人狼議事


162 絶望と後悔と懺悔と

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落胤 明之進は、メモを貼った。

2014/02/21(Fri) 00時頃


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【人】 落胤 明之進

―曙光―

[――まるで、果てのような夜明けだ。]

(2) 2014/02/21(Fri) 00時半頃

【人】 落胤 明之進

 …………知ってる。

[暗い赤も、眩いその一瞬だけは鮮やかにひかる。]

 それでも、言っておかなきゃいけないと思ったから。

[絢矢が真弓に、果たす前に尽きる事も覚悟の上と、
 答えていたのは知らないけれど。>>1
 それは絢矢にとっては幸か不幸か、もし知っていれば
 力尽くでもこの先の戦場に行かせはしなかった。]

 解ってくれるなら、そう、示してくれれば良い。

[その行いで。――決して死なぬ、ということで。]

(3) 2014/02/21(Fri) 00時半頃

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【人】 落胤 明之進

 キャロ君、円はどこか、
 きちんと安全な場所に置いて来た方が良い。

[亡骸を背負うキャロライナに告げて向かう先は、
 己の主の死に場所にごく近い。
 再び、あの戦場に戻るのだ。

 鬼の夜目に、無数の傷が見えていない訳はない、けれど
 それをひた隠しにしてでも進もうとする、
 その感情も、見えていた。>>6

 先に見ゆる姿は、金色の始祖か、残る家族か。]

(7) 2014/02/21(Fri) 01時頃

[マユミが壮絶な様で自らの腕を落とし、
 その首から手が離れた時に、
 もう、意識はなかった。

 自身の、周の刃は、マユミを貫いたのに]


【人】 落胤 明之進

 もし、死が平等だとしたら――――

 同じように、魂は巡ると思いますか。

[金色を血の朱に染める明星。>>8
 心にも情にも鈍る事のない鋭い爪牙に問いかける。]

(11) 2014/02/21(Fri) 01時頃

[そのあとも、意識は戻らなかったのは、
 戻りかけた時に、また絶たれたから

 そのあと、その声が聞こえたのは、
 どこできいたのか、なにがきいたのか、>>*2]





[ただ、思ったのは、死んで会えるとかなら、
 それは幸せなことだろうと。]


[だって、今、見えるものは、何もない気がする。
 本当に会いたいから生きてきた。
 いくら会いたくても、それは、自分の答えしかわからない。

 相手もきっと
 そう思ってくれていると、思うだけ。

 もう、思うだけしかできない]





[魂という形だろうか。
 生きているときよりも、ずうっと見渡せる目をもって、

 まるで生きているのと同じ格好で、黒い軍服のまま立っている



 自身の亡骸をみると、マユミが死んでいて悲しかった。
 彼女はもう、天に召されただろうか]


メモを貼った。


【人】 落胤 明之進

 多分、僕の魂がそうなるかどうかは、
 ……僕が決められる事じゃないので。

[今は鞘に納められた短剣を手に取り、始祖に示す。>>14
 彼が、これの存在を知っていたのだろうか。

 知っていて黒百合を傍に置いたのだとすれば、
 あくまでも自身を望月と思っていたのか、あるいは]

(20) 2014/02/21(Fri) 01時半頃

【人】 落胤 明之進

[真弓もサミュエルの死を知り、最期まで共にあった事を思う。
 せめて、と願ったのは、守護部隊を殺せと下された命令が、
 真弓にサミュエルを奪わせたのではありませんようにと。

 始祖は戦士と認めた相手を身ひとつで、剛の隻腕にて受ける。

 両手に短剣を抜いた。
 右手に慈悲の死を与える針、左手に鬼の涅槃を導く刃]

 解りました。

[宣、そして、疾る>>16**]

(23) 2014/02/21(Fri) 01時半頃

落胤 明之進は、メモを貼った。

2014/02/21(Fri) 01時半頃


落胤 明之進は、メモを貼った。

2014/02/21(Fri) 02時頃




[夜明けが、光が見えてくる。

哀しさは、光に溶けたりするだろうか。

でも、きっと、自分の哀しさは、もう溶けない。

阿呆だから、

いちばんだいじなともだちと、

いちばんすきなおんなのこを]





