276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[どうやら、階段の下でまた少し寝入っていたらしい。
―――気を失った、というべきかもしれないが。
なんとか起き上がり、中庭に出ようとした。
ふら、と壁に何度もぶつかり、右腕の包帯が解けていく。
これはまずい、と自室に戻ることを考えたが、階段を上ることがどうしても出来なくて、手近なベットを、と考えた結果、医務室に辿り着く]
[ベッドの下に伸びた包帯もそのままに、
ベッドにもぐりこめば、そのまま目を閉じた。
夢に、落ちていく。
薔薇の香りが滲む、夢がやってくる**]
|
少し、悪いかも。
[>>6体調については、実に正直に答えた。一度身体を冷やしているのだ。尤もその微かな不調以上に、動揺と混乱で身体が動かず、退路を塞がれるのも髪を掬われるのもされるがままに。 鼻腔を微かに掠めるのは、錆びかけた鉄のような血の緋色。
その緋色が引き金だったのか。或いは単に混乱した頭の所為か。 まだ誰からのものかは思い出せない――匂いの「色」の欠片。あの時>>1:7の中てられるような匂いにも似たいろ。
それは、からみついて はなれないほどの 紅。 自分がその紅に囚われている訳でもないのに、余計に身体を凍らせた。]
(17) 2018/05/21(Mon) 00時半頃
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[フェルゼとのことについて、オスカー>>7は何も言わない。そのことが却って怖れを齎す。 まるで蛇に睨まれたように、声も挙げられぬまま。 そして蛇にそそのかされたように、穏やかな笑みと共にかけられた誘い>>8に、俯いて従った。
ソファに座れば、甘酸っぱい匂いばかりが鼻を擽る。けれど期待していた筈のベリータルトは、今は食欲をそそらない。 マークは座った状態でオスカーを見上げて、漸く声を絞り出した。]
話って、なんでしょうか。
(18) 2018/05/21(Mon) 01時頃
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僕がフェルゼ先輩と、……キスしていた、ことですか。
[震える瞳と、苦しい呼吸交じりのこえで、もう一度、問いを**]
(19) 2018/05/21(Mon) 01時頃
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メアリーは、>>17 あの時>>1:7の中てられるような匂いにも似たいろが、脳裏に過っていた**
2018/05/21(Mon) 01時頃
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[未だ髪にある薔薇の残り香。浅い器の中でも色濃く香る紅茶の理由がその所為だったとも気付かず、促されるままに>>42温かなカップを受け取った。 一口飲めば、多少は楽になった。ケヴィン>>39に笑われて体調を気遣われたことをふと思い出した程度には。
そうして二口目を含んで、漸く声を出した後。 オスカー>>43に一笑に付されて目を見開くも「何故判るのか」と聞けなかったのは、直ぐに相手から問われたから。 問うその声はまるで、掬い上げるもののよう。頭を撫でる手の優しさも、張り詰めたものを解かしていく。]
あいつが、僕のところに来て、僕を気に掛けて。 ……嬉しかったから。
[俯きながらも、緩んだ心で零した。]
(52) 2018/05/21(Mon) 14時頃
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[自分がオスカーの眼中に無い訳でないと知ってはいた>>0:93、が。 幼い頃は、単に他者の目線を気にしなかった故に。 大人であろうとしてからは、劣等生という自覚故に。 マークを叱った教師たちが何をオスカーに話していたか>>2:304も、知らずに。]
そう、だったんですか。 先輩は僕のことを、ずっと見てきて。
[掛けられた言葉>>44は、まるで幼い頃から気に留めて>>0:75度々触れに来た誰かのよう>>1:103。 けれどオスカーからのそれを、この時のマークは素直に受け止めた。]
(53) 2018/05/21(Mon) 14時頃
