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[私の目に映った世界
さっきまで真っ白だった、月が
何かが飛んだと同時に、紅く染まり
私の目が、痛みを感じたと同時に
胸の辺りが、酷く熱い感覚に包まれた]
そっか…――――
[声になったのか、わからない小さな声
悲鳴なんか、死んだって上げるものか
私は、そんな可愛い子じゃないんだ
こうなるのは、わかっていた事だろうに
人は、裏切り、掌をかえすために存在する
ゴミのようなもんだ、世界の
そんな事、最初からわかっていたじゃないか
がっかりなんかしないよ
落胆もしないよ
信じる奴が、馬鹿なんだからさ]
[御使い様がどうたら、生贄がどうたら
そんなの、どうたって良いんだ
最初から、こいつら人間じゃないんだから
罪人じゃないのに、生贄になった自分は可哀想
だから、自分を守るのためなら何をしようと良い
そんな、屑野郎ばっかりなんだ、最初から
そんな奴等を、信用した私が悪い
そんな奴等に、同情した私が悪い
何を中途半端な事してんだよ?
殺すなら、さっさと殺さないと…―――]
ばぁーか
[私の心臓が、鼓動を止めた時
女神の矢の、指す先が私じゃなくて
御使い様だったんだな、と思った
月は、いまだに白かった…―――]
ノックの音聞こえたら 今夜は舞踏会
紅のドレスにしようか 貴方が望むなら
風の記憶追いかけて 雲の様に舞い
森の鼓動聞きながら 川の様に歌うよ
夜空に散る水晶は 紅や蒼に輝き
張り付いた女神の矢が 今日はとても眩しい
手を取り合い歌いましょう
暁が 私を 迎えに来るまで
[気がついた時、私は真っ暗な森の中
一本の高い樹の上で、赤い月を真っ直ぐに見ながら
歌を歌っていたんだ、ずっと]
なにしてたんだっけ わたしは
[風が頬をなでるのに、くすぐったくない
私の体が、妙に軽い
なんだか、ぼぉーっとしちゃう
どうなったんだろう、私 よくわかんない]
悲しい歌聞こえたら 今夜も舞踏会
今日も一つ一つと 足音は消えて
炎の矢すら追いつかず ただゆらめくのみ
剣より槍より 君に捧ぐ踊りを
大地に散る星々は 夜の闇にとらわれ
流れを知る女神の目は 今日もやはり美しい
手を取り合い踊りましょう
暁が 貴方を 迎えに来るまで
[そんな事、もう良いや
私は、歌を歌っていたんだから
歌を歌ったらいい、何も考える必要は無い]
【人】 双生児 オスカー―真昼の森の中― (117) 2010/08/04(Wed) 22時半頃 |
【人】 双生児 オスカー―森の中― (128) 2010/08/04(Wed) 23時半頃 |
【人】 双生児 オスカー―森の中― (152) 2010/08/05(Thu) 00時半頃 |
―回想―
[オスカーが何処かへふらふらと歩いて行くのを見送りながら、空を仰ぐ]
私…死んだんだ…。
[ポツリ、と呟く。
正直、どうして死んだのか、その直前になにがあったのかは覚えていない。
しかし、ソレがきっかけで死の直前、ホリーは『自分』を取り戻せた。
なんという皮肉であろうか。
もう少し早く『自分』を取り戻していれば…恐怖を否定していなければ、自分は死なずにすんだのだろうか?
オスカーは嘆かずにすんだのだろうか?
とにかく今のホリーに判るのは、「自分は死んだ」ということだけだった]
…死んでも、別に天国とか地獄に行くわけじゃないのね…。
[妙に感心しながら呟いた]
…とりあえず…今の私に出来ることは…。
[悲しみの中にも、どこか決意を秘めた目で、オスカーの消えて行った方向を見つめる]
…オスカーを…見守ること。
[それだけしか出来ない。
…それが悔しくて、ぎゅっと手を握り締めた。
今のオスカーを見ていると、とても辛い…しかし、オスカーは、壊れた自分を見守ってくれていた。
そのとき、彼も辛かったはずだ。そのとき、彼も過去を悔いたはずだ。
ソレでも彼は、自分を見守ってくれた。
ならば、自分もそうするべきだと思った。
…いや、ソレがなくても、そうしてあげたいと、そう思った]
メモを貼った。
−森の中−
[自分がどうして今ここにいるのかはわからない。
ただ、死んでも直この世に留まっているという事実だけはわかる。
ならば、それだけで十分だ。
何故今ここに?そんなことは関係ない。
やると決めたことをするだけだ。
オスカーからしばらく遅れ、森にはいる。
肉体が無くなり、感覚だけの存在となったせいか、片割れであるオスカーがどの辺りにいるのかだけは何となくわかった]
…あ、オスカー!
