197 獣ノ國
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―回想・商店街―
[向けられる視線>>4に男は戯けた姿勢をやめることなく]
――魔法か。君はそう捉えるのか。
かけられた魔法が“良い魔女”により持たされたものならば、夢物語のように朝日と共に夢は溶けてしまうんだろうね。
でも、“魔法”が悪意あるものならば……そう、たとえば、
――“悪い魔法”との契約ならば。
[問いかけには答えない。切り開くための駒も切り札もないのだから。
だからこそ、男は探し求めていたのだ。]
(8) 2014/10/07(Tue) 02時頃
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――名前なんてものにこだわるのかい?
[少し翼を雨粒により濡らした小鳥が彼女の元>>5へと飛び立てば男は首を傾げる。]
お利口にしていれば、何か貰えるらしいからね。
[和らいだような声色に対して、先の黒鹿とのやり取りを思い出して、差し出された一枚の頼りに目を通す。]
――僕が素敵な人だって? …ありがとう!
[綴られたそれが相手の連絡先だと知ると男は彼女が以前呟いた言葉を遣う。
茶化すような巫山戯た言葉。 けれども一枚の紙面をポケットに入れる仕草はやんわりとしたもの。
そして小鳥を連れて遊ぶ彼女の目線に合わようと軽く膝を折る。]
(9) 2014/10/07(Tue) 02時頃
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――だから、素敵な君へ。
次は綺麗な金糸雀にも、お便りをお願いしてもいいかな?
[差し出した鳥型の身体に添えるように綴られてあるのは、彼女の連絡先>>3:355
頷きを肯定と見なした男の結果だった。]
(10) 2014/10/07(Tue) 02時頃
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さて、僕はもう行こうかな。
[落ちたビニール傘を拾い、再び彼女に差し出せば受け取って貰えただろうか。
男は笑みを浮かべつつ、当初の目的地本屋へ向かおうとして――足を止めて。]
――君は、さ。
……やっぱり、何でもない。
[開いた唇は、閉ざされる。]
(11) 2014/10/07(Tue) 02時頃
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ああ、そう。本屋にはベネットはいたかな?
[再び切り開いたのはそんなこと。 彼女に尋ねてみたが、答えは貰えただろうか。
もし彼女から聞くことが出来たのなら、居合わせタイミングか、はたまた理由でもあったのか、会うことが無かったこと>>2:364を知ることはあったか。
聞くことがなかったのなら、自らの足で彼の元へと、本屋へと向かっただろう。]
――約束を破ったのは君の方じゃあないか。
[なんて、男も結局何の因果か約束を果たすことは叶わなかった。
何れにせよ、人のせいにすることに決め込んだ狼は鼻を鳴らしつつ、帰路に着くのだった。]*
(12) 2014/10/07(Tue) 02時半頃
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[走る汽車の窓から外をぼんやりと眺めていれば、景色の向こうに見えたのは見慣れた大きな科学塔。
朝陽を浴びて遠くに見えるそれは、とても、とてもゆっくりと窓の外を走り行く。
――あの國で過ごしたのは、果たしてどのくらいの間だっただろう。故郷と呼ぶには短く、旅と呼ぶには長いその年月。徐々に遠くなるその塔の影を追ってしまうのは、やはりそれだけの年月を其処で過ごしたのだと、言うことなのだろうか。]
………ん、
[そうしてふ、と。震えるポケットに気付き。其れを開いて見たのなら、そこには二通のメールの通知。何方も、差出人はあの歳の近い友人だ。
先に来ていた一通は、昨日の昼の"デート"を揶揄る一言と、"今日"より先の晩酌の誘い。
応える事の叶わぬそれには、小さく、小さく苦笑を漏らす。
最後に付け加えられた一文には、呆れたように肩を竦めはしたけれど。]
……フン。自分の方こそ、十分にお楽しみだったじゃあないか。
[大学で見かけた時に、彼の隣に居た少女を思い浮かべ。"唯の生徒と先生"ならば、この言葉の限りでは無いのだろうけれど。
懐かしむように目を細め、呟いた言葉はあの國に残る友人には、決して届く事は無いだろう。
借りた本は、結局返さぬままに持って来てはしまったけれど。まぁ、あの友人の事だ。もしもこの先会うことがあったのなら――酒の一つと此方の話とで、きっと許しては貰えるだろう。
そうして最後の追伸に、ふ、と――嗚呼、何時だっただろう。まだ自分の歳が二十の前半だった頃、酔った勢いで悪戯に詐欺を装い、彼に電話をかけたりもしただろうか。]
…出来るなら、最後にまた一度お前と酒でも交わしながら…話でもしたかったんだが。
[二通目のメールに目を通しながら、ポツリと漏れたのはそんな一言。このメールを飛ばして来たと言うことは、恐らくはあの本は無事に持ち主の元へと届いたと思っていいのだろう。
此方から本を貸す時、或いは彼方から本を借りる時。返すと言うのを理由にして、数え切れない日々を共に朝まで語り明かしたかの友人。神話の生物の事を主に研究している男と、民俗学から神話や都市伝説まで幅広く精通している友人と。
大学に用事がある時は、その授業風景を時折覗きに行った事もある。そして彼の話す話は、男の興味を酷く惹きつける物だったから。
自分があの國で最も近しいと言える友人は、今頃何をしているのだろう。]
………、あぁ。
[メールへの返信は行わぬまま、携帯端末に登録されている全ての番号からの着信を、拒否に設定する。全てを置いてきた中で、この小さな機械だけは置いて来ることが出来なかったのは――それは果たして、あの國への未練故か。
そうして再び窓の外へと視線を移し。既に見えなくなってしまった科学塔に、知らずのうちに声が漏れる。
向かう先は、長年使っていない別荘へ。きっと埃に塗れて"仲間"の巣も沢山張られているだろう其処を思い浮かべ…男はひとつ、諦めたように息を吐いた。
ガタン、ゴトン。
揺れる汽車に運ばれて、《蜘蛛》は漸く國の外へと。]*
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―自室―
[また出直すことに決めた男は帰路へと着いた。
そうして辿り着いた我が家にて、本屋の青年を思い浮かべていれば自然と指は読みかけの戯曲を開き、気付けばすっかりと読み耽ってしまっていた。
再び意識が浮上したのは小鳥の囀りを耳にした後。
欠伸を咬み殺すこと少し。気怠い身体を伸ばせば、関節のところどころが軋んだ音を立てる。
そうして時間を確認しようとして、一通手紙>>25が届いていたことを知る。]
(54) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ビースト 宛先:ベル ―――――――――――――― Bonjour funny girl 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― やあ、綺麗な人 随分とお早いお帰りだね とっくに12時を告げる鐘は鳴り響いてしまったよ
それはそうと、君は実に不思議なことを言う 一つの物語に二人の主役はいらないのさ
そう、無事に届いたようで良かった ああそうだね、女の子に嫌われるのは望んじゃあいない 参考にさせてもらおうかな
ビーストは性根の腐っていて、力で何もかもを支配する野獣だろう? それならこのくらい意地が悪くて十分なのさ
(56) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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君が出会った3人の獣、か それは金糸雀?黒鹿?それとも噂のシェパードに色素の薄い獣か、キュウっと鳴く獣?