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[濡れた髪にオスカーの指が分け入る。髪紐が髪を擦って外れる。引っ張られる微かな痛みさえも苦痛ではなく。 頬へと移る手の平のなめらかさが、くすぐったくもあたたかい。 見上げた先の笑顔を、二つの瞳を、泣きそうに揺らぐ目で見詰めた。]
今の僕のことも、ずっと、見てくれてたんです、ね。
[過去の綺麗さ、今の眩しさ。そのどちらもの肯定。>>45 美しいポートレイトにも似た、自信を与えるもの。 安堵とも嬉しさともよべるものが、緩んだ笑みという形であらわれた]
(54) 2018/05/21(Mon) 14時頃
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[――のに。
「幼い頃の僕」に拘るが故の長髪が、マークの肩と共に撥ねた。オスカーが触れた頬にも、幼さ残した丸みが未だにある。]
どういう、意味。
[固まった笑みのまま、茫然と目の前のひと>>46を見上げた。 そのまま重ねられる問い>>47は、ああ、まるで、望めば願いを叶えてくれる悪魔のようで]
僕が、欲しいのは。
[今を誇る為のものか。失った筈の姿形か。手に入らない筈の永遠か。それとも――]
(55) 2018/05/21(Mon) 14時頃
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[紅茶は血の匂いをうやむやにしたが、完全には掻き消してくれなかった。その緋色に引きずられるように、紅色の記憶がぶり返す。 それは未だ遠くから、けれどじわりと刺して締め上げる荊のように>>38、「欲しいもの」を認めろとばかりに鼓動を早めた。
そんな、耐えられる筈の衝動に火をつけたのは、唇に触れる指先の甘美さ]
――いらない。
[指に敷かれたままの唇が音を紡ぐ。 そして、どん、とオスカーを突き飛ばそうとする形で、マークは両腕を前に伸ばした。]
いらない。いらない。いらない。 僕は欲しくなんて、ない、……っ、
[もうその顔に笑みは無い。荒く熱っぽい息を吐きながら、]
(56) 2018/05/21(Mon) 14時頃
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フェルゼなんて、欲しくない!!
[涙混じりの、扉の外>>30にも聞こえるほどの怒声**]
(57) 2018/05/21(Mon) 14時頃
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メアリーは、イアンがいる中庭にまでは、流石にこの怒声は届かないだろう。
2018/05/21(Mon) 14時頃
メアリーは、オスカーがどんな顔をするかも気にせずに、泣きながら吠えた。**
2018/05/21(Mon) 14時頃
[もしも、心が聞こえていたなら。
もしも、この口が動いたなら。
どんな言葉を返したろう。
苦痛を伴う行為をされ、辱められた。
否、くちづけを求め衣服を脱がされただけでも怒りと恐怖で拒絶するものも少なくないというのに、笑み浮かべ眠っているのだから、奇異に映ってもおかしくない。
ただ、それでもこの身は、満たされていた。]
[手を伸ばしたかった。求められたかった。
欲望のままに貪り、けれど甘やかに寄り添いたかった。
だからこれでいいのだと。
これが、いいのだと。
言ったのかもしれない。
言わずに笑い誤魔化すだけだったかもしれない。
揺るがないのは、モリス・レーヴェンは甘美な幸福の中にいたことだけだ。
それがたとえ、薔薇の魅せる夢だったとしても*]
[眠るモリスには、誰の声も届かない。
届かないけれど、突然の笑い声に驚いたかのように、夢の淵がふるえる。
夢の中、手回しのオルゴールがゆっくりと回るように、辿々しいメロディが流れた。]
[
Sento un affetto Pien di desir,
Ch'ora è diletto, Ch'ora è martir.
Gelo e poi sento L'alma avvampar,
E in un momento Torno a gelar.
]
[
Voi che sapete Che cosa è amor,
Donne vedete S'io l'ho nel cor.
