238 聖痕の空〜Knockin' on heaven's door〜
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おっ 俺は食べたから!!!
[>>206口へ運ばれる、その前。 居たたまれなくなったのか、飛び退いた。]
……君が元気そーなら 俺はそれでいンだよ。
[頭を掻く。 彼女の魂を蘇らせたのは、恐らく男だ。 誰が彼女を保護してくれたのかは知らない。 けれど、彼女が無事に此処に居ると言う事は]
(207) よつば 2015/09/25(Fri) 00時頃
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―――――…… ホント、それだけだから。
[この数年間。 彼女は魔女から解き放たれて きっと、聖女としての人生を歩んでいく途中だったのだろう、と]
(208) よつば 2015/09/25(Fri) 00時頃
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[>>209幸せそうな顔を見れば つられて、男もいつもの笑顔で笑って]
………悪かったな。
何か、心配かけたみたいでさ。
[撫でる為に伸ばそうとした手は やはり途中で空を掴み、代わりに男自身の頬を掻いたけど。]
(215) よつば 2015/09/25(Fri) 00時半頃
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クロちゃんが?……って、オーシロちゃん!
どういう、事……ッ
[>>216懐かしい名前に、むず痒さを覚えながらも さすがに引かれた手を振り払う事は出来ない。
きっと道中で説明を求めるだろうが その歩は、三黒の屋敷へ辿り着くまで止まる事はないだろう。]
(217) よつば 2015/09/25(Fri) 00時半頃
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[>>218聖女に手を引かれながら 屋敷までの道のりを歩いた事を、きっと忘れはしないだろう。 道中でされる説明すら、右から左へ流してしまいそうになるくらい]
…………あ、あの ッ………
[そうしていつの間にか 三黒の屋敷へと通されて、食事の前に腰を下ろすも。 自分の手を見て、しばらくは洗わないでおこう、なんて思ったものだ。
だがそれも束の間。>>226家の主が帰る音が聞こえてくれば]
(258) よつば 2015/09/25(Fri) 20時半頃
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やっべ、……
[何故か、隠れなければ、という思考が過ぎる。 >>233折角の数年越しの再会だというのに きっと彼と目があった青は、焦りの色を映していた。]
……って、おい!!! クロちゃん!!
どうして締めンだよ、俺だってば!!!
[それが打って変わって、 突然の家主の行動に、驚きを隠せずに。 締められた障子をどうにかして開けようとする。]
(259) よつば 2015/09/25(Fri) 20時半頃
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[ ス パァ―――― ンッッ!! ]
[>>234再び開く障子は、壊れた音が混ざった気がした。 古いのに合わせて、男が二人して逆方向に力を入れていたのだから 当たり前といえば当たり前かも知れないが]
誰に許可得て、って…………
[ぐるぐると頭が回る。 訳が分からぬままに聖女に連れて来られて 気付いたら、目の前に、あの時の半身であった黒がいた。
だから、自然にその言葉は、漏れた。]
(260) よつば 2015/09/25(Fri) 20時半頃
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約束、果たしに来た。
[>>12男はあの時と変わらない顔で 拳を軽く掲げて、そう告げた。]
(262) よつば 2015/09/25(Fri) 20時半頃
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―――――ぃ ッ、で !!!!
[>>268不意打ちの一撃が、男の脳に直撃する。 じんじんと響く痛みは思わず頭を抱える程だが 何処か、嬉しそうに見えるのは何故だろうか]
ッ、ま っさか。 一直線に還って来た……っつうの、……ッぃて
[変わっていない口調に。 痛みとは違う理由で、涙が溢れそうになるのを抑えて]
(269) よつば 2015/09/25(Fri) 21時半頃
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……… ただいま、相棒。
[その目は、やっぱり少し涙目だったけど。 彼に殴られた所為だって事にしておこう。]
(270) よつば 2015/09/25(Fri) 21時半頃
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……あのさ、俺、クロちゃんに言っとかなきゃいけねー事がある。
[再会を果たしてから暫くして。 並んだ食事に手を付けて、少しした頃だろうか。]
(271) よつば 2015/09/25(Fri) 21時半頃
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―――――俺さ、世界を見て回りたいンだ。
(272) よつば 2015/09/25(Fri) 21時半頃
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[静かに、白は黒に告げた。 そんな男の瞳は、当時のまま青いけれど。 左腕を捲れども、天に捧げてしまった聖痕は、もうない。]
還って来て、変わらないこの街を見て思ったンだ。
俺は、もっと色んな世界を見てみたい。 聖痕を守って来た時には出来なかった事を、
………今ならやれンじゃねえかって。
[また、勝手と憤られるかもしれない。 事実、周りを重んじるのであれば出来ない選択だ。
けれど誰も、天使が自由で在る事を止める事は出来ない。]
(273) よつば 2015/09/25(Fri) 21時半頃
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君なら、分かってくれンだろ。
……クロちゃん。
[少しだけ、憂いを残して男は笑う。 彼の甘さを分かりきったような顔で
白はへらりと、笑うのだ。]
(274) よつば 2015/09/25(Fri) 21時半頃
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[>>278記憶の中の黒と寸分違わぬ、眉間の皺。 きっとその胸の中は、男に対する悪態だろうと苦く笑う。
あんなに強く殴られても、小宇宙どころか もはや爆発《バン》さえ起こさない白と黒。 その表情から相手の心を読む事は、こんなにも難しい。]
………へへ、分かった。
[酒には手を付けぬままに。 それでも、その顔は僅かに熱に浮かれて >>279想像と同じようなOKの答えに、にいと笑みを浮かべた。]
(280) よつば 2015/09/25(Fri) 22時半頃
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[それから、もう少しして]
………俺、オーシロちゃんにも言ってくる。
良い子だな、彼女。 初めましてって言っときゃ良かった。
[男が知り合った頃の彼女は、恐らく別人格。 だから、“彼女”と出会ったのはつい先程の事なんだと。
しかし、黒に告げるその目は、何処か関係性を疑うように。 いや、同じ屋根の下で聖女と暮らせるなど羨ましいと そんな意味も込められていたかも知れない。]
(281) よつば 2015/09/25(Fri) 22時半頃
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― 部屋の前で ―
………オーシロちゃん?
