人狼議事


151 雪に沈む村

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─10年前─

[神の居ない祭壇の前で軽く目を伏せ、誰も知らない古い言葉で祈りを捧げていたチャールズは、背後から聴こえた物音にふと顔を上げた。
微かに届いた声はよく知った彼女の物に思えて。振り返りながら、名前を呟く。]

……エリサ、?

[空いた扉の隙間に見える、この村では余り見掛けない、質の良い生地のワンピース。
扉を押したであろう華奢な腕はふわふわとした薄い羊毛に包まれている。
どうやら名を呼んだ人物に相違ないようで。少し安堵を滲ませてそちらにゆっくりと歩み寄った。]

いらっしゃい、エリサ。どうしたのです?寒いでしょう、どうぞ中へ入って下さい。


メモを貼った。


……良かった、いらっしゃったのね。
爺、……ちょっと。

優雅に笑うと、奥様は爺に軽くそう合図を送りました。
言われるまでもなく、爺は一礼をして教会を出て、その入り口に静かに立ちました。
奥様は、軽く咳き込みつつも、ベビーカーを押して神父の前に立ちました。』

……お久しぶりですね、チャールズ。
冬の祈りに来ましたよ。良いかしら?

[10年前と変わらない笑顔に負けないように、此方も溌剌とした笑顔を向けたかったけれども。痩せこけた頬は、どうにも隠せませんでした。
どんな風に映っているのだろうか。……今の自分は、醜くて。
咳き込むのを誤魔化すかのように、ハンカチを取りだして、口元に当てました。]


メモを貼った。


【人】 指揮者 ウォーレン

-回想・工房-

[種火はジリヤに渡されただろうか。珍しくドナルドが改まって切り出す。]

ブーツ?

[手渡された鱗は一枚一枚かなりの大きさの見事なものだった。
火龍の鱗など、早々お目にかかれるものではない。]

かまわんが――随分珍しいな。
…まあ、今晩のうちには作れるだろ。

[そういいながら鱗を検める。これだけあれば、子供達のブーツであれば何なら3足作れるだろう。
ガキどもに、という言葉と、カルヴィンを慮る言葉に、少し目を細める。
もしも男が代金のことを口に出そうとすればそれをさえぎって。]

――大した仕事じゃない、代金は要らんよ。いつもの礼だ。

[そういって、もくもくと近くあった金尺でざっと鱗の切り出し方を考えるのだった。
…ブランフォート家の爺やさんが来たのはその後だったか。]

(9) 2013/11/24(Sun) 21時半頃

【人】 指揮者 ウォーレン

-回想・工房-

[アリスが首をすくめて爺やさんが来たかと問えば、無言でそれには軽くうなづいただろう。
ブーツを作るためにうろこに手際よく線を引きながら、クシャミとアリスのやり取りを眺め。

ジリヤがドナルドが工房を出るなら後でピエールの店に行くことを告げただろう。
遠まわしな誘いの台詞である。

―ブーツは今晩中には仕上がるだろうし、恐らく"子供達"にとってもそのほうが良い筈だ。]

(10) 2013/11/24(Sun) 21時半頃

【人】 指揮者 ウォーレン

[ピエールの店には誰がいただろうか。
他にもいたなら酒を軽く酌み交わしただろう。

ピエールには、急な頼みで悪いが、といいながら銅貨を数枚渡して明日の携行食を頼んだ。
彼のことだ、腕を振るってくれるだろう。
朝、立ち寄ることを告げ、深酒をしないうちに工房に戻った。

工房に戻れば、火龍からの頼みであったブーツを作る。

切り出した鱗をよく熱すると、本来の姿に戻ったかのように鱗は生き生きとしたつやと光沢を放つ。
それにハンマーを振るうと少しずつ形が変わっていくのだ。
その音は鉄を打つよりもどこか柔らかく、しかし澄んだ音色。

一足には手元にあった装飾用のガーネットを左右に取り付ける。
もう一足にはトパーズを取り付ける。
赤い鱗に赤い石と黄色い石はよく似合った。]

(12) 2013/11/24(Sun) 22時頃

【人】 指揮者 ウォーレン

[ガーネットの石は大切な人との再会の約束。トパーズは勇気をもって未来に進むための力。
あまっていた石をつけただけだが、どちらもあの少年達に良く合っていて、少し笑った。

気づけば夜は更け、窓の外に雪はしんしんと降り積もる。
明日出ないと帰りが難儀だろう。

なめし皮のカバンに、ナイフと手布とロープ、金袋に薬草とマグカップを入れる。
数日で帰る事を考えた、簡素な旅支度だ。
工房の奥から、荷運びのための背負子もひっぱりだす。
これに乗らないものはその場でそりを作って引っ張るつもりだった。

