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へー。ああそういや。
俺も何でか、フィリスとの初対面のとき、「動物好きそう、特に鳥とか馬」って思ったんだよな。犬猫じゃなく、鳥と馬というチョイスが自分で不思議だったな。何でそう思ったのかはよくわからん。
案外、それはフィリスの先祖で、お前のご先祖と仲良かったのかもな?
いいじゃないか、子孫同士でまた仲良くなれるって。
[明るそうな声。馬鹿にしているような口調ではなく。
表情は届かないが、口元に笑みを浮かべていた]
あ、そうだったのか? 道理でキモノだったのか。
覚える程度にはインパクト強かったんだぜ、何だアイツはー!?って。
[極東の国との交流が盛んだった、という話は流石に初めて聞いた。
メディの歴史方面の博識ぶりに感服して、歴史家という偽装は趣味が実益を兼ねていたのだな、と内心思う。
続いて聞かされるフィリスとの出会い
へー、お前も!? お前もそんな経験があるのか。すげー!
フィリスのご先祖様か……そうかあ。
そうだったら、すげー素敵だったな!
[フィリスによく似た少年は道半ばで亡くなったことを青年は知っている。
けれどそれは言うべきでは無いと心に決めて、笑顔で「もしも」を語る]
[瞼を伏せて、思い出すのはあの夢の中の記憶。
草原に風が吹き太陽が昇る。砦には人々が集い、戦に怯えながらも、笑いながら過ごしている。
そしてその光景を、"自分"は――――]
もしかして、さ。俺とお前もあそこで会ってたのかもなー。
互いに怪我すんなよー、とか言いながら。
お前だけじゃなくて、ベネットも、ムパプミスも。
あの砦で一緒にメシ食ってたかもしんねーじゃん。
……そうだったら、素敵だと思わねえ?
[独房の天井を見上げながら笑い、静かに問いかけた**]
メモを貼った。
鳥と馬の世話が好きな、フィリスの先祖、か。
……あれ、それを俺が覚えてる…ってことは、もしかして俺に縁のある誰かも、お前らと知り合いだったかも、って話になんのか?
[セディーの話との共通点。はたと気づいて]
いやいや、あるかもしれないぞ、本当に。
…ま、そうだとしても。多分目立たないタイプだったんだろーな。
英雄とか団長とか、俺の柄じゃねーし。「その他大勢」に違いね。
[けらけらと笑って。ベネットやムパムピスも一緒に飯を食ってた、という話には]
……素敵かな、それ。
過去は仲良かったのに、今は敵対する立場にあるなんてさ。
[寂しげに笑った。]
[もしも、過去生があって。
ベネットやムパムピス…他にも、親しかった知り合いが、赤国と緑国に別れて、争い、憎みあっているのだとしたら。それは悪夢に他ならないのではないか?
――ああ、そんな再会は辛い。俺は……(私は、)
『『争いのある世界になんて生まれたくなかったのに』』
]
…………ん。
[一瞬、妙な考えが浮かんだ気がして、振り払うように頭を振る。その時、尋問の準備が整ったのか、赤軍の兵士が数人、メディの牢の前で止まり、『出ろ』と言ってきた]
悪い、話の続きはまた後でな。野暮用ができた。
おみやげは期待すんなよー。
[のんびりとした口調で隣りに呟くと、牢から出される気配がセディーにも伝わっただろうか。
拷問に耐えるには、なるべく楽しいことを考えておこうか、と頭の中で色々計画しながら、連行されていった。**]
メモを貼った。
―ララント 赤国軍屯所―
[因みにフィリスは療養中に走る事と跳ぶ事は禁止だと
医者から言い渡されている。
だから自分は、護衛と言うよりやっぱり見張りみたいだ]
……ペランさんとセディーさんの事が心配ですか?
面会は、一応可能だと思いますが。どうしましょうか。
[フィリスの朝食が終わった頃にたずねて、首を傾げた**]
![]() | 【人】 水商売 ローズマリー――砦の中―― (15) 2011/07/04(Mon) 17時半頃 |
― 翌日 牢屋 ―
[地下の肌寒い牢屋は、余り健康状態が良さそうとは思えない。
数人の兵士を引き連れて、僕の足は独房の前で止まる]
おはよう、セディー。
一晩こんな所に居させて悪かったよ。
[ごめん、と謝罪を籠めてセディーを見詰めている間に。
多分彼が考えていたよりも随分あっさりと、牢の鍵は開かれた]
昨日一晩で、ローゼスブルグ大学に確認を取ったよ。
確かに、君の名前はあったし、帰国の旨も四日前にちゃんと申請されてた。
君が緑国の人間だと言う事も考えて、それなりに厳密に調べてみたけど。
[軍部の関係者だと言う根拠も当然だけどなかった。
そして昨日、メディを止め様として居た様子も、僕だけじゃなく何人かが確認していた事も働いて]
身元証明になる物が在ったら完璧だったんだけど、大学から証明書類の写しを回して貰った。
だから当部の判断から、君は正式な留学の一般市民だと判断して、無罪釈放にしたよ。
[何で僕がこんな事を通達しているのか、と疑問には思われるかも知れない]
メモを貼った。
―翌日・牢屋―
よかった。これで巻き込まれて獄死でもされたら寝覚めが悪かった。
もう戻ってくるんじゃないぞー?
