100 【RP】10年後に会いましょう【ランダム】
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長崎と言えば……坂道と教会がたくさんある。
[それしか思いつかないのかよと突っ込まれそうだが。
目を瞑るゆりに、静かな声音で]
いい景色がたくさんあるよ、きっと。
いつかみんなで会う時に、色々なところを紹介して?
[そう言って微笑んだ]
―――、
――――――………。
[つもりだったのだが、いつの間にか、意識は沈んで*]
[受験ねーとか。そんな話してたのを思い出す。
してはいたけど、あの頃は未だ、子供だった。
高校時代、野球部に入ってはいたけれど、甲子園は遠かった。届かない場所だった。
普通に大学受験をして、普通に就職をした。野球は土日、同じような他人と一緒にやるくらいになった。
夏が来れば思い出す、ダムに沈んだ故郷の事。
10年後の夏の最後の日、星見台で。
その約束]
[結局静岡から引っ越すことはなく、今日まで来ていた。
地元の企業に勤めた現在、昔のような坊主頭ではなくなっている。
俺だってその辺り、成長したんじゃないだろうか。
勉強だって多少、……いや、本当多少だけど。やるようになった。
背は、高1で随分伸びたはず。175cmだ。
休みを取った八月の最後の日。
星見台はネットで検索したらすぐに出た。
誰か連絡いれてたりするんだろうかと思ったけど、電話で聞いたりはしなかった**]
[あと、何年?]
[真っ白い天井を見上げながら、何度もあの教室を思い浮かべた。
星見台の約束のことを考えるだけで、
少しの切なさと、じんわりとした温かさが心に広がった]
[みんな、どんな風に変わっているんだろう。
会いたい。笑いあいたい。
白い部屋のベッドの上で、記憶の風景をスケッチ帳に描く]
[だから、それまで、頑張ろう]
―――――。
――。
……はぁ、……まだ、先は長い……。
[額の汗を袖で拭う。
ハンカチを持ってきていないことを今更後悔した]
星見台、こんなに遠かったっけ。
[山道の途中の休憩所。
木のベンチに座り、仰ぐように木々の隙間の空を見上げた。
青くて、あの日と同じように眩しい]
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