是非とも詳しく聞きたいものだから…そうだ 目立ちたがり屋さん、またいつかお茶でもどうだい? ちょうど“借り”も返せそうだしね
――――――――――――――
[手早く打ち込み、電子の道へと送り付ける。 形ある手紙よりもそれは何倍も早く相手の元へと辿り着くだろう。
そして、昨日雑貨屋にて購入した品>>2:284を二つを眺める。 どういうわけかそれぞれ別々に入っていたけれど、男は気にした様子もなく。そして、思い出す。]
(57) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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――あの子達は、濡れずに帰れたかな。
[思い浮かべるのは淡淡とした薄い髪を持つ小鳥、と。 花屋にて出会った何だか酷く落ち込んだ様子の少年、と。
――赤い頭巾をかぶった女の子。
脳裏に思い浮かばつつ、男は適当に身支度を整える。 そして赤い衣を身に纏おうとして…――]
無いんだった。
[苦い笑みを一つ、浮かべた――ところで。窓の外で羽ばたく小鳥の嘴が微かな音を立てる>>46
慣れた様子で端末を操作して、綴るは朝の挨拶と、他愛もない会話。]
(60) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:カリュクス ―――――――――――――― おはよう 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― やあ、ちょうど君のことも考えていた こちらこそ昨日はありがとう 懐かしい気分か それは真新しいものに変わったかな? 時間が経ち懐かしむのも悪くはない けれど、また君とも遊びたいと思うよ 僕も楽しかったものだから
確かに でも僕は彼に意地悪をしてしまったものだから、仕方がないね さっきもアドバイスを貰ったところさ “女の子に嫌われちゃう”ってね
次に会えた時は気を付けてみるよ 君が味方なんだから、心強いね
(62) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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そうかい 良かったね 彼は確かチョコレートケーキとミルクティーを頼んでいたよ 甘い物が好きなのかもしれないね
ありがとう 君の旅路も楽しいものでありますように また、君の冒険記も聞かせておくれ
追伸:なら、僕は君の物語を買いに行こうか ぜひ完成したのなら、教えておくれ
――――――――――――――
[本当は「約束はまたいつか」と伝言を頼もうとして男は筆を一度止めた。 本を綴るという口振りから、本屋を営む彼と関わりが多いのではないかと予測していたから。
けれども少女より早く届いた手紙を思い出せばそれは憚られて]
(63) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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僕にも足はあるからね。
[納得させるための言葉を自分に吐いては、少女の元へと電子の鳥を羽ばたかせた。
それを追うように男も外気に触れようとつま先を伸ばす。
隔てるものを放った身体は幾分も身軽に、足取りも軽やかに、歩を進める。
向かう先はそう、決まってはいないけれど。
ふらふらと彷徨う足を引き止めたのは、微かな震度>>58 片手で封を開ければ綴られていたのは訂正が必要だと思われる文章。 とても出版など出来やしない頼りに男は肩を震わせた。
けれども最後に綴られた一文に、男は俯いて。 躊躇いがちに言葉を打ち込み始めた。]**
(64) 2014/10/07(Tue) 11時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:トレイル ―――――――――――――― おはよう寝坊助さん 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― 気にすることはないさ随分とお疲れのようだけど 大は小を兼ねるとも言うだろう?まあお気に召したのなら良かった
まあ、今度こそ本当の約束を果たすよ 葡萄のジュースを持って行くのは僕の役目だったのに勘違いしていたから
追伸:赤ずきんがいなければ狩人は来ないのさ 狼はまだお婆さんの皮を被って眠っているのかも、ね
…ありがとう でも狼のことは信じちゃあいけないよ ――――――――――――――
[打ち込み終えれば、少しだけ躊躇する素振りをすれど男は指を操作する。間も無くして彼の元>>58へと届けられるだろう。]**
(68) 2014/10/07(Tue) 12時半頃
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[――ゴトン。
乾いた音と共に、床へと置いたトランクの周りで大きく埃の渦が舞う。
其れが肺に入るのを嫌うように――そもそも服に埃が付くことがそもそも我慢ならない事ではあったのだが――男は大きく眉を顰め、荒れるに任せるその別荘を見回した。
埃の絨毯はそれはそれは高く積み重なり、"仲間"の巣は至る所に張り巡らされている。必要最低限の家具はあるが、それでも暮らして行くには足りない。
――一先ず掃除は後回しにして、先に家具を揃えに行くか、と。この時間なら、無理を言えば夕方には届けて貰えるかもしれない――とそこで、ポケットの中で震えた端末に目を瞬かせる。]
………、待ち遠しいよ。
[家の外へと出ながら開いたメールに、漏れたのはそんな言葉。自分の声音に微かに滲んだ寂しさに苦笑しながらも、見慣れぬアドレスに僅かに目を見張り。
貰った名刺に書かれていたのは、"ジャニス"の名。そこに書かれたアドレスとは別のアドレスと…彼の名前に、男の顔には先とは別の笑みが浮かぶ。]
[そうして、そのまま返信は行わぬままに男はタクシーを拾って乗り込む。行き先を伝え、シートへと身を預けて窓の外を見たのなら、そこに広がるのは見慣れぬ景色。
最後にあの國で見た車からの景色は、あの図書館からの景色だっただろうか。]
……――――。
[そっと動かした唇が紡いだ名は、静かな車内に響く事は終ぞ無く。ぼんやりと外を見つめながら、夜が明けるまでのあの時へと、ゆるりと意識を向ける。
ポツリポツリと、幾つの話をしただろう。此方の話に相槌を打つ彼の姿を浮かべたのなら、その指先にはあの柔らかな髪の感触すらも蘇った気がして。それを掻き消すように――逃さぬように、男は強く、拳を握った。]
……泣いていたな。
[去り際に彼が初めて見せた、その涙。此方の言葉を拾った運転手には"何でも無い"、と手で制しておきながら、また意識はあの夜の時間へ。
演技に自信を持つ彼が、あの時だけは笑顔すらも演じられなかった事。その事に胸に痛みと…ほんの、ほんの僅かな充足感を覚えたのは、男にしか知り得ないだろう。]
[彼の口からは、ついには"行くな"という一言は出はしなかった。男を困らせるような言葉は、一つたりとも出なかった。嗚呼、本当に――聡い子だ。もしも次に相見えたのなら、思い切り、我儘を言わせてやりたいものだ――あの時伝えられなかった言葉を、捧げながら。
そうしてふ、と手にした携帯端末に視線を落とす。
電話は拒否に設定したけれど、メールはそのままこの端末へと届く。そんな事を――相手からの一方通行だけを許すなんて、それは酷く未練がましい行為だとは…自覚はしているとも。
――嗚呼、だけれど。彼からのそのメールは慰みになどなりはしない。
更に募る恋しさに焦がれながらも、しかし今後ももしかしたら届くかもしれないそれを拒否する事なんて…どうしても、出来はしなかった。]*
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―――――――――――――― 差出人:ベル 宛先:ビースト ―――――――――――――― Re: 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― 相変わらず、面白いね君は 魔法が解けなければ硝子の靴は永遠に君のもの はぐれた王子は君を見つける手段を失ってしまうじゃあないか
ツレないね 臆病顔を覗かせて逃げたあの日とは大違いだ でも嫌いじゃあない …そうだね、ほんの少し遊んでくれればそれでいいさ
(80) 2014/10/07(Tue) 15時頃
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蜘蛛に囚われてしまったのか 綺麗な夢見鳥は その翼を捥いでまで、地獄の糸を辿って逃避行かい?
