人狼議事


168 LOVEorDEATH2〜死者は愛を知りたいようです

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視点:


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ねりきりー、すあまー。
飯だぞ飯。

[朝の日課。
昼や夜は親父かおふくろが彼等の食事を作るのだけど。

食べている最中、たまに喉をくすぐって戯れたりする。
親父程ではないにせよ、おれも猫派だ。]


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[朝の『風見鶏』は、年配の客が多い。
純喫茶時代からの、常連さんだ。]

はーい、いつものあれっすね。
少々お待ちをー。

[いつもの、以外の注文はごく稀…いや、たぶんなかったかな。
とにかく、おれは先程のおじいさんに頼まれた『いつもの』、モーニングセットとホットミルクを準備し始めた。]


[余談だが、兄貴は女の子が来始める時間帯まで出てこない。

毎回思う。
起 き ろ。]


[まあ、朝なら調理とウェイターを兼任するくらいの余裕はある。
昼にそれやったら倒れるけど。]

…楽しみだなあ。

[掛けられた振り子時計をちらちらと覗き見る。
約束の時間が待ち遠しい。]


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…いい朝だなあ。

[注文されたモーニングセットとホットミルクを出した後、しみじみと呟いた。]

[じいちゃんが、店の外で掃き掃除をしている。
今日も元気だなあ。**]


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―夜・かえりみち―
[会計をすませてコンビニを出る。はんぺん、ちくわぶ、餅巾着、たまご。コンビニ袋をひっさげて、てくてくてくてく帰路を辿る。]

(…来週の懇親会、どうしよっかな。
 断っちゃったけど、やっぱり行きたいな。)

[考え事をしながらあるいていれば、歩道橋の橋の上ではたと足をとめる。視線の先には、こちらを見つめているカエル。]


[携帯が鳴る。メッセージの通知音、きっとあの子からだ。ジャケットから携帯を取り出そうとして、くらりと視界が歪んだ。歩道橋の手すりにつかまり、頭を抑える。]

(………あー、ヤバ。ちょっと寝不足かも、これ。)

"ゴメン、調子悪いから今日は休む。"

"わかったにゃー。お大事に!"

[メッセージを送り返して、カエルのいた辺りに視線を向ければ、そこにはすでになにもなく。気にとめることなく歩き出す。]


―回想
[問いかけに返された問いかけに、くすりと笑い]

 "ラブゲームの神様"、なんでしょ?

[髪についた花びらをはらい、一枚手に取って。それを自称神様の頭の上にのせて、うりうりと頭を撫でる。そしてくるりと踵をかえし、どこか憎めないこの自称神様を振り返ることなく部屋を出た。**]


―朝・自宅―
[カーテンの隙間から零れ出る光、吸い寄せられるように窓をあける。見上げた空にはパステルカラーの水色。]

ん…良く寝た。
そろそろこたつ、片付けようかな。

[伸びをして、ちらりとこたつに目を向ける。久しぶりに使ったベッドは気持ちがよくて、疲れも幾分か取れたような気がした。身支度を整え終え、時計をちらりとみれば、仕事にはまだ早い時間。]

…たまには美味しい朝ご飯、食べたいな。

[シリアルに伸ばした手をとめ、牛乳を冷蔵庫に仕舞う。]


―朝・風見鶏―
おはよーございます。
モーニングもやってるって聞いたんですけど。

[掃き掃除をしていたお爺さんにひと声かけ、席に案内してもらう。ドアをあければ珈琲豆のいい香り。原稿で見かけたレトロなカフェは、元々老舗だけあって朝の客層は落ちついているようだった。]

(店内の写真ももう少し使えたらな…あの辺り、いい感じだし。)

[座り心地のいいソファにもたれて、店内を見渡す。]

(高校生くらい?息子さんかな?偉いなぁ、こんな朝早くから。)

[切り盛りしている男の子は忙しそうで、手が空くまで注文を少し待つことにする。ぼんやり眺めた後ろ姿は、どことなくみたことあるような気がしたけれど、そのときはまだ思い出せずにいた。**]


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[須藤と部屋で。彼女に叩かれた後。
痛む頬を抑えたりもせず、彼女を見る]

…うん、そう思う。誰のせいでもなかったんだ。

[必要とされたくて、自分勝手に人に踏み込んで、
でもどうせ、と諦めを言い訳に認めることを拒絶していたままで]

忘れないよ。須藤さんを傷つけた罰だ。

[きっとこれも柵になって、いつか自分を苛む理由になって。
拒絶する背中、視線も返せない。]


青い扉の前。まさか嬉々として帰れるわけがない。
ここから自分が出て行くために、1人、見殺しにしたようなものだったから。
白石に言われたことが重くのしかかる。
偽善者といわれて…いや、言われないといけないんだと思う]

うん…気のせいだよ。
田端さんが気にすることじゃない。

[自分の責任なんだから。けれど、髪に触れられる感触に、
少し泣きそうになるけれど、涙はでなかった]


[男が早死する理由は泣けないからだ。
泣くことはストレスの7割を消費してくれる。
けれど泣かないということはそれを貯めこんでしまうことだ。

怖くないと目の前の人はいう。
俺は恐い。また誰かを泣かせてしまうことが]

…俺も…田端さんのこともここでのことも
絶対忘れないよ。忘れたとしても必ず思い出すから。

[ここでのことは覚えていないといけない。
それを一生抱えていかないといけない]


[槇村は無事に帰れるだろうか。
結局、あの後会話は愚か顔をあわせることすらしなかった。
だから、一度後ろを振り向いた]

