204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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衝動が起こったら、掛かってこいよ。 力尽くで止めてやる。
[フィリップをじっと見据えて]
俺は、そう簡単にはやられてやらねーから 覚悟しやがれ。
[にっ、と口の端を吊り上げて不安感じさせぬ笑みを形作る。*]
(379) 2014/11/20(Thu) 14時半頃
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[息詰まるような音色がフランシスのくちびるから漏れ聞こえる。 透明な声音を好ましく思えばこそ ピアノをこの指で奏でるように フランシスに触れてうたわせるはきっと心地よいだろう。 ひとかけものか分からぬ部分でそんな事を考える。
音たてぬ言葉>>384は白眺めるドナルドに届かない。 けれどそれは当人も自覚する本質のひとつ。
舌先には触れた肌の味が仄かに残る。 唾液を交え転がしてコクと咽喉が上下して。 もっと味わいたいと欲が擡げる。
欲紛らわせる術も理解している。 口で、とフランシスが言ったように 肉欲で昇華させるならば相手は誰でも問題ない。 むしろ、絆されすぎぬ相手の方がそれには都合よくも思える。]
(395) 2014/11/20(Thu) 15時半頃
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[フランシスがフィリップに言葉向けるに耳を傾ける。 彼には彼の考えがある。 無茶はしてほしくはないけれど無闇に口は挟まずに。]
――……ン?
[ラルフも同じ、とフランシスが言えば>>388 きょとと不思議そうに瞬いた。 傷を負ったラルフを危険と認識できてはいない。 身内ゆえの欲目もあったかもしれないが 彼を傷つけた者を危険視する意識のほうが強く いまいちピンとこないように首を捻る。]
(396) 2014/11/20(Thu) 15時半頃
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[続けられる話>>390を聞いていたドナルドの表情が次第に翳り]
フィリップとラルフが、先祖返り? 遠吠え、……ああ、だから、 悲鳴聞こえる前に、動けた、か。
[その情報に納得できる場面が過ぎり、なるほど、と頷く。]
気付かなかったのは俺も、だし。 何もなければ気付かれたくもなかっただろ。
[ぽつ、と零してラルフを見遣る。]
(397) 2014/11/20(Thu) 15時半頃
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[――“先祖返り” きっかけあれば同じものになる可能性をもちながらそれには気付かず、 この腹の奥底にある澱みを血族が抱えるものと同じと思っている。 昔の事があるから箍が外れやすい、それだけを認識して。
再び、窓の外へと目を向ける。 他の色を白が飲み込み染めつくす。
己の中の醜い澱みも雪ならば染めてくれるだろうか。 そんな詰まらぬことを考えて、自嘲の笑みを口許に湛えた。**]
(399) 2014/11/20(Thu) 16時半頃
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―― 三階/個室 ――
[自重的な笑みがふっと消える。 ガラス越しに見える雪から隻眼はフランシスへ移ろう。 震え上擦る音色にぞくりとした。 誘われるような思いを懐く。 再び寄せられた額の意味は――。
考えてはいけない。 けれど知りたい。
相反する思いに絡め取られる。]
(414) 2014/11/20(Thu) 20時頃
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[ラルフの目覚めにほっと安堵の色が浮かぶ。]
……おはよ、ラルフ。 っと、安静にしてろよ。
[咳き込む音に焦るように言葉付けたし]
(416) 2014/11/20(Thu) 20時半頃
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ドナルドは、フィリップとラルフが名を呼び合うを聞いて、大丈夫の言葉>>422に困ったように眉を下げる。
2014/11/20(Thu) 20時半頃
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――…なァ。
[誰にともなく呼び掛ける音。]
先祖返りなら、さ。 ひとの血肉が栄養になったりする?
ラルフの怪我、はやく治ったりとか、あるのか?