殺しでしまっただ。




[そして、座り込むと、死んでるはずなのに、
とめどめもなく、流れ出るものを隠すために、膝を抱えて顔を伏せた**]





[その人生はなんだったのだろう。
 孤独になって、孤独から救けてもらって
 でも、それが壊れて、取り戻そうと頑張ったのに、
 待ち構えてたものは、やっぱり自らまた好きな人たちを葬るという、人でない行為。

 なにがいけなかったんだろうかと思う。

 でも、一つ願うならば




 リーもマユミも、自分のことなど忘れて、
 生まれ変わりがあるなら、幸せに生まれ変わるといい]





[自分はたぶん、きっと永遠にこの地獄をみている**]


[東雲の頃、自分もその陽が酷くまぶしく、解けるような感覚を覚える。
月白の環は既に記憶の中になく、
背格好もあの14歳のままではなくて本来なら19歳であっただろう姿へ成る]

……?

[声が聞こえた気がした
周りを見回しても、声を発するような物体は何もない。
聞き覚えがあるけれど、記憶が繋がらない。
自分から殺してしまった存在だとすら思い浮かばず。
ただそれが酷く悲しそうに聞こえたから、
目を閉じて慰めの意を思う]


[自分を覚えていつまでも後悔をするなら
早く忘れて、守りたかったものと一緒に寄り添えればよいと思っていた。
そして自分が死んで忘れられても残るものがあると…思い込みたかったこともあった。
何もかもが絶望と後悔と懺悔に繋がるとしても
その中に慰めにも幸せが少しでも見出せれば、と。

自分から捨ててしまったのだから
胸に覚えていただろう大事な人達へもうそんなものを望むべくもないけれど]

「俺、早く大人になりたいな」

[その言葉に込めた意味は死ぬ直前まで望んだこととそう大差ない。
大人になって、子供の純粋さも子供だった名残も遠い思いでも早く亡くしたい、と]


[死んでしまったもの、なくしてしまったもの
壊れてしまったもの。
全てがもう戻ることのないもの。

そして自身ももう皆が知る自分ではないけれど]

殺して、君も死んだんだね。
せめて君の失ってしまったものが
君が想うようになりますように。

[泣いたような声の主が誰であるかはわからない。
そんな呟きは風がきっとどこかに運んで…散じるだろう*]


メモを貼った。




[声がしたような気がした。
 それはリーに似ていた。
 だから、急いで、探す。

 声の方向を探してみるけれど、
 でも、何も見つけるものはない。

 でも、それでも、探す。
 探して探して探して




 でも何もない]




[声は、形ある言葉を囁いてから去っていく。
 それは、慰みなのだろう。

 そして、去っていったことを感じれば、やはり項垂れるしかない]


 ――……


[失った…いや、自分が殺してしまったものが
 もう、自分などを思うことはないと思う。

 すべてが間違った道で、手遅ればかりだ。

 周のこともリーのことも、マユミのことも]


[


 絶望は終わらない
 後悔は消えない
 懺悔は尽きない




 ただ、それらは、確かにこれまでの自身をかたち作るもの]





リー、ごめんな。




[ぽつり、それはきっとその存在に似ていたから、
 また座り込んで、朝日に謝った*]


[思い出すのは、どうしてか。
少し後ろから見つめていた背中、
いつのまにかずっと大きくなってしまった]

――……、

[ 丸められた背中に両手を伸ばす。
そっと頬を摺り寄せて、ただ目蓋を閉ざした。

寄り添うだけ、
語る言葉は何も無い。

触れる肌も温度も鼓動ももうない、けれど。
自分が自分であった想いの全てが伝わるように*]


落胤 明之進は、メモを貼った。

2014/02/21(Fri) 22時頃


【人】 落胤 明之進

[始祖の再生能力の突出に対して、
 こちらの血の主は速度の持ち主だった。
 それを証明するような、リカルダの速度>>39

 っ、

[だが、切りつけた脇差は異能を持たない刀だ。

 手を伸ばし、リカルダの体を始祖の傍から引きはがす。
 脇差が彼女の手に残るか、始祖の腕に残るかは構わず
 鋭い爪を左の短剣で、腕ごと使って受ける。

 衝撃、と、裂かれる腕と。飛び退いて距離を取る]