準備を終えると窓の外をながめながら茶を飲む。
明日はドロシーに声をかけてから行こうか。]

(13) 2013/11/24(Sun) 22時頃

【人】 指揮者 ウォーレン

-朝-
[扉を開けると、朝日に雪がきらきらと反射する。
とはいえまださして積もってはいない。足元の雪を掻き分けながら、ピエールの店に向かった。

もしそこに少年達がいたなら、ブーツのことを伝えただろう。
それを頼んだ心優しい火龍のことも。

他にも誰かいたなら言葉を交わして、朝食を取った。]**

(15) 2013/11/24(Sun) 22時頃

………ふにゃぁ?………zzzz

[ 何処からか聞き覚えのある単語を聞けば。
むにむに、と耳が動くのでした。]


指揮者 ウォーレンは、メモを貼った。

2013/11/24(Sun) 22時半頃


【人】 指揮者 ウォーレン

-朝・ピエールの店-
[店のドアを開けるとそこにいたのは少年達と。]

――ん?

[見慣れない老人が、一人。
はて、あんな人はいただろうか、と首をかしげはするが、カルヴィンがなにやら話しかけているのを見ておおよその見当がつく。
恐らくは、余り人前に出てこない者だろう。

少なくとも邪悪なものの気配はしないし、もしそうであればカルヴィンなりドナルドなりのほうがもっと反応するはずだ。
そのカルヴィンはこちらに声をかけてきた。]

ああ――あと、弁当を頼んでてな。

[そういいながらピエールの出してくれた朝食を食べる。
この男の料理は絶品だ。道すがら少し冷えた身体が芯から温まるようだった。]

(19) 2013/11/24(Sun) 22時半頃

【人】 指揮者 ウォーレン

――そういやドナルドがお前達にブーツを作ってくれって言ってな。もうできてる。

[まるで今思い出したという風に話したが、内心二人を探さなくてすんだことにほくそ笑んだ。
恐らくカルヴィンに渡しておけば、今日のうちにはトニーの手にも渡るだろう。
どこにあるのかとカルヴィンに問われれば。]

まあ落ち着け、工房にあるから食ったら渡す。

[あくまで自分のペースで朝食をとるのであった。
食べ終われば携行食を受け取って代金を渡し、カルヴィンと連れ立って工房に帰るだろう。]

(20) 2013/11/24(Sun) 22時半頃

ええ、勿論ですよ。……ああ、アリス君ですね、こんにちは。今はおねむですか?ふふ。

[外に控える執事に会釈を交わし、(こういう時、どれだけ勧めても彼は中へ入っては来ないのだ。)彼女を祭壇のほうへと誘導する。ベビーカーの中の存在に気付けば、頬を緩めて覗き込み、小さな柔らかい頬を指先でそっと撫でて挨拶をする。

眠る赤子から離れると、ふとエリサの肩辺りに視線をやる。薄らとそこに纏い付いた氷の結晶。ハンカチで顔を隠して、こほ、と短い咳をする彼女に、一歩近付く。]

……エリサ、雪が。

[細い肩のうえをそっと払う。気付けば、自分よりも背の低い彼女の顔が直ぐ下。体調が思わしくないのだろうか、先日会った時よりも骨が浮いた首筋。幾分顔色も悪い。

意識せずとも心配が表情に透けたかもしれない。
少し近過ぎるかもしれないその距離も忘れて、チャールズは労わるように髪に残る雪も、指で梳くように払ってやった。]


メモを貼った。


ふふ……私に似て可愛いでしょう?
もう3歳なのに…まだベビーカー離れしないのよ……。

[ そう言ってツンツンと子供の頬をつつくと、『メー』と子羊の鳴き声が聞こえる。もこもこし過ぎて本当に、ぬいぐるみのようだ。
娘を眺めていると、穏やかな声とともに、指が近づく。
雪が払われて、教会の床の上に、はらり。すぐに溶けて水になっていく。
見上げれば、心配そうな彼の顔が。自分はそんなにも酷い顔をしているのか。
無理矢理にでも笑顔を作る。]

――…ありがとう。
相変わらず、優しいのね。
……ダージリン、下さる?