[隣りの独房の床に座っている囚人がセディーに、看守がよく言う台詞を言い放った。
現在は手は戒められていないが、口の端に切り傷の跡がある。昨日はいくつかの尋問を受け、ダガーを隠し持っていたのと、緑国の軍が使用している望遠鏡を持っていたことを咎められたが、あまり誠実でない受け答えと、「旅の護身用」「友だちにもらった」としらばっくれたせいで、服の下に死なない程度に青あざを作っている。
が、見かけだけは元気そうだった]
―回想―
[
……わかった。
[本当は、もう、ムパムピスやベネットの人柄に触れて理解しはじめている。
噂話などデマばかりで、赤国も緑国と変わらぬように多様な人々がいるのだということを。
―――街を、みてみたいと思った。
セドリックは何を想い、何を求めて冷遇されるかもしれぬこの地へと学びにきたのだろう。
そんなことを思った。]
二週間……
[
メディは、それでは済むまい。彼を置いていくことなどできない、と心中思いながらも、今は口にはしなかった。
ベネットは、緑国の民も守ろうというんだな。
もし、あんたのその思いが本当なら…
……いいや、今はいいや。
手厚い待遇に、感謝します。
[両国の間に争いが起きないようにすることは、まだ可能なのだろうか。
もしそうなら、自分がすべきことは。
そういいかけて呑み込んで、ベネットとムパムピスの二人に頭を下げる。
![]() | 【人】 飾り職 ミッシェル[公女は涙で溢れた瞳を向ける。 (16) 2011/07/04(Mon) 21時頃 |
![]() | 【人】 飾り職 ミッシェル …いくつか聞いても宜しいでしょうか? (17) 2011/07/04(Mon) 21時頃 |
―翌日、ララント赤軍駐屯所―
[医者の腕がいいのか、薬がいいのか、足は普通に歩く分であれば、引いているのをほとんどわからない程度にはよくなっていた。
鍛えてはいるものの、小柄な彼女には、男物の長めのシャツはちょうど短めのワンピースのような具合でそう違和感はない。
下は流石にサイズが合わず、制服のズボンのままだが、裾がながいのも相まってそう目立たない。]
ありがとう。
これ、ムパの?案外オシャレなんだね。
[ララントはアメルンよりも都会だ。意外そうにしながらもだぼついた袖をまくりながら言う。
……僕はこのまま会いに行っても、まだ彼らに何も伝えられない。
街を一回りしてもいい?
僕は、知らなきゃならない、そんな気がするんだ。
[メディを助ける方法も、セドリックが伝えようとしていることも、きっと今のままではわかっていない。
僅かに足を庇いながら、ひらと裾を翻して軍の駐屯所から街へと向かった]
メモを貼った。
―ララント市街地―
[ムパムピスに案内してもらいながら、まずはララントの朝市に寄って揚げパンを買った。
数は5つ。自分とムパムピス、メディとセディへあげる分、そしてベネットの分だ。]
むぐ…あ、美味しい。
[店の前で一口齧った処で驚いたように言った。
『そうだろう、お嬢ちゃん。なんだい、旅の人かい?』
豪快に笑った店主の中年女性に尋ねられると、そうです、と頷いた。
『ここは食べ物も美味しいし、気のいい奴らばっかりだしいい処だよ。ゆっくり見物しておいで』
ありがとうございます、などと笑顔で軽く世間話をして別れる]
アメルンのと同じ味つけだ。
…もとは一つの国だったんなら、おかしい話じゃないか。
[街を歩きながら、揚げパンを噛みしめてそう呟いた。]
お前さー、そういうの良くねーぞー?
戦争はまだ始まってねーだろ、なんで始まる前から諦めちま、
[――と。
メディの部屋に兵士がやってくる気配。
音と兵士たちの声でメディが連れ出されることが分かる]
……――メディ?
[嫌な予感がした。
そしてその予感は当たっていたことを、夜半過ぎに知ることになる]
[途中、厩舎を通る。
動物の中でも、特に馬と鳥が好きだったし、よく好かれた。
ふらりと立ち寄り、ムパムピスに頼んで中に入れて貰う。]
ああ、この子だ。
……昨日は無茶をさせてごめん。
[昨日ムパムピスと共に同乗していた馬を見つけて、鼻面を撫でると、馬はぶるりと気持ちよさそうに啼いた]
ええと、きみはアチャポだっけ?
なんだろう、きみに似た馬を見たことがある気がする
もしかしたら前世に縁があったのかな。
[そう言って手を伸ばすと、矢張り顔を擦り寄せてくるから厩舎の者は驚いていた。
馬とは本来神経質で気難しい生き物、そう懐かない。
しかし、何故か生来彼女は馬には好かれるのだった。
緑国と赤国の宗教は酷似しており、転生や過去生についての言い伝えはごく一般的だった。
どこまで信じているかは個人差があれど。]
……そうですか?