まるで悲劇 仮面舞踏会で出会った貴族のような終わりを望んでしまうのかい
行くよ 僕は野獣なのだから ウソは吐かないよ だから君も 毒薬を飲むなんてつまらない真似は、よしてくれよ ――――――――――――――
[何処へ行こうか悩む足取りは、遠くへと行くこと出来ない。軽やかでいても惑う動きは迷子と同じもの。
指し示された場所でのお茶会>>72 遊びに満ちた文字の羅列に男の笑みも深くなる。
けれども1字。男の“嫌いな生き物”の名を、蜘蛛の軌跡を追うのだと告げる一文に、どうも胸が掻き消されるような想いが渦巻くのは。]
(81) 2014/10/07(Tue) 15時頃
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――僕は、蜘蛛が嫌いだ。
[誰にともなく零す言葉。 そう、だから仕方が無い。 だから不快なのだと。 男は、僕は――]
(82) 2014/10/07(Tue) 15時頃
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―カフェテラス―
[そうして向かったその場所で、男が頼んだものはチョコレートケーキとミルクティー。
特別甘党でも無い癖に、開いた唇が口走っていた。
間も無くして見つけた後ろ姿>>71 視界に覗くキャリーバッグ>>52には気付かないフリをして。
Bonjour おはよう ご機嫌いかが?
[昨日と同じ台詞を彼へと。 そして手短に挨拶を済ませれば、ふと笑みを零して。]
(83) 2014/10/07(Tue) 15時頃
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――さて、どんな借りを君は返してくれるんだい?
僕はちゃんとお詫びを用意したけれど。
[茶化すように問いかけては、紙袋>>2:284を取り出す。 “天使のお告げに従って手に入れてみたよ”なんて告げながら。
そうしてその人を、僅かに香る蜘蛛の影を、甘い甘いミルクティーで誤魔化すのだ。
ほんの少しだけ、微睡むように。]**
(84) 2014/10/07(Tue) 15時頃
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ヤニクは、ジャニスが頼んだメニューには一瞬顔を顰めた後、笑みを浮かべたが。*
2014/10/07(Tue) 15時頃
ヤニクは、シメオン(名前も知らない彼)は今頃何処へ向かっているのだろうかと逡巡。*
2014/10/07(Tue) 15時頃
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…おやおや、随分とお転婆だね。
[人より優れた聴力は些細な呟きも見逃さない。 思わず台詞を紡ぐ前に囁いたけれども相手の耳に届いたかは知らぬところ。
繰り返されるやり取りは同じもの。浮かべられた表情は違うもの>>92
何かあったのだろう、と予測はしつつも男はいつも通り、相手が知っているであろう笑みを崩さず続ける。]
おやおや! サプライズは成功かな?
天使からの贈り物なんだ。疚しいものはないよ。
[感情を素直に現す様はとても名俳優には思えず、男は一度咽喉を震わせてくつりと笑う。そして紙袋を押し付けようとした。
そして男の好物を頼もうとしていた、なんてことを知れば眉を上げて驚いたような表情を作ってみただろう。]
(119) 2014/10/07(Tue) 20時半頃
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気持ちだけは受け取っておくよ。
[勝手に断りもなく席に腰掛けることを相手は許したか。 どちらにせよ男は躊躇なく座席に腰を下ろしたのだが。
不服そうに突つかれる柔らかい色合いの菓子。
そのパートナーを務めるのは、男がこの世で最も嫌う豆をかき混ぜて作られた液体>>93
今も鼻を掠める香ばしい匂いは男の嗅覚を犯していて顔を顰めたくなるけれど]
へえ、それは助かった。
――好物なんだ、珈琲は。
[噯にも出さずに寧ろ喜ばしげに笑みを浮かべてみせ、小首を傾げる青年の元へと自身のまだ口も付けていないミルクティーを差し出す。]
(120) 2014/10/07(Tue) 20時半頃
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[そうして相手の端末が震える。その相手が天使だと、彼の口から耳にしたのなら]
お迎えかい?
[なんて茶化してみせて、続いたように震えた端末を覗くのだ>>95
そして僕にも天使が訪れたよと、彼にも伝えてみただろう。
しかし最後に綴られた一文>>96に男は笑みをぎちこなくさせる。 本屋を営む青年の姿が見えないという。
そういえば昨晩も結局会うことの出来なかった知人の顔を思い浮かばせる。
そして“お昼近くまで待つ”という何ともあやふやな言葉に、ため息を吐いた。]
(121) 2014/10/07(Tue) 20時半頃
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――天使が君のところに舞い降りるまで、だっけ?
[時刻。それが正確にいつを指すのかは分からないにしろ、昼頃といえば長針が指し示す数字はきっと。]
哀れな獣、か。それでも構わないかもね。
だってその間、君はベルでいてくれるんだろう?
