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[しかし、まさか。先程まで見下していた相手を妬むだなんて。そんな事を、自分のプライドは許さない。
――ならば、いっそ。
彼が苦難の末にようやく得た、その希望を塗り潰してやれば良いと。笑みを浮かべる度に、自分に与えられた恐怖と痛みを思い出させてやれば良いと。
そうして彼が自ら切り裂いた傷を、この手で更に深く抉ってやったと言うのに。
思い出せば良い。笑う度に、泣く度に。焦がれてやまなかったその表情を浮かべる度に。
恐怖で、痛みで、絶望で。
この自分に縛られてその生を終えれば良い。
――縛られているのはむしろ自分の方なのだと、最後までそれに気付く事はなく]
…………、
["泣かないでくださいよ"、なんて。
そんな優しい言葉を、精々態とらしく、さも心配しているかのように、かけてやるべきなのかもしれないけれど。
尚も震えるその頭を、不気味なくらいに優しい手つきで抱き寄せて。あやすように髪を梳いてやれば、彼は一体どんな反応を返しただろうか。
――しかし、その口から出た言葉は]
………もっと泣けばいい。
[ポツリ。零した言葉は、果たして彼へと届いただろうか。過去に一度だけ零したものと同じ"本音"を、彼は一体どう受け取っただろう。
そうして今宵もまた、その傷へと手を伸ばすのだろうか。癒えかけたのならば、また抉ってやろう、決して忘れる事のないように。
お気に入りの玩具に傷を付け、自分のものだと誇示するような。そんな子供じみた事をしている自覚すらも持たずに。
その瞳にこの姿を写しているその間だけは。その間だけは、ざわつくこの胸の内が何とも穏やかなものになってくれるから。
――例えその瞳が、恐怖に怯え、嫌悪に染まり、昏く冷たく青ざめていようとも]
[ショーケースを食い入るように見つめる姿
実際目の前の少女は、見た目だけでは『大人』とは言い難い姿だったけれど、朝顔の目には自分よりは大人に見えるから。]
ねっ。おいしそーなのいっぱいだよね。
キラキラのおねーちゃんもパフェにするの?
あさがお、さっきイチゴのやつたべたんだよ。
[ショーケースに陳列された、苺パフェのサンプルを指差す。
こうやって話してその味を思い出せば、もう一度食べたくなってしまったけれど、苺パフェばっかり食べて他のが試せないのも勿体無い気がして。]
んとね、あさがおはプリンにするー。
[つい、と視線を動かせばパフェの隣、可愛らしいガラスのお皿に盛られたプリンのサンプル。
果物や生クリームで飾られたそれは、パフェとはまた違った魅力があって、目が自然と惹きつけられる。]
[食堂の入り口から中を覗き込めば、
カウンターには優しそうなおばちゃんの姿。
あの人は、さっきディーンと来た時にもいた人だ。そう思うと余計に嬉しくなってしまう。]
いっしょにちゅーもんしにいこっ!
[何を頼むのかは決まった。
宝石箱のような、可愛らしいプリンアラモードの姿を思い浮かべれば、はしゃいだ声をあげ、レティーシャの手を引っ張るように歩いていく。
もちろん、彼女がもうちょっとショーケースを見ていたいようならば、足を止めるけれども。
このまま注文しても平気なようならば、カウンターにむけて元気良く注文を行うだろう。
お手伝いは大好きなのだから。]
メモを貼った。
【人】 水商売 ローズマリー[突如嘔吐を始めた>>13少女に驚くとがたり と勢い良く立ち上がる。 (20) 2014/07/04(Fri) 00時頃 |
あぁ、つまらない…
[結局クシャミは誰かに言いふらす事も無く、ナスステーションで「ディーンの部屋が騒々しい、何かあったんじゃないか」という旨を伝えただけで終わらせていた。別に言いふらしたいわけでもなかったし、間も無くナースがディーンの部屋に行く頃だろう]
………はぁ
[小さくため息を吐くとヤニクとディーンの二人が密着しているのを思い出す。自分が前にも似たような事をされた事、それはディーンは誰でもするのか、と考えると恥ずかしがっていたのも、引きずっているのも、そこから少し良い人だなんて信用したのも全てこっちの独りよがりと思い知らされたようで]
なんだかなぁ…
ディンさんのバーカ
[恐らくもう会う事はないのかな、と思うと寂しく、少しだけ泣きそうになったがそれも自分だけがそう思ってるのだと思うとどうでも良くなった。病気が治ると聞いてからあまり笑う事が無くなり、寿命と引き換えに笑顔を失った、そんな気もした
その足は何も納得出来ないまま食堂へと向かっていた。所謂やけ食いでもしようと思ったわけなのだが、そこで見慣れた二人(
後ろからこっそり、と言うわけでもないが食堂のおばちゃんの前に立つと自分も、と注文し始めた]
ショートケーキとパフェ、ティラミス、チョコブラウニー、あとは板チョコあればそれも。えーっと…チョコケーキもお願いできる?