[服への感想に自覚ない風に相槌を打つ。
街を見てから彼らに会いたいと言うのに頷いて、
案内をする事にした。
揚げパンは割り勘を申し出た訳だが、実際どうだったか]
差し入れですね。
美味しいですか? 良かったです。
[それに彼女が細工をする可能性は、今は考えない。
持っていた武器はこちらが預かったのだし、
今のフィリスは闇雲に逃げる事を考えているようでもない]
赤国と緑国が元は一つの国だったと言う話は、
調べてみると信憑性があるそうですね。
宗教や食事、建築様式なども類似点が多いです。
[建材となる石や木は土地が近しい要因もあるだろうが、
部屋の割り方や支柱と梁の構造等々。]
特に、教会のような古い建造物では顕著ですね。
[途中、厩舎に立ち寄り、馬に懐かれる様を待つ。
扱いに慣れているらしく、よく馴染んで見えた]
動物が好きですか?
―翌朝・赤国軍牢屋―
[戻ってきたメディの息遣いを聞きながら夜を過ごした。
聞こえる音から、メディがあまり「よくない」目に遭ったことは想像に難くなかった。それでも気づかないフリをしたのは、自分の介入でメディがこれ以上の目に遭う可能性を考えてのこと。
―――そして、断続的な浅い眠りの後に朝が来て。]
お……?
おはよー、ベネット……?
[穏やかな声に起こされて、瞼を開ける。
ベネットの後ろの窓から、逆光がきらきらと彼を照らしていて]
―――……あれ?
[寝起きの頭で、状況が良く分からないまま彼を見つめる。
ぼーっとしている内に牢の扉が開かれた]
[身体を起こしてベネットの話
彼が話し終えてしばらくの後、はっとして]
お、おお、まじか……!
なんつーか、有難う、でいいのか。うん。ありがとな!
[笑顔になって立ち上がり、牢を出ようとする。
その時隣から聞こえてきた声
……何言ってんだ。
お前も、死ぬんじゃねーぞー?
[牢の中をじっと見つめて、小さい声で問いかけた]
[
赤国の通貨を彼女が持っているはずがなかった。
その通貨も、じつによく似ていたのだけれど。
街の風景を見ながら、時折立ち話をしながら歩いてきた。
敵対していない国から来た旅人という態である。
生来なつっこい
その誰もが、緑国でもどこにでも見かけるような、気のいい人ばかりで。
それは、裏路地には物騒な輩も目に付いたけれど、どこにだってある光景だ。
ただひとつ違うのは、緑国の人が言うように、赤国の人々は緑国のことをこっぴどくけなした。
そんなとき、一瞬だけ悲しそうな顔をして、しかし押しかくして笑うのだった。
……教会かぁ。行ってみたいな。
うん、馬と鳥が好きなんだ。
[アチャポに頬を擦り寄せた。]
―― 緑国王都・ビリジアナ宮殿・円卓会議場 ――
[宝石の煌く王冠。比して小さな首飾り。純白のドレス。扇ぐ羽扇]
――一言で申しますと、どういうことですの?
[涼やかな目で、鈴を転がすような声が流れた瞬間、円卓は沈黙に包まれた]
メモを貼った。
[扇を閉じる。開いたり閉じたりしていると、何か聡明になれる気がする]
先ほどから皆様、開戦の口実を探してばっかり。
何か実際に行動に起こした方はいらっしゃるのかしら。
わたくし、あまり口だけの方々は信用できなくてよ。
[右隣に座っている、国軍元帥が窘める表情で見てくるのを無視して続けた]
少なくとも、2,3の優位も無く、ただ開戦するだけなのはよろしくありませんわ。
お喜びになるのは、どちらの商人かしらね?
[対面に座る円卓議員の一人が、びくりとした気がした]
[つまり体よくたかられた気もしたが、
不思議と嫌な気分はしなかった。
まあ、5人分のおやつくらい、どうという事はない]
……良かったな、サナ。構って貰えて。
[割に大人しい牝馬は、撫でられて嬉しそうだ。
教会に行きたいと言うのには、頷いて]
分かりました、案内しますね。
[赤国人は素性を知らないフィリスの前で、
遠慮なく緑国の悪口を振り撒いていた。
目の前のその人が、その冷徹鬼畜な緑国人なんですが、
とは思っても口に出せない]
[緑国女王、ソフィア・エカテリンブルグ・ビリジアーナ。
3年前に貴族の反乱で王族全てが殺害された時、死んだと思わせながらも当時の近衛団長と共に逆に全ての貴族を鎮圧した女帝。先ほどの軍の元帥は、その団長である。
なお、戴冠直後に即座に貴族制を廃止し、王立議会を成立させ、貴族達の権力を削いだ。
この経緯から、国家上層部では苛烈な気性という評価をされている。
タチが悪い事に、彼女はその評価を逆手に取り、自らもただの議員の一人という位置づけでありながら、しっかりと舵を切っていた]
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