[巫山戯た調子で流暢に言葉を綴ろうとして男は、口を閉ざして。]
――もし、狩人がいたのなら……左胸にキスして欲しいものだね。
[痺れるような渋味を一気に流し込みながら、甘美な夢を塗り潰して――唸る。]
(122) 2014/10/07(Tue) 20時半頃
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なんて、ね! 君のように上手に芝居も出来ない僕じゃあ役者不足かな。
僕にはビーストなんて主役は無理だね。端役でいい。確か美丈夫なんだろう?僕は。
ガストンは、そろそろ家に帰るよ。狼に襲われないように、ね。
[そして甘ったる過ぎるチョコレートにフォークを突いて、はにかむ。]
君との芝居はとても楽しかった。少しガストンの気持ちが分かったような気がするよ。 だから改めて礼を言いたかったんだ。
――初めまして、ジャニス。
僕はヤニク。遊びに付き合ってくれて楽しかった! 君の旅路が良いものでありますように。
[口に運ぶ最後の一口。口内を満たす甘いチョコレートを平らげた男は席を立つ。
唐突な行動に相手をどのように思わせただろうか。 ちらりと視線を一度彼に向けたものの、男は悪びれる様子もなく、口元を緩めている。]
(123) 2014/10/07(Tue) 20時半頃
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――またね。
[“今日しかない”ということと、詰められた取っ手のついた旅行鞄。
彼の行く先が何処なのかは分からずとも、男は敢てその言葉を選んだ。
ここは小國。入国の際に厳重なチェックがされることを加味すれば、再び出会える可能性は如何程なものか。
それでも狼男は、軽い口約束を並べて]
――そろそろお婆さんの皮を被ってくるよ。
天使のご加護があらんことを。
[悪戯な笑みを最後に張り付けては、その場を去ろうとしただろう。*]**
(124) 2014/10/07(Tue) 20時半頃
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―カフェ→公園―
[カフェではあれから幾らか話したかどうか。
ふらふらと男が辿り着いた場所といえば公園。 全てが始まった場所でもあった。
だが噴水前には誰もいないし、ブランコの軋む音も聞こえない。
小石が辺りに散らばり、花々が揺れているけれど、タイミングが重なったのか、今は男の独壇場であった。
あの日と同じように腰掛けながらまだ口内にて残るチョコレートの味に舌を出しつつ、デニムの中を弄る。
コツン、とした硬さに端末の存在を思い出して、先程確認したまま返事をしていなかった一件>>95と新たに届いた一件>>136。
気を取られていたから気付かなかった。足元に一匹の白猫が擦り寄っていただなんて。]
――…ん?
[すりっと布を撫でる毛玉。みぃ、と小さく喉を鳴らす子猫に男は目元を和らげて、伸ばした片手で喉を擽りつつ、余った片手で返事を打つ。]
(155) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:カリュクス ―――――――――――――― Re:件名なし 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― 同じ読み物であっても、視点や考えを変えれば新たな視点や発見がある
それは同じ経験であっても全く異なる経験 既視感を感じつつも得られる充足感はまた違う味
それを味わうために人は、昔の書物や風流を重んじることもあるのかな
(157) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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だって証拠を見せろって言われたんだ! この耳じゃあ満足しなかったらしくて、なら尻尾のない僕が見せられるものはこれしかなかったんだよ
話すことが得意でなくても『視る』ことは得意じゃあないか 僕は『視る』ことは苦手だから 君の力を借りたいのさ
知っているよ 彼は君を天使だと呼んでいたく気に入っている様子だったから、きっと楽しみにしているだろうね 楽しんでおいで
ベネットかい…? そう言えば僕も昨日彼と約束をしていたんだけど姿が見えなくて… 僕も探してみるよ 待つといっても無理はしないようにね ――――――――――――――
(158) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:トレイル ―――――――――――――― Re:Reおはよう寝坊助さん 20xx年 10月3日 ――――――――――――――
ああ、もしかして君の店に訪れていた確かティソという名前の少年かな?
何だい随分と優しいじゃあないか なら用意しといておくれよ?
もし、ケーキを買うのならチーズケーキとチョコレートケーキ以外だ
最近飽きてしまってね 食べるのなら、アップルパイがいいな 気分なんだ何となく
追伸:正解だと言ったのなら?君は、主人公になるのかい? ――――――――――――――
(159) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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[送信し終われば、手持ち無沙汰に携帯を弄る。 随分と席を外していたコミュニティサイトは、ちらほら活動しているよう。 それでも、もう人間のフリをする必要がなくなった獣は暫く眺めるだけに留める。
友人によく似た青年のレスを最後に。]
(160) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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[獣達の中で噂になっていることなど露知らず、男は端末をポケットに突っ込む。
腰を上げた男の影を追うように、猫が尻尾を揺らして歩み寄るので]
――また会いにくるよ。
[なんて戯言を投げつつ、商店街へと、本屋の方角へと向かっていく。
その道すがら、何色にも属さない透ける雨具を手渡した少女の言葉>>149を思い出せば双眸を眇めてみせるのだ。]
(161) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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――全く。女の子ってヤツは分からないね!
[嘘つきだと自称する少女から貰った皮肉の数々>>149]
手紙を受け取る人が皆、嫌な人だというのなら。
それを心待ちにしている人がいるというのなら。
――君は、最低だね。
[鼻を鳴らし、花を散らし、男は嗤う。]
綴った文字の一つ一つは、お喋りより簡単に、ウソが吐けるんだから。
[風が頬を撫でる。何者にも防がれることのない髪が揺れる。]
(162) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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―街中の喫茶店―
[あれから、開店直後の家具屋へと向かい。必要な家具を取り揃え終えたのは丁度ブランチの時間くらいだった。
大口の買い物を多くしたからか、店の店主が男の無理を快く聞いてくれたのは嬉しい誤算だ。頼んだ家具は、夕方には届けてくれるらしい。
それまでにせめて、あの埃まみれの家の掃除を終えておかねばならぬのだけれど――取り敢えずは珈琲が飲みたい、と。
しかしヤカンもミルも全て置いてきてしまったので、ひとまずは近くにあった喫茶店に入ってみたのだけれど。]
…珈琲を。豆は…
[カウンターに座り、注文を済ませ。豆の種類は、取り敢えずは目に付いたものを。
時間が時間だからか、人のあまり居ない店内に、レコードの音が静かに響くのが心地良い。煉瓦造りの壁の前で、コポリコポリと丸いフラスコの中で湯が湧く様をぼんやりと眺め、このひと時を堪能する。
火から降ろされたフラスコに、ミルで挽かれた豆が入ったロートが差し込まれれば。湧いた湯が、その筒を伝って上へ上へと昇って行く様は、何度みても面白い。
ゆうるり、ゆうるりと竹べらで回されていく豆と湯と共に香る豆の香りに目を細めていたのなら、ひとつ、ポケットが震えた。]
[取り出した携帯端末に表示されていたのは、先程手に入れたばかりのアドレスと"彼"の名前。思わず口元が緩んだのは、男の意識の外だったけれど。
――だけれど、その文面を見たのなら。柔らかく細められた男の目は、怪訝そうに見開かれる事となっただろう。]
――……殴られた?