(48) 2014/02/21(Fri) 22時半頃

【人】 落胤 明之進

[貴き血の通う肉体であるからか。]

 ……気をつけて。

[始祖の手による傷は、どうやら容易には塞がらない。
 袖が裂けて血が滲む]

(49) 2014/02/21(Fri) 22時半頃

【人】 落胤 明之進

[どこかで、地鳴りに似た低い音。>>46
 一瞬、何の事だか解らなかったが、恐らくは爆発だろう。
 この場所も、基地としては死につつあるのか、
 被害が広がってしまう。]

(53) 2014/02/21(Fri) 22時半頃



[背中に感じたのは、ぬくもり、と表現したくなるような存在感。
 振り向いたとき、その姿は目に見えるものなのだろうか。


 見えるならば、そのまま、顔はぐしゃりとなった]


メモをはがした。


メモを貼った。


……ただいま。

[今度こそ本当に、
こころからそう言える。

ゆっくりと閉ざしていた目蓋を開けば、
緋色は既に失われ、穏やかな墨染めの色。
きっと記憶にあるように柔らかに微笑んだ]


メモを貼った。


メモを貼った。


メモを貼った。


 マユミ……。

[顔はひどい顔になって、そして、また俯く。
 それはあの頃のようにも見えて、

 いや、嘘だ。あの頃よりずっと大人になった]

 ――……マユミも、ごめんな。

[結局、殺してしまった。
 リーもマユミも。

 それは
 もう忘れることができない]


【人】 落胤 明之進

 させない、――!

[絢矢――あるいは菖蒲と呼ぶべきなのか、>>54
 狙いを定めた始祖の襲撃を阻むように、右の刺剣。>>58
 完全に防ぎきる事は出来ない。
 ただ、走る軌道を彼女がかわせるように、
 始祖の視界を阻むため。狙うのはその眼]

(64) 2014/02/21(Fri) 23時半頃

……理衣くんはね、
あなたに殺してほしいって思ってたんだよ。
あなたが特別な友達だから。

だから、
わたしまで願ってはいけないと思ってた。

[向けられた謝罪の意味を知る、
そんな想いをさせてしまうから、
願ってはいけないと思っていたこと]

……わたしこそ、ごめんね。
ちゃんと自分で死ねればよかった。




 ――……知っでる。

[マユミの言葉に、顔もあげずに]

 だがら、なお、謝るんだ。
 そんな想いしがさせられながっだ。

 おでは、リーにも幸せになっでほしがっだだ。
 いや、リーにもいいたがっだんだ。



 おかえりっで……。

[そして、思ってまた顔を歪ませた]


 マユミは、


 おでが殺すっでいっだし……。

[そういったけれど、やはり辛かったことは間違いなくて]


その時、世界がみえてくる。彼らの戦っている姿





[その周であった獣の姿、
 その存在はわかるのだろうか。

 周であったのなら、気がついてしまうだろうか。

 マユミを貫いて、そして、己を貫いたその刃が彼のものであることを]


【人】 落胤 明之進

[疾駆する金色は僅かな首の動きだけで刺突を避け、>>68
 切っ先は目には届かず、どころか、歯に噛まれる。
 笑みの消えぬ薄い唇に牙が覗いた]

 !?

[かわして進むかと思いきや、右手を掴まれる。
 がくりと引き寄せられる体は始祖の身の傍]

(70) 2014/02/22(Sat) 00時頃

わたしは自分で死ぬべきだった?
お父様にころされるべきだった?

……それとも、あなたを殺すべきだった?