ねー、カミちゃん。聞こえるかな。
槇村にさ、先にいってるって、伝えておいてくれる?
戻ったら俺のデスクに来いって。
ここでの無礼講はそこでみっちりお仕置きするからってさ。

[絶対戻ってこいとはいわなかった。
…言えなかった。どうしても]


あっちで会おう。甲斐田くんの風見鶏。

[罪悪感に耐え切れなくて、一度田端を引き寄せて抱きしめた。
記憶を手放すまいというように
彼女が息苦しかろうが気遣う余裕もないくらい

もう、現実で取り繕っていた様子は片鱗もない
ただなくすのを怖がる子供のようだった]


[キッチンに戻って数分後、涼やかなドアベルの音が鳴る。
視線を入口へ向けると、田端さんがじいちゃんに連れられて入ってくるところだった。]

いらっしゃいませ。
ご注文がお決まりになりましたら、声をかけて下さいね。

[ソファに近付き、一声掛けてから再びキッチンへ。
雰囲気から察するに、どうやらおれのことは覚えてないようで。
さて、それならそれでやることはひとつ。
さっき焼き上がったアップルパイにバニラアイスを添えて、出してみるか。]


「どうしたー?」

[はっ、気がついたのは友人と一緒にいたカフェ。
どうやらうたた寝してしまっていたらしい。
寝ていた間にこれでもかと並べられた料理にげんなりした顔をして]

…お前さー、カフェで腹一杯になろうなんてするなよなー。
それなら吉野家行けよ。
あ、俺仕事あるからそろそろ帰るよ。
これ以降の注文はお前が払え。あ、この写真もらうよ。

[ポートフェリオを抱えて席を立つ。
はて、なんか夢を見ていたようだったけど]


メモを貼った。


[で、モーニングセットと一緒に出したのは焼きたてアップルパイのバニラアイス添え。
案外珈琲と合う気がするけど、どうだろう。
今度メニューにアップルパイ込みのセットを追加しようかな。]

1日1個の林檎は医者を遠ざけるらしいですよ、どうぞ。

[注文していないと言われたら、ちょっとしたサービスですからとすっとぼけて。

さて、少しだけ離れて様子を見てみよう。
お客さんも他にちらちらいるから、かかりきりとまではいかないのだ。]


[その時、何かふと思い出すことがあって、
ふと立ち止まって手持ちの財布の中を探してみた。
本当ならここでスマホでメールをうちながら歩いていたのだけど
何か頭にひっかかって]

…?なんだっけ……

[それが、彼女からもらった名刺であったことは
今は頭からすっぽぬけていた
しばし立ち止まって考えていたけれど、
何もまだ思い出せないまま。

次に着たメールが、「風見鶏のクッキーが食べたいという女子社員のリクエストです」という後輩からのメールが。
スケジュール押してる中無理してもらっているし、
明日の出社の時は風見鶏によって買って行こう。
フレックス出社だから、それくらいの余裕はある]


[翌朝。どうやらあのカフェの近くで交通事故があったらしい。
詳細はよくわからないが、恐いことだ。
抱きまくらカバーを堂々とバルコニーに干して、
たまにはベッドの下の本を虫干し…とフローリングに並べたり、
朝の習慣・青汁を飲みながらあれそれ片付けてさて出勤。
そういえばコスプレ衣装は総務に返さないと。
どうしようクリーニングに取りに行くのは俺なんだろうか。
ちなみにキュアムーンライトだ。

どうにも気分がすっきりしない。
この間の飲み会で反省してから、アルコールは入れていない筈なのに。
なんだろうこのもやもや感は]

あの店、もうやっているかな。バターサブレでいいのかねぇ。
女の子の好みはわからん。


[風見鶏。ここのケーキは女子に人気だ。
ケーキの名前はショートケーキとかガトーショコラとか、
そういうスタンダードなものしかわからない。
時々バナーヌとかフォンダンショコラとか勧められるけど、
密かに体重管理している身としては是非遠慮しておきたい洋菓子だ
食べるとしたら比較的カロリーの少ないシャーベット類やシフォンケーキくらい

随分時間は早い。コーヒーくらい飲んでいこうかな、と思ってドアをあけた。
モーニングは初めてだけど、いい匂いがする。
席に付けば、お客はまばらだ。妙に髪の色が派手な女性がいる。
ちら、と視線を投げるとまた胸がちくり

なんだろう?と疑問に思いながら、メニューも見ずに注文を]

すいませーん。ブレンドと…あと、あのボックスの焼き菓子詰め合わせ、5個お願いします。


[あ。
そろそろクッキーが焼ける時間だ。

キッチンへ舞い戻り、オーブンからいい焼き色になったクッキーの天板を取り出す。]

今日のクッキーはバターサブレとチョコチップクッキー、ジャムサンドクッキーですよ、っと。

[苺と杏で二種類のジャムサンドクッキーをある程度作り終え。
昔から使っている黒板に白いチョークでかりかり。
それをじいちゃんが店の入口へ立て掛けた。]

案外人気あるんだよな、クッキー。

[手土産としては一番手軽だからかな、と結論付けながらおれは念入りに手を洗った。]


[と、そこでまたドアベルの音。
おや、影木さんだ。この時間に来るのは初めてだ。珍しいな。]

はーい、ブレンドひとつと焼き菓子詰め合わせボックス5つですね。
…ところで、うちに裏メニューがあるのはご存知でしょうか。

[注文を聞きながら、さりげなく聞いてみる。
何かに気付くならそれでよし、だめなら前に出したのと同じ形のねりきりを出してみるか。**]


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[ここのパティシエさんはよくカウンターの向こうで顔を見るけど
直接話したことはあんまりない。
モーニングは初めてだから尚更。

たまたまの今日、「裏メニュー」と言われても首をかしげて]

?いや?知らないですけど俺今腹いっぱいなんで…

[当然洋菓子店の裏メニューといえば洋菓子だろう。
そんな思い込みと、朝はそんなに食べない方だ*]


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あ、やっぱりご存知ありませんでしたか。

[なるほどこれは他にも諸々忘れてるかもなと思いつつ、おれはさらに突っ込んだ話をする。]

この時間のお客さんはちょくちょく頼まれるんですけど、親父が和菓子作ってまして。
お嫌いでなければ、試しにねりきり辺りはいかがでしょう。
まあ、ねりきりなら珈琲よりはほうじ茶がおすすめですけどね。

[そういえば、田端さんは今どうしてるだろう。
そもそも誰かと待ち合わせかな?