["兄に殴られた"、と。その一文を見るなり、男の眉は至極不満げに寄せられる。
しかしすぐにそれの――殴られた理由を理解したのなら。嘆息と共に、こめかみを指で押さえはしただろうか。]
……"責任"、か。
そんな物は…幾らでも取ってはやるさ。
…帰りに氷を買っていくか。
[彼が、家を出ると言うのなら。それはきっと、渡したあの紙に書かれた場所へと――自分の居るこの場所へと、向かう為だろうから。
彼が自分を追い掛けてくれるのだと言うそのメールの文を、何度も、何度も目で追い。焦がれる想いを誤魔化すように、運ばれて来た淹れたちの珈琲を、一口口に含む。]
………、美味いな。
[はた、と。手にした珈琲を、もう一口。
珈琲を出す店は星の数ほどあれど、美味い珈琲を出す店は少ない。男の目に敵う珈琲を淹れてくれた店主を見たのなら、白髪の奥の瞳を小さく細め、柔和に笑っていただろうか。
嗚呼、遠く離れたあの國で、彼もまた今この時に…自分と同じく、珈琲を味わっていると知れたのだ。身を焦がす想いは強くはなれど、その小さな繋がりを感じたのなら、じわりと胸に熱さも広がろうと言うもの。
返事を打ちかけた手を無理矢理に止め、開いた返信画面はそのまま保存もせぬままに閉じ。本当であれば…彼のその声が、聞きたくて仕方が無いのだけれど。
――だけれどどうやら、彼は珈琲が苦手なようだけれど。最後に加えられた一文を眺めながら、またいつか会えた時は…彼にこの珈琲を、味わわせてやりたいと。
最初は、甘い物と共に飲むのが良いかもしれない。嗚呼しかし彼は甘い物は好むだろうか?
チョコレートケーキが好物だなど、男は未だ、知り得ない。
そうしてその時には、自分とあまり仲の良く無い堅物の兄の話でもしようか…そして彼の兄の話も、聞いてみようか。
――なんて。そんな事を、思いはしただろうか。]*
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――君は、誰のためにウソを吐いているのかな。
[独り言を小石代わりに落とす。落とす。
無駄な行為と分かってはいても、男は歩を進めて。
向かうは本屋。選んだ道草はポツポツと落ちる独り言。友は、供は、いぬまま。]
――…何が欲しい、か。
[囁くような声は風に描き消えた。]
(163) 2014/10/07(Tue) 23時半頃
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[そうして、淹れられた珈琲が無くなった頃。机の上に置いたままの携帯端末が震える音が、レコードの音へとジワリと混じる。
端末の画面を覗いたのなら、見慣れぬアドレスがひとつ。メールを開いてみればそこには、一昨日始めて話したあの小さな郵便屋の名前と…一通の文。]
…成る程、参ったな…手紙を入れておくべきだったか。
あぁ、すまない。同じ珈琲をもう一杯頂けるかな。
[書かれた文章には、困ったように肩を揺らし、浮かしかけた腰を戻して追加の珈琲を頼みながら。
何処か律儀な所がある彼女らしいと言えば、彼女らしいとも思うけれど。
このメールが来たと言う事は、あの家の時が止まった事は、知れてしまったのかもしれない。
自分が可愛がっていたあのサボテンとそのお友達も、彼女の手には渡ったのだろう。]
…届け物なら、もう届いているんだが…どうしようか。
[昇る湯を見ながらポツリとそんな一言を。困ったように呟かれたその声は、何故だか何処か楽しげなもので。
サボテンも、その友達も――そしてあの時計も。確かに彼女の言う通り、大切なものだが、それはどれも他でも無い彼女へと宛てたものだったのだけれど。]
[――そう、彼女は郵便屋。
宛名が無い荷物は、きっと届ける事は出来ないだろう。
そして宛名を書かなかったのは、自分の失態に他ならない。]
…君には。
礼を欠いてばかりだな…クラリス。
[彼女がくれた花の贈り物が、あの時の止まった時計へと贈られた事など、遠く離れた地に居る男には知る由もなく。
幾日経っても届く事の無いその花を見て、彼女が何を想うのか――それすらも知り得ないのは、それは酷く残酷な事かもしれないけれど。
初めて言葉を交わしたのは、あの最初の休みの日。向けられた反応が愉快で、ついからかってしまったあの日。
二度目は同じく玄関で。まさか菓子折りを持って詫びに来るとも思わずに、借りを作ったままにしてしまった。
――そうして最後に、宛名の無い贈り物。
結局、あの"優しい郵便屋"への礼は、最後まで…出来なかったのかもしれない。
…だけれど、きっと彼女は自分を見つける事は出来ないだろうから。
その間、あの時計はずっと彼女の手の中で時を刻むのだと思えば――それもそれで、悪くは無かった。]*
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―商店街―
[ポツポツと胸に落ちる言葉を口遊む>>162>>163
ところどころ外れた旋律を遮断したのは二人分の振動>>177>>200
その内、先に開いたのは、金糸雀からの便り。]
(218) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:カリュクス ―――――――――――――― 件名なしじゃ寂しいね 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― そう、僕の好きなグレープフルーツジュースも気分によって味が変わるのさ それが楽しくて飲んでいるのは君にだけに伝える秘密だよ?
心によって左右されるのなら、君があの日本屋で買ったという硝子で出来た女の子の物語はどんな意味があるのだろう
いつまでも老けることもない朽ちることもないけれど、壊れやすい女の子
それを永遠の美と捉えるか儚い作り物だと捉えるか、変わりそうだね
なら君は、受け継がれていくことのない失われていった言葉は、何故忘れられてしまったのだと考える?
(219) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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雌でも愛らしく鳴くじゃあないか しかし鳥ならば聴力が冴えているのかな? 翼でダメなら音を拾ってみる…とかね
大事な書類…? ああ、物語を綴り手になるために必要なもの、なのかな?