[今彼が感じる痛みは、
本来、自分が負うべき痛みだった]

あなたはわたしを殺すことで、
あなたを殺す苦しみから、わたしを救ってくれた。

だから、
わたしは最期に幸せだった……、
あなたのおかげで、幸せだったの。




[マユミの言葉をきいて、
 その重なる単語、やはり哀しくなって……]

 ――……違うだや。
 お前は生きるべきだっだだや。

 人間としで……。

[そんなこと無理だった。わかってて、
 でも、哀しいから。殺すべきか死ぬべきか、その二つしかない女の子なんて]

 おでは、お前を幸せにしたがっだだ。
 もっと違う幸せを……。

[丸くなって背中、そのおかれた手を掴めば、振り向いて]

 もっがいお前に会いたいだな。





 ――……こんどはころさね、がら……。

[やっぱりその身体を抱きしめてしまうのだ]


……そうね、
あなたは幸せな未来を描いてくれた。

運命を捻じ曲げた父を、
始祖をいつかこの手で討つ、と。
ただ、それだけしか残っていなかった私に、
未来を聞かせてくれた。

[望みなどなければ絶たれることはない。

幸せを願うことは無かった、
幸福も家族もあの頃ももう返ってこない遠くの場所にある、
だから、その遠くの場所で幸せでいてくれればよかった。
自分はその幸福に微塵も関係なくても、よかった。

だから絶望はなかった、しかし希望もなかった。
生きていようとも、死んでいようとも変わりない]


だから私は、
人間として生きられなかったけど、
……人間として死ねたような気がするの。

[彼の描いてくれた叶うことのない望み。
鬼となってから初めて想像した気がする。
人の心を思い出せた気がする]



うん、そうだね。
もう一回会えたら、今度は――

[抱きしめる腕に、
記憶の中の温度と匂いと甘苦しさに、
泣き笑いのような顔になる]

あなたのお嫁さんにしてね……


【人】 落胤 明之進

[顎を上げ、間近に視線を向けたのは束の間で、
 背後に迫るだろう切っ先を振り返ろうと首を回した。

 リカルダが笑っているのが見える。>>73
 向かって来る刃を逸らそうと、絢矢の体を押しやるのが]

 ――――、

[微かに揺らめいた唇は何を零したのか知れないが、>>75
 容易く命を明け渡して、負わせる訳にもいかなかったから]

(80) 2014/02/22(Sat) 00時半頃



[きっとありえない約束。
 死んだら、きっと、終わりなのだろう。
 
 いや、自分はもう、この場から離れられない気さえするのに

 でも、彼女と違う、どうしても願い続けてきていた
 家族を取り戻すことを。

 取り戻すためには、自ら、家族を捨ててもいいと思ったほど。
 あの時のあの食卓。

 あれは、幻なんかじゃなかったから]




 ――……約束だがんな。

[マユミに向けるのは、それでも、一ヶ月年下の顔。
 でも、確かにそれは、今でなく、
 あの頃の顔を一瞬見せることになる]





 ――……そうだ。
 周は、どうなっだが、しっでるだが?

[ふと、尋ねるのは、
 あの時、零留に連れていかれ、そして、眷属になっただろう周のこと。
 マユミはわかるだろうか]


【人】 落胤 明之進

[寄せられた牙が首へ。>>76
 身を捩るが、まだ完全ではない。

 右手は始祖の手の内にあって、左手は主の銘を持つが故]

 ――ぉぉおおおお!!!

[届け、と吼えた。

 名が言霊を負うが故。

 ――凍てつく吹雪に身を晒し、鬼を刺す木であるが故]

(82) 2014/02/22(Sat) 01時頃

[あの頃のようで、
もうあの頃とは違うから。
子供ならば、それは指きりだったけど]

……約束、

[それはもう少し別の方法に、した。そして]



……周も、抗い続けているわ。

[ 見やる先、
父を屠らんと駆ける獣の姿は、
見えはしなかったけれど]


【人】 落胤 明之進

[背を強かに貫く小太刀。

 ぶつ、と何かが切れる音を、体の中から聞いた。
 目を見開き、口は苦痛を吐きだしたが、
 果たして現実の悲鳴は上がったのかどうか。

 溢れた紅は、己のものだけではなく。
 びしゃりと頬から耳、首筋へと流れ落ちた。>>79

 表情はすぐに歪み、歯噛みする。
 吸血鬼狩りの刃が注ぐ痛みはまるで死毒のようで、
 視界がじわりと滲むのをおぼえた]

(83) 2014/02/22(Sat) 01時頃

落胤 明之進は、メモを貼った。

2014/02/22(Sat) 01時頃


【人】 落胤 明之進

 ……っは、あッ!