]
― 医務室 ―
[いつもより上等なスプリング。
静寂に満ちた、けれど誰かを感じる白い部屋。
薔薇の香り。
覚えていない夢を辿って、
床にのびた包帯の先を目で追った]
[包帯を拾い上げる。
適当に腕に巻き付けて、留めるものを探そうと見渡して]
………あ
[さっき感じた誰かの気配。
ベッドに眠るモリスの姿を、見つめた。
熱が出ているのかもしれない。
何故ここにいるのだろう、とか
大丈夫だろうか、とかそういうんじゃなくて、
彼を見て、咄嗟に考えたのは]
先輩は、 何が好きなんだろ……
[手の力が緩み、包帯がまた床に伸びる。
左手では拾い上げることも上手くいかない。
不器用な指先は、包帯をつかみ損ねる]
あ、 やべ
[左手だから、だけじゃない。
滲む涙を拭って、見られていないか、とモリスの方を見やるけど、
起きる様子がなければ、それは寂しさに変わる]
[小さな呟きをこの耳が捉えられたのなら、どうしただろう。
一度はっとしたような顔になって、少しの間のあとシャツの胸元きゅっと握って、眉を下げた情けない笑顔を俯いて隠して、考えたことなかったなと溜息をつくかもしれない。
それから改めて、好きなものを考えたろう。
考えたことがないのは本当だった。思い浮かぶのは食堂にある珈琲のクッキーだとか、フェルゼと紅茶を飲む時間だとか、即物的なものばかりで苦笑したに違いない。]
[けれど、夢は醒めず。
後輩に寂しさを与えていることも知らずに、夢に囚われたまま。]
― 春の思い出 ―
[そういえば、―――モリスは覚えているだろうか。
あれは、入学式の日だったか。
新生活への高揚感なんて、この学校ではわずかなもの。
ただの、新入生じゃない。
自分以外ではほとんど出来上がってるコミュニティへの参入だ。
明るく振舞うことに疲れて、中庭の隅。
俯きがちに歩いている時、何かを見つけて拾い上げた。
小さな木彫りの意匠。
可愛らしい、と普段思うことのない表現が頭に浮かんだ。
それから誰が拾ったのだろう、と見渡して――]
[辿る思い出は、薔薇の香りに覆い隠される。
不器用ながら留めた包帯をシーツにもぐりこませた。
静寂に満ちた、けれど誰かを感じる白い部屋。
誰か、が一人なら。
それはただの寂しさであって疎外感ではない。
だから、大丈夫。
喉が渇いていたけれど、抗えない眠気に、夢に落ちていく]
|
[自ら放った怒鳴り声は、扉の音>>84を鼓膜から掻き消す。だからマークは、来訪者の存在に直ぐには気づけなかった。
声を枯らして息を切らした頃に、漸く耳に届いた謝罪>>85。 聞き覚えのある声は、いつかのあの時>>1:183よりも、掻き消えそうに歪んで聞こえた。]
…………、
[振り向きすらしなかったマークの目には、フェルゼが顔を背けた様すらも映らない。 ただ、離れていく足音が耳に残るのみ。]
(115) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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[前に伸ばした両腕が引かれることはなく、ただ、ひとを突き飛ばした手応えだけが残る>>104。 再び鼓膜に触れる音は、ほんの微かな吐息くらい。 まるで包帯のように布巾で覆われた手>>2:156と、手で胸を掻き毟るような仕草と、こちらから離れない眼差し。 どこからどこまでが自分がオスカーに与えた痛みなのか判らなくなるような、そんな姿がみえた。]
(117) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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[「脅える」>>108。あまりにも正しいその一言が心臓を刺す。その衝撃故に、オスカーの指先を払うことができなかった。マークの身体はあっけなくソファに倒れ込み、そのまま覆い被される姿勢となる。 動けない――それこそ、蛇に睨まれて石にでもされたように。]
どうして。先輩が、そんなこと、言うん、ですか。 どうして、そんなに僕と、あいつのこと……。
[問い詰めに明確な答えを吐かないまま、逆に尋ねた。 辛うじて出せた声はか細く、顔色は混乱に怯えが混ざったもの。顔を乱暴に掴まれたことで、表情は苦痛に歪む。]
それに、こんな、痛い、こと、 いつもの、先輩、らしくな――
(119) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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[言葉を言い切るか否かの時に、唇を塞がれた。>>110 重ねられたそれはやわらかで温かなものではなく、焼けつく程の陶酔でも無く、ただ、刺し貫く氷のようだった。]
(誰にされても?)