[遠い昔ばなしのような血族に伝わる話を思い出し それが可能ならば差し出す事も前提にある問いかけを この部屋にいるフィリップ、ラルフ、フランシスの三人に。]
(426) 2014/11/20(Thu) 20時半頃
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[ラルフの応えに、ひとつ頷く。]
わかんねぇか。 じゃ、可能性はあるわけだ。
――…俺で試してみっか? あんま、量はやれねぇけど。
[寝台にいるラルフへと歩み寄る。]
(431) 2014/11/20(Thu) 20時半頃
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――…俺は、な。 ラルフが元気になる可能性が少しでもあるなら それを試してみる価値、あると思うンだわ。
[ラルフの尋ね>>433に、 にっと口の端を上げて笑う。 悪戯な子供のころのような顔。
伸びるラルフの手を己の手で支える。 寝台の縁に片膝のせて身を寄せれば その重さに、ギシリとそれが鳴った。]
(437) 2014/11/20(Thu) 21時頃
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[止めるフィリップの声>>439に怪訝そうな顔。]
力尽くで止めればいいだろ。 ラルフが抑えきれなくなっても 止めるのは俺だけじゃねぇんだし。 フィリップも、フランシスも、此処にいるだろ。
[ひとりの力で何とかならずとも 彼らがいればなんとかなるという信頼をみせ。]
(443) 2014/11/20(Thu) 21時頃
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痛いのは覚悟してるって。 でもさ、ラルフも今すっげぇ痛そうだし。
[フランシスの制止の言葉>>440にも 相変わらずの様子。 目の時より痛いだろうかとぼんやり思いながら。]
(446) 2014/11/20(Thu) 21時頃
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ドナルドは、ベネットとフィリップの必死さがわからぬのは喰われかけた事がないせいかもしれず。
2014/11/20(Thu) 21時頃
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[ラルフへと差し出すは左手。 袖口からあらわになる腕に彼のくちびる触れれば 微かに肌が震える。]
――…神経まではいってくれるなよ。 でなきゃ仕事、できなくなるし、さ。
難しいなら他でも構わない。
[利き手は彼の頭へと伸ばして 撫でてあやそうとする動き。]
(452) 2014/11/20(Thu) 21時頃
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[フィリップの言葉>>448にきょとと瞬く。 ラルフの眸を覗き]
ああ言ってるけど、 ラルフは、如何したい?
フィリップと同じを背負う気は?
[フランシスの声>>451が聞こえる。 捕まれる身体、ちらと視線が一度そちらに向けられ]
だってさ、 ラルフはフィリップと離れたくないンだろ? でもラルフの怪我がなおんねぇと山下りられない。 なら、さ、怪我はやくなおす方法探すしかねぇじゃん。
(454) 2014/11/20(Thu) 21時頃
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[ラルフの舌の感触にドナルドの喉が震える。 音として漏れ掛けるを飲みこみ柳眉を寄せ堪える。]
ラルフがそれを選んだなら 俺はそれを尊重するよ。
お前さんの好きにしろ。
[くしゃりとその髪を撫でて 右手はラルフの項に添えて]
(459) 2014/11/20(Thu) 21時半頃
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[フィリップの眩暈には気付けないけど やだ、と紡ぐ声は聞こえる。]
フィリップがラルフが苦しむのやだって思うように、 ラルフだってお前さんの苦しみをやだって思うンだろうよ。 ラルフも優しい子だからなァ。
[少しばかりお兄ちゃん風ふかせて。]
その苦しみ、 分かりたい、って、思うかなー、って。
[なァ、とラルフに尋ねるような音色向ける。]
(463) 2014/11/20(Thu) 21時半頃
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――…今更、だろ?
[ずるい、というフランシスに口の端をあげる。]
ずるい俺は嫌い?
[ちら、と視線のみ彼へと向けて]
(468) 2014/11/20(Thu) 21時半頃
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[あたたかくぬめる舌から硬い歯の感触が肌に触れる。 突き立てられたそれが皮膚を裂く感覚にぐっと拳を握りしめた。]
――…ン、っ。
[溢れ出る血は色濃く滋養に満ちたもの。 傷口を舐めるその感触にぞくりと背筋に奔るは――。 悩ましげに眉を寄せてその様子を見詰めながら痛みに耐える。]
(470) 2014/11/20(Thu) 21時半頃
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[あの時ほどの痛みではない。 腕の傷が熱もつのを感じながら息を詰める。 加減されるように急速に奪われるでなく ゆるやかに与えるような心地だった。]
――…ラルフの痛みが、 少しでも減ればいい。 はやく、治れ。 元気に、なってくれ、よ。
[ラルフの項に宛がう手で 彼の髪を再び撫でてあやすように言い遣り]
(475) 2014/11/20(Thu) 22時頃
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[フランシスが首振る気配にそっと笑う。 優しい彼のことだから嫌いとは言わない。 そんなずるい思いも見透かせばいいと思いながら]
――…フランシス、 心配ばかりかけてごめんな。
[我儘の為に彼に心配かけていることを謝り]
ラルフ、そろそろ足りる、か? あんま舐められると変な気分になってくる。 それ以上すっと、襲うぞ?
[眉を寄せたまま、にんまりと悪戯に笑い、ラルフを止める言葉。 傷口から溢れる血の量は徐々に減ってきていた。]
(478) 2014/11/20(Thu) 22時頃
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――…これでも自重してるンだけど?