構わないよ どうせ暇をしているから 他の人にも会えたのなら聞いてみよう 無理なんてしていないさ 友達と話がしたいだけなんだから、気にせず
追伸:疲れたのなら、喫茶店で甘いものを、勧めるよ それに、そこで待っている僕の友達も君のように人を探しているらしいから、何か分かるかも ――――――――――――――
(220) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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[広い視野を持った鳥の囀りに思わず感嘆しつつ文字を綴れば長ったらしいものになってしまった。
元より人と対話するのが好きではあったけれど、少し助長過ぎたかと男は珍しく懸念。
されとて、彼女の探し人の行方に音男の緩んだ顔も引き締められる。 そして、自分を友だと告げてくれたあの人>>210も人を探しているのだと、言葉を思い返しながら送信ボタンを押した。]
[そうして二人目の友人には、硬くなった表情が微かに和らぐ。 今も舌に残る甘ったるいケーキの味ではぐらかすように文章を綴り出す。]
(221) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:トレイル ―――――――――――――― Re:Re:Re:Re:おはよう寝坊助さん 20xx年 10月3日 ――――――――――――――
分かったも何も、僕も見ていたからね それにしても何たって君のところへ? いつの間に仲良くなったんだい?
ちょっとね それは楽しみだ
笛吹き男にでもなれって? 僕は確かに歌うのことは好きだけれど…君は僕の歌を聞いたことがあったかな それともお婆さんを食べて君が迎えに来てくれるのを待てばいいのかい?
(222) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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なんて、ね! 君の手には銃は似合わないけれど
追伸:たまには、君が僕を探してくれてもいいんじゃあないか いつもと違って、ね
ついでに本屋の彼が何処へ行ったか、君 知らない? ――――――――――――――
[相変わらず男が紡ぐ物語めいた遊びに生真面目だと考えている彼はどのように受け取るのだろうか。
ぼんやりと考えつつ、それもまた電子の線に辿らせて。]
――僕は、友達に恵まれていたんだね。
[唇は、ゆるやかな弧を描く。 そうして男は思い出す。 朝を告げる鐘の音。正確に寸分変わらず響く日常。]
(223) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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[それと同じくして、生真面目に日々を送る男の顔を思い出す>>2:397 男の毛嫌いする蜘蛛と同じように何処までも気の合わない男のことを。
12時を告げる鐘。けれど魔法は解かれないと。だから追いかけるのだと。男の言葉>>2:408通り時計の針が“止まっている”ことなど素知らぬ男は、ただ。]
――…あぁ、不味いなぁ。
[苦々しく、それでも尚、忘れることのない最も嫌う男の顔に視線を逸らす。
それは昼を訪れる前のほんの一コマ。軽く銀髪を散らせば当初の目的を果たすために男はつま先を地に訪れるのだ。
小石もパン屑もなしに。]**
(224) 2014/10/08(Wed) 10時頃
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―自宅―
[郊外にある自宅に戻り、まず行った事。それはスーツの上着を脱ぎ、袖を捲り上げる事だった。
箒に雑巾にモップに。一通り買い揃えて来た掃除器具を手に持ち、気が遠くなる惨状から目を逸らさずに掃除を始める。
人を雇う、という選択肢は最初から男の中には無い。自宅に人を入れる事を、男はあまり好んで居なかった。
うず高く積まれた埃を払い、床を磨き。日が傾く頃には漸く、全ての部屋を掃除し終えただろうか。
そうして運ばれて来た家具を受け取り終えた時には、もう日はほとんど暮れかけてしまっていたけれど。]
………、歳かな。
[シャワーを浴び、身体に付いた埃を落とし。バスローブを羽織ったまま、ソファに身体を沈める。
そのまま数分、軽い微睡に身を任せてはいたけれど。新しく買ったヤカンの湯が沸いてきた音が聞こえたのなら、立ち上がり棚から珈琲の豆を取り出す。
昼間に行った喫茶店で買った豆だ。ミル等も、あの店で揃えさせて貰った。
未だ手に馴染まないそれでガリ、ガリリと豆を挽きながら、ふ、と。あの友人に借りた本の事が、頭に浮かんだ。]
……"外"に、誰か居たかな。
[異国の言語で綴られたその本を思い返し、男は豆へと湯を注ぎながら訝しむ。ここは最早、國の外なのだ。多少は読めはするものの、やはり訳が欲しくはあるもので。
――最悪、自分で訳すか。
興味のあるものに対しては、そんなものはさして苦にもならない。
男からの返信が来ぬ事を、きっとあの友人は訝しんでいる事だろうけれど――返信は、そこそこに豆だったものだし――今や、どうする事もなく。
まるで神隠しのように消えた自分を、彼は果たしてどう思うかと苦笑しながら、ソファに再び身を沈めながらこの地で初めて淹れた珈琲を味わう。]
――……む。
[――嗚呼、少しばかり温度が低かったらしい。新しい地で、新しい道具で。今迄通りとはいかないものということだろうか。
そうして溜息をひとつ。少々味気ないものになってしまったその液体に、男は小さく、肩を竦めた。]
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―昼頃・本屋前―
[結局辿り着いた時刻は昼を回っていた。
いざ着いたものの、辺りを見回せどその姿を見つけることは出来ずに肩を落とす。
その時に枝葉を震わす微かな囀り>>228 誰のものであるか気付いた男は目元を和らげて指を動かす。]
(271) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:カリュクス ――――――――――――――
20xx年 10月3日 ―――――――――――――― 意外…かい? 後はワインも好きだけれど 鳥だから、か 確かにらしいかもしれないね ならアップルパイ、なんてどうだろう? 今ちょうど友達に強請ってきたところさ。
そうだ、明日にでも食べに行かないかい? 本屋近くにいるんだけれど、ベネットは見つからないんだ もしかしたら彼も忙しいのかも
だから英気を得てもう一度探すのさ シャーロックのように鮮やかに軽やかにね
そのためには君の聴力を借りて、夜ならば僕の目を使えば探し物はきっと見つかる 僕はそう思っているよ
(272) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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話が飛んだね! そうそう、疲れている時には甘く感じる、だろう? その違いが僕を楽しませるのさ 退屈は好きじゃあない いつでも冒険がしたいんだ
僕は好きなものしか選ばない 味が混ざってしまっても気にしないよ それでおかしな味になるのも一興 欲張りに生きたいのさ
そう、僕の大切な宝物 君の翼に隠しておいてくれよ 囀るのはまた今度 君の秘密かい? …何だか楽しくなってきたよ!