ちらりと、田端さんの席を見た。**]


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え、注文してないですけど…いいんですか?

[追加で出てきたアップルパイに目をぱちくり。サービスですから、と、あどけなさの残る顔で告げる少年の笑顔が眩しい。なんだただの天使か。]

ありがとう。
コレ好き。大好き。いただきます。

[キッチンからは焼き菓子の焼けるいい匂い。帰りにおやつ、買っていこうかな。]


[まずはモーニングの白いプレートに手を付ける。こんがりトースト、カラフルなサラダ、小さなオムレツ。ありがちなメニューは、どれも丁寧に作られているのが見てとれる。久しぶりにきちんと食べる朝ごはんは美味しくて、生き返るようだ。]

…このコスパなら通ってもいいかも。
あ、サラダのドレッシング美味しい。

[朝のメニューを眺めながらもぐもぐ。普段の食生活、少しは見直すべきだろうか。]


[からん、新しいお客さんの来訪を告げる音色。食べる手をとめ、視線だけちらりと向ける。入ってきたのはすらりとした男の人。ちりり、胸が痛む。]

………?

[涼やかな顔立ちのイケメンさんは、どこかでみたことあるような。]


[ふいに、胸がざわざわする。すごく、大事なことを忘れてるような気がする。忘れちゃいけない大事な何か。]

(そういえば…。
 あたし、誰かと何か、約束してなかったっけ。)

[不安になって仕事用の手帳をぺらりと捲る。携帯のメッセージとカレンダーをチェックする。けど、答えはどこにも記されてはいない。
ちらり、こちらに向いた蒼い視線には気づかない。]


メモを貼った。


[考えれば考える程、思い出そうともがけばもがく程、答えは遠のいていくようで。治まってくれない胸のざわめきに、眉を潜める。

珈琲を口につけ、ため息をひとつ。
デザートのアップルパイに手を伸ばして、口に運ぶ。

さくりとしたパイ生地、煮詰めた林檎の爽やかな酸味にシナモンがふわり。少し溶けかけたバニラアイスの甘さに…

…手にしたフォークがお皿の上に落ちた。]


[カラリ、店内に響く金属音。]

(…あたし、これ食べたことある。)

[注文してないアップルパイ。青い扉の向こうに消えてく背中。頭に叩き込んだほうじ茶の淹れ方。お盆には草餅ふたつと湯呑みがふたつ。

少しずつ、少しずつ、浮かび上がっていく記憶の輪郭。
ちくちくとした胸の痛みが蘇る。]

(…違う、思い出したいのはそこじゃなくて。)

[でも、その痛みを手放してしまったら思い出せなくなりそうで。
口元を押さえ、必死に記憶の糸を手繰る。]


[もちろん、モーニングでも手は抜かない。
サラダの材料となる野菜も、オムレツの材料である卵も。
トーストは近所の老舗パン屋さん『南風』から仕入れたもので。
ドレッシングは自家製。試作品沢山作ったっけ。]

ありがとうございます。そう言われると作りがいがありますね。
焼き菓子の詰め合わせは、クッキー4種とマドレーヌが入っていてお得ですよ。

[そしてさりげなく焼き菓子の詰め合わせをおすすめしてみる。
買っていってくれたらうれしいなあ。]


…どなたかと、待ち合わせでしょうか。

[田端さんはスケジュール帳や携帯電話をチェックしているけれど、見つからないようで。

そういえば、田端さんは誰と一緒に戻ってきたのだろう。
影木さんに対しても同じ疑問がある。

何だか不思議なタイミングでやってきたふたり。
…正直、気になる。]

オフ会、とかそういうあれでしょうか?
待ち合わせの方と、何か合言葉を決めていたりは?

[ぱっと見、他人同士みたいな振舞いなものだから判断が付かない。
ただの偶然?それとも…。]


[どんな答えが返ろうとも、アップルパイを食べるところは邪魔しない。

からりと、手にしていたフォークが落ちた。]

どうされました?
アップルパイに添えていたアイス、溶けすぎてました?

[適当なことを言いながら、様子を見る。
さて、彼女は何を思い出すのだろうか。]


[話変わって、数時間後のこと。
おれは莉乃ちゃんへの差し入れを準備していた。]

ケーキよし、紅茶よし。

[あともうひとつ、準備したいものがあるけれど。
…数が揃うかどうか、不安だ。]


…行くか。

[差し入れを積み、厳重に固定して。
配達用の軽トラックを走らせた先は…。**]


へえ、焼き菓子も美味しそう。
それじゃ、サービスしてもらったことだし、帰りにひとつお願いします。

[ 食事の邪魔にならないタイミングで、さりげなく焼き菓子の詰め合わせを勧めてくる店員さん。若いのにしっかりしてるなぁ、なんて。テキパキ仕事に励む姿を、ニコニコ眺めながら珈琲をひとくち啜る。]


(待ち合わせ…そうだ。待ち合わせ、してた。)

うん…確か…その筈なんですけど…。
ちょっと思い出せなくて。

(…でも、誰と?どこで?)