[クツリと喉を鳴らしフランシスの声に笑う。 自重せねば既に襲うを実行していたかもしれぬ保護者に。 服を掴み、背を叩くは彼にしては珍しい行い。 少しだけ愉しげに笑う。]
(485) 2014/11/20(Thu) 22時頃
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[潤む琥珀に隻眼が細まる。 零される吐息の音色にやはり笑みを湛えて]
よし、いい子だな。 後はなるだけゆっくり休んで――…
[腕から離れたくちびるに残る己の赤を 傷塞がりつつある左手の、親指の腹で軽く拭い 髪撫でた手は柔く項を掠めて、身を離す。 ギシリ、と、また寝台がなり、下す片膝。]
(487) 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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― 少し前の居間でのこと ―
[名を呼んだ後、ディーンはしばらく気配のした方を見ていた。
一瞬目が合いそうになったのを逃げるように逸らして、屈みこむ背中をじっと見つめて、もう一度、彼が振り返った時は確かに、目が合った。]
――……シメオン。
[ディーンはもう一度呟く。
確かに彼はこちらを見ていた。
ニコラにさえ見えないこの姿を、確かに見ていた。
それは、彼が自分と同じ状態であるということを表している。
つまり、彼の命もまた、潰えたのだ。]
[ディーンは、ニコラの金の髪に視線を落とす。
彼の幸せを願っていた。それを一緒に探すことは出来なくとも、幸せになって欲しいと願っていた。
彼と共に旅をするきっかけになったのは、彼が右脚を食われたことだ。彼の右脚を食べたのは、ディーンのいた旅芸人の一座の一人だった。
足が上手く動かなくなった彼の面倒を、誰かが責任を持って見る必要がある。そうして白羽の矢が立ったのは、彼の遠い親戚でもあるディーンだった。
日常的に触れ合っていたほど近しいわけでもなく完全に無縁とも言えない遠い親戚という関係性は、周囲の大人たちにとっては都合の良い理由になった。
共通点といえるのは、せいぜい金の髪の色ぐらいのものだ。
しかしそれでも、シメオンと初めて会った時、ディーンは彼が自分の太陽だと思ったのだ。
彼が、我慢の上に成り立っている暗い道を照らす光だと。
しかし、ディーンの太陽は他にあった。
今ならば分かる。自分はただ、縋るものが欲しかっただけだ。
だからこそ、子供である彼を太陽だと思った。思おうとした。]
[いうなれば彼は、我儘の犠牲者だった。
最低限の接触以外を避け、まるで神聖なもののように扱って、結果的に彼に寂しさを植え付けた。
そうして最後には彼の為だと詭弁を使って彼を捨て、自分だけが楽になろうとした。
それは、許されざる罪のように、ディーンには思えた。]
…………。
[唯一、醜い自分を受け入れてくれたニコラの髪に触れる。
一房抓んで、唇を落とした。それは祈りの代わりだった。
全てをニコラに差し出した。
しかし、今残っているこの、ひとかけらは。
彼に差し出そうとも差し出せない、今の自分は。
最後の機会、なのではないか?]
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[ラルフの声>>495が甘く聞こえる。 二人きりならばそのまま戯れる事も有り得るほどに 誘われる心地がした、けれど。 望まぬ事をする心算はなく、ふ、と笑うにとどめた。
フランシスの尋ね>>493聞けばそちらを振り向く。 じとりとした眼差しに困ったように眉を下げた。 背中に奔る甘い痛みに喉を鳴らして]
本当だって。
[拗ねたような声音は少しだけ幼く感じられた。 ゆるとフランシスへと向き直り]
いや、珍しいなーと思って。 俺の為に必死になってくれンのが ちょっとうれしかった。
(498) 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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ニコラ。少し、行ってくる。
……必ず、君の元に帰るから
――少しだけ……許して欲しい。
[ディーンにとっての唯一は、ニコラを置いて他には無い。
今、彼に声が届かないことは分かっている。
分かっていても、そう言い置いて居間から階下へと向かうニコラの側を一時離れて、シメオンの去った方向へ向かう。]
――……シメオン!
[そうして、一際大きな声で、名前を呼んだ。]
[階段を上る。
薄暗い扉が並ぶ廊下。
空っぽの部屋の前で立ち止まった。
扉に手をかけて――触れられはしなかったけれど――そのまま、立ち止まった。
どうしようかな、と首を傾げて、
何故此処に入ろうとしたのだっけ、とまた考えた]
………え?
["名前"が聞こえた。
よく知っているような、けれど何故だか馴染みの薄い名前。
二人旅、元々言葉少なな彼との道行きで
名を呼ばれることはそう多くはなかったから――]
[ノブを回さずにそのまま扉を押すと――"開いた"
中に入り、後ろ手に閉める。
いつかとは違い、そのまま部屋の中へ進み、寝台に腰掛けた]
なんだったかな…
[聞こえた名前。呼ばれた、名前。
覚えているのに、忘れてしまった。
――もう呼ぶ人なんて、いないと思ったのに。
覚えている想い、靄のかかる記憶。
足を組んで、右足を擦って
息を吐いても、もう白くはなかった]
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