(……違う)
(こんなの、いや、だ)
[塞がれた唇では、言葉はくぐもった音と、乱れた息にしかならない。ろくにもがくことも叶わぬまま、血のように赤い瞳から逃れるようにかたく両目を瞑った。 唇に身体に掛かる感触と、くちづけてきたオスカーの――まだその正体の掴めない「色」ばかりが、否応なく意識に入り込む。
オスカーがその場を立ち去った>>111後でも、マークはソファの上から、暫くは動けない。**]
(121) 2018/05/22(Tue) 00時半頃
|
――春の日に――
[続く夢は霞んで、とある一日の出来事をぼんやりとリフレインする。
今から辿って一月もしない頃の話だ。
鳥の羽が小さな珠を抱くような細工をひとつ、中庭に落とした。
小さな不運だった。手が滑って、風が吹いて。
いつも通り執着などないはずで、このまま捨て置くことも考えたが、何故だかその日は拾いに行こうと思って、庭で彼に出会った。
あの頃は名前も知らず、どころか顔を合わせるのすら数えるほどでしかなくて、呼びかけることも出来ずに一度、おろ、と戸惑って。]
――欲しいなら、あげるよ。
[そんなふうに、きっと的はずれなことを言ったんだったか*]
[すぐ傍で眠りに落ちた誰かが、その相手と知るすべはない。
ない、けれど、或いは。
夢の中ならば、薔薇がいたずらに邂逅を許すやも、しれず――**]
|
[きっと抱え続けていたのは、子供じみた反発。 脅えているのは、自分が抱いてしまったものを認めること、そして相手も―――ということを知ってしまうこと。
それ故に「欲しくない」と思い続けてきた相手が、けれど本当に離れていった時、感じたのは「つまらない」なんて寂しさよりも、ずっと――]
(173) 2018/05/22(Tue) 10時頃
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[薔薇香る中でもぼんやりと口の中に漂うのは、煙っぽい苦さと甘ったるさの色。まだ食べていない筈のベリーとバターの匂い>>3:42が、喉の奥まで染みつくようだった。
もう身体に掛かっていない筈の重みも痛みも、冷たさも、未だ意識にこびりついている。耳の奥では未だに、低い声色の記憶が鳴り響いている。 叩きつけられた衝動に、ろくな抵抗一つもできずに――]
(174) 2018/05/22(Tue) 10時頃
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[これが、大人になろうとした筈の「僕」の有様だ。]
(僕は、惨めだ)
(僕は、こんな僕でしか、ないのか)
[充血している目に、更に涙が滲む。]
(175) 2018/05/22(Tue) 10時頃
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[身体を起こすこともできず、生乾きの結われていない長髪をソファの上に広げたまま。 談話室にあらわれたピスティオ>>151に、顔を向けるだけの気力も無かった。あからさまな「げえっ」の一声はきちんと聞こえていたが、それでもマークはここを離れようとは思わない。]
やっぱり、僕のこと、嫌いなんですね。 ごめんなさい。僕が居るの、暫く我慢して貰えますか。
[そう口にした時には、薄らと安堵の笑みすら浮かんでしまっていた。 掛けられた声から受けた嫌悪が、まるで、こんな夜でも特に変わりないピスティオの姿をあらわすようにも聞こえたから**]
(176) 2018/05/22(Tue) 10時頃
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―談話室―
[「嫌い」だと言いながらも具合を気に掛ける様子のピスティオ>>182に、思わず苦笑が洩れて]
引きずってくには、僕は重いかも。
[と、筋肉も脂肪もそれ程ついていない長身をソファに預けたまま、ごちつつも]
眠くはないけど……自分の惨めさにヘコンでいたところで。 医務室行くまではしなくても、大丈夫です。 ――気に掛けてくれて、ありがとうございます、先輩。