[食堂のおばちゃんは少し驚いていたようだが、全ての注文を聞き入れてくれたようだ。これはクシャミにとって有難かった。未だに目が治っていないため白と黒しか認識出来ないのでそれに合わせたデザートにしたのだが、誰かが気に留める事は無いだろう]
あ、お金はやに……
[ヤニク、と言おうとしてからその言葉が止まった
元々医者が嫌いで接していたヤニクに対して元々良い印象なんて無かった。それに加えて先程の事がまた思い出されてとてつもなく勝手な思考だが、まるで“友達を取られた”気がしてその名前を呼ぶ事すら抵抗を覚えた]
……良い、僕が払います
あ、そこの二人分も
[朝顔とレティーシャを指して言うと、ニヘラと笑って好きに頼むように促した]
や、久しぶり。レティもこっちに転院したんだね
【人】 奏者 セシル[耳に届いた弱々しい肯定>>19は、現状にはそぐわない。けれどそこへ至る過程は、自分も辿ったばかりだから、納得することはできた。 (21) 2014/07/04(Fri) 00時頃 |
【人】 奏者 セシル置いていくのは、…おまえのくせに。 (22) 2014/07/04(Fri) 00時頃 |
メモを貼った。
【人】 童話作家 ネルえっ……、待って、ローズマリー! (23) 2014/07/04(Fri) 01時頃 |
[痛いのが好きな奴なんて居るのか、と。
いつもならばそう言ったのだろうけれど。じりじりと焼け付く様に熱い喉は、上手く動いてくれない。息をする事すら苦しいというのに、どうして無駄な悪態など吐けようか。
薄い抵抗を示していた手が取られてびくりと跳ねる。そっと下ろされるそれにすら抗う事が出来ずに、ただ体を震わせた]
[零された言葉の意味になんて気付けないまま、死んだ様に濁った瞳をそちらに向ける。
嗚呼、この期に及んでそんな事を言うのか。絶望を通り越して笑ってしまいそうになる。そう思っても、勿論笑う事なんて出来なかったけれど。
けれど傷に手を伸ばされれば、大袈裟なくらい体を震わせて。その傷をつけられた時の事を思い出せば、耐え切れなくなって体をくの字に曲げた]
……ッお、え゛、
[悲鳴をあげて酷く傷ついていた筈の喉を、熱い液体が滑り落ちていく。舌を通るその苦味に先程の行為を思い出して、尚更嘔吐いた]
う、う゛う゛、
っぐ、ぇ……、
[震える手で彼を押しのけ様と手を伸ばす。それは吐瀉物が彼にかからない様に、なんて配慮なわけがなく。
ただ醜く歪んだ顔と、零れ落ちる汚物が見られたくなかっただけだ。
ひとしきり吐いて、無理矢理自分を落ち着かせれば。虚ろな瞳でシーツを汚すそれを見て、そろそろと唇を拭う。浅い呼吸はそのままに、隠す事も出来ないそれをどうするかと、そればかりを考えて]
……は、ぁ。
み、るな、クソ、
ちがう、こ、こんなの、わたしは……。
[こんな筈じゃ無かったのに。
涙に濡れる声でそう言って、また顔を覆う。
こんな事の為に顔を取り戻したわけではない。こんな歪んだ感情をぶつけられる為に、焦がれていたわけじゃあない。
消えない傷を押し付けられて、抗う隙も無いくらい絶望させられて。それで済ませれば良いのに、今尚傍らに居ようとする彼から、どうすれば逃げられるのだろう。
……そればかり考えるのに、結局答えを出す事は出来なかった]
【人】 青い鳥 デメテルーゔっ、うぅっ… (24) 2014/07/04(Fri) 01時半頃 |
【人】 水商売 ローズマリー[呼び止められる声>>23に彼女はきつく目を閉じ駆け出す。得体の知れない恐怖、罪悪感、自責の念、よく解らないネガティブなものが頭の中を支配していた。 (25) 2014/07/04(Fri) 01時半頃 |
【人】 水商売 ローズマリーレティーシャ…? (26) 2014/07/04(Fri) 01時半頃 |
あっ、プリンも美味しそうだね…!
