221 【突発】季節の雫【忙しい人のためのRP村】
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―回想:部活見学の後―
[傘を受け取った香菜に笑みを深める。
自分の分はないが、こういう時は咄嗟に差し出してしまうのだ。
でも通り雨だからすぐに止むだろう。
最悪、濡れたとしてもすぐに着替えれば大丈夫]
(……だから、無頓着と言われるのかも)
[心の中で、ぽつり]
ええ、お返しを楽しみにしているわ。
私とお茶会してくれるのでも、いいのよ?
約束しましょう。またね。
[小さく手を振って、彼女の背を見送る。
思いがけなく始まった香菜との部活見学は楽しいものだった。
気付けば物思いに沈んでしまいそうな今の自分は、
彼女の明るさに、随分助けられた気がして*]
―別棟へ―
[3年の教室まで迎えに来てくれた桜子。
ちょうど廊下の窓越しに姿を見つけ、こちらから近寄っていく。
上級生の教室は緊張するものだろう]
桜子ちゃん。
わざわざ来てくれたの?
[目を瞬かせて。
自分から出向くつもりだったのに、
持っていく教材の整理をしていたら遅くなってしまった]
でも、ごめんなさいね。
桜子ちゃんに仕事を押し付けてしまうことになって。
[あの時は深く考える暇もなく、
自分が行ってもいいと軽く自主申告したのだが、
良く考えなくても彼女に負担をかけてしまうことになった。
申し訳なさそうに眉を下げる]
今度、ちゃんとお礼をさせてね。
[嫌がられなければ、そっと頭を撫でようと。
驚かれたかもしれないが]
そうそう。
別棟でのお仕事は私に任せておいて。
[というわけで体調を崩すわけにはいかないなと。
そう心に決めて、桜子に改めて謝罪と礼を。
さて、彼女に案内されるときは、
同時に補習となった八尋もともにあったのだろうか*]
―別棟―
[他の子達が増えた時のための準備とか、何とか。
自分は次の日の朝からではなく、夜には別棟を訪れていた。
八尋はどうだったか。
先に来てひとりぼっちだった修を慰めつつ、
寝室となる部屋に布団を運び込んだりして]
それにしても、本格的な補習よね。
まるで合宿みたいだわ。
[この人数の少なさのせいか、別棟はひやりと寒い。
早く人が増えないかな、という願いは、
本当はふさわしくないのだろうが――小さく身体を震わせた。
女子のために用意された寝室に、ぽつん。
大部屋を選んだせいで、余計に静けさが身に刺さる。
しかしここで男子に助けを求める訳にもいかない。
毛布にくるまって、挙句潜り込んだ]
(せっちゃん、どうしてるかな)
[ぼんやり、考える。
彼には『補習になったので、別棟に行ってきます。
直接伝えられなくてごめんね』
という旨のメールを夕方に送った]
――……、
[息をついて、何かを胸の内に押し込めるように瞼を伏せる。
眠れない夜は、ひたすらに長い。
そのメールの送信ボタンを押し間違え、
未だ下書きに在るままと気づくのはまだ先のこと*]
[補習です、と。
迎えに来たのは一年生の女の子ではなくて、困ったように笑う先生だった。
一人ぼっちのお部屋に先生がやって来ると、
明日の朝から始まることを教えてもらった]
ん、わかった。
[演劇の厳しい縦社会の中で生きてきたわりに、緩い口調のまんま。笑ったままの顔は、先生が出ていくと、少しだけ眉を下げて]
やっぱりなぁ。
―朝―
[先輩が皆のための準備をしてるなんて知らないまま、先生に指定された時間ぴったりに教室に入るように歩く。
廊下で先輩に会えば、ちょっとだけ驚いたあと*笑いかけた*]
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