[そう言って、椅子に断りもなく座る。
ふ、と彼に気付かれないように小さく吐息をついた。
みっともないところは見せたくなかった。]


メモを貼った。


…直ぐに用意します。どうぞ、楽にして。

[お決まりの銘柄を口にして、エリサが椅子へ座る。
花が綻ぶようだった笑顔は、今はどこか弱々しかった。
努めてそれに気付かない素振りで、此方も何時もの笑顔。
手際良く茶器の準備を整えていく。蓋を開けられ圧力の変わった紅茶葉の缶が、ぺこん、と小さな音を立てた。]

さあ。御茶が入りましたよ、お嬢さん。

[何時ものカップに、何時もの紅茶。
口にしたその呼び方も、勿体ぶった言い方も、彼女に初めて此処で御茶を振舞った時から何年も続く、二人の習慣だった。**]


メモを貼った。


……ありがとう、頂くわ。

[ 骨ばった手で受け取ると、紅茶を啜る。芳醇な香りが喉元を通って、胃へ落ちる。
急に飲み物を口に含んだので、少しむせてしまいそうになるが、ぐっと堪えて飲み込む。
……温かい。…ダージリンも。チャールズも。
ずっと、ずっと、変わらぬまま。]

――……私が村を出た時の事、覚えているかしら?

[乾いた唇で呟く。まだ18歳の頃だ。
『トップレディになってやるわ!そして華々しく帰ってきてみせます。あまりもの美しさに、ビックリしないで下さいね!!』
そう言って、自慢の美貌だけを頼りに上京したのだ。
……思えばあの頃が一番美しかったし、楽しかった。

確かに名誉も裕福な暮らしも手にして、可愛い子供も授かって。……夢は十二分に叶えられた。
けれども、一番欲しかったものは手に入らなかった。自ら逃げてしまったのだ。]

……惨めなものね。

[自虐的に微笑んだ。昔の彼女では決して見せないような、歪んだ笑顔。]


メモを貼った。


──…勿論、覚えています。
八年前でしたか。村で一番の器量良し、なんて言われていた君が、突然村を出て行くと言い出すものですから。
…あの後、随分沢山の若い衆が懺悔室に訪れたのですよ。

エリサの問いにくすりと笑って、当時、彼女が出て行ったあとの荒んだ若者たちの様子を思い出す。
予想した以上に彼らの嘆きっぷりは酷く、宥めるのに結構苦労したものだった。暫し懐かしんでは目を細め、自分のカップにも紅茶を注ぐ。

ふいに、惨めだ、と。エリサが零した言葉に、チャールズの顔は僅かに翳る。天真爛漫な少女だった、過去の彼女であれば決してしなかったであろう、陰のある表情。
正面の椅子に腰掛けると、その哀しい笑顔を覗き込むみたいに少し首を傾げて。]

……どうして、そんな風に仰るのです?
生涯の伴侶も、愛しい子供も、君の傍にはちゃんとあるのに。


メモを貼った。


メモを貼った。


ー冬のある日ー

[一段と雪が深くなったある日、その日は珍しくよく晴れていた。外は雪が太陽の光を反射してキラキラとしている。しかしピエールはまだ布団の中だ。

何枚も何枚も重ねた毛布から顔を覗かせて優しい日の光を感じていた。二度寝しそうなまどろみで思い返すのは、今年の冬の始まりの頃のこと。]

ふあ…今日は起きれそう…だな。だがあともうすこし……うん…ゆきかきしねえと。はるはまだとおい、か。

[寝そうな頭を無理に働かせる。]

ローザとチビども元気でなにより。

…つーか…はじめらへんに店に、きてたやつらこなくなった…
バーナバスさんもカルヴィンもりゅうなんだろう…出ていったようすはねえ、もんな…

……さぁておきるか。


[自身は人間と大差ないと思っていてもやはり寒さに勝てないらしい。晴れていれば起きて動けるものの、吹雪く日にはよく寝入ってしまい起きるのが昼過ぎや夕刻になることもあった。

10年前だって冬の間をずっとこの村で過ごしていたわけではなく、あっちこっちで修行していて実質ひと月かふた月ほどしか冬を経験していない。
それにまだ若かった。

祖父の元気さと自身の寒さに対する弱さから、種族の混血についてふと省みていた。]

(種族が混じるとこうも弱くなんのかね…いや、個体差があるのか。
つっても親父は若くして死んじまったから適応出来なかったてことだよな…。)


ふふ。そうだったかしら?

[とぼけた口調だけれども。その薄い唇は嘘を付く事はなく。口角の片端を上げて。過去の栄光を懐かしむ。

『……どうして?』

村を出た時と同じように尋ねられる声と問い。
瑠璃色の瞳でちらりと、隣の男を見やる。ロマンスグレーの髪、全てを許してくれそうな瞳。
変わらぬ容姿に思わず、前回の冬の思い出を重ねてしまう。
初めて、彼の手を握ったあの冬。]

――……私は、貴方を…、

[………。
一度言いかけた言葉は、ダージリンと一緒に喉の奥へと流し込んだ。
遅過ぎたのだ。]

………。
貴方は、何故この道を?
……何故、人でありながら悠久の時を歩む事を選んだの?