[居るかな、と一応ノックを忘れずに。 仮とは言え、女の部屋に入る事などない男は 扉を開けただけで軽く目眩を起こす程度だけれど
その姿を見つけて、咳払いひとつ、傍らに腰でも下ろして]
(282) よつば 2015/09/25(Fri) 23時頃
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俺、明日にでも出かける事にしたよ。
………きっとまた、暫くは戻れないからさ 伝えておかないとって思って。
[>>201男の帰りを待っていたと言ってくれた彼女。 裏切る事になるんだろうか、と居心地悪さに頭を掻いて
その眸の色を見た。]
(283) よつば 2015/09/25(Fri) 23時頃
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………あ、いや。
[>>284彼女の出で立ちと それから部屋の中に溢れる少女らしい“白”さ。 目の前で見るそれに、いつもの癖で目を逸らしそうになるが]
………俺も、そーしたいけどさ。 暫く此処に居たら、きっと、もう行けない気がすンだよ。
どーにも、居心地が良すぎてさ。
[>>286俯く少女に向けるのは、困った顔。 男という生き物は、どうしてこうも勝手なんだろう。]
(288) よつば 2015/09/25(Fri) 23時頃
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………
[>>290言いかけられた一言に。 ぱち、と男は驚くように瞬いて]
馬鹿。
……ンな事、間違っても言うなよ。 クロちゃんとモモちゃんに世話ンなってるんだろ。
[勝手に彼女の魂を救いあげて 手を差し伸べてやらなかった男が言える事ではない。
だから、これから言う事も、きっとただの自分勝手。]
(291) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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………、待ってて欲しいンだ。
あの時、天界に居た俺が 還って来る道標になってくれたみてーに。
[>>32彼女の祈りは、天を焦がし。 >>67それはやがて、彼を誘う光の道となった。]
(292) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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だから、その…… っ
[>>287背後にかかった言葉を思い出す。 拳を握って、やめとけと自制をするも、唇は言う事を聞かない。]
(293) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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………俺の、光になってくれ。
(294) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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[黒の飲んでいた酒にあてられたせいだ。 彼女に、こんな事を、言ってしまうなんて。]
(295) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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……分かった。
必ず迎えに行くって、約束するからさ。 俺が分かるように、光っててくれたら嬉しい――……
……なンて。
[照れ隠しに、笑いながらも。 >>298彼女が笑顔で生きられるようにと願う その手はやっと、彼女の頭を撫でるように伸びる。]
(301) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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そン時はさ、……あー、一緒にクレープでも食べようぜ。
[>>207一度断ってしまったあの時のクレープを きっと、いつか迎えに行く時なら、食べられると信じて*]
(302) よつば 2015/09/25(Fri) 23時半頃
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[そして、夜も更けた頃。 ふと、胸に仕舞い込んであった、式鬼紙《シキガミ》を >>1:339思い出したように、懐かしむように取り出して]
『俺は少しだけ旅に出ようと思う。 その間に、早く良くなってくれよ。 帰って来たら、その時こそは、『勝負』しよう。』
[放つは友に、“鈍達”で。
今度は、何も言わずに離れないようにと。 それだけが、男が唯一成長した点だった。]
(303) よつば 2015/09/26(Sat) 00時頃
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― >>247勝負の刻、再び ―
おいおい、リッくん。
不戦勝で100勝目なンて、俺は認めねえぜ?
[あれから、どれだけの月日が経ったのか。 >>250>>251『勝負』を前にした友の様子に 白の男は、不敵に笑みを浮かばせながら告げる。]
(304) よつば 2015/09/26(Sat) 00時頃
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………あの頃の俺と同じだと思うなよ、リッくん!!!
[>>255立ち上がる彼を見据えて、男は白鴉を背に仕える。 その背には、かつて理眼-リガン-が見続けた――白い翼が在った。]
へへ、そっちこそ。 『勝負』中に手加減しろって言われても聞けねーからな!
[世界を巡った男は、 以前よりいくらか精悍な顔をしているものの 口調や、振る舞いは当時の男そのままだった。]
(305) よつば 2015/09/26(Sat) 00時頃
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[男は今日も、友に認められた自由の翼と共に、大空を舞う**]
(306) よつば 2015/09/26(Sat) 00時頃
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