[蹴り飛ばされれば、そのまま。>>85
 握り締めた涅槃の刃は始祖たる鬼から抜き出され、
 落ちる体は地面を擦り転がり、止まった。

 どく、と血が噴き出す。]

(86) 2014/02/22(Sat) 01時半頃

メモを貼った。


【人】 落胤 明之進

[急激な血の喪失に、指先が震えた。
 耐えようと、ぎゅうと目を閉じる。耐えきれずに開く。
 滲む視界にちいさな菫を見た。]

 ……、……

[ここで、死ねない。
 この罪を明け渡して終わってはいけない。

 それに、託された祈りは――借り物ではあるけれど、
 己にだって、月を見て思う事はあったのだ。]

(95) 2014/02/22(Sat) 02時頃

【人】 落胤 明之進

 ……あ、や

[肩下から圧が掛かり、半身を押し上げられる。>>97
 右手を酷く痛めている筈だから、捨て置いても良いんだと、
 視線を向ければ、手首から先が見えない]

 ――――げほっ。

[腹の奥に気持ち悪さを覚えて、小さな咳。
 口中に込み上げた血を、隠すために呑んだ。

 背を押す叫びに、遠くを見るように――

 瞬迅と駆けるリカルダの手には『菖蒲』、絆を結んだ者の銘。]

(106) 2014/02/22(Sat) 02時半頃

【人】 落胤 明之進

[切りかかったリカルダの首が捕えられる。>>114
 まるで脅しのように掛かる手に、ここから跳んでも
 今の傷では間に合わないと思えば、下手には動けない。

 助ける機はないかと、
 始祖と、三日月斧を携えるジャニスとが交わす声を、
 焦がされるような心情で聞いていた。]

(115) 2014/02/22(Sat) 03時頃

【人】 落胤 明之進

[やがて、名を呼び駆け出る姿が現れたなら>>112

 零瑠、君……

[眉根を寄せて目を細める。
 血に縛られた吸血鬼において、恐らく始祖の命は未だ有効。
 守護隊を全滅させろ、という――ここには絢矢もいる。
 名を宛て、宛てられた二人だから、
 お互いの血を流し合う事は避けたいと思っていたのに。

 そう、守護隊の。
 円を背負っていたキャロライナは、どこへ行った――?]

(116) 2014/02/22(Sat) 03時頃

メモを貼った。


[――…ふわり。

         ―――浮遊する感覚。

     ――…ゆらり。

                ―――揺蕩う、意識。]


[死の間際。 望んだのは、全てからの解放。
  …だから、この魂は黄泉路を逝くとばかり思っていたけれど。]


 ――まぁ、
 そういうわけには、いかないよなぁ…


[抱かれたのは、昏き地の底でなく、朝焼けの空。

嗚呼、眼下で今、起こっていることの結末は、
自分が向き合わねばならぬこの終焉は、

これまでの行動、その罪に対する罰となり己を縛り責め苛むのか、
それとも希望を遺し、この魂の標、次への福音と生り得るのか。]


[今まで散々逃げ続けた男に対する神の選択は、きっと正しい。]


 …最後まで見届ける、責任が、あるよな。


[正面から向き合ってやれなかった弟、妹へ。
長く肩を並べ、共に闘ったジャニスへ。
もういなくなってしまった兄、姉へ。
憧れ、背を追い続けたあの人へ。

…そして、刃の届くことのなかった仇敵へも。

――それぞれに対する想いがある。
自分の行いと、それの齎す結果を、今一度見つめて。]


[遂に戦場に姿を現した獣の双眸に映るのは
総身を紅に染めた黄金の鬼に、
細い首を締め上げられる少女の無惨な姿。

嗚呼、――かの鬼は獣から
後、どれだけ大切なモノを奪えば気が済むのか]


[今、獣を駆り立てる衝動は、怒りでも憎悪でも無い。
この足を動かすのは、金色の呪縛から逃れるため、捨て去ろうとしていた願い。

『囚われた家族の自由を取り戻す』

だから、斃すためではなく、
リカルダを奪い返すため、獣は――周は、黄金の鬼の元へと疾駆するのだ]


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