メモを貼った。


【人】 指揮者 ウォーレン

-朝・ピエールの店-
[急かすカルヴィンを横目に悠々と朝食を取る。
隣にいた老人も舌鼓を打っていただろうか。
食べ終わると老人には敬意を込めて会釈をし、ピエールから携行食を受け取った。]

――食った食った。さて、行くか。

[そう行って店を出れば、カルヴィンもついてきただろう。
しばし雪の中を歩きながら、何か言葉を交わしただろうか。

工房に着けば、そこにはすでにソフィアがいた。]

ああ、そういや茶をもってきてくれたのか。

[旅支度に気を取られていてすっかり忘れていた。
しかし旅立つ前でよかった。]

(32) 2013/11/25(Mon) 20時半頃

……、………。

[わたしは、あなたを。
向かいの席に座った、うつくしいひとの唇から滑り落ちた言葉に、チャールズは何も言わずに静かに目を伏せる。
落とした視線はカップの揺らめく湯気を、ただ眺めて。]

……時間と言うものは、優しく、そして残酷なものですね。
早くと望めば早く過ぎてはくれない、待てと望めば……すこしも、待ってはくれない。

[彼女の言葉の、その続きを知っているから。知っているのに、応える事の出来ない我が身の業の深さを分かっているから。
分かっていて尚、その静かな水面の様な心の奥底に、断ち切れない思慕があるのを自覚しているから。

『どうして』。あの時もそうだ。八年前。村を出て行く彼女を、引き留める事などできる訳が無かった。
どうして、と、そう言ったのはきっと理由を尋ねたかったからではない。
けれどその真意など、年若く、輝かしい時間を生きていく彼女に悟られてはいけないものだった。]


メモを貼った。


【人】 指揮者 ウォーレン

[さくさくと雪を踏み鳴らし歩く。
工房まであと少しというところで、カルヴィンの小さなうめき声が聞こえた。
振り向くと、カルヴィンは手をポケットに突っ込んで。]

――手袋な。かまわんよ。

[そう言って工房への足を速める。
ちらりと見えた鱗には、あえて触れずに。

ドナルドが、己の――火龍の鱗のブーツを渡したがった理由が、何となく分かった。]

(42) 2013/11/25(Mon) 22時半頃

【人】 指揮者 ウォーレン

[工房ではソフィアとカルヴィンと何を話しただろう。
カルヴィンも炉の火が煌々と燃える、暖かな工房では多少元気を取り戻したかもしれない。

ソフィアから茶葉を受け取る。
今度は正しく、一冬分――より少し多いのは、おまけだっただろうか。

ほかに誰か尋ねてきたならば、その者とも世間話をしながら、旅支度をする。
とはいえ、昨日のうちにカバンに必要なものはつめていたし、たいしたことではない。
ブーツを履いて、外套を羽織る。

用意ができたなら、教会に立ち寄り、ドロシーに挨拶してから村を発つだろう。]

(43) 2013/11/25(Mon) 22時半頃

[そうやって、互いに核心に触れぬまま、沈黙が祈りの家の一室を覆う。飲む気になれない紅茶のカップに口を付け、直ぐにソーサーの上に戻した。

不意にエリサが口を開く。
問われた事に、ひと言で答えるのは難しい。なにせ、自問自答を繰り返して、決着を着けるのに百年以上掛かった。チャールズの、人ならざる命の在り方。少し悩んで、カップの淵を親指でなぞる。]

……祖国を、護りたかった。否、護らねばならなかった、のです。
少なくとも──きっかけは、そうでした。

[豊穣と戦いの女神を信仰した、龍の護りし聖なる国。
かつて大陸を交易と戦火で支配したその国の名を、知っている者は殆ど居ない。
下ろしていた視線を、祭壇の方へ向ける。ステンドグラスの正面、本来ならば神の偶像が在るべき場所には、今は何も据えられていない。

この世に全き物など存在しないのだ。人も物も国も獣も妖精も龍も、神ですら──いずれは衰え、滅びる。
護りたかった祖国は疾うに、地図の上から永遠に消えてしまった。そうして、悠久の刻だけが、チャールズの手に遺された。]


女神に剣を捧げ、騎士となるべく龍と契約を結びました…身に余る力と命を手にいれて、戦い続ける事に意味が有ると盲信して。
…けれど、護りたかったものは、全て砂粒みたいに零れ落ちていった。この手をすり抜けて、何もかも。