なんだか宝石箱みたいーーひっ⁉︎
[話している途中に自らの名前を呼ばれて、声のする方に視線を向ければ見覚えのある猫耳
え、……うん、実はねぇ。
[言うタイミング逃しちゃって、と頬を掻くと再会出来た喜びから満面の笑みを浮かべて。彼と同じ転院先で再会出来たこと、珍しく会計をツケにしないこと、目は回復しているのかなど、嬉しい気持ちに気になること、彼に話したいことがたくさん頭に浮かぶ。その中でまず一つを選ぶと彼に投げかけた。]
ーーそれにしても、折角の再会なんだだもん、もっと驚いても良かったんだよ?
[転院することを言っていない上での再会だったからもう少し驚くかと思ったのに、と頬を膨らませて見せる。もちろん、本当に怒っているわけではなくて、すぐに悪戯っこのように声を出して笑って再会を喜んで。
彼に促されパフェと葡萄酒、それから着物の少女のプリンというアンバランスな注文をすると、会ってそれほど日の経たない青年に奢ってもらうのはなんだか申し訳なく思って財布を取り出した。]
【人】 少年探偵団 ガーディ[殆ど意識もせずに漏らした言葉を、その意味を、じわじわと頭が理解し始める。 (27) 2014/07/04(Fri) 02時頃 |
【人】 少年探偵団 ガーディ気のせいでしょ、 (28) 2014/07/04(Fri) 02時頃 |
【人】 童話作家 ネル[押し退けようと小さな抵抗を示す細い腕>>24には気付いたけれど、離すつもりは毛頭無く。か弱い力が、少女の衰弱を物語っているようで、不安は煽られる。 (29) 2014/07/04(Fri) 02時半頃 |
[向けられる眼差しに、僅かに不服そうにピクリと眉を持ち上げる。
――嗚呼、その瞳は気に食わない。そんな虚ろで濁った瞳は…感情の無い瞳は気に食わない。
恐怖も嫌悪も滲まないそんな瞳なんて。きちんと映してくれなければ――"意味がない"のに]
…どうしました、大丈夫ですか。
[微かな苛立ちのままに、抉った傷へと触れてやれば堪らず嘔吐くその様に、ようやく嗤う。
それでも言葉に載せるのは、さも心配しているような一言――"あぁ、満たされますね"なんて、心の中では思っているけども。
押し退ける手をそっと払いながら、まるで介抱でもするように背中をさすってやれば、その体は果たして震えてくらいはくれただろうか。
ひとしきり吐き終えた彼を見つめ、微かに嘔吐物の散った白衣を脱ぐ。
見るな、見るなと呟きながら顔を覆い、嗚咽を漏らす彼
そこへ脱いだ白衣をパサリと被せて立ち上がり、彼の涙で濡れた頬へと手を伸ばしながら]
口を濯ぎましょう。立てますか?