[弱々しく、笑った。]
(192) 2018/05/22(Tue) 15時頃
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[と、挙げられた名前>>183。 ヒューの名には、彼の腕の包帯が思い出された。詳細は知れないながら、怪我の悪化かもしれないと思えば気掛かりになる。 一方でモリスの名には]
(何やってるんだよ、先輩……)
[別れ際の様子>>1:294を思い出し、思わず苦い顔になった。想像したのは単純に「性質の悪い風邪」だ。 それから挙がったふたりの先輩の名、とりわけ後者の方に瞬いた。]
ケヴィン先輩、やっぱり。 僕もさっき、ロビン先輩と一緒に会ったんですけど 調子、変だなって思ってたんです。
(193) 2018/05/22(Tue) 15時頃
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メアリーは、イアンとモリスの間にあったことを知らないが故の推測。>>193
2018/05/22(Tue) 15時頃
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[何か探し物で右往左往するかのようなピスティオの足音を耳にしながら、「普段と違う」ことの記憶を辿る。]
月が落ちて無くて、夜が全然明けない気がして。 何処に行っても、ずっと薔薇の匂いがしてて――…
[丁度この場でケヴィンの名が挙がったからか、あの紅い記憶>>17が誰の匂いからだったかを思い出した。 そしてこのことで、あの言葉>>2:221>>2:222の真意を漸く推し量る。]
そういえばケヴィン先輩、 僕らと居た時に、こんなこと言ってました。 薔薇の匂いが落ちない。薔薇に捕まったら諦めろ。 月でさえ、薔薇に縛られてる。――って。
(194) 2018/05/22(Tue) 15時頃
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ここからは僕の想像というか、 勘みたいなことなんですけど―― ケヴィン先輩自身がもう薔薇に捕まっていて、 また別の誰かが、これから捕まってしまう。
[警告めいた去り際の言葉>>39が、脳裏に過る。]
それが具体的にどう、っていうのは判らないけど、 多分、どうしようもないくらい切羽詰まって、 誰かを欲しがる気持ちに囚われることじゃないか。
……ケヴィン先輩の匂いから、そんな色がしたんです。
[自分の鼻に一度指を載せ、それから、ゆるりと上体を起こした。]
(195) 2018/05/22(Tue) 15時頃
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メアリーは、>>195だから自分たちが何をすべきか、というところまでは上手く掴めないまま、
2018/05/22(Tue) 15時頃
メアリーは、四苦八苦するピスティオ>>183の背中に、何処か和やかに目を細めた。**
2018/05/22(Tue) 15時半頃
――来客――
[振り返っても、何も見えないのがこわかった。]
[あまり子宝に恵まれない両親の元、ようやく生まれたひとりがモリスだった。
勉強や運動の方には――特に歴史と器械運動がひどく残念だ――目立った成績はないものの、伸び代があると笑って、いつもより少しでも良ければ褒められるような甘い家族に囲まれていた。
幼少期から少し絵は描いたが別に好きにもならず、談笑とじゃれ合いばかりで過ごす日々が続いたあと、この学校でようやく趣味らしいものに出会った。]
[それからは没頭した。少しの絵の経験が、作品のイメージを記すのに役立った。学年下の絵描きにも手伝ってもらったし、庭いじりの先輩には木切れをもらった。なんなら間接的に本来の庭師である用務員とのコネクションも出来た。
失敗ばかりでごみを増やした時期が過ぎれば、徐々に校内での認知も広がっていく。
