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[ノックスがトレイルを追いかける姿に、ゆるりと瞳を伏せる。
わかってはいたけれど。
やはり見るのは辛くて。
フィリップは居間から出て行った後、どうしているのだろう。
伝わる思いだけではよくわからず。
ノックスの言葉を否定するフランシスが見える。
あの時、水を飲みたいと思わなければ。
居間に行かなければ、こんなことにはならなかっただろうかと考え]
……いつかは、同じことになっていたかも。
[抱いていたものは否定できずに、ため息をこぼした]
――……ラルフ、君は……ノックスの、ことを?
[
こぼれる溜息と彼の言葉から推測して、ディーンは問い掛ける。
自分の衝動が他の同族とは異なる、ねじ曲がったものだということはよく分かっている。
ラルフがノックスの耳を食べた。
ということは、彼に少なからず情があったということなのだろうと推測出来る。]
[ディーン
彼へと視線を戻して、考えるように首をかしげた]
ノックスさんに、衝動を感じたのかといえば、そう、だけど。
それが、好き、ってことなのかどうかは、よくわかんない。
[触れられるのが嬉しかったのは、ノックスだけじゃなく、フィリップにも。
けれど、血に彩られた姿を見てみたいと思ったのはノックスで。
フィリップには食べられてもいいとは、思えた。
そういう気持ちが、なんというのなのかはよくわからないまま。
向ける思いはあるけれど、その種類がわかっていない]
……そうか。
好意があるから、食べたくなる
……だけ、とは限らない、のか?
[自分とニコラの間はとてもシンプルだった。
欲しいと思う側と、求められたいと思う側の意思の合致、感情の一致、それだけだ。
ディーンは同族の特殊性を詳しくは知らない。
ラルフの抱く欲望の質も、自分を獣と称したフィリップのことも、知らない事は沢山ある。]
……俺は、先祖がえりだから。
好きになった人が食べたい、とか、
食べられたい、だけじゃないのかも。
[ディーン
ノックスが淡い初恋のようなものだっただろうことにはまだ気づいていなくて。
いまの、自分の感情すらきちんと理解する前にコトに及んで命を失った。
だから、いまだに、よくわかっていない]
知らないことばかりで、困る。
【人】 小悪党 ドナルド[手当てを大人に頼もうとバーナバスへと目を遣れば (377) 2014/11/23(Sun) 21時半頃 |
……先祖がえり?
[聞き慣れない言葉に、ディーンは
衝動にも多少の個人差があるのは知っている。
自分のように、食べられたいと願う個体がそう多くないことも。
しかし、それだけだ。]
――……。
[本当はこれから、様々なことを知っていくはずだった子供が今、自分と同じ場所にいる。
その事実に、ディーンは僅かに目を伏せる。
しかし。
[ディーンはニコラの傍に歩み寄る。
薄曇りの空の色をした瞳を正面から覗き込む。
しかし、灰色の瞳は違う感情を表している。
――何故、彼の同行者たちは気付かないのだろう。
彼が願っていることは、そう多くないのに。]
ニコラ。
僕は、ここにいる。
……君と、ずっと一緒にいる。
[彼の同行者たちが気付かない以上、ニコラの空白を埋められる者は他にはいない。しかし、この姿が彼に見えることは無い。
音程は平坦な、しかし僅かに震えるディーンの声はニコラには届かない。]
……うん、先祖がえり。
衝動がつよくて、人狼にしか聞こえない"声"が使える……ってやつ。
[いうほど、衝動が強かったかどうかはわからない。
それでも、フランシスたちとはまた違ったのは事実だ。
名前を呼ばれたディーンがニコラの傍へと向かうのを見て。
居間の外へと向かう]
……?
[フィリップが、ノックスたちと相対している。
トレイルへと手を伸ばす様子に、首をかしげ]
フィリップ……?
