207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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―甲板―
キティは優秀な猫だから、必要とされるだろ……
ま、自分で餌もとれるし。
[そんな話をグレッグにしながら、登ってきた甲板。]
………。
[言葉を忘れて、目の前の光景を見つめていた。
月に照らされる、双頭の狼。
対峙するのは、槌を握る男。
まるで、御伽のような。
子供に話すには少々、血生臭いが。*]
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Woooooof...
[引っ掛けた、ところで、腕を引かれた>>190 手元が狂いかけ、慌てて、装飾銃が左右の手を飛ぶ。]
真っ黒いのは、女神が嫌いな、わんわん狼さ。 二重丸は、人間だ。 それ以外は、如何だかな?
[詰るのも躊躇われる、説明を求める声に。 いくらか声を潜めて、記号の意味を説明した。 二重丸を描かれていた名前は、セシルのものだけだった。]
……… 冗談だろ?
[続くことばに、目を眇めたのは、信じ難かったからだ。 しかし、彼に嘘を吐くメリットなど心当たりもない。 掌を返すような内容に、ふうん、と鼻を鳴らした。 唇のみを動かして"獣に成り下がったのなら、残念だ。"と。]
(196) 2014/12/15(Mon) 00時頃
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丁度良い。
海上のBitchにも教えてやるよ、銃の扱い方。
[耳許に落とす声と打って変わって 銀貨の報酬は後回しに、再度、銃を構えた。
弾倉を確認、引鉄に指を、初心者は両手で構える方が賢い。
的は、床に転がった瓶だ。 弾が出れば、当然床に穴も空く、銀貨が詰まれば当たりだ。 女神の采配に後は任せて、実施訓練、引鉄を*引いた*]
(199) 2014/12/15(Mon) 00時頃
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[双頭の獣と副船長の闘いは、始まりから見下ろして視界に収めていた。
珍しく怪我なんかする副船長を見て、つい腰が浮いたがまた腰かけ。
大丈夫だ、と自分に言い聞かせる。
何度も、何度も、言い聞かせる。
彼が負けるはずがない。
信頼感というよりは、そう信じてないと酒もない今は気が狂いそうだと、そんな感覚だが。
ともかく、そう信じて。
マストの上、足を垂らしたまま。
じっと、身動ぎもせずに見守っていた]
― 甲板 ―
……ミナカ、なんスか?
はは。マジッスか。
[禍々しく気配を放つ双頭の狼に、乾いた笑いが出る。
夢の中で見たものの、実際に見るまでなかば半信半疑で]
……だから。
ガキじゃ、ないッスよ。
[小さく呟く。
あの言い草は、間違いなくミナカだった。
自分の遺したものも、無駄ではなかったのだと。
ぎゅっ、と拳を握りしめて。
副船長とミナカの勝負の行方を。
固唾を飲んで見守った]
───!
[槌の振り下ろされる音に、尾と耳先がぴんと伸びる。
船首楼の端に寄り、ゆるく見下ろせば、今まさにヘクターがミナカに追撃をくらわせようとしているところだった。]
……荒いな。
[もう何度目か。
普段のヘクターとミナカであれば、勝負は火を見るよりも明らか。
しかし、もしミナカが本性を現したなら───
───と思っていた矢先]
!??
[その姿に、この獣にしては珍しく、船首楼から身を乗り出した。]
[ヘクターの腹に突き刺さる牙。
歯を食いしばって戦いを見守る男は、その場から動かない。
何も出来ないのがわかっていたから。
その代わり、目を逸らしもしない。
拳をただ、ぐっと握りこんだ。
ヘクターと、双頭の狼の戦いの行方を、見据えている。]
[甲板に現れた新たな気配も、ずっと前からあった見張り台の気配にも、気付きはしていた。
だが今は、それらは眼中にない。
獣の意識は、目前の戦いにのみ向けられている。
ただ視点は、彼らとは違ったろう。
おそらく、ヘクターを見守っているであろう3人と違い、獣は、純粋に戦いの行く末のみを見つめていた。
ミナカが同族であるからとか、ヘクターの行動理念に頷けるところがあるからとか、今は蚊帳の外。
─────どちらが、より強い畏れをもって、畏れを喰らうか。
弱肉強食の理念。
弱者は強者の糧となり、強者もまた更なる強者に喰らわれる。
残るのはどちらか。
紅い瞳が、静かに焔を宿したように揺れる。]
ヘクターッ!!!!!!!
[じっと耐えて、黙って戦いを見守っていた男は。
ヘクターが甲板の縁に押し付けられたのを見た時、
つい、その名を叫ばずにはいられなかった。]
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