[ 店員さんにオフ会?と問われ、ちょっとドキリとしたけれど、首を振る。違う。寝る前に、しばらく忙しいから遊べないかもという謝罪に添えて、"一度会ってみない?"、と。あの子にメールは送ったものの、返事はまだなかったから。]


…ううん。

[ 記憶の中より、少しアイスが溶けているのは、食べ始めるのに時間がかかっただけで。頬の緩む贅沢な味は記憶のそのままで。]

美味しいよ、癒される。
ありがと、"甲斐田くん"

[ところどころ、まだぼんやりとしているけれど。目の前の店員さんの浮かべた表情は、記憶とぴったり重なった。
…でも、思い出したいのは彼じゃない。一番だいじな何かが、まだ欠けている。どこに行って、どうやって、誰と一緒に帰って来たんだっけ。思い出そうとして目を閉じる。**]


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…うん。どういたしまして。

[どうやらおれのことは思い出した様子。
ただ、待ち合わせしたのが誰かはやはり謎のままらしい。]

教えてあげられたらいいんだけどね。
ひとまず、待ち人がおれじゃないことしか言えない。

…あ、珈琲のおかわりならサービスしますよ。

[そう言いながら、おれは横目で影木さんを見る。
こっちもまだ忘れてるぽいなあ…。]

自力で思い出すか、待ち人さんに見つけてもらうしかないかもね?
じゃ、また後で。

[もう一度、そろりと影木さんに近付いてみる。
裏メニュー、頼んでくれないかなあ?**]


ぇあ?あぁ。和菓子も、ですか。意外ですね。
今は朝なんで…そうだな、今度また、是非。
俺両方共好きだから。

[すあまとねりきり。なんだろう?
ピンポイントなのは嬉しいけど。実家の文鳥の名前だっけ?
いいやあれは確かささみ紅寿(母命名)とつくね碧寿(父命名)とねぎま翠寿(俺命名)だ。
ほうじ茶とか、ここで好物とか言ったことあったっけ?
ていうかなんか妙に馴れ馴れしいなパティシエさん……]


[朝そんな腹に入れる習慣はない。だから今度是非に。
パティシエさんがお出かけ?したのを横目に、
先ほどの女性をもう一度ちらり。

失礼とは思っても、どうしても見覚えがあって……]

あ。そだ、去年の親睦会……

[と思うには強烈な既視感があるのだけど、
きっとあの髪の色のせいだ。
それだけなら気にすることはないのだけど、
どうして自分から話しかけてしまったのか、今はまだわからない]

えぇと…失礼?唐突にすみません。
前にお会いしたことあったなぁと思って。
去年うちの会社の懇親会にいらっしゃいませんでしたかね?


そうですか。
ではまたの機会に。

[ふむ。朝に和菓子はだめだったか…。
ほうじ茶くらいはいけるかなと思ったんだけど。]

では、ブレンド淹れてきますね。
ごゆっくり。

[一度離れ、宣言通り珈琲を淹れに行く。
ミルで豆を挽くのは地味に愉しい。]


と、えっと、俺…

[手帳の中に挟んでいた名刺を一枚、彼女に渡す。
一体何年前のナンパだと思われそうでちと後悔もしたけれど、
頭が痛くなるような既視感に、声をかけない選択肢がなかった]

影木っていいます。朝の忙しい時にすみません。
来週の親睦会、またお見えになりますか?

[なんでこんなことを聞くんだろう?
気になってしょうがない気持ちの違和感。
彼女の顔を見ればもっと大きくなるのだけど
それと同時に胸ににじむ大きな罪悪感のようなこれはなんだろう?]


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[ミルで豆を挽き。湯を沸かしながらちらちらと様子を見る。
使う道具全てを温めるのも忘れずに。]

…待ち人さん同士、で合ってるぽいかな。

[のんびり呟きながら、フィルターに挽いた豆を入れて。
少し湯を注いで豆がふくらむのを待っている。]


メモを貼った。


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[そのまま彼女と幾つか言葉を交わした後、
丁度時間だからと席を立つ。
包んでもらった焼き菓子詰め合わせと、
いつものかばんを持って、会計をすませて少し急ぎ足で職場に向かう。

頭が痛い。なんだろう。顔が熱い。何でだろう。
記憶と言葉が食い違うようで、考えれば考える程くらくらしてくる。

きっとこれは………






風邪だ。まごうことなく]


[ブレンドを出し、飲み終わったタイミングで影木さんは席を立つ。
今回は時間切れ、かな。]

ありがとうございます。またどうぞ。
裏メニューは昼間でも対応出来ますよ。

[焼き菓子の詰め合わせを手渡しながら、にこやかな笑顔で見送った。]


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[ 眉間に皺を寄せて考え込む。人の気配、耳に届いた声に、顔を跳ね上げた。]

…はい、確かに。

[問いかけに、こくりと頷く声が震える。覚えてる、声をかけるのを躊躇うくらいの涼やかな顔立ち。…でも、この人の、もっと色んな表情をあたしは知ってる。仕事について語る真面目な顔、赤らんだ顔に浮かぶ人好きのする笑み、不機嫌を隠さず睨みつけてくる目、バツが悪そうにひそめた眉。]


申し訳ありません、あいにく今名刺を切らしていて。

―――の、田端紗英、と申します。
御社には、いつもお世話になっております。

[立ち上がって名刺を受け取り社名を名乗り、ふかぶかと頭をさげる。流れるようなやりとりが羨ましくて、頭に入れなおしたマナー。]