夢中で、夢中で、それからふっと立ち止まった。
そう、それはいつだったか、奇しくも眠りの外と同じ言葉をかけられて。]
[考えたことなかったなと、振り向いた。
過去を思えば、何もなく。自分を構成しているのは木片とナイフとやすりと針だけに思える。
それをこわいと思ったのは、単なる自分の感性の話だ。
染まった人生を振り返り、堂々と好きなものは木を彫ることだと言える人だっているだろう。
いつか怯えを問いかけた時、フェルゼはその類の人間だと思っていたから、返って来た言葉は少しだけ意外で。
けれど失くなることのほうがこわいと告げるその気持ちもわかる気がした。
染まるのをこわがるくせ、この手は木と枝に触れるのを止めなかったのだから。]
[穏やかだった心に少しの亀裂。くく、と微かに眉が寄ったのに、手を撫ぜるだけのフェルゼはきっと気づかないだろう。
そしてその内、ゆっくりと思いを振り払ったかのように表情は穏やかなものに戻る*]
|
―少し前の談話室―
[「かつげないから」>>204なんて言葉には、言われてみればとばかりに噴き出してしまった。バカだとか腐った顔だとかいう散々な言われようが、けれどマークが抱えていた鬱屈を程よく吹き飛ばしてくれた。 徐々に戻ってきた笑顔が、重傷でないことを示していた。
それからの話。パンの匂い>>205は確かにしなかった、と頷くでもなく是を返して。 危ないのはロビンだと聞いた時>>207に、その人の離れ際の一言>>2:225が思い出された。]
ロビン先輩は確かに、少し無茶をしそうな気がする。 僕らだってなんだか、おかしくなってるんだから。
[ピスティオもまた薔薇の香の影響を受けているらしい>>206と聞いた故に]
(244) 2018/05/22(Tue) 22時頃
|
|
って、ヒュー先輩とモリス先輩、 風邪で倒れたとかそういう訳じゃなさそう……?
[医務室に行ったというピスティオからのその一言>>208に、想像以上の事態の不可解さを思う。 とはいえ、ヒューについては確かなことは判らない。現に同じ条件でピスティオは特に何ともないというのだから。 ただモリスに関しては、思い当たる節がないでもなかった。]
モリス先輩は前にベンチで会った時に、ちょっと 弱ってるというか、弱気、みたいな感じでした。 その時から、何かあったのかもしれません。
[あの時問うてきた>>1:241理由を尋ねていれば、という後悔。]
(245) 2018/05/22(Tue) 22時頃
|
|
[もし薔薇に捕まったなら――焦がれるほどに苦しむのだろう。そう思えたのは、「暴れると自分に疵がつく」というケヴィンの言葉と、自分自身で感じてしまった、紅い荊のお裾分けの所為>>56。 荊の締め付けの前に諦めたとしても、それは誰かに――自分にも――傷跡を残していくのだろうと。 それ故に、「止められるなら」とは思ったの、だけれど]
殴ってみ ……え??
[ピスティオ>>209の一言に、同級生のワルたちの喧嘩会議を思い出し、固まった。こうして「腰抜け」マークは、茫然しながらとピスティオの背中を見送ることとなった。]
……とりあえず、お茶、やっとかないと。
[視線は机の上のクッキーへ、そして壁際の戸棚へと*]
(246) 2018/05/22(Tue) 22時頃
|
メアリーは、ケヴィンを縛る紅い荊を、思う。
2018/05/22(Tue) 22時頃
― 春の記憶と ―
[あの細工は、今も部屋のベッドの脇に置いてある。
何かを抱く鳥。
大事なものを抱きしめているような、優しさ。
落とし物だと思ったのに。
欲しいなら、と言われたら、「はい」なんて咄嗟に頷いて、
なんとなく気まずくってその場はすぐに辞したのだっけ。
持ち帰った細工を、同室者が「モリス先輩の?」って聞くから、それで名前を知った。
でも、それだけだ。
そのあとすれ違っても、何の視線も動かなかったから、いまさらありがとうなんて言えなくて―――]
|
―今の談話室―
(まだちょっと、痛いや)