[告げる声は優しく、穏やかに。そしてたっぷりの憂慮の色を乗せて。
絶望に咽ぶその顔へと触れる手には、一欠片の悪意すらも乗せぬままに]
["こんな筈じゃなかった"
小さく聞こえたその声に強まる笑みには、彼はきっと気付かなかったに違いない。
微かに昂る感情に小さく息を吐きながら、医者は顔を覆う彼のを取り、両手でもってその涙で汚れた顔へと触れただろう――彼に振り払う事が出来なければ]
――あぁ、でもやっぱりこっちの方がいいですね。
笑顔よりもずっと、こっちの方が。
[まっすぐに相手の瞳を見つめながら、さも嬉しそうな声でそう言ってやる。
笑顔よりも、泣き顔の方が。きっと感情が分かりやすいと、そう告げた言葉を裏付けるような――甘美な泣き顔。
そうして触れる事が叶っていてもいなくとも、医者はそっと、その頭を抱き寄せただろう。彼はそれを、拒絶したかもしれないけれど。
自分に縛られ、支配され。恐怖と絶望を植え付けられても尚、逃げる事も許されず。
只々、一人咽ぶだけの存在に、底知れぬ愛おしさすらも感じながら。
――自分のこの歪みに歪んだ愛憎の念は、彼には到底理解出来ないものなのだと。そんな事は――とうに知っている]
【人】 奏者 セシル[目は逸らしたまま、ゆっくりと引いていく手>>27を横目で見送りながら。 (30) 2014/07/04(Fri) 03時半頃 |
【人】 奏者 セシル[ぽつりと落とした自分の懸念に、気のせいだ、などと言われたところで。>>28 (31) 2014/07/04(Fri) 03時半頃 |
【人】 水商売 ローズマリー[大量に投入した薬が体に廻る。ぐにゃりと歪んだ世界は治まったけれど。今度は体が重い。薬効が脳を刺激する。彼女は壁に肩を押し付け、立ち上がり移動する] (32) 2014/07/04(Fri) 04時半頃 |
【人】 水商売 ローズマリー―中庭 (33) 2014/07/04(Fri) 06時頃 |
[驚いても良かったんだよ?と言う少女に困ったように笑う。ヤニクとディーンの事で驚く暇が無かっただとか、八つ当たりのように忘れたくて話しに行ったから驚くほどでもなかったとかは言うべきではないだろう]
ニハハ、驚いたよー?だからこっそり、今度は僕が驚かそうと思ってね
[ヘラリ、といつものように笑ったが2人の反応はどうだっただろうか。おばちゃんからトレイいっぱいのデザートを受け取ると適当な席を見つけて座った]
それにしても、みんなこっちに来てるんだね。キリシマ先生が院長の紹介だからかな
[偶然と呼ぶべきか、これもあのやせ細った医者の故意的な物なのかは今はどうでも良かった。2人共ここに居ると言う事は治る見込みがあっての事だろう]
あれから、病気で何か変化あった?
[汚物を隠す様に被せられた白衣に視線を向けて、気遣いのつもりだろうか、なんて考えてみる。けれどこれまでの彼を見るに到底そうは思えなくて、すぐにその考えも消えてしまった。
頬に伸ばされた手と穏やかな声音には小さく目を細める。
――今更優しくしたところで、何になるというのだろう。もう、全て壊れてしまっているのに。
それこそ、あちらの病院に居た頃……傷を抉られる前であれば、絆されもしたかもしれないが。事此処に至っては、ただざわざわと不信感を煽るだけだ。
立てるか
――なに、
[今更頬に触れられたぐらいでは、もう振り払う気力も湧かなくて。けれど包む様に触れてくる両手に、僅かに戸惑いの色を見せる。
何度言っても差し伸べられる手は、妙にあたたかく感じられて、それがまた不快なのだと、彼は気付いていないだろう。気付いたらより触れようとするだろうから、決して言ってはやらないが]
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