秘密というよりは、お願い、かな 君の好きな歌を教えてくれよ 僕はその、あまり歌が得意ではないんだ だから …これじゃあ僕の秘密だね! やっぱり、そうだ どうして、君は冬の空を望んだんだい?
(273) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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夢の中の恋人、か その中でも彼は幸せだったのかな 彼の自己満足だとしても、さ 君は、彼が幸せだったと思う? 君が彼の立場なら、どう思う?
…その発想はなかった 失われたというよりは、きっと永遠にその物語だけに刻まれたものなんだろうね
そうだね 本は良い だからこれからも君の話を聞きたい
ふふ、そうするよ でもカリュクス 君も僕の友達なのだから、おいでよ 君との話はとても楽しいよ
追伸:確かそう言っていたよ だから何かわかるといいのだけど… また君さえよければ結果を教えておくれ ――――――――――――――
(274) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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[綴り終わったそれの長さに我ながら男は口元を引き攣らせる。 小鳥との唄はつい、男の口を滑らせる。
流暢に、つらつらと並べる言葉の羅列は少しのウソと本当に収められており、確かに空気を吸うようにいとも簡単に選ぶことが出来るのだ。]
――だからこそ、面と向かって話す方がきっと。何かを偽らずに済む…なんて。
役者でもないのに、そう偽るのは、きっと。
――…やっと、少し分かった気がするよ。
[人を欺く理由。幾つでも選べるそれらを全て切り捨てて、男は、深く息を腹に溜めては、吐き出す。
そして、行き着いた理由に、本音に、同族嫌悪のようなものが背筋を襲う前に、捨ててしまうのだ。]
――自分のためさ。**
(275) 2014/10/08(Wed) 20時半頃
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ヤニクは、カリュクスにあてるメールの件名に悩んだ挙句打ち忘れていたことに気付いた。*
2014/10/08(Wed) 20時半頃
[日もすっかりと沈み、町の喧騒も遠く消えた頃。あのぬるい珈琲を渋々と楽しんだのなら、男は寝室へと向かう。
バスローブから着替え、部屋の小さな灯りを灯し。机の前の椅子に座り、ふう、と息を。
――本当なら、もう少し小さなベッドで良かったのだけれど。
近くに見える、大きなベッドに視線を移せば、小さく、小さく笑い。年甲斐も無く、彼が此処へと来るのを楽しみにしている自分に、少々呆れもするけれど。]
……明日か、明後日か…、来週…来月。
[もしかしたら十年、二十年後かもしれない、と。朝に届いたあの二通のメールをもう一度開きながら、そんな呟きをひとつ。
この文面を見る限り、そう遠くないうちに会えるのだと、ついつい期待はしてしまっているのは事実だけれど。
――嗚呼、一日千秋の思いとは、こう言う事を言うのか、と。浮かんだその考えに、男は部屋で一人、小さく吹き出した。]
……まさかこの歳で、そんな初々しい事を考えさせられるとはな。
俺に責任を取れと言うなら…取ってやるとも。
だが、君にも取って貰うぞ…ヨハン。
[画面に浮かんだその名を、慈しむように指でなぞり。呟いた"恨み言"は、彼には届きようも無いけれど。]
[――嗚呼、嗚呼。彼をもしも再び、この腕の中へと迎える事が出来たのならば。
そうしたら、今度こそ。嘘偽り無く、きっと離しはしないのに。
移ろう月のように、この気持ちは決して変わったりはしない。例え彼がここに来るのが十年の後だとしても、百年の後だとしても。
この生ある限りは、焦がれに焦がれながらも彼の姿を待ち続けてやろうと。]
――……我ながら、執念じみている。
だが、余りに来ないようなら…迎えに、行ってしまいそうで怖いよ。
[クツ、と一つ喉を鳴らし、キチリと響いた指からは細い糸がたらりと垂れて。
獲物が巣に掛かるのを待つではなく、待ちきれずに獲物を追い掛けて行くなどと、何とも《蜘蛛》らしくは無いとは思いつつも――それもまた悪くない、と。]
……綺麗な月だ。
[そんな想いを胸に密かに滲ませて、男は部屋の灯りを消す。
窓に見える仄かな月の姿にあの白を重ね、愛おしいあの姿を重ね。
"嗚呼今宵の月は何と美しいのだろう"、と。
――そんな事を、思いながら。]*
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―本屋前―
[男がその場所に辿り着いたのは昼頃。ティータイムに差し掛かる前の時刻。
一昨日訪れた時は友人の一人である若い青年が番をしていた、その場所は何故か静まり返っていた。
元より番に二人付けているというよりは一人が残って店番をしている印象だっただけにタイミングが重なったのかもしれない。
がらんとした室内に足を踏み入れることは何故か場違いに見えてしまい、男は結局扉に手をかけることもせずに背を向ける。
置きっ放しにされた鍵がカウンターにあることも知らずに。]
(303) 2014/10/08(Wed) 23時半頃
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ー回想•昨晩、一時過ぎー
[気がついたら銀河鉄道に乗っていた。
(…気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座すわっていたのです。)
ベネットは窓の外を見た。ああほんとうにまるで銀河鉄道の夜みたいに、ジョバンニみたいに、青白く光る銀河の岸に、銀いろのすすきがもうまるでいちめんさらさら さらさらと波を立てていたので、ここは銀河鉄道だった。
銀河ステーションもカムパネルラも、黒曜石でできたりっぱな地図もないけれど、ここは銀河鉄道だった。
銀河鉄道だった。
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―昼頃・本屋→公園―
――さて、僕は犬のお巡りさんになるのかな?
[呟きつつ歩を、心当たりのある場所へ向けようとして、確かに友人の一人であるのに彼が何処へ向かっているのか検討が付かず。
配達に向かっているのだとすれば、何処だろうと悩みながら迷うつま先を商店街へと向けた道すがら、見知った影>>290と擦れ違ったような――気がしたものの、急いた男は結局、足を止まることもなく。
気付けば繰り返し。公園まで巻き戻していた。]
――…どうしたものか。
[苦笑する男の耳に届いたのは、愛らしい毛玉の声>>299 それはひと時を共にした寸分限りの相棒と酷似しており。
男は端末を弄り、二人に文章を綴る。]
(304) 2014/10/08(Wed) 23時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:オスカー ―――――――――――――― 親愛なる僕の隣人へ 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― やあ あの日はどうも 君が赤頭巾を受け取ってくれたおくれでとても身軽になったよ あれは役に立っているかい?