影木 留伊さん。

[名刺に記された名前をみて、ふたたび相手の顔を見て。予感は、確信に変わる。]


…珍しいお名前ですね。

[蒼い双眸を瞳をじ…と覗き込むけれど。目の前の人は端正な顔立ちを浮かべたまま、何も気づいたようにはみえず。]

親睦会、必ずお伺いします。その際にお返しさせてくださいね。

[にこり、と微笑み返して。席を立つ後ろ姿を、何も言わずに見送った。]


田端さん。こちらこそいつもお世話になっています。

えぇ、よく言われます。変な名前とかかんとか。
よかった。お見えになるならまたお会いできますね。

[名刺を受け取ってくれた様子に何故かほっとする。
どうしてだろう。親睦会ですれ違った程度で、声をかける程のものだろうか?

罪悪感が邪魔をしていることにまだ気づかない。
大事な気持ちに必ずついてくるだろう大きな後悔から
無意識に逃げている

そして本当に引き込んだ風邪と一緒に、
しばらくそれはもんもんとさせてきた]


…甲斐田くん、珈琲おかわり。

[影木が店から去ったあと、不機嫌さの滲む声でカウンターに注文を告げる。]

思い出した。全部、じゃないけど。
甲斐田くんと倉田さんと、もう一人。

[桜のような儚げな笑顔も、子どもみたいに今にも泣きそうな顔も。言われた言葉も。声音も、熱も。あの人の事だけは全部。
珈琲を勢いよく飲み干して、カップをソーサーに戻す。]


[親睦会の日。来週と言っていても、週末だったその日から3日後のことだ。
貴重な土日、しっかり風邪で寝込んで、まだぐってりしたまま仕事場に。
同僚は呆れた顔をしていた。風邪を振りまくな、と]

うーるせー……今日はげほっ、でないとごふっ
いけないのー……

[今日は親睦会だ。プロジェクトリーダーなんだから必ず出席しないといけない。
それに、あの喫茶店で会った女性ともあわないと。
寝込んでいる間、まっしろな夢をずっと見ていて、
そこであの髪を何度も見ていた。

同じくらい酔っ払っていた夢だったから、
寝込んでいる間も無意識に飲んでいたのかと疑ったくらいだ]


んー?
そりゃま、思い出して欲しいけど。
…来週会う約束したし、今はいいかなって。

[平たくいえば拗ねて意地を張っているだけ、なのだが。青い扉の前のどこか浮かない表情が脳裏に浮かんでは消えて。しばらくそのままでもいいのかな、なんて。勿論、ずっとこのまま…とは思わないけれど。]

そういえば、倉田さんは覚えてるの?

[甲斐田くんの返答に、ちょっと羨ましい、なんて思ってみたり。]

おっと、そろそろ行かないと遅刻しちゃう。
ご馳走さま、美味しかった。また来るね。

[時計をみればいい時間。会計をすませて店を出ると、ぱたぱたと走ってゆく。]


はーい。
今から淹れるよ。

[注文を受け、ミルで豆を挽き挽き。]

誰を思い出したかはなんとなく想像つくよ。

[さっきのやり取りで思い出したのが他の誰かだったら、おれは驚く。]

たぶん、もう少しなのかな。
うまくいったらさ、今度はふたりで来店よろしく。

[お待たせ、と言いながらおかわりの珈琲を田端さんの席へ]


ん?
そりゃもう、おれも莉乃ちゃんもばっちり覚えてたよ。

[いえい、と言わんばかりのサムズアップ。
…じいちゃんに見つかって怒られた。はい、仕事はしてます。]

ありがとうございます。
お待ちしてますよ、定休日の木曜日以外は。

[さりげなく定休日も教えつつ、おれは田端さんをお見送りした。]


[再び数時間後の話。
おれは花屋さんに来ていた。

注文の内容に、あらあらまあまあと言いたげに微笑む花屋の女の子。
…そんな顔されると恥ずかしくなってくる。]

とにかく、本数は合わせて下さいね。
一本でもずれると意味通じなくなるらしいですから。

[どうやら本数もきちんとあるらしい。
おれは代金を手渡して、花束を受け取り車に乗り込んだ。
あとは、一度楽屋に入ってケーキと紅茶の入ったトランクを置いて来ないと。
ケーキは冷蔵庫に入れたいし。]


あの案件、QAリストにしてまとめて置いたんで、先方に確認お願いします。あ、あの件はあっちの作業後回しにします、その間に別の作業進めておけますし。

…そうだ、今度の打ち合わせ。
同席させて貰っても構いませんか?

[先輩達に最初は渋られたものの押し切って。惰性でやってた作業から、手戻りが少なくなるよう工夫して。少しでもやりたいことはダメ元でとりあえず口に出してみる。
そんなこんなで、土日を潰したかいあってか、スケジュールには僅かに余裕の兆し。]

えーと…。
先、行っててください。後からいきます。絶対。

[それでも定時退社、とはいかなくて。懇親会に向かう営業部と社長を見送る。ジャケットの内ポケットには名刺入れ。ちらちらと時計をみつつ仕事を片付ける手は休めない]


メモを貼った。


メモを貼った。


[ケーキと紅茶を無理言って楽屋に置かせてもらい。

花束だけを持って、客席へ。
最前列はなんとなく気恥ずかしくて、中程の席に座った。]

どんなこと、やるんだろうな。

[開演まで、あと数分。**]