[森の中、ぶつぶつと呟きながらさまよう片割れを発見し、駆け寄った。
…もっとも、しっかりと脚に地面が付いているのかわからない今となっては、駆ける、という表現が正しいかは定かではないが]
【人】 双生児 オスカー―森の中― (184) 2010/08/05(Thu) 11時半頃 |
【人】 双生児 オスカー―森の中・泉― (185) 2010/08/05(Thu) 11時半頃 |
あ…!
[もう少しでオスカーに追いつく。
そのとき、オスカーの体がゆらりと傾く。
一瞬、自分の視界が揺らいだかのような錯覚。
次の瞬間にはオスカーが激しい音をさせて地面に倒れ込んだ]
オスカー、大丈夫!?
[その間にオスカーに追いつくと、彼の傍らに座り込み顔をのぞき込む]
痛くない!?
何処か怪我は!?
[眉をひそめながら、おろおろとオスカーの様子をうかがう。
もしかしたら膝をすりむいたかもしれない。
まだ何処か感覚が10年前のままのホリーは、そんなことを本気で心配しているようだ。
しかし、彼の様子を見ようにも、自分では彼を助け起こすことも出来ない]
あ…よかった、怪我はなさそう…?
[起きあがったオスカーの膝をのぞき込み、ホッと胸をなで下ろす。もっとも、掌をすりむいていたりしたら、また心配そうな顔をしただろう。
オスカーが木に体を預け、空を仰げば、自分もその隣に座り込んで空を見上げた。
そして]
…!?
[オスカーが突然笑い声を上げはじめ、びくりと肩をふるわせた。
そしてオスカーの頬を涙がぬらせば、ホリーもまた、泣き出しそうな表情で、そっと頬に手を添え、その涙を拭う仕草をする。
…むろん、触れられるわけではない]
オスカー…。
[そうして彼を、抱きしめるようにその体を包み込む。
実際触れられなくても、自分にはソレしかできないから…。
そうして、オスカーがいつしか眠りについたなら、それに寄り添い、ホリーも目を閉じた。
幽霊でも眠れるのだろうか?
そんなことを考えながら]
ん…おはよう、オスカー。
[隣でもぞもぞと気配がしたので目を開けると、オスカーが目を覚ましたようだった。
声は聞こえないとわかっていても、自然とおはよう、と小さく笑みを浮かべて声をかけていた。
オスカーが体の様子を確かめるようにうごめき、節々の軋みに顔をしかめたなら]
…こんなところで寝るからだよ?
ちゃんとベッドで暖かくして寝ないと、風邪ひいちゃうんだから…。
[心配そうにオスカーの顔を見つめた。
オスカーが水を飲むために泉へと向かうなら、ホリーも後に続いた]
−泉への途中−
それにしても…。
[考える。
自分が死んだときのこと。
しかし、何か衝撃を受けて気絶したところまでは覚えているが、そこから先が思い出せなかった]
…気絶させられた…。
アレは、何か術とか超自然的な物ではなかったはず…。
…私は、ミツカイサマに殺されたの?
…だとすれば、ミツカイサマは普通に肉体を持った何か…。
しかも、「知識」や「知恵」を持った何か…。
[そうでもなければ、あんな「気絶させる」なんてまねは出来ないだろう]
…私は…何に襲われたんだろう…。
[真剣な顔で思い返すも、答えは出ないまま]
−泉−
[泉に到着してオスカーが水を飲む]
…幽霊でも飲んだり食べたり出来るのかな?