[どれほど傷を負っても、痛みを受けても。寧ろ、そうある事が正しいのだと信じていた。護る為に、自分の命を切り落としたかった。

半身と共に、戦って、死ぬ。

心臓を捧げたその契約は、若き日のチャールズにとって共に生きる為ではなく、共に死ぬ為のものだった。
たとえ護り切れていたとしても、その先に在るもの等考えもしなかった。
なんて愚かな、自分。]


──…それでも、今は。この生にも、意味はあったのだと。
生きていくという事は、全て等しく、無意味で、価値の有るものなのだと。そう思えていますから、……。

[そう思わせてくれたのは。
静かに目を伏せ、この村で過ごした二百年に近い時を思う。
忌み嫌われた事も、怖れられた事もあった。けれど、折り合いを付け、和解し、受け入れられ。今も、自分は此処に在る。

生きていてもいいのだ、そう思わせてくれたのは、何時だってこの村で共に生きていく者達の温かさだった。
そしてそれは無論、目の前に居るエリサもそうであって。

だからこそ彼は、今この瞬間も、愛おしむ様に彼女を見詰めているのだった。]


メモを貼った。


………、そう。

[ もはやお伽噺の国のように、埃被った歴史を語られれば。
じっと、冷えたダージリンを見つめる。
透き通った褐色の湖が、自分を映している。
こんなにも皺だらけだっただろうか。
彼は、皺を増やす事もなく、同じ姿をし続けて。
ずっと。ずっと。その国を。記憶する為に生きているのだろうか。
もはや――…歴史上からも消えかけているその国を。]


……チャールズ。

[発した声は、褐色の湖を小さく動かした。
許されるならば、隣の人の手を握りたかった。
けれども、……枯れ木のような手では。
なので、代わりに。呼びかける。]

私……死にたくないわ。

[愛おしむように見つめられる視線。
あと少し若くて美しければ、この胸が高鳴っただろうか。
けれども、今は……恥ずかしかった。
痩せ衰えた頬、枝毛だらけの羊毛、骨ばった鎖骨……
再び咳き込む…フリをして口元を隠した。]


メモを貼った。


メモを貼った。


……っ、………エリ、サ、…。

[黙って昔話を聞いていた彼女に、名前を呼ばれ。ぽつん、と、呟かれた言葉に、反射的に息を飲む。
痛ましい程に痩せた彼女の細い手を、握る事が出来たならどんなに良かったか。
たったそれだけの事すらしてやれず、それでも代わりの様に彼女の名前を呼んだ。息が詰まって、途切れそうになる。

死にたくない、そう言った彼女に何もしてあげる事が出来ない。
病を治す事も、代わってやる事も。

テーブルの下で強く拳を握った。爪が皮膚に食い込んで、鈍い痛みを訴える。いっそこの血に、他の龍族の様に他者の命を永らえる魔法が備わっていれば。──いれば、何だ。この呪いの様な生に、彼女を付き合わせるというのか。

ぐるぐると巡りそうになる思考を振り払う。
何を言ったところで、実際に病で苦しんでいる彼女の、何の慰めにもならないだろう。]

──…私は、君に。幸せで居て、欲しかった。どんな時でも、たとえ──終りが来ると、しても。

[絞り出すような声の、小さな呟きは、果たして届いてしまっただろうか。]


【人】 指揮者 ウォーレン

[昼前には墓地に着いただろうか。

墓地にはピエールの店にいた老人がいただろうか。
軽く会釈をすると、一つの墓の前に佇み、その雪を払う。

行ってくるよ。

それだけで十分だった。
しばし感慨深げに墓標を眺めれば、くるりと踵を返す。]

(60) 2013/11/26(Tue) 00時半頃

【人】 指揮者 ウォーレン

[旅支度のドワーフは、カバンをかけ、背負子を背負って、まだ雪の浅い街道を歩み行く。
数日で買い出しを終え、工房に戻れば、長い冬が始まるだろう。

工房の炎は消えない。
それは村に戻る者を待ち、新たな来訪者を待ち続ける。

(あと、何度冬を迎えられるかな。)

[ドワーフの寿命は250年から300年ほどだ。
自分はあと何度冬を迎え、何度人々を迎えることができるだろうか。

石畳の街道から空を仰げば、青いガラスのように澄んでいた。
これからもっと寒くなるだろう。**]

(61) 2013/11/26(Tue) 00時半頃

指揮者 ウォーレンは、メモを貼った。

2013/11/26(Tue) 00時半頃


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