メモを貼った。


[病み上がりながら、なんとか進行のチェックと、
自分の請負を終わらせて、次のイベントのブース設営の打ち合わせ、
広告のモデルさんとの撮影あれそれ。

遅い午後は有給を取らせてもらって、
親睦会まではできるだけ睡眠。
なんとか気合充填して、服を着替えて会場に

乾杯が終わって、取引先と延々と続く挨拶と名刺交換の間、
無意識に探すのはあの髪のいろ]


[どうにかこうにか切りをつけ、会場に辿り着いた頃にはもう終盤。ビンゴ大会も終わってるし、食事も殆ど片付いてる。内心舌打ちするけれど、来たかった理由はそこじゃなくて…]

(…いた。)

[後ろ姿を視界の端に捉えると、髪の毛を手櫛で撫付ける。ジャケットの襟を整えて、名刺入れを取り出すと、息をすって、はいて。真っ直ぐその人の元へと向かった。]

…影木さん。

[名刺入れを手に、その背中へ呼びかける]


メモを貼った。


[ビンゴ大会でもらったものは女性物のメイク用品高級ブランド…のセカンドライン。
なんでこんなものを…と思わなくもなかったけれど、
過去経歴(=こすぷれ)より貰っておけと上から命令されてしまった]

…はぁ。さいですか……。てか何に使う目的っすか。

[探していた姿は見つからないし、ビンゴはこんなんだし、
横目でもらわれていくPS・forとか、すごく悔しい
100歩譲ってもあのティファールのお鍋とかのほうがもっと嬉しい
探している姿が一向に見つからないことにも何故か落胆している自分がいた。

ビール片手にまただいぶ酔いも回りからかわれて…
ふと背中から聞こえる声]

はい?


田端さん。あぁ、よかった。会えた。探していたのに。
いつ頃こちらに?

[あの髪の色、間違えるわけもない。
少し酔いを含んだ声で笑いかけた
彼女は素面のようだ。飲まないタチなのか、飲まないのか、
それとも今来たばかりなのか
少なくともその手に飲み物はなかったから]

何か飲みますか?取ってくるけど。


[酒気を帯び、赤らんだ顔。一瞬ドキリと強張るけれど。平静を装って。]

田端です。
先日は失礼しました。

[そういって名刺を差出したのち、何かを伺うような視線を向ける。探していた、という言葉が嬉しかったけれど、期待していた反応ではなくて。]

すみません遅くなって、仕事が長引いてしまったもので。
…じゃあ、同じ物を。

[手元をちらりとみて告げる顔が、微かに曇る。]


あぁ、ありがとう。田端…紗英さん?
漢字、綺麗だね。

[グラスをおいて、名刺を受け取った後、
リクエスト通りにビールを渡したけれど…
その曇った顔に、ちくり。胸が痛む。
少しだけその痛みに眉を顰めた。
寝込んでいる間、ずっと魘されていたものと同じだったから

白い壁、白い部屋、恋愛ゲーム、死ぬ、生き返る
自己満、欺瞞、傲慢。傷つけて、勝手に傷ついて
だけど、好きで、大事で、一緒に。…誰と?]

どうかしまし…

[ずきん。痛い。頭が]


[名前を褒められればくすぐったい。むこうでは、一度も呼ばれたことがなかったから。気恥ずかしさを隠すようにビールを煽る。このまま思い出してくれなかったら…約束通りひっぱたいてやろうかな。なんて考えながら、もう一口。]

…だいじょうぶ?

[顔を曇らせていれば、ふいに途切れた声。ハッとして、顔を覗き込む。具合、悪そうだ。]


…無理、しなくていいよ。
思い出さなくても。忘れちゃっても。

[ふいに口をついて出る言葉。周囲の喧噪に紛れるくらいの微かな声。]

寂しいけどさ、あたしは覚えてるし。
また会えて、それだけで充分すぎるくらい贅沢だって思うもん。

[まだうすぼんやりとした記憶のむこうに、忘れて来た何か。それが何かは分からないけれど、晴れやかな気分にはなれなくて。青い扉の前で浮かべた表情の奥、この人は何を想っていたのだろう。]


[刺すような頭痛の後、田端を見る。
しばらく魂抜けたような顔で彼女を見つめていたけれど]

……うん。大丈夫。ありがとう。

[あの時と同じ顔だ。あぁ、そうだ。
いつも夢の終わりにいてくれたのは]

たば……紗英さん。だよね。


[かけてくれる優しい声。
癒されるとはこういうことだろうか。
忘れちゃいけない。自分は忘れちゃいけないことがある。
その先にあるのが紗英の存在だから、忘れられない]

覚えていてくれたんだね。
ごめん、俺は忘れないっていったのに。
…見つけてくれて、ありがとう。

[喧騒の中でも上司や同僚に見つかればうるさい
少し場所を変えようと彼女に囁いた]


[表情に色が戻り、蒼い双眸があたしを映す。]

…うん。
影木さん…留衣さん、って呼んでもいい?