[不安がにじむ声が、届かないとわかっていても呼びかける]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
[
その内容だけを耳に留めて、ディーンの意識はニコラへと向かった。
聞こえない、見えないと分かっていても、意識をそこから逸らすことは出来ない。
彼の声は、ニコラに届く。]
――…………ベネット。
メモを貼った。
【人】 小悪党 ドナルド―― 居間 ―― (389) 2014/11/23(Sun) 22時頃 |
[ノックスとフィリップに取り合われているように見えるトレイルを見る]
……
[もともと、ノックスの連れだ。
フィリップが、衝動を感じた相手だ。
けれど、フィリップがトレイルに向けているのは――]
そんなことしたら、ノックスさんが悲しむだけ……
[それを望んでいるフィリップにため息をこぼす。
自分が死んだせいかと思う。
それで、衝動ではなく、人殺しをするのは、悲しい。
そんなことをせずに生きていてほしいと思うのに。
そこまで思ってくれていることが、どこか嬉しい]
【人】 小悪党 ドナルド[フィリップがトレイルに牙向けるなら (403) 2014/11/23(Sun) 22時半頃 |
[
しかし、いくら手を伸ばしても彼には届かない。
もし、自分が傍にいないことが、彼にそうさせているなら
――それは何と嬉しくて、悲しい事だろう。]
――……ニコラ。
[ディーンはニコラの腕にそっと触れる。
指を滑らせてなぞり、ニコラの指先に自分の指先を絡めた。
もし衝動が無かったとしたら。
食べられることを望むことが無かったとしたら。]
…………君が好きだ、ニコラ。僕は、ずっと君の傍にいたい。
[衝動などなくとも、願いは変わらない。]
……フィリップ、ノックスさん……
[二人のやり取りを、傍らでただ聞いている。
トレイルは、みたくない。
彼が、何を思っていたのかは知らないけれど。
彼は、フィリップに衝動を向けられていたし。
彼は、ノックスにとても大事にされているし。
にくいわけじゃないけれど、
平気で相対できる相手でもない。
フィリップが殺意を秘めていることには気づきながら。
止める手立てなどなく、ただ見ている]
[
ディーンはその隻眼をじっと見つめた。
彼もまたラルフのいう先祖がえりであったとは知る由もなく。]
――……もう、終わらせて やってくれ。
[ディーンの呟きは、ニコラの死を願うものだった。
今、生者の世界に彼を救う者は誰もいない。
今、死者の世界に自分を救ってくれる者は誰もいない。
欲に溺れた選択を間違っていたとは今も思わない。
だが、それでニコラが苦しむならば――。]
[ディーンは、絡めた指先を強く握る。
彼が死んだとして、同じように欠片が残るとは限らない。
会うことすら叶わないかもしれない。
それでも、生者の世界が彼を傷つけ、苦しめ、孤独にさせるなら、
そこから逃がしてやりたいと、ディーンは願う。]
――――……ニコラ。
[声が届かないことがもどかしい。]
……フィリップ
[フィリップの様子に、ゆるく瞬く。
どうして、そこまで、と思う。
トレイルなんて、ほうっておいていいのに。
俺のために、人として手を汚す必要なんてないのに]
[彼に惹かれた理由は明白だ。
彼に愛された理由も明白だ。
ただ、お互いしかいなかった。
歪んだもの同士だからこそ、その形がぴったりと触れあった。
他の誰にも触れられない歪みに、触れられた。
口を噤み続けたディーンの内にある、汚い感情の一つだ。
だからこそ、吐き出さずにおれない苦しさも、痛いほど分かる。
この胸に刺さった棘を抜けるのはニコラだけだ。
ニコラにとっても、それは同じであるに違いない。]
――……愛している、ニコラ。
僕の唯一。僕の太陽。僕の、かみさま。
[ニコラの横に屈みこんで、柔い色をした金の髪を撫でる。
ほんのひとかけらでも届けばいいと願いながら、卵を握る手に自分の掌を重ねた。]
[瞬いた、次の瞬間。
一階の奥、藁に覆われた塊の前に立っていた。
それが自分だったモノの前だと気づくのに、時間がかかった。
でも、戻ってきた記憶。
残っていた感情。
そのどこにも、どこを探しても
今この山小屋を覆いつくそうとしている、衝動はない]
……フィリップ……
[伝わる思いに、その行動に、
届かない声で呼びかける。
そんなことしなくていいと思うのに、伝わらない。
ただ、生きていてくれればいいのに。]
【人】 小悪党 ドナルド[――もしそうだとしたら。 (428) 2014/11/23(Sun) 23時半頃 |
【人】 小悪党 ドナルド[二コラの顔が見える。 (432) 2014/11/24(Mon) 00時頃 |
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