今日連絡させてもらったのは本屋の彼、ベネットのこと 僕の友達なのだけど昨日から顔を見なくてね さっき君の姿を見たような気がしたから、もしかして君も用事があったのかな、なんて
君と同じように彼のことを探している女の子もいたものだから気になって連絡させてもらったよ
もし、君の探し人がベネットなのだとしたら、見つけたら教えてくれるかい? ヤニクが会いたがっていたって 礼は…そうだな 君にもアップルパイをお裾分けしようかな ――――――――――――――
(305) 2014/10/08(Wed) 23時半頃
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―――――――――――――― 差出人:クロ 宛先:クラリス ―――――――――――――― 素敵な君へ 20xx年 10月3日 ―――――――――――――― やあやあ 約束を果たしに来たよ
君の後ろを見てごらん ――――――――――――――
[送り終えれば男はゆっくりと、そうっと背後から忍び寄る。 ばれないように獣足で気配を隠してみたが、彼女は気付いたか。]
(306) 2014/10/08(Wed) 23時半頃
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――やあ、お嬢さん。これから何処へ向かうんだい?
(307) 2014/10/08(Wed) 23時半頃
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銀河鉄道ーーー…?
[はた、とベネットはそこで思いとどまった。そうだ自分は、黒髪の少年と、銀色の少女とバイトの話をして、それから…………それから?
うんうんと思い出そうとしても、しろいもやがかかったようで思い出せない。目をつぶれば暗闇にちりばめられた緑や橙や青の光がじゃまをして、なんにもわからないのだった。
ああでも、容姿がほんとうに少女がカムパネルラで、少年がジョバンニのようだ。二人が来たから、もしかしたら二人の今生の幸いのために自分が代わりに連れ去られてしまつたのかもしれない。
なんて、馬鹿馬鹿しいけれど。
不思議と逃げ出したいとは思わなかった。ただただ、放置して来てしまった二人のことが心配だった。困惑しているだろう。嗚呼ヤニクとの約束も、こちらが破ってしまった。性格がよろしいとは言えない彼だから、怒っているかもしれない。本をどれでもひとつもっていっていいから赦してくれないだろうか。伝える機会もないけれど。
汽車のなかに自分はひとりだ。
カムパネルラが姿を現さなければ、ジョバンニはずっと、ずうっと、白鳥の停車場にも、プリオシン海岸にもいけず、北十字も見られず、鳥を捕る人にも会えずにくらい銀河のなかを走り続けてゆかねばならないのかもしれなかった。]
ひとは誰もが、自分だけのカムパネルラを探している
[そう喩えたのは誰だっただろう。自分の暗闇を照らす唯一の光を、照らして手を伸ばしてくれる誰かを探している。
そのカムパネルラが、どこまでもゆこうと言った途端に消えてしまうのだ。銀河鉄道は、そうゆうことを表しているのであり、カムパネルラもまた、人間だったのだ。
賢治のカムパネルラは妹のトシだった。
カムパネルラーーー信仰を一つにするたったひとりのみちづれが消えてしまうそのことに、何度胸を打たれただろう。
黄玉(トパーズ)や青宝玉(サファイア)を散りばめたような賢治の世界が、窓の外に広がっている。
孤独の散乱する、綺麗な空だった。
けれども自分には、カムパネルラはいないのだ。
いつだって、いまだって。
このまま何処へゆくんだろう。
大声で泣いた。少しだけ笑った。
このまま何処かへゆくんだろう。
ことんことんと、振動音だけが響いていく。]
|
[昼前、男が一方的に押し付けた再会の約束と共に戯れていた白猫は、今や何処かに姿を晦ましてしまった>>325
鳥と、猫。全く異なる存在であるというのに、ただ白いというだけで胸に過る焦燥感は何なのか。
男は心中で言い知れぬ圧迫感に唇を引き結ぶが、すぐに目元を和らげる。杞憂だろう、と。理由を付けて。]
お使いに?そういえば今日こそ花屋に迎えたのかい? ひとりじゃ大変そうなら送っていってあげようか。それこそお巡りさんのようにね。
[見下ろす瞳は相変わらず何処か険を帯びているような気がしつつも見ないふりを。
けれど彼女の唇が紡ぐお使いには、男は閉口して。]
――そう。濡れなかったのなら良かった。女の子は身体を冷やしてはいけないというから。
彼女に手紙を? …彼女は素敵な人だよ、言葉通り。 君が、彼女に何を綴るのか、楽しみだね!
[珍しく辿々しい口調には、何処か硬いものが見え隠れしていたかもしれない。感情を押し殺したようなそれ。その違和感に彼女が気付くかは分からない。]
(330) 2014/10/09(Thu) 00時半頃
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[彼女の問いかけを無視して都合良く空けられたスペースに腰掛ける。 そうして隣に座る小さなお転婆娘に男は笑う。]
耳が欲しいのかい?
それとも、
――…ウソを吐く、言い訳が欲しいのかい?
(332) 2014/10/09(Thu) 00時半頃
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[月の光の差し込める薄闇の中、ぼんやりと月を眺めてどれ程の時間が経っただろう。
傍に置いた懐中時計の針を見たのなら、思いの外時間が過ぎていて――"とんだ時間泥棒だ"、と月に喩えたかの人へと捧げる恨み言を胸に。
そうして漸く、その月から目を離したのであれば。図ったように、携帯端末が音を立てて震えはしただろうか。]
……、土産か。
それは嬉しい。どんな時計を…贈ってくれる?
[そろそろ見慣れたその名とアドレスに、知らずのうちに顔を綻ばせ。返信の代わりにぽつりと言葉を零しながら、眉を寄せて目を伏せる。
――嗚呼、折角。今宵の月が、恋しさをほんの僅かにだけ慰めてくれたと言うのに。
このタイミングで送って来るとは…これじゃあ本当に、ひと時たりとも彼を浮かべぬ事など出来ないじゃあないか。]
………、あの時は、太陽が昇らなければ良いと思ったものだが。
[あの夢の一夜へと、想いを馳せて。あの時話したささやかな趣味の話を、彼が覚えてくれていた事に歓びを。
彼のくれるという時計は、果たして如何なるものなのだろう。年甲斐も無く踊る心を宥める気など、今はとてもありはしなくて。
全て置いて来たあの時計達も、また集め直さねばなるまい。そしてその最初の一つが…彼からの土産であるのなら。
それは何と、幸せな事だろう。]
……今は、太陽が昇るのが…何よりも、待ち遠しいよ。
[呟いた声に、最早皮肉も余裕もありはしない。只々その身を焦がす恋しさだけを滲ませて、最後にひとつ呟いた名は、月明かりの中へと溶けて行きはしただろうか。]*
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