[向けられる視線も、声音も、記憶のなかのその人のまま。]


[安堵して、ふいに視界が滲む。場所を変えようと囁かれれば、耳を赤らめ頷いて]

…ううん、あたしも忘れちゃってたし。
おあいこだね。

[あたしが覚えてるもの。白い空間、青い扉、生き返るためのゲーム。甲斐田くんと倉田さん。誰かいたような気がするのだけど、記憶は朧げで。どこか憎めない"何か"がいたような気がするのだけれど、それが何色だったかすら思い出せない。
けれど、目の前のこの人のことだけは全部覚えてる。]


[頷かれればそっと手を引いて会場を抜ける。
周りはもう宴もたけなわで勿論こちらに気づかない。
まだ自分も記憶がおぼろげだけれども、
覚えているのは田端と…彼女の代わりに置き去りにしてしまったもう1人と自分の後輩。
懇親会はホテルの中。勿論ブライダル関係もやっているから庭もある]

おなかすいてない?よかったらこの後どこかいってもいいし。
あ、その前にさ

[断りもなく彼女を引き寄せて抱きしめた。言えるわけもない、悪い夢の理由。でも、その代わりに自分はここにいるんだから、ずっと閉まっておかないといけないこと]

少しだけ、こうさせて。

[女の人の柔らかさは本当にほっとさせる感触で。
子供が母親を求める理由も、きっとこれだ]

あえて良かった。…紗英さん、ちゃんと無事でよかった。
夢じゃなくて…本当に、よかった。


呼び方を問われれば勿論否やがあるわけもなく


[手を引かれるまま喧噪を抜ける。庭から見えた、春先の夜空に浮かんでいるのは淡い月。]

そういえばご飯食べてないや。
風見鶏…は流石にこの時間は閉まってるよね。でも留伊さんお腹空いてなさそうだし…どうしよう、飲み直…

[引き寄せられるがまま、腕の中に収まって。抱きしめられていることに気づけば、耳の先が熱を帯びて朱に染まり、頷くことしかできなかった。]

(同じ、なんだな…。)

[身を預けたままふいに思う。寂しかったのも、不安だったのも、会いたかったのも、きっと。触れた先から伝わる熱も、存在を確かめるように抱きしめてくる腕も心地がよくて。上手く紡げない言葉の代わりに、抱きしめ返す腕にそっと力をこめた。**]


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


[背中に手の感触を感じて、ほっとしたような吐息を零す。
あぁ、この人を好きなままでいれた。
その事に何よりも安堵がにじむ。

すあまとねりきりも記憶の隅に残っている。
あの風見鶏で勧められたのはもしかしてそれか]

こんな時間にやってる店なんていくらでもあるさ。
飲み直してもいいけど俺酔っ払ったら何するかわかんないから
気をつけてね。

[まさか再会してすぐ部屋に誘うなんて、酒の頭でもできない。
もう一度ぎゅ、と抱きしめて、額にキス一つ落とす。
タクシー使ってもいいけど、夜道を少し歩きたかった。
握った手がまだ離せないのもあって。
行こう、と誘うのは自分のいきつけ。

道中、まだ人がまばらにあるその通りで、
とりとめもない言葉がこぼれていく]


[絶対忘れない、というには余りにもお互いのことは話していない。
だから、こういう他愛の無い会話でも嬉しいと思う

好きな食べ物とか、好きなこととか
勿論好きなゲームとか……]

田端さんそういえば「会いたい人がいる」()って言ってたじゃない?
その人とはもう会えたのかい。

[彼氏?というにはその後は咬み合わないし、それでは友人だろうか?
ようやっと結びつき始めた記憶をたどり、彼女を知るための言葉を投げる
飲み直しの店はそう遠くない*]


[ 気をつけてね、と言われ、浮かんだのは向こうでの出来事で]

あはは、程々にしといてね。
また物投げられるの、やだし。

[零れたのは冗談めかしの笑い声。額に落とされる唇、柔らかい眼差し。気恥ずかしさに額に手を添え照れ笑い。]

(…もっと触れたい、とか。もっと触れて欲しい、とか。)

[思わず口にしてしまいそうで、けれどまだ、今の心地良さを噛み締めていたい気分。
誘いに頷き、繋いだ手の指先を絡める。跳ねている心音も、熱を帯びる頬も、さっき口にしたビールのせいにして、夜道を二人、話しながら歩いてゆく。**]


[ついた先は小洒落たバーで、
イモジャ愛用者だった自分が背伸びして見つけた所だ。
うまくいかないことを愚痴ったり、ここで酔いつぶれたり、
マスターとは色々な意味で懇意にしている。
そう、色んな意味で]

「久しぶりだね影木くん。誰その美人さん」

[マスターは空気を読む天才だがたまに天災じみた爆弾発言もする。
会話が進まない時とか、結構いいタイミングで色々助けてくれたり、とか]


メモを貼った。


[ あの漫画実家にあるよ、とか、流行りのソシャゲは興味があるけど中々着任できなくて、とか。他愛もない話を重ねて歩けば、話題が"あの子"の事に移る。ああ、そういえば口にしたっけ。]

ううん、まだ。
でも、今度会おうねって約束はできたんだ。

[ふふりと笑みが零れる。]

えーっと、どこから話せばいいのかな。
あたし、オンラインRPGやっててさ。この子なんだけどね…

[携帯の待ち受けを見せながら説明する。加工されたゲームのスクリーンショットには、もふもふ熊と黒猫を模したアバター。]


メモを貼った。


あ、こっちの猫の方ね。猫クレリックの草芽ちゃん。可愛いでしょ。左の熊さんはうちの子。

[名前はガストンとかそんな響きだよたぶん。]

名前も歳も知らないんだけど、付き合い長くて…4年くらいかな?チャットで愚痴とか結構聞いてもらっててさ。ずっと会いたかったんだけど、中々言い出せなくて。どんな子なのか、楽しみ。

[嬉しそうに目を細める。]

うん、面白いよ。
色んな世代の人がいて、ついついチャットで話しこんじゃったり。実際の年齢とか立場とか、気にしないで遊べるし。

[…ちょっと時間かかるのが難点ではあるのだけれど。何事もご利用は計画的に。]


ふぅん。ソシャゲか。
最近多いね、そういうオフ会。
俺行ったこと無いけど。

[が、ゲームアプリにはいい金額をつっこんでいる。
そろそろ辞めようと思いつつ思いつつ、
レアがでないとやめられない。
マスターが空気読んで出してくれるカクテルやらをちびちびやりながら]

