか制止してみたり。
なんだか自分が閉じ込められていることを忘れそうなほど、
兄弟らしい時間を過ごしていた。
きっと。もうすぐ兄弟全員でこの時間を共有できるはず。
そう、思いながら。**]
メモを貼った。
[ヴィーの提案
え?いいの!?
[と、目を輝かせた。
だが、はたと腕を組み、しばし考えた後、]
…長男って何すればいいの?
[と、首を傾げた。]
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長男…。にやり
メモを貼った。
メモを貼った。
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