[大分退いてはいたが、顔には未だ赤い痕。>>198 頬を擦りながら、ひとりきりの静寂で思うこと。
神様でもないただの人間に、オスカーとフェルゼの間で何が交わされていたかは知れない。「どうして」の疑問への答えも、結局教われない。 ただ、オスカーに傷を与えたものがあった。それだけは判った。
彼自ら言った通り>>196、ひどく理不尽な仕打ちを受けた自覚はあった。それでも、それ以上に悔しかったのは]
僕は、何にも解っちゃいなかったんだ。
[教師たちが語る偶像ではない、目の前の事実としての、ひとりの人間としてのオスカーのこと。]
(258) 2018/05/22(Tue) 23時頃
|
|
[結局あんな仕打ちを受けた後>>199も、何の一言も発せずに、ただ涙を滲ませただけだった。あまりにも無様で惨めなその姿を、「綺麗」だなんて自分では思えない。 こんな姿は、謝罪だけ残して去って行ったフェルゼの目にも映ったのだろうか。]
あんなんでも、綺麗だっていうのか。 こんなんでも、僕は僕だっていうのか。
[届かないひとりごと、ぽつり。]
(259) 2018/05/22(Tue) 23時頃
|
― 夢の中 ―
[優しい音が聞こえる。
ヴァイオリンとは違う、鍵盤の音。
明けない夜、月の隠れた星を探すような、音。
あるいは、暗い夜。傍らに眠る家族に手を伸ばすような、安心を約束された安らぎの曲]
[表面を撫ぜる誰かの気配。
額に触れた唇は、夢の中に、濃い薔薇の香りを齎す。
それは、質量のある「想い」だ。
その色は知らねども、確かにある感情。
生まれかけた、微かな欲を、薔薇の香りが増幅させる。
それは、まだ名づけなくていいはずのもので。
形にするのも躊躇われる儚さで]
|
[思えばいつだって、ふっと目を覚ました時に映っていた顔。あいつに弄われた、あいつがいる、という不愉快を、けれどもそのまま重ねつづけた。 避けることを怠った端緒は些細な事だったのろう。 けれどもいつしか、それは あたりまえ のふたりの一瞬を続けることとなった。>>234
次に目を覚ました時には、けれどその顔はもうこの目に映らないんじゃないか。 ――そんな言葉>>57を吠えたのだという自覚が、今になって、燻る。]
(265) 2018/05/22(Tue) 23時頃
|
― 夢の中の、医務室で ―
[聞こえるはずのない音量で、鍵盤の音が響いている。
それは、心地のよいBGM。
心を揺さぶるに十分な情熱は、窓から太陽の照らす明るい医務室の中を軽快に彩る]
あぁ、 ……夢か
[シーツの中。
右手の指を一本ずつ、ゆっくりと折り曲げた。
明るい光がこそ、夢だと知らせる不思議。
現実と繋げるのは、この甘い香り。
中庭の薔薇が、今を盛りと花開く]
|
[長い髪を断ち切るのを躊躇うように>>204、手が震える。 けれど何かを決めろというように、低い声>>108が鼓膜にぶり返す。]
……いなくなったら、つまらない、だろ。
[嫌な予感がした、という訳ではない。>>236 ただ、何かに突き動かされたように、駆け足で談話室から廊下に飛び出していた。
机にはクッキーと、タルトの残りと、残念な程に不器用に、茶葉を大盛りにされたティーポットを残して**]
(271) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
|
[例えば、小さなつむじ風が薔薇の花弁を巻き上げて、すべて飛ばしてしまうように。
例えば、虹色に渦巻いていたシャボンの玉が、はつんと弾けるように。
穏やかなぬくもりに揺蕩っていた自我が、ふいに帰ってくる感覚がした。
瞬間、どこか遠くに聞こえたピアノの音も、ふつと途切れる。
現実でもないピアノなのに、途切れればどこか残念な気がした。]
……あれ、
[ゆっくりと目を開ければ、見知った医務室だ。
明るく、太陽が差し込んでいる。
夢の中で目を覚ますという珍しい経験をしたことには気づかないまま、隣にいる人影に視線を向けた。]
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