俺もやってたな。結構色々もめてたりするの見るけど…
オンとオフで違うとかよくあるよね
性格使い分けられるとか、凄いと思うけど

[紗英さんいい意味でそのままっぽいね、と笑いながら。
まさかバーでDS通信やるわけにもいかない。
ルイーダの酒場は今まだ営業してるんだろうかとふと思いつつ]


いいな、そういうのも。お。猫とクマ。
俺もチャットで大学の単位落としてたクチ。
あ、顔知らないけど友達、とか言っているの、文通とかでよくあったね。俺はやってないけど。

[マスターがなんかやきもきしたような表情でこちらを見ていたのは気づかない]

早くその子と会えるといいね。
でも、気をつけてくださいよ。今事件、多いんだし。

[俺にも構ってほしいけど。
酔いが回った頭でそういいそうになって、やめた。
それが束縛みたいに思えたから。

そして、マスターが「あちゃー」という、
なんかどっかで見たような仕草をしてたのは視界に入った]


[マスターがこちらに出してくれたものはジン系の辛口のカクテル。
紗英にも彼女の希望通りのものを。

そしてそんなゲームとかの色気も何気もない話に饒舌になりかかってきた時、
ついにマスターがおごり、と紗英に出してくれたカクテルに
思わずむせた]

ぶほっ!ちょ……!

[マスターはウィンクと「空気読めよ?」とだけいって
他の客の所にいってしまった

ブランデーの色がきれいな、キュラソーの甘い香りのカクテル。
寝酒、という意味の1杯だけど]

えー……あー……はぁ……


[小洒落たバーは、居酒屋…背伸びしても夜カフェ程度しか行った事の無い自分には未知の世界。]

こんばんは、お邪魔します。

[マスターのこそばゆい挨拶にぶんぶんと首を横に振った後にご挨拶。]

うん、あたしは素かなー。
アバターの性別と見た目が違うと、結構印象って変わるみたいで。よく男の人だって勘違いされちゃうし。留伊さん、女の子キャラ使ったらすっごいモテて貢いでもらったりしそう。

[カクテルグラスを指で弄りつつ、くすくす笑う。]


えー、ネカマって結構口調でわからないもんなんだ?
多分俺、紗英さんとはアバターで話してもすぐ女の人って分かりそうな気がする。

[ちょっと巻き戻り

どうしよう、男から貢がれてもすごく嬉しくない…
ていうか、オフで会ったらそれこそ殺されそうだ…

[カクテルグラスに触れる指が綺麗だったから、
是非羽をもってくれないかな、とこっそり思う]

俺が女の子キャラだったら多分すんごい口と性格悪いな。


[最初に出して貰った黄色いグラスは、アプリコットの香りが甘くて、オレンジの爽やかさとぴりとした辛口のジンが美味しい。]

あったあった。
雑誌の後ろの方に文通コーナー、あったよね。懐かしいなぁ。

うん、ありがとう。
誰でも彼でも会う訳じゃないし、草芽ちゃんいい子だから大丈夫だよ。

[…と言い切ってから、心配されていることに気づいて、ありがと、と小さく添える。]

え、おごり?いいんですか…?

[飲み干した頃合いに、マスターから差出されたクリーム色のグラスを受け取ると、隣りの留伊さんが盛大にむせた。]


あ、そうそう。さっきの話だけどさ。
口と性格悪くても、可愛いは正義だからいいんだよ。
そういう需要?もあるかも?

[ 思い出しつつ、新しいグラスを口に運ぶ。でも確かに貢がせっちゃったらオフでは会えないね、なんてけらけら笑い。]


げほっ、そう、だ…げふ。
確かに、会えない、……げほん。

あー……びっくりした。ごめんごめん

[カクテルに詳しくないようで少し安心した。
シーツの間に、という名のカクテルだ。
本来は、ホテルでゆっくりお休み下さいという由来なのだけど、
まぁうん、マスターのことだから背中押してくれた意味なんだろうが

…でもマスター、こないだ俺が連れてきた女性と今日一緒にいる人が違うって、知ってるよね??]


だいじょぶ?

[むせて咳き込む背中をさする。]

留伊さん、マスターと仲いいんだね。
通い始めてどれくらい?よく来るの?

[誰と、と口にしかけて、不意に浮かんだ考えに一瞬顔が曇る。今日ついさっき思い出した…ということは、だ。"そういう人"…彼女さん、とは今どうなっているのだろう。ちら、と顔色を伺ってみる。]


うぇ…、だい、じょぶ……げふ。
通い始めて?んー……6年くらい…かな?
20歳の時ここで少しバイトしててさ。今もたまに来るよ。
…でも紗英さんが気にすることじゃないから。

[その顔に浮かんだ陰り、見逃す筈もなく。誰と一緒に、とはいわないまま。肩を竦めて、苦笑いを浮かべ。
折角マスターが若干上級テクで背中を押してくれたがそのヘルプはカクテル名しらないと意味がない。
この後胃がきっと決死する……いやいや、その前に意を決しようか]

ここにはよく人と来るけど。その後は、誰ともいったことないな。

[暗に部屋には誰も入れたことはない。伝わるだろうか。
自分の行動で自分の首を締めているのだと言われたことを覚えている。だから、彼女にはそういうことをしたくないのだけど。
酒の力を借りないといえないことを、少し目をそらしながらぼそり]

紗英さんとなら、いいけど、さ。

[触れたいのも、触れられたいのも、勿論同じく思っているわけだ]


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