[先ほどから、お腹が空いたり喉が渇いたりということはない。
だが、イコール飲食できないとは限らない。
知的好奇心を刺激され、そっと水に手を差し込んでみた。
当然、水がホリーの「体」を避けるはずもなく、水面には波紋一つたたない。しかし]
…あ、冷たい。
[冷たい、という感覚は伝わってきた。
が、ためしてはみたが、もちろんのこと水をすくうことは出来なかった。
口を直接つけて試してみようか?
…いや、そんなはしたない真似は出来ない。
それに、たぶん飲むことは出来ないだろう。
ならば、わざわざ自分の現状を再確認させられるようなことをしなくても良いだろうと、実行はしなかった。
オスカーは近くの木の実をもぎ取り、ソレをかじる]
あ!
ダメだよオスカー、食べる前にはちゃんと洗わなきゃ!
[そこに泉だってあるんだから、と、オスカーの行動に顔をしかめた。
当然彼は、そんなことを言われていると夢にも思わないだろう。
そのまま木の実を食べ進めた]
もう…。
…でも、懐かしいよね…。
小さい頃…もっと森の浅いところだったけど、二人でこうやってピクニックみたいなことをしたこともあったっけ…。
[そう言って、遠い昔に思いをはせた。
ちらりとオスカーの顔を見る。
彼の表情は険しかっただろうか。
恐らく、今夜のこと、ミツカイサマのこと…そんなことを考えているのだろう。
ぐ…と胸が苦しくなる。
彼には生きて欲しい…。でも、一人は寂しい…オスカーとまた一緒におしゃべりをしたい。
そんな相反する思いがホリーの中で渦巻いていた。
頭をふるりとふって、孤独を振り払うと、少し寂しそうな笑みを浮かべて]
【人】 双生児 オスカー[隣に人の気配を感じ、ゆると顔を上げた。 (190) 2010/08/05(Thu) 14時半頃 |
オスカー…あなたは生きてね…。
[そっと、彼の手を取る仕草をした。
じっと彼の顔を見つめる。
そして、気が付くと]
…。
…っ!?
[す…と、吸い寄せられるように彼の唇に自らの唇を重ねていた。
今までもそうだったように、もちろんオスカーに実際に触れることが出来たわけではない。
出来たわけではないが、自分の行動に気づいたとき、少なからず驚きを覚えた]
わ、私は何を…!?
ち、ちがうの!
今のは…そう、挨拶となんら変わりがないというか…ほっぺにキスする感覚っていうか…!
[場違いに顔を赤らめ、誰へともなく言い訳をした]
[突然背後から声がして、ビクリと肩をはねさせる。
慌てて振り返れば、そこには記者の姿があった]
い、イアンさん…!
[彼に自分の行動が見えたはずはないが、見られてはいけないシーンを見られた気分になって、気まずそうに目をそらした]
…。
[イアンとオスカーの会話を黙って見つめる。
その表情には、先程までの浮いた様子はなく、どこか悲しみをおびた表情だった。
ミツカイサマを殺したい。オスカーはそう言う。
しかしソレは…]
…お願い、オスカー。
生き残ることを優先して考えてね…。
[両手をそっと組み、彼の無事を祈った]
【人】 双生児 オスカー―広場― (232) 2010/08/05(Thu) 21時半頃 |
【人】 双生児 オスカー―森の中― (266) 2010/08/05(Thu) 22時半頃 |
【人】 双生児 オスカー―少し前の事― (274) 2010/08/05(Thu) 22時半頃 |
【人】 双生児 オスカー……すいません、ずっと森に居ました。 (279) 2010/08/05(Thu) 23時頃 |
【人】 双生児 オスカーラトルの家……? (286) 2010/08/05(Thu) 23時頃 |
【人】 双生児 オスカー――ちょっと、ミッシェルさん!? (292) 2010/08/05(Thu) 23時頃 |
【人】 双生児 オスカー[ランプの明かりが見える。 (298) 2010/08/05(Thu) 23時半頃 |
【人】 双生児 オスカー……変な取り合わせ。 (307) 2010/08/05(Thu) 23時半頃 |
【人】 双生児 オスカーすみません。 (315) 2010/08/06